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不死鳥シリーズ
一周年記念のおまけ①(ソルジ×ライ)
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※Ifストーリーではあるけど不死鳥本編に載せてるのでこちらに
※一周年記念の『出会う順番が違っていれば』の蛇足
※ソルルートのその後🐺
※とても平和
出会い方はともあれ、なんだかんだ意気投合した俺は定職に就くまでの間ソルとルームシェアする事にした。最寄り駅から十五分、2DK、隣人トラブルもなく漫画喫茶でいた頃、いやむしろ一人暮らししていた時よりよっぽど充実した日々を送れていた。問題は仕事探しなのだが…
「はぁ、ダメか…」
今日もまたお祈りメールが届きガクリと落ち込む。
(浮気とか不倫とか、変な噂がたってたし…何よりゲイバレしてんだもんな…)
いくら面接がうまくいっても前会社に裏を取られたら一発アウトだ。俺は項垂れたまま、はあぁと深いため息を吐いた。
「どわあああ!」
「?!」
突然、隣の部屋からソルの悲鳴が聞こえてきて、なんだと廊下に出れば、ちょうどそのタイミングでソルも出てきた。
「おい、昼間から何叫んでるんだ」
「ライ!やべえ!!見ろ!コレ!!!」
「はあ?」
パーカーのフードを荒々しく剥いだと思えば、ソルの頭にふさふさの耳が乗っかっていた。ただのコスプレにしてはやけに綺麗というか…立派な毛皮をしている。形は犬の耳(ハスキーとか?)に近いが毛の色は銀色であまり現実感はない。
「は…?耳?コスプレ配信でもしてんの?」
ソルはゲーム配信者としても結構有名らしいし(見た事はないが)そっちのせいかと思ったが、ソルは「ンなわけねえだろ!!」とキレてくる。
「コスプレじゃねえ!!起きたら突然生えてたんだよ!!」
「生えてたって何寝ぼけてるんだよ…って、うわ、ほんとだ。ちゃんと生えてる…」
遠慮なく引っ張ってみたが…指に絡まった髪が数本抜けるだけで、犬の耳は取れなかった。髪を搔き分けて根元を確認すると、しっかり頭皮とくっついており、更に驚かされる。
(マジで生えてんの???)
しげしげと毛根を確認してると手首を捕まれた。
「おい痛えよ!ンな引っ張ったらハゲるだろが!!」
「大丈夫だって、あんたがハゲるとしたら性欲ハゲだし」
「てめえぶっ殺すぞ!!!!」
「はは」
「つーかこんな耳あったらどこにも行けねえじゃねえか!!このクソ耳!今すぐ引き千切ってやる!!イテテ…ッ、無理だー!!!」
自分で引っ張って絶叫してる。一人コントでもしてるのだろうか。
「フード被ってたらコンビニくらいは行けそうだけど、不便には違いないよな…」
いくら引きこもり仕事のソルでもこんな耳が生えていては日常生活に影響が出るだろう。しばらく俺が外出する用事を代わってやるにしても、犬の耳が生えた原因がわからないのは色々と不安だ。
「変な病気じゃねえといいが…」
「はっ!こんなありえねぇ現象、原因は一つしかねえ。バケモノ共の仕業だぜ、これは…」
「バケモノ?」
「……」
話したくないのかソルは仏頂面で黙ってしまう。俺は仕方なくキッチンを指さした。
「とにかく昼になったし飯にしよう。なんか食ったら良い案が思い付くかもしれねえし、昨日のチゲ鍋が残ってるから、付け合わせだけささっと用意するよ」
「…わーった」
ソルが低く唸るようにして承諾する。ふさふさと箒が床を掃くような音がしたと思えば、ソルの腰に銀色の尻尾が生えている事に気付いた。ゆらゆらと揺れる姿は大型犬の尻尾のようで、少し可愛い。俺の視線で尻尾の存在に気付いたソルが飛び上がって自分の下半身を凝視する。
「んだこりゃ!!犬化?が更に進んだのかよ??!」
「この調子だと気付いたら完全な犬になってるとかありそうだな…」
「!!!!」
耳、尻尾ときたら足や顔も変わってきそうだ。そうなったらもう人間として暮らすことはできないだろう。ソルも同じことを考えたのか、顔を青ざめて、しゅんっと尻尾を下げている。
「ま、まあまあ!なんとかなるって!最悪、あんたが犬になっても俺が責任もって飼うし、絶対保健所には行かせないからさ」
「アア?!てめえに飼われる日がきたら毎日マウントとってレイプしてやるからなぁッ!!」
「獣姦は上級者すぎるわ」
レイプすると言うソルに俺は笑いながら返しダイニングキッチンへと向かった。まだソルと暮らすようになって一か月と少しだが、漫画喫茶でやられたような強引な行為は一切仕掛けられていない(そんな事されてたら速攻家を出てたが)。お互い同性を性的対象とするが「気が合う」と思っているからこそ「普通の友人」としての距離を維持できていた。
「ぷはぁ、食った食った」
全てを平らげたソルが、ソファに横になり、手足を投げ出した状態で満足げに唸った。下敷きにされた尻尾が窮屈そうに揺られてる。
「食ってすぐ寝ると牛になるぞ」
「うるせぇ…犬になりかけてるから牛にはならねー…」
「はは、確かに」
自分の状況をジョークにできてる所を見ると少しソルも落ち着いてきたのだろう。食器を水にさらしてから冷凍庫を開けた。これとこれかなと適当に選びソルの元へ持っていく。
「ほら、食後のアイス」
「お!気が効いてるじゃねえか!」
がばっと勢いよく起き上がったと思えば、俺の手元からアイスをぶんどっていく。それに苦笑してるとソルがアイスを咥えながら上目遣いで見てくる。犬の尻尾がふっさふっさと大きく横揺れしているのが見えた。
「ん、なあ、ライ、仕事はどうだった?今日連絡くるんだろ?」
「…ああそれが…ダメだった」
「マジかよ。最終まで行ってたろ。また前会社が足引っ張ってんのか?」
「かもな…」
はあ、と肩を落とし、ソファではなく床に腰を下ろす。カーペットの上で足を伸ばすと、ソルが後ろから覗き込んでくる。
「もう専業主夫になれば?」
「はぁ?」
「オレが養ってやるよ。てめえとは気が合うし、飯も美味いし、身の回りの事やってもらえんなら仕事に集中できるからWin-Winだぜ」
「…」
「オレの稼ぎの心配してんのか?これでも結構稼いでるんだぜ。引きこもりで世間体は底辺だが」
「いや…うん、あんたの稼ぎはなんとなく察してる」
俺の前職の二倍…いや三倍以上だろう。そうなれば一人くらい余裕で養えるのかもしれないが。
「ありがたい申し出だけど、やめとく」
「アア?なんでだよ」
「あんたとは友人でいたい。気が合うからこそ負い目を感じる関係になりたくないんだ」
「…」
「何よりあんたの底なしの性欲を相手したくない」
「チッ…それが本音か!」
「はは、そーだよ」
笑いながら垂れそうになったアイスを舐めた。あと一口となったところで、
ひょいっ
ソルが横から奪ってくる。
「あ」
ソルはそのまま最後の一口を頬張り、綺麗に木の棒についた液体まで舐め終えてから突っ返してきた。
「チッ、仕方ねえから今はこれで我慢してやる!」
「な…」
俺はべとべとになった木の棒を見て呆然とする。
「おい、俺が食い意地張るタイプだったら一生恨まれてるからな」
「てめえはそんなんで恨まねえだろが」
「まあそうだけども」
俺以外にやるなよ…と注意してやれば「誰がやるか!」と逆キレされた。いや、キレたいのはこっちだが。
「あークソ、てめえが性欲の話持ち出すからムラムラしてきたじゃねえか!こんな体じゃ誰も呼べねえのによぉッ!どーしてくれる!!」
「風俗行けば?耳と尻尾は…コスプレで誤魔化せるだろ」
「真っ裸になるのに誤魔化せるわけねえだろ!!秒で通報されるわ!!って…ハッ!!待てよ…オレのちんこって…今どうなって…」
「?!」
俺とソルが弾かれたように顔を見合わせた。それから…同時にソルの足の間、股間を見る。
すっ
ソルがスエットの前を引っ張ったので、恐る恐る一緒に覗き込むと…
「…人間のだな」
「…オレのだな」
わかりきった事ではあったがソルのがついてた。他人の性器を確認するというなかなかシュールな瞬間を終えた俺達は真剣な表情で見つめ合い、次の瞬間、思いっきり吹き出した。
「ぷはっ!ははっ、犬のじゃねえから風俗はギリギリ行けそうだな、ははは」
「てめえ笑ってんじゃねえ!他人事だと思ってよぉッ」
「しかもちょっと半勃ちってっ、ホントにムラムラしてんじゃねえ、ははっ!」
「うるせえッ!勃ってて悪いかッ!!つーかこのシチュエーションならてめえが“相手してやるよ"って申し出るとこだろうが!!ダチとか言っといて薄情だぞ!!オレが欲求不満で死んだら化けて出てやるからなッッ!!」
「いや、友人だからこそ申し出ねえし、そんなんで人間は死なねえから安心しろ。…てか、そういやあんたの耳…消えてねえ?」
「え」
気付けばソルの頭から犬の耳が消えていた。ソル本人に自覚はなかったのか恐る恐るといった感じで頭をペタペタと触って確認している。そして弾かれたように飛び上がった。
「ほんとだ!!無くなってる!!う、嘘だろ…尻尾もねえ!よっしゃあああ!治ったぜえええ!!」
「うぐっ」
喜びのあまり抱きつかれた。漫画喫茶で襲われた以来の接触に一瞬ドキっとしたが、すぐに大型犬にじゃれつかれてるのだと認識を改めて「はいはいよかったな」と頭を撫でてやった。ソルはそのままじゃれつくように頭突きをしてくる。
「ンだよ!もっと喜べよ!獣姦ルートを回避できたんだぞ!!」
「仮にあんたが犬化しきっても獣姦は許さねえからそのルートは永遠にありえねえ。ったく、嬉しいのはわかったから離れろ…重いって…」
腕を突っ張るようにして押し退けるとやっとソルの体が離れていった。もう抱きつかれるまいと立ち上がって皿を洗いに行こうとするとソルが「待て」と声をかけてくる。
「皿洗いはオレがやる。置いとけ」
「え?いや、いいよ。家賃多めに出してもらってるしこれぐらい俺が」
「てめえが働きだしたらその分返すんだろ?じゃあ家事も折半だ。作ったのがてめえなら、洗うのはオレ。変に遠慮してんじゃねえ」
「…そっか。うん、ありがと。じゃあお言葉に甘えさせてもらってゆっくりするわ」
「おうそうしろ。ゆっくりついでにちょっとゲームしようぜ」
ソファの横を開けたと思えば、ちょいちょいとソルが手招いてきた。
「ええ…そう言ってあんた、皿洗いをうやむやにするつもりだろ」
「ちゃんと終わったらやるって」
「…。じゃあ、ハンデ三機な」
「はあ?!それ接待ゲーじゃねえか!ふざけんな!!」
「あんたが強すぎんだよ」
笑いながらソルの横に腰を下ろした。前回コテンパンにされてから毎日風呂上りに少しずつ特訓していた事もあって、その日やっと俺はソルから一勝をもぎ取る事ができたのであった。
おわり🐺
🐺<一番ヤバそうなオレとが一番平和でいられるってゆー皮肉
⚡<失恋乗り越えんのに時間はかかりそうだけど、楽しくはありそう
🚬<ふふ、これは確かに友達ルートだワ~
🐺<まだわかんねぇから!!
⚡<ねえだろ
🐥<ないな
🐺<クソ!!頑張れよ!!このルートのオレ!!!
※一周年記念の『出会う順番が違っていれば』の蛇足
※ソルルートのその後🐺
※とても平和
出会い方はともあれ、なんだかんだ意気投合した俺は定職に就くまでの間ソルとルームシェアする事にした。最寄り駅から十五分、2DK、隣人トラブルもなく漫画喫茶でいた頃、いやむしろ一人暮らししていた時よりよっぽど充実した日々を送れていた。問題は仕事探しなのだが…
「はぁ、ダメか…」
今日もまたお祈りメールが届きガクリと落ち込む。
(浮気とか不倫とか、変な噂がたってたし…何よりゲイバレしてんだもんな…)
いくら面接がうまくいっても前会社に裏を取られたら一発アウトだ。俺は項垂れたまま、はあぁと深いため息を吐いた。
「どわあああ!」
「?!」
突然、隣の部屋からソルの悲鳴が聞こえてきて、なんだと廊下に出れば、ちょうどそのタイミングでソルも出てきた。
「おい、昼間から何叫んでるんだ」
「ライ!やべえ!!見ろ!コレ!!!」
「はあ?」
パーカーのフードを荒々しく剥いだと思えば、ソルの頭にふさふさの耳が乗っかっていた。ただのコスプレにしてはやけに綺麗というか…立派な毛皮をしている。形は犬の耳(ハスキーとか?)に近いが毛の色は銀色であまり現実感はない。
「は…?耳?コスプレ配信でもしてんの?」
ソルはゲーム配信者としても結構有名らしいし(見た事はないが)そっちのせいかと思ったが、ソルは「ンなわけねえだろ!!」とキレてくる。
「コスプレじゃねえ!!起きたら突然生えてたんだよ!!」
「生えてたって何寝ぼけてるんだよ…って、うわ、ほんとだ。ちゃんと生えてる…」
遠慮なく引っ張ってみたが…指に絡まった髪が数本抜けるだけで、犬の耳は取れなかった。髪を搔き分けて根元を確認すると、しっかり頭皮とくっついており、更に驚かされる。
(マジで生えてんの???)
しげしげと毛根を確認してると手首を捕まれた。
「おい痛えよ!ンな引っ張ったらハゲるだろが!!」
「大丈夫だって、あんたがハゲるとしたら性欲ハゲだし」
「てめえぶっ殺すぞ!!!!」
「はは」
「つーかこんな耳あったらどこにも行けねえじゃねえか!!このクソ耳!今すぐ引き千切ってやる!!イテテ…ッ、無理だー!!!」
自分で引っ張って絶叫してる。一人コントでもしてるのだろうか。
「フード被ってたらコンビニくらいは行けそうだけど、不便には違いないよな…」
いくら引きこもり仕事のソルでもこんな耳が生えていては日常生活に影響が出るだろう。しばらく俺が外出する用事を代わってやるにしても、犬の耳が生えた原因がわからないのは色々と不安だ。
「変な病気じゃねえといいが…」
「はっ!こんなありえねぇ現象、原因は一つしかねえ。バケモノ共の仕業だぜ、これは…」
「バケモノ?」
「……」
話したくないのかソルは仏頂面で黙ってしまう。俺は仕方なくキッチンを指さした。
「とにかく昼になったし飯にしよう。なんか食ったら良い案が思い付くかもしれねえし、昨日のチゲ鍋が残ってるから、付け合わせだけささっと用意するよ」
「…わーった」
ソルが低く唸るようにして承諾する。ふさふさと箒が床を掃くような音がしたと思えば、ソルの腰に銀色の尻尾が生えている事に気付いた。ゆらゆらと揺れる姿は大型犬の尻尾のようで、少し可愛い。俺の視線で尻尾の存在に気付いたソルが飛び上がって自分の下半身を凝視する。
「んだこりゃ!!犬化?が更に進んだのかよ??!」
「この調子だと気付いたら完全な犬になってるとかありそうだな…」
「!!!!」
耳、尻尾ときたら足や顔も変わってきそうだ。そうなったらもう人間として暮らすことはできないだろう。ソルも同じことを考えたのか、顔を青ざめて、しゅんっと尻尾を下げている。
「ま、まあまあ!なんとかなるって!最悪、あんたが犬になっても俺が責任もって飼うし、絶対保健所には行かせないからさ」
「アア?!てめえに飼われる日がきたら毎日マウントとってレイプしてやるからなぁッ!!」
「獣姦は上級者すぎるわ」
レイプすると言うソルに俺は笑いながら返しダイニングキッチンへと向かった。まだソルと暮らすようになって一か月と少しだが、漫画喫茶でやられたような強引な行為は一切仕掛けられていない(そんな事されてたら速攻家を出てたが)。お互い同性を性的対象とするが「気が合う」と思っているからこそ「普通の友人」としての距離を維持できていた。
「ぷはぁ、食った食った」
全てを平らげたソルが、ソファに横になり、手足を投げ出した状態で満足げに唸った。下敷きにされた尻尾が窮屈そうに揺られてる。
「食ってすぐ寝ると牛になるぞ」
「うるせぇ…犬になりかけてるから牛にはならねー…」
「はは、確かに」
自分の状況をジョークにできてる所を見ると少しソルも落ち着いてきたのだろう。食器を水にさらしてから冷凍庫を開けた。これとこれかなと適当に選びソルの元へ持っていく。
「ほら、食後のアイス」
「お!気が効いてるじゃねえか!」
がばっと勢いよく起き上がったと思えば、俺の手元からアイスをぶんどっていく。それに苦笑してるとソルがアイスを咥えながら上目遣いで見てくる。犬の尻尾がふっさふっさと大きく横揺れしているのが見えた。
「ん、なあ、ライ、仕事はどうだった?今日連絡くるんだろ?」
「…ああそれが…ダメだった」
「マジかよ。最終まで行ってたろ。また前会社が足引っ張ってんのか?」
「かもな…」
はあ、と肩を落とし、ソファではなく床に腰を下ろす。カーペットの上で足を伸ばすと、ソルが後ろから覗き込んでくる。
「もう専業主夫になれば?」
「はぁ?」
「オレが養ってやるよ。てめえとは気が合うし、飯も美味いし、身の回りの事やってもらえんなら仕事に集中できるからWin-Winだぜ」
「…」
「オレの稼ぎの心配してんのか?これでも結構稼いでるんだぜ。引きこもりで世間体は底辺だが」
「いや…うん、あんたの稼ぎはなんとなく察してる」
俺の前職の二倍…いや三倍以上だろう。そうなれば一人くらい余裕で養えるのかもしれないが。
「ありがたい申し出だけど、やめとく」
「アア?なんでだよ」
「あんたとは友人でいたい。気が合うからこそ負い目を感じる関係になりたくないんだ」
「…」
「何よりあんたの底なしの性欲を相手したくない」
「チッ…それが本音か!」
「はは、そーだよ」
笑いながら垂れそうになったアイスを舐めた。あと一口となったところで、
ひょいっ
ソルが横から奪ってくる。
「あ」
ソルはそのまま最後の一口を頬張り、綺麗に木の棒についた液体まで舐め終えてから突っ返してきた。
「チッ、仕方ねえから今はこれで我慢してやる!」
「な…」
俺はべとべとになった木の棒を見て呆然とする。
「おい、俺が食い意地張るタイプだったら一生恨まれてるからな」
「てめえはそんなんで恨まねえだろが」
「まあそうだけども」
俺以外にやるなよ…と注意してやれば「誰がやるか!」と逆キレされた。いや、キレたいのはこっちだが。
「あークソ、てめえが性欲の話持ち出すからムラムラしてきたじゃねえか!こんな体じゃ誰も呼べねえのによぉッ!どーしてくれる!!」
「風俗行けば?耳と尻尾は…コスプレで誤魔化せるだろ」
「真っ裸になるのに誤魔化せるわけねえだろ!!秒で通報されるわ!!って…ハッ!!待てよ…オレのちんこって…今どうなって…」
「?!」
俺とソルが弾かれたように顔を見合わせた。それから…同時にソルの足の間、股間を見る。
すっ
ソルがスエットの前を引っ張ったので、恐る恐る一緒に覗き込むと…
「…人間のだな」
「…オレのだな」
わかりきった事ではあったがソルのがついてた。他人の性器を確認するというなかなかシュールな瞬間を終えた俺達は真剣な表情で見つめ合い、次の瞬間、思いっきり吹き出した。
「ぷはっ!ははっ、犬のじゃねえから風俗はギリギリ行けそうだな、ははは」
「てめえ笑ってんじゃねえ!他人事だと思ってよぉッ」
「しかもちょっと半勃ちってっ、ホントにムラムラしてんじゃねえ、ははっ!」
「うるせえッ!勃ってて悪いかッ!!つーかこのシチュエーションならてめえが“相手してやるよ"って申し出るとこだろうが!!ダチとか言っといて薄情だぞ!!オレが欲求不満で死んだら化けて出てやるからなッッ!!」
「いや、友人だからこそ申し出ねえし、そんなんで人間は死なねえから安心しろ。…てか、そういやあんたの耳…消えてねえ?」
「え」
気付けばソルの頭から犬の耳が消えていた。ソル本人に自覚はなかったのか恐る恐るといった感じで頭をペタペタと触って確認している。そして弾かれたように飛び上がった。
「ほんとだ!!無くなってる!!う、嘘だろ…尻尾もねえ!よっしゃあああ!治ったぜえええ!!」
「うぐっ」
喜びのあまり抱きつかれた。漫画喫茶で襲われた以来の接触に一瞬ドキっとしたが、すぐに大型犬にじゃれつかれてるのだと認識を改めて「はいはいよかったな」と頭を撫でてやった。ソルはそのままじゃれつくように頭突きをしてくる。
「ンだよ!もっと喜べよ!獣姦ルートを回避できたんだぞ!!」
「仮にあんたが犬化しきっても獣姦は許さねえからそのルートは永遠にありえねえ。ったく、嬉しいのはわかったから離れろ…重いって…」
腕を突っ張るようにして押し退けるとやっとソルの体が離れていった。もう抱きつかれるまいと立ち上がって皿を洗いに行こうとするとソルが「待て」と声をかけてくる。
「皿洗いはオレがやる。置いとけ」
「え?いや、いいよ。家賃多めに出してもらってるしこれぐらい俺が」
「てめえが働きだしたらその分返すんだろ?じゃあ家事も折半だ。作ったのがてめえなら、洗うのはオレ。変に遠慮してんじゃねえ」
「…そっか。うん、ありがと。じゃあお言葉に甘えさせてもらってゆっくりするわ」
「おうそうしろ。ゆっくりついでにちょっとゲームしようぜ」
ソファの横を開けたと思えば、ちょいちょいとソルが手招いてきた。
「ええ…そう言ってあんた、皿洗いをうやむやにするつもりだろ」
「ちゃんと終わったらやるって」
「…。じゃあ、ハンデ三機な」
「はあ?!それ接待ゲーじゃねえか!ふざけんな!!」
「あんたが強すぎんだよ」
笑いながらソルの横に腰を下ろした。前回コテンパンにされてから毎日風呂上りに少しずつ特訓していた事もあって、その日やっと俺はソルから一勝をもぎ取る事ができたのであった。
おわり🐺
🐺<一番ヤバそうなオレとが一番平和でいられるってゆー皮肉
⚡<失恋乗り越えんのに時間はかかりそうだけど、楽しくはありそう
🚬<ふふ、これは確かに友達ルートだワ~
🐺<まだわかんねぇから!!
⚡<ねえだろ
🐥<ないな
🐺<クソ!!頑張れよ!!このルートのオレ!!!
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