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六話
レム睡眠
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***
それから三日が経った。幸か不幸か幻獣が襲われる事件はぱたりと止んでしまい、ソルの地下室隔離は続いていた。店の営業を続けつつできる限り俺たちで調べてみたが手がかりは得られていない。
「はあ…」
誰もいないカウンターでため息をつく。朝起きてすぐの仕込みも完了したし掃除も終わった(フィンは買い出しに行ってくれてる)。ぼーっとベニクラゲの水槽を眺めてると
チリリーン
「よっ、ライ。金の取り立てにきたぜー」
猟師が手を振りながら現れる。この流れも三日もやってると慣れてきた。俺はカウンターから封筒を取り出す。
「ほら」
「やれやれ、からかいがいのない反応だぜ」
「そっちはどうなんだ?進展はあったのか」
「ねえなあ。怪しいポイントを張ってみてるが幻獣が現れる気配はない。ターゲットは今まで一、二日おきで襲撃を繰り返していた。つまり三日何も起きてないってことは…もう確実だろ?」
カウンターに乗り出して「さっさと諦めて引き渡しな」と持ちかけてくる。俺はそれを無言で応えた。
「ったく。頑固だねえ」
猟師はそれ以上は何も言わず店から出ていく。俺は猟師が見えなくなった後もしばらく睨み付けていた。
「はあ…」
時計を見る。そろそろソルの朝食の時間だ。俺は張り切って作った食事をタッパーにつめて地下室へと向かった。
「ソルー起きてるかー…?」
地下室の扉を開けると、モソモソと動く気配がした。どうやら脱出せず朝を迎えてくれたらしい。少しホッとする。
「あーあ…こりゃすげえな…ちょっと待ってろ」
昨晩も狼男になって暴れていたらしい。地下室がすごいことになっていた。俺はそれを片付けつつ飲み水を追加した。その間もソルはジーッと顔だけ上げてこちらを見ていた。
「ソル、大丈夫か?」
グルルルルッ
警戒するように唸ってくる。体は狼化してないが狼の癖が出てしまってる。
(ソルのやつ、段々人間と狼の境目がなくなってきてるのか…)
俺は膝をついた後タッパーの中身が見えるように傾けた。
「ほら。朝ご飯。食べるだろ?」
「…いい」
「え?」
「食欲ねえ…」
興味が失せたというように背を向けてくる。昨日まではなんとか食べてくれていたが今日は一段と元気がない。
(調子悪そうだな…)
目の下のクマが黒すぎて墨を塗ってるみたいだ。この三日見ていたがソルは一日を通してほとんど眠れてない。狼になって暴れてる時は地下室の外にも聞こえるぐらいすごい音を立てて走ってるし、それ以外の時間も横になってるだけで眠れてない。グレイが睡眠薬を買ってきたが狼男になるだけで寝れるわけではなかった。
「ソル…食べないと弱っちまうぞ」
デザートのフルーツサンドも見せるがソルは反応しない。本当に食欲がないらしい。この調子だとお粥を持ってきても同じ反応をされそうだ。
(どうする…このまま一旦出るか?)
しつこくしてもストレスだろう。俺は地下室を見回して立ち上がった。その時とある機械に目が留まる。そうだ。
ガサガサ
機械を手前に持ってくる。近くに机があったのでそこにのせてみた。
「えっと…延長コードもあるはず…」
俺がゴソゴソしてると後ろで動く気配がした。ソルが体を起こしたのだろう。
「おい、ライ…何してやがる」
「ん。いや、パソコン立ち上げてみようと思ってさ…うわっ!?」
背中に体当たりされ前に倒れ込む。腰をさすりながら体を起こせば、背中に乗っかったソルが興味津々と言う感じでパソコンを見つめている。
「んだよ!!古臭いパソコンだと思ったらオレが買った奴じゃねえか!やっぱ残ってやがったか!!」
「なっ…?!これソルのだったのか??」
「おい!!んなのどうでもいいから腕外せ!それ壊れてんだろ??オレが直してやる!!オレにやらせろお!!」
ソルが両手の拘束を外せと騒ぎ始めた。パソコンで釣る作戦は成功したが逆に食い付きがよすぎて困るぐらいだ。
(まあ、いいか)
せっかく起きる気になってくれたのだ。少しぐらいいいだろう。
カチャカチャ
念のため左手を机と繋いでおく。不服そうだがソルはそれでもパソコンに触りたいらしい。ジッと大人しくしていた。
「ほら」
「おっしゃー!!」
自由になった右手を突き上げ、次の瞬間テキパキと動かし始めた。パソコンを触って確認する。
「おいライ!あの箱持ってこい!」
「はいはい」
「そっちのコードと配線のやつもなあ!」
「はあ。俺は召使いじゃねえんだぞ」
文句を言いつつ従ってやった。すると五分もせずにパソコンの電源がつくようになる。口は悪いが腕は確かなようだ。
「はは!オレにかかればこんなもんよ!!」
「おーすげえー」
「惚れてもいいぜ~?」
「ないない」
俺のげんなり顔に笑いつつカタカタとキーボードを打ち込んでいく。その速度は見た事がないほど早い。流石、ブラインドタッチもお手の物だ。
カタカタカタカタ
俺は他にやることもないしソルが楽しそうにパソコンをいじってるのを横で眺めた。しばらくするとソルの腹がぐうぐう鳴り出す。パソコンで頭を使った事で体が空腹を思い出したらしい。
「食うか?」
タッパーを差し出せば、ソルはあーと大きく口を開けた。食べさせろと言ってるらしい。
「いや、今右手使えるだろ。自分で食えよ」
「ああ!うるせ!時間が惜しいんだよ!」
「はあー?…ったく…」
呆れつつ口に運んでいく。数分もせずタッパーが空になる。
(よかった、食べてくれたな)
ホッとしてるとカタンと強めのキーボードの音がして顔を上げた。
「お、これだこれ」
何かのファイルがあった。名前は「新規ファイル」のままで中身が分からない。嫌な予感がする。
(エロ系じゃないだろうな…)
また性欲が刺激されて襲われたら困る。後退りかけたところでソルがニヤリと笑ってこちらを見た。
「まあまあ、怯えんなって」
「怯えてねえよ。警戒してんだ。誰かさんに三日前襲われたからな」
「くくっそりゃご愁傷さま」
ちょっとは反省しろよと足首を蹴りつければ、少しだけ呻いた後ファイルをクリックする。
カチカチ
パソコン画面に何枚かの写真が表示される。グレイの仕事用写真だったり、私用と思われる写真が並んでいた。その中にはソルが映ってるものもある。
(若いな)
更に刺々しそうなソルだった。横にいるグレイは今日と全く変わらない姿でソルとの時間の流れの違いを感じた。こう見るとやはり幻獣と人間は別の存在なのだと思い知らされる。
『だって人間と幻獣だし価値観は永遠に平行線だから』
グレイの呟きが脳内で木霊する。価値観もそうだが時間の速度も人間と幻獣では異なるのだ。今俺とフィンは同じ年齢ぐらいの見た目で並ぶことができているが十年、二十年と時が経つと俺だけが老いていくことになる。
(平行線…か)
「チッ」
何を思ったのかソルはフォルダ内の写真を一括消去してしまう。
「あ!おい!なんで消し…!」
「決まってんだろ!!これ消すのが目的だったからだ!デジタルタトゥーになりうる素材は消しとかねえと安心して死ねねえよ」
「死ぬって何弱気なこと言ってんだ。てか、なんで店にソルの写真があるんだ?」
「はあー?グレイに聞いてねえのかよ。オレは三年前この店に住んでたんだぜ?パソコンも写真もそりゃ置いてあるだろうが」
「まっ…じか…」
聞いてないぞグレイ!と内心叫んでいた。セフレなのに同居ってどういうことだ。訳ありって言葉では収まらない関係だろ、完全に。
「ちなみにこの服もオレのだからな」
フィンが自分の体を指差す。何かのキャラクターが描かれたTシャツで俺やフィンが何度も着ていた服だ。
(そういやグレイが前の同居人がとか言ってたな…)
ソルのものだったのかと納得する。
「はー!久しぶりにブルーライト浴びたわ!きもちーぜ」
ソルはキーボードから手を離して伸びをした。満足したらしい。
「ブルーライト好きな奴初めて見た」
「ははっわかってねえな!この不健康な感じがいいんじゃねえか!っと…」
ガバッと起き上がろうとしてバランスを崩す。目眩がしたらしい。慌てて上半身を受け止める。
「大丈夫か」
「はー…くそっ、もう限界かあ、この体も」
「いや、少しふらついただけだろ」
「てめえにわかるかよ。眠れねえと体と共に精神も削れてきやがる。体はまだ持つかもしんねえが…精神はもうもたねえよ」
「もたねえって…何言ってんだ…」
冗談でも止めろよと睨み付ければ、ソルは呆れたように肩をすくめて見せた。
「ライ、てめえはほんとクソウゼえ奴だぜ」
「はあ??」
「こんな風に…世話されたり心配されんの初めてだ。金も血の繋がりもねえ。しかも二度も襲った相手だぜ。どうして世話を焼く?意味わかんねえよ」
「それは…」
話してみたら普通の人間だったし、突然幻獣の世界に巻き込まれた姿が自分と重なったってのも大きい。幻獣の世界で人間はとても弱い立場だ。
「俺はあんたに生きていてほしい。同じ人間としてそう思っただけだ」
「はー!惚れるぜ。イケメンなのは顔だけにしろよな」
「茶化すな」
「茶化してねえよ。大真面目だっつの」
ソルが自由な方の手で頬に触れてくる。尻尾も耳も出てない。人間のままでだ。なんだよ、と睨み付ければソルが目を細めてくる。
「なあやっぱり抱かせろよ。死ぬ前にてめえとやりてえ」
「はあ??!前は触るだけって…願望増えてんじゃねえか!てか死ぬ前とか縁起でもないこと言うな!」
「正気が残ってるうちにやっときたいんだよ。なあ、一生の願いっつってもダメなのか?」
「………グレイとじゃなくていいのかよ」
「グレイとはそういうんじゃねえし、寂しさを埋め当ってただけだ。てめえを抱きたい気持ちとは違う」
ソルが真剣な顔で見つめてくる。茶化してるわけじゃない。それだけはわかった。数秒見つめあった後、俺は拳を握りしめ頭をふった。
「一生の願いとかふざけるな。俺が絶対元に戻してみせるから諦めんじゃねえ」
「…チッ」
ソルの誘うような視線をかわして立ち上がる。俺はそのまま地下室を出た。行き先はすでに決めていた。
***
13時10分。指定された時間になった。俺は時計を確認しつつ周囲を確認した。俺が今いる場所は何の変哲もない漫画喫茶の一室だった。
がちゃり
「まさかこんなに早く連絡が来るとは思わなかったぞ、国枝雷」
「!!…その名前…俺の事を調べたのか」
「わかる範囲だがな」
情報屋だった。前回と同じく奇抜なファッションセンスが目を引く。
すっ
情報屋はテーブルを挟んで斜め横に腰掛ける。荷物はiPadのみでずっと何かを入力していた。時々俺の方を見ては上から下に舐めるように観察してくる。
「国枝雷。その様子だと俺と談笑しに来たわけじゃなさそうだな」
「ああ、知りたい情報があるんだ」
「…言ってみろ」
俺はソルが疑われてる事や、狼憑きの事を話した。黙って聞いていた情報屋はiPadを裏返してテーブルに置く。
「粗方把握した。だが情報を渡す前に支払いの話が先だ。俺の情報はタダではない。相応の支払いを求めるがいいか?」
「わかってる。いくら渡せばいいんだ」
「金の代わりにあんたの情報がほしい」
「俺の?調べたんじゃないのか」
「わかる範囲でだけだ。まだまだ足りない」
「俺の話なんて大した儲けに繋がらないと思うが…」
「それは買い手が決める事だ」
「そ、そうか…」
まあ金を払わずに話が聞けるなら俺としてはありがたいし文句はない。
「ただし情報提供に拒否権はない。俺の質問には全て答えてもらう。それでもいいなら持ってる情報を伝えよう」
「…わかった、答える。だから教えてくれ」
俺の言葉に情報屋が初めて笑みを浮かべた。ほくそ笑むぐらいの感じだったが。それが良い意味なのか悪い意味なのかはわからない。
「さて。まず狼憑きについて話そう。結論として狼憑きは解除できない。対象者が死ぬまで狼の魂は憑き続ける。これは過去の例から断言できる」
「そんな…」
コトン
情報屋が飲み物が入ったコップを俺たちの間に置く。
「このコップのようなものだ。コップと中身の水は別々では意味がない。セットになることで飲用水として機能する。人間の体と魂も同じで、体と魂がセットになる事でやっと形を保持する。そして逆にそれが縛りともなる。狼憑きが発動した時点で狼の体は殺されていてほとんどの場合火葬もされている。行き場を失った狼の魂は憑いた体から出られなくなり、直に殺された怨念で凶暴化していく。宿り主の体さえ蝕んでいくほどにな」
「憑かれた方も狼も被害者って訳か…報われねえな」
「ああ。狼憑きの儀式は相当な殺意がなければ行われない。狼を探して殺す手間もあるし儀式の代償も大きい。赤の他人を殺す手段としてはデメリットが多すぎる」
「つまり、ソルの知り合いがやったってことか」
「もしくはソルジと言う人物を一方的に知ってる人物だな。ちなみに狼の魂を無理やり引き剥がそうとすれば廃人になるぞ」
俺が思い付きかけた事をズバリ言い当てられ、うっと顔をしかめていると情報屋が口の端を歪めるようにして笑った。
「じゃあ…ソルを眠らすにはどうしたらいいか知らないか?」
「狼憑きが安定的に眠る方法は確立されてない。狼憑きの生存率が1%にも満たないのもその為だ。多くが憑かれた一か月程度で死に至る。死に方は自死やショック死様々だが、その多くが最終的に狼に自我を乗っ取られ死亡している」
「自我を乗っ取られる…」
ソルが弱気になってるだけと思いたかったが「生存率1%以下」という数字を出され焦りが強くなる。
「狼憑きの睡眠についてはこのレポートに興味深い事が書かれていた」
そう言ってiPadを操作する。何かのページが表示された。狼男の挿絵がかかれた外国語のレポートだった。
「国枝雷。レム睡眠という言葉を知っているか」
「えっと…深く眠ってる状態とかそういう意味だっけ?」
「そうだな。ノンレム睡眠とレム睡眠がある。ノンレム睡眠は肉体と脳どちらもが休んでいて深い睡眠に入ってる状態だ。逆にレム睡眠は脳内の整理が行われており体だけ睡眠してる状態。諸説あるが、夢を見るのはレム睡眠時と言われている」
「なるほど…寝てる間に頭がオンになったりオフったりしてんのか」
「そういう事だ。脳だけ覚醒しているレム睡眠の時に狼が目覚めて、肉体の主導権が切り替わっているのではないかとこのレポートには書かれている」
「つ、つまり??」
「理論上だが、レム睡眠をなくせばソルジという男も睡眠をとれるようになるのではないかと言っている」
「おおおお!」
希望が見えてきた。と思ったが情報屋の表情は固いままだった。
「理屈がわかっても解決できるかは別だ。そもそも脳内の処理を本人の意思や外部の干渉でどうこうする事はできない。一時的な処置としてスタンガンや殴打によって無理矢理脳の処理を途切れさせ…眠らせる事はできる。しかし体は休まっていないし、そんな事を続けていたらいつか致命的なダメージを負うだろう。現実的な方法とは言えない」
「…だから確立されてないって言ったのか…くそっ、ここまでわかってんのに助けられねえのかよ!」
(いや、でも待てよ…夢、脳内の処理、レム睡眠…ってことは…)
俺が頭を抱える横で情報屋はコーヒーを飲み終えて一息ついた。iPadを閉じる。
「さて、情報は以上だ。次は国枝雷、あんたの情報を聞かせてもらうぞ」
「お、おう…わかった」
心ここにあらずと言った感じで情報屋の質問に答えていく。簡単なプロフィールからここにくるまでの成り行きまで色々だ。真人の話ももちろん聞かれた。
(この話も…何回目だろうな)
説明する機会が多いため話すのもうまくなってしまった。唯一フィンの事だけは伏せた。一応逃亡者なのだし情報屋に売ることはできない(もうバレてそうだけど)。
「なるほど。それで幻獣スナックに来たのか…興味深いな」
「俺の情報提供はこれで終わりでいいか?」
「いや、まだだ」
「まだあるのか。次はなんだよ」
「…脱げ」
「へ?」
今なんて言った??聞き間違いかと思いたかったが情報屋はしかめっ面のままもう一度言った。
「服を脱げ」
「は…?」
「聞こえてないのか?それとも拒否という意味の返答か?あんたに拒否権はないと言ったはずだが」
「いや聞こえてる…脱いで何か情報得られるのか…?」
「もちろんだ」
あまりにも当然に真顔で言うものだからそういうものかと思えてくる。
(どうりで漫画喫茶を指定してきたわけだ…)
ここで生娘のように照れて拒否するのも変だし従うことにした。なんだかんだ有益な情報は得られたわけだし。
ぱさっ
座ったまま上の服を脱いで横によけた。情報屋が眉を上げ驚くような顔をした。
それから三日が経った。幸か不幸か幻獣が襲われる事件はぱたりと止んでしまい、ソルの地下室隔離は続いていた。店の営業を続けつつできる限り俺たちで調べてみたが手がかりは得られていない。
「はあ…」
誰もいないカウンターでため息をつく。朝起きてすぐの仕込みも完了したし掃除も終わった(フィンは買い出しに行ってくれてる)。ぼーっとベニクラゲの水槽を眺めてると
チリリーン
「よっ、ライ。金の取り立てにきたぜー」
猟師が手を振りながら現れる。この流れも三日もやってると慣れてきた。俺はカウンターから封筒を取り出す。
「ほら」
「やれやれ、からかいがいのない反応だぜ」
「そっちはどうなんだ?進展はあったのか」
「ねえなあ。怪しいポイントを張ってみてるが幻獣が現れる気配はない。ターゲットは今まで一、二日おきで襲撃を繰り返していた。つまり三日何も起きてないってことは…もう確実だろ?」
カウンターに乗り出して「さっさと諦めて引き渡しな」と持ちかけてくる。俺はそれを無言で応えた。
「ったく。頑固だねえ」
猟師はそれ以上は何も言わず店から出ていく。俺は猟師が見えなくなった後もしばらく睨み付けていた。
「はあ…」
時計を見る。そろそろソルの朝食の時間だ。俺は張り切って作った食事をタッパーにつめて地下室へと向かった。
「ソルー起きてるかー…?」
地下室の扉を開けると、モソモソと動く気配がした。どうやら脱出せず朝を迎えてくれたらしい。少しホッとする。
「あーあ…こりゃすげえな…ちょっと待ってろ」
昨晩も狼男になって暴れていたらしい。地下室がすごいことになっていた。俺はそれを片付けつつ飲み水を追加した。その間もソルはジーッと顔だけ上げてこちらを見ていた。
「ソル、大丈夫か?」
グルルルルッ
警戒するように唸ってくる。体は狼化してないが狼の癖が出てしまってる。
(ソルのやつ、段々人間と狼の境目がなくなってきてるのか…)
俺は膝をついた後タッパーの中身が見えるように傾けた。
「ほら。朝ご飯。食べるだろ?」
「…いい」
「え?」
「食欲ねえ…」
興味が失せたというように背を向けてくる。昨日まではなんとか食べてくれていたが今日は一段と元気がない。
(調子悪そうだな…)
目の下のクマが黒すぎて墨を塗ってるみたいだ。この三日見ていたがソルは一日を通してほとんど眠れてない。狼になって暴れてる時は地下室の外にも聞こえるぐらいすごい音を立てて走ってるし、それ以外の時間も横になってるだけで眠れてない。グレイが睡眠薬を買ってきたが狼男になるだけで寝れるわけではなかった。
「ソル…食べないと弱っちまうぞ」
デザートのフルーツサンドも見せるがソルは反応しない。本当に食欲がないらしい。この調子だとお粥を持ってきても同じ反応をされそうだ。
(どうする…このまま一旦出るか?)
しつこくしてもストレスだろう。俺は地下室を見回して立ち上がった。その時とある機械に目が留まる。そうだ。
ガサガサ
機械を手前に持ってくる。近くに机があったのでそこにのせてみた。
「えっと…延長コードもあるはず…」
俺がゴソゴソしてると後ろで動く気配がした。ソルが体を起こしたのだろう。
「おい、ライ…何してやがる」
「ん。いや、パソコン立ち上げてみようと思ってさ…うわっ!?」
背中に体当たりされ前に倒れ込む。腰をさすりながら体を起こせば、背中に乗っかったソルが興味津々と言う感じでパソコンを見つめている。
「んだよ!!古臭いパソコンだと思ったらオレが買った奴じゃねえか!やっぱ残ってやがったか!!」
「なっ…?!これソルのだったのか??」
「おい!!んなのどうでもいいから腕外せ!それ壊れてんだろ??オレが直してやる!!オレにやらせろお!!」
ソルが両手の拘束を外せと騒ぎ始めた。パソコンで釣る作戦は成功したが逆に食い付きがよすぎて困るぐらいだ。
(まあ、いいか)
せっかく起きる気になってくれたのだ。少しぐらいいいだろう。
カチャカチャ
念のため左手を机と繋いでおく。不服そうだがソルはそれでもパソコンに触りたいらしい。ジッと大人しくしていた。
「ほら」
「おっしゃー!!」
自由になった右手を突き上げ、次の瞬間テキパキと動かし始めた。パソコンを触って確認する。
「おいライ!あの箱持ってこい!」
「はいはい」
「そっちのコードと配線のやつもなあ!」
「はあ。俺は召使いじゃねえんだぞ」
文句を言いつつ従ってやった。すると五分もせずにパソコンの電源がつくようになる。口は悪いが腕は確かなようだ。
「はは!オレにかかればこんなもんよ!!」
「おーすげえー」
「惚れてもいいぜ~?」
「ないない」
俺のげんなり顔に笑いつつカタカタとキーボードを打ち込んでいく。その速度は見た事がないほど早い。流石、ブラインドタッチもお手の物だ。
カタカタカタカタ
俺は他にやることもないしソルが楽しそうにパソコンをいじってるのを横で眺めた。しばらくするとソルの腹がぐうぐう鳴り出す。パソコンで頭を使った事で体が空腹を思い出したらしい。
「食うか?」
タッパーを差し出せば、ソルはあーと大きく口を開けた。食べさせろと言ってるらしい。
「いや、今右手使えるだろ。自分で食えよ」
「ああ!うるせ!時間が惜しいんだよ!」
「はあー?…ったく…」
呆れつつ口に運んでいく。数分もせずタッパーが空になる。
(よかった、食べてくれたな)
ホッとしてるとカタンと強めのキーボードの音がして顔を上げた。
「お、これだこれ」
何かのファイルがあった。名前は「新規ファイル」のままで中身が分からない。嫌な予感がする。
(エロ系じゃないだろうな…)
また性欲が刺激されて襲われたら困る。後退りかけたところでソルがニヤリと笑ってこちらを見た。
「まあまあ、怯えんなって」
「怯えてねえよ。警戒してんだ。誰かさんに三日前襲われたからな」
「くくっそりゃご愁傷さま」
ちょっとは反省しろよと足首を蹴りつければ、少しだけ呻いた後ファイルをクリックする。
カチカチ
パソコン画面に何枚かの写真が表示される。グレイの仕事用写真だったり、私用と思われる写真が並んでいた。その中にはソルが映ってるものもある。
(若いな)
更に刺々しそうなソルだった。横にいるグレイは今日と全く変わらない姿でソルとの時間の流れの違いを感じた。こう見るとやはり幻獣と人間は別の存在なのだと思い知らされる。
『だって人間と幻獣だし価値観は永遠に平行線だから』
グレイの呟きが脳内で木霊する。価値観もそうだが時間の速度も人間と幻獣では異なるのだ。今俺とフィンは同じ年齢ぐらいの見た目で並ぶことができているが十年、二十年と時が経つと俺だけが老いていくことになる。
(平行線…か)
「チッ」
何を思ったのかソルはフォルダ内の写真を一括消去してしまう。
「あ!おい!なんで消し…!」
「決まってんだろ!!これ消すのが目的だったからだ!デジタルタトゥーになりうる素材は消しとかねえと安心して死ねねえよ」
「死ぬって何弱気なこと言ってんだ。てか、なんで店にソルの写真があるんだ?」
「はあー?グレイに聞いてねえのかよ。オレは三年前この店に住んでたんだぜ?パソコンも写真もそりゃ置いてあるだろうが」
「まっ…じか…」
聞いてないぞグレイ!と内心叫んでいた。セフレなのに同居ってどういうことだ。訳ありって言葉では収まらない関係だろ、完全に。
「ちなみにこの服もオレのだからな」
フィンが自分の体を指差す。何かのキャラクターが描かれたTシャツで俺やフィンが何度も着ていた服だ。
(そういやグレイが前の同居人がとか言ってたな…)
ソルのものだったのかと納得する。
「はー!久しぶりにブルーライト浴びたわ!きもちーぜ」
ソルはキーボードから手を離して伸びをした。満足したらしい。
「ブルーライト好きな奴初めて見た」
「ははっわかってねえな!この不健康な感じがいいんじゃねえか!っと…」
ガバッと起き上がろうとしてバランスを崩す。目眩がしたらしい。慌てて上半身を受け止める。
「大丈夫か」
「はー…くそっ、もう限界かあ、この体も」
「いや、少しふらついただけだろ」
「てめえにわかるかよ。眠れねえと体と共に精神も削れてきやがる。体はまだ持つかもしんねえが…精神はもうもたねえよ」
「もたねえって…何言ってんだ…」
冗談でも止めろよと睨み付ければ、ソルは呆れたように肩をすくめて見せた。
「ライ、てめえはほんとクソウゼえ奴だぜ」
「はあ??」
「こんな風に…世話されたり心配されんの初めてだ。金も血の繋がりもねえ。しかも二度も襲った相手だぜ。どうして世話を焼く?意味わかんねえよ」
「それは…」
話してみたら普通の人間だったし、突然幻獣の世界に巻き込まれた姿が自分と重なったってのも大きい。幻獣の世界で人間はとても弱い立場だ。
「俺はあんたに生きていてほしい。同じ人間としてそう思っただけだ」
「はー!惚れるぜ。イケメンなのは顔だけにしろよな」
「茶化すな」
「茶化してねえよ。大真面目だっつの」
ソルが自由な方の手で頬に触れてくる。尻尾も耳も出てない。人間のままでだ。なんだよ、と睨み付ければソルが目を細めてくる。
「なあやっぱり抱かせろよ。死ぬ前にてめえとやりてえ」
「はあ??!前は触るだけって…願望増えてんじゃねえか!てか死ぬ前とか縁起でもないこと言うな!」
「正気が残ってるうちにやっときたいんだよ。なあ、一生の願いっつってもダメなのか?」
「………グレイとじゃなくていいのかよ」
「グレイとはそういうんじゃねえし、寂しさを埋め当ってただけだ。てめえを抱きたい気持ちとは違う」
ソルが真剣な顔で見つめてくる。茶化してるわけじゃない。それだけはわかった。数秒見つめあった後、俺は拳を握りしめ頭をふった。
「一生の願いとかふざけるな。俺が絶対元に戻してみせるから諦めんじゃねえ」
「…チッ」
ソルの誘うような視線をかわして立ち上がる。俺はそのまま地下室を出た。行き先はすでに決めていた。
***
13時10分。指定された時間になった。俺は時計を確認しつつ周囲を確認した。俺が今いる場所は何の変哲もない漫画喫茶の一室だった。
がちゃり
「まさかこんなに早く連絡が来るとは思わなかったぞ、国枝雷」
「!!…その名前…俺の事を調べたのか」
「わかる範囲だがな」
情報屋だった。前回と同じく奇抜なファッションセンスが目を引く。
すっ
情報屋はテーブルを挟んで斜め横に腰掛ける。荷物はiPadのみでずっと何かを入力していた。時々俺の方を見ては上から下に舐めるように観察してくる。
「国枝雷。その様子だと俺と談笑しに来たわけじゃなさそうだな」
「ああ、知りたい情報があるんだ」
「…言ってみろ」
俺はソルが疑われてる事や、狼憑きの事を話した。黙って聞いていた情報屋はiPadを裏返してテーブルに置く。
「粗方把握した。だが情報を渡す前に支払いの話が先だ。俺の情報はタダではない。相応の支払いを求めるがいいか?」
「わかってる。いくら渡せばいいんだ」
「金の代わりにあんたの情報がほしい」
「俺の?調べたんじゃないのか」
「わかる範囲でだけだ。まだまだ足りない」
「俺の話なんて大した儲けに繋がらないと思うが…」
「それは買い手が決める事だ」
「そ、そうか…」
まあ金を払わずに話が聞けるなら俺としてはありがたいし文句はない。
「ただし情報提供に拒否権はない。俺の質問には全て答えてもらう。それでもいいなら持ってる情報を伝えよう」
「…わかった、答える。だから教えてくれ」
俺の言葉に情報屋が初めて笑みを浮かべた。ほくそ笑むぐらいの感じだったが。それが良い意味なのか悪い意味なのかはわからない。
「さて。まず狼憑きについて話そう。結論として狼憑きは解除できない。対象者が死ぬまで狼の魂は憑き続ける。これは過去の例から断言できる」
「そんな…」
コトン
情報屋が飲み物が入ったコップを俺たちの間に置く。
「このコップのようなものだ。コップと中身の水は別々では意味がない。セットになることで飲用水として機能する。人間の体と魂も同じで、体と魂がセットになる事でやっと形を保持する。そして逆にそれが縛りともなる。狼憑きが発動した時点で狼の体は殺されていてほとんどの場合火葬もされている。行き場を失った狼の魂は憑いた体から出られなくなり、直に殺された怨念で凶暴化していく。宿り主の体さえ蝕んでいくほどにな」
「憑かれた方も狼も被害者って訳か…報われねえな」
「ああ。狼憑きの儀式は相当な殺意がなければ行われない。狼を探して殺す手間もあるし儀式の代償も大きい。赤の他人を殺す手段としてはデメリットが多すぎる」
「つまり、ソルの知り合いがやったってことか」
「もしくはソルジと言う人物を一方的に知ってる人物だな。ちなみに狼の魂を無理やり引き剥がそうとすれば廃人になるぞ」
俺が思い付きかけた事をズバリ言い当てられ、うっと顔をしかめていると情報屋が口の端を歪めるようにして笑った。
「じゃあ…ソルを眠らすにはどうしたらいいか知らないか?」
「狼憑きが安定的に眠る方法は確立されてない。狼憑きの生存率が1%にも満たないのもその為だ。多くが憑かれた一か月程度で死に至る。死に方は自死やショック死様々だが、その多くが最終的に狼に自我を乗っ取られ死亡している」
「自我を乗っ取られる…」
ソルが弱気になってるだけと思いたかったが「生存率1%以下」という数字を出され焦りが強くなる。
「狼憑きの睡眠についてはこのレポートに興味深い事が書かれていた」
そう言ってiPadを操作する。何かのページが表示された。狼男の挿絵がかかれた外国語のレポートだった。
「国枝雷。レム睡眠という言葉を知っているか」
「えっと…深く眠ってる状態とかそういう意味だっけ?」
「そうだな。ノンレム睡眠とレム睡眠がある。ノンレム睡眠は肉体と脳どちらもが休んでいて深い睡眠に入ってる状態だ。逆にレム睡眠は脳内の整理が行われており体だけ睡眠してる状態。諸説あるが、夢を見るのはレム睡眠時と言われている」
「なるほど…寝てる間に頭がオンになったりオフったりしてんのか」
「そういう事だ。脳だけ覚醒しているレム睡眠の時に狼が目覚めて、肉体の主導権が切り替わっているのではないかとこのレポートには書かれている」
「つ、つまり??」
「理論上だが、レム睡眠をなくせばソルジという男も睡眠をとれるようになるのではないかと言っている」
「おおおお!」
希望が見えてきた。と思ったが情報屋の表情は固いままだった。
「理屈がわかっても解決できるかは別だ。そもそも脳内の処理を本人の意思や外部の干渉でどうこうする事はできない。一時的な処置としてスタンガンや殴打によって無理矢理脳の処理を途切れさせ…眠らせる事はできる。しかし体は休まっていないし、そんな事を続けていたらいつか致命的なダメージを負うだろう。現実的な方法とは言えない」
「…だから確立されてないって言ったのか…くそっ、ここまでわかってんのに助けられねえのかよ!」
(いや、でも待てよ…夢、脳内の処理、レム睡眠…ってことは…)
俺が頭を抱える横で情報屋はコーヒーを飲み終えて一息ついた。iPadを閉じる。
「さて、情報は以上だ。次は国枝雷、あんたの情報を聞かせてもらうぞ」
「お、おう…わかった」
心ここにあらずと言った感じで情報屋の質問に答えていく。簡単なプロフィールからここにくるまでの成り行きまで色々だ。真人の話ももちろん聞かれた。
(この話も…何回目だろうな)
説明する機会が多いため話すのもうまくなってしまった。唯一フィンの事だけは伏せた。一応逃亡者なのだし情報屋に売ることはできない(もうバレてそうだけど)。
「なるほど。それで幻獣スナックに来たのか…興味深いな」
「俺の情報提供はこれで終わりでいいか?」
「いや、まだだ」
「まだあるのか。次はなんだよ」
「…脱げ」
「へ?」
今なんて言った??聞き間違いかと思いたかったが情報屋はしかめっ面のままもう一度言った。
「服を脱げ」
「は…?」
「聞こえてないのか?それとも拒否という意味の返答か?あんたに拒否権はないと言ったはずだが」
「いや聞こえてる…脱いで何か情報得られるのか…?」
「もちろんだ」
あまりにも当然に真顔で言うものだからそういうものかと思えてくる。
(どうりで漫画喫茶を指定してきたわけだ…)
ここで生娘のように照れて拒否するのも変だし従うことにした。なんだかんだ有益な情報は得られたわけだし。
ぱさっ
座ったまま上の服を脱いで横によけた。情報屋が眉を上げ驚くような顔をした。
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