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不死鳥シリーズ
★一周年記念のおまけ③(ユウキ×ライ)
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※Ifストーリーではあるけど不死鳥本編に載せてるのでこちらに
※一周年記念の『出会う順番が違っていれば』の蛇足
※ユウキルートのその後🦊
※安定の暴走ボーイ(手錠、フェラ、顔射、精飲など注意)
狐ヶ崎組に入ってから半年。
俺はユウキの部下として働いていた。部下といっても、屋敷の掃除やユウキの食事の世話、希望があれば勉強を見たり話し相手になったりするだけで…ほとんど世話人だった。一番長く時間を共にするユウキは俺を兄のように慕ってくれるし、世話人の先輩であり俺を見張る担当でもある柴沢は程よい距離で必要な知識を与えてくれる良き隣人であった。二人のおかげで俺はヤクザの仲間入りをしたにしてはあまりにも平和に、ストレスなく過ごせていた。
そんな日々が、とある事をきっかけに大きく変化する。
「おい、ユウキ、話が違えんだが」
学校帰りのユウキに呼び出されそのまま黒塗りの車に押し込まれる。まるで人攫いにあったのかと思うレベルの手荒さに驚きつつも、ユウキに振り回されるのは慣れっこなので攫われたのはいいとして(よくはないが)その行き先を告げられた瞬間俺は盛大に頭を抱えた。
「なんで俺が“龍神組との会合"に付き添わなきゃいけねえんだ。危ない事はしないって話だったろ…」
「危なくないよ?ちょ~っと怖い人達とお話するだけ」
「ちょっとなわけあるか!!俺も少しは事情を耳にしてるんだからな!今そこの組とは抗争一歩手前になってんだろ??そんな相手との会合って…絶対ヤバいじゃねえか!」
情けない話だが、銃が当たり前に存在するヤクザの世界になど行きたくない。普通に怖かった。
「あはは、大丈夫だって~」
なのに、どんなに食い下がってもユウキは笑って聞き流すだけ。わりと詰んでいた。それならばと柴沢の名を出せば、
「柴沢は今実家に帰っててさ」
「?!」
「年に一度の休暇をとる特別な日なんだけど、流石にそんな日に引っ張り出すのは可哀想でしょ。俺は信用できる奴しか横に置きたくないし、敵対勢力との会合なら余計人選はしっかりしたい。だから、ライを呼んだってわけ」
「………」
「それにほら、今から行く料亭、サツマイモの天ぷらが美味しいんだよ」
「!!!」
サツマイモという単語に俺が反応するとユウキは悪戯が成功したように笑った。
「ライに食べさせたくて…元々連れていく予定だったんだ。だから、それが早まったと思って懐石料理を楽しんでよ」
「…」
「俺以外モブと思えばいいし、ただ俺の横にいてくれればいいから…お願い、ライ」
あどけない笑顔を浮かべて「ね?」と首を傾げるユウキ。すっかり背も追い越され体格も負けつつあるユウキは「可愛い」とは程遠い存在だが、なんだかんだ素直に甘えられると拒否する気にならなく…これが弟ポジの強さなのだろうか、とため息を吐いた。
「…わかったよ。その代わり…銃が出てきたら俺は逃げるからな」
「え~庇ってくれないの?」
「お前はネズミになって逃げれるだろが」
「あはは、そーだったね」
「ったく…」
くすくすと悪戯っぽく笑うユウキに俺は首を振って、窓の外へ視線を逃がすのだった。
「狐ヶ崎の皆様、お待ちしておりました、どうぞこちらへ」
高級料亭に着いた俺達は奥の個室に案内された。道中行われた身体検査はやけに念入りで、マジで荒事にだけはなりませんように…と祈りながら狐ヶ崎組若頭とユウキに続いて中に入る。
「待っていたぞ、狐ヶ崎の」
龍神組側はすでに揃っていて、三人の男が並んでいた。上座で寛ぐ初老の男は相談役、その横の神経質そうな男は龍神組若頭…二人共完全にカタギではない雰囲気だ。そして、俺の正面の位置に座る男は白金の髪のありえないほどイケメンの外人で、
(はあ??外人??)
厳つい強面男達の横にハリウッド俳優みたいな男が並んでるのは合成映像のように違和感を感じた。高級そうなスーツをビシッと着こなし美しい正座をしたその男は、恐ろしい緊張感の中、まるで宮殿の晩餐会にお呼ばれしたかのように上品に微笑んでいる。
(う…浮いてる…)
完全一般人の俺と良い勝負だ。お互いに「なんでお前がこんな所にいるんだ」と見合っていると
「ライ」
ユウキの声で我に返った。すぐにユウキの横に腰を下ろすが正面からは引き続き視線を感じて気まずい。
「…では詳細はまた後程文書でまとめよう」
会合は比較的平和かつ早期に終結した。どちらの組も事を大きくしたくないのは同じだったようで(若頭同士はバチバチと睨みあっていたが)殺し合いに発展せずホッとした。安心した事で急に尿意を思い出した俺は配膳が落ち着いたタイミングで一人離席する。
「はあー肩こった…」
手を洗いながらため息を吐く。話し合いは順調でも何分空気が重すぎる。一般人の俺にはストレスフルな空間だった。寿命が一分ぐらい縮んだ気がする。
(結局緊張で天ぷらも喉を通らなかったし…)
ガクリと肩を落とし、廊下へ出る為引き戸を開けると、
どん!
「うぶ」
「おっと、失礼」
鼻をさすりながら顔を上げれば、例の龍神組のイケメン外人が立っていた。
「あんたは…」
「申し訳ない。照明が薄暗くて気付かなかった」
「こちらこそ…悪い」
謝りつつ廊下に出て道を譲れば…イケメン外人は俺の顔を覗き込んできた。綺麗な、透き通ったオレンジ色の瞳にドキリとする。
「ぶつかってきたのは私なのに、謝罪してくれるなんて、狐ヶ崎は腰が低いのだな」
ヤクザの癖にと詰られた気がして俺はとっさに睨み付けていた。
「うるせえな。どっちが悪いかなんて関係ねえだろ。迷惑かけたら謝る。社会人の常識だろが」
「………」
俺の返答に男は目をぱちくりとさせて
「ふふ」
小さく笑った。そのまま長い足を使って距離を詰めてくる。
「っ…??!」
突然の間合いに動揺しつつ後ずさればすぐに背中が壁と当たった。逃げ場を失った俺を嘲笑うように男の手が伸びてきて、
(殴られる?!?)
すっ
顎クイされた。
「…は?」
このルックスでないと許されないようなキザな仕草に、一瞬時が止まったように固まり、次の瞬間カアッと顔が熱くなる。
「なっ…?!!」
「ヤクザに常識を説くとはなかなか面白い。狐ヶ崎が一般人のような男を連れてきたと思えば、本当に中身も一般人だったとは…驚きだ」
「…うっうるせえな!そっちだって来る場所間違えてんじゃねえの!」
ここにはレッドカーペットなんてないぞ。負けじと言い返せばオレンジの瞳は楽しそうに細められた。
「そうだな。確かに私は龍神組に身を置いてないし場違いではある。時雨のボディーガード、いや肉壁に過ぎないしな」
「身を置いてない…?あんたヤクザじゃないのか」
「ああ、互いにヤクザらしくないのは見てわかるだろう?」
「…うん、まあ」
緊迫感に満ちたあの空間で唯一殺気を放っていなかったのはこの男だけだった。だからこそ不気味で恐ろしかったのだが、
(…そうか)
俺と同じ連れられただけの一般人なのだとしたら納得がいく。
(ヤクザじゃないのか)
そう思うと一気にこの男への警戒心が薄れ、興味がわいてくる。どうして龍神組のボディーガードなんてやってるのか。普段は何をしているのか。名前はなんというのか。
「私はフィン」
「…!」
「あなたの名前を聞かせてくれないか?」
まるで心が見透かされたように名乗られて、俺はそのオレンジの瞳に魅入られたまま口を開いた。
「俺、は…」
「――ライッ!!」
廊下の奥から鋭い声が響いたと思えば、酷く焦った様子のユウキが駆け寄ってくる。
「ユウキ?!うわっ」
気付いた次の瞬間には腕を引っ張られ…そのあまりにも力任せな引き寄せ方に、俺はバランスを崩しかけた。
「ちょっ、おい!危ないだろ!」
「行くよ」
「はあ?!ユウキ!?」
有無を言わさぬ様子に戸惑いつつユウキに引き摺られていく。
どさっ
「イッてぇ…!」
後部座席に転がされた俺は強く腰を打ちつけ呻いた。運転席には誰もいない。ユウキが後ろ手に扉を閉じると車内は再び暗くなった。唯一の光源の料亭から届く灯りはほんのりとユウキの背を照らすだけで、俺の方に向けられている顔は塗り潰されたように真っ黒だった。
「ユウキお前…」
「ライ、手を出して」
ユウキの手に握られているものを見てぎくりと体が固まる。
「早く」
滅多にしない命令口調に思わず両手を出すと、ユウキは俺の右手だけをとって、後部座席の天井部にあるアシストグリップと繋いだ。
ガチャン
逃げられない。そう告げるように手錠の無機質な音が静かな車内に響く。半年前に二度使われて以来の手錠に「俺…また何かやらかしたのか…?」と恐怖が浮かぶ。
「今の男は誰?」
ユウキが低く問う。その感情の抜け落ちた声に俺はびくりと震え、考えるより先に答えていた。
「誰、って…、フィンって…名前の男…、それ以外は知らねえ…」
「名前は知ってるんだ。あいつ龍神組でしょ?どこで知り合ったの?ライとどんな関係?今日知り合ったのなら連絡先は交換した?ちょっとスマホ見せて」
「お、おい…」
怒涛の質問攻めの後、服をまさぐられスマホを奪われる。無言で確認してスマホを後方に投げ捨てたと思えば…馬乗りになって、何の躊躇いもなく首を絞めてきた。
「うっ…ッ!?」
とっさにユウキの手をどかせようとするが、左手だけでは引っ掻いてもがく事しかできない。しかもやっと暗闇に慣れてきた目で捉えたユウキの顔は真顔で
「ライ、あの男…龍神組に鞍替えするつもり?」
その栗色の瞳に宿る暗い光に気付き、ぞわっと鳥肌が立った。
「ち、が…ッ」
「じゃあちゃんと説明して。あの男とどうして話す事になったの?ナンパされた?ライが声をかけたの?」
話せるように少しだけ喉を緩められ、俺はぜえぜえと息を荒げながらなんとか絞り出す。
「トイレの…帰りに…ッ、はっ、廊下で、ぶつかって…す、少し、話した…だけだ…ッ」
「ふーん。でも、話すだけであんな密着しないよね?」
「…っ」
「男女ならまだしも男同士で何してたの?」
確かにあの距離はおかしかった。だがそれはフィンの外人としての距離感がおかしいだけで、俺とフィンの関係が特別なわけではない。どう弁解したらいいのか戸惑っていると、ユウキが深いため息を吐く。
「はぁ…会合なんかに連れてくるんじゃなかった」
「!」
「たまには一緒にお出かけしたいと思ったけど、ダメだね。ライは危なっかしいし巻き込まれ体質だから、外を出歩けば変な男に目をつけられてああやって言い寄られちゃう。俺が目を離したのが悪いんだけど…まさかあんな一瞬でナンパされるなんて」
「…ユウ、キ」
「今日のは勉強代って事でお仕置きは我慢するから、明日からは外出禁止ね。柴沢との買い出しも禁止。必要なものはメモに書いて誰かに買ってもらって」
「なっ?!」
今でもかなり窮屈なのに、買い出し(柴沢付き外出)まで取り上げられたらそれはもう幽閉…いや監禁だ。
「冗談じゃねえよ!俺はっ」
ガチャッ
抗議しようと上半身を起こせば、右手を繋ぐ手錠に邪魔される。ユウキは冷たい表情で俺の無駄な足掻きを眺め…そして、体を倒してきた。
「?!」
鼻先があたるほどの距離にぎょっとして顔を背ければ、
ぬるっ
頬を舐められた。
「??!」
「俺ね、ライがこのまま傍にいてくれるなら、それでいいって思ってた。友達みたいな、兄貴みたいな、そんな存在で十分だった。何も…求めるつもりはなかったんだよ」
耳元で囁いたと思えばくちゅりと輪郭を舐められる。今まで踏み越えなかったラインを余裕で飛び越える行為に心臓が破裂しそうだった。
(こんなユウキ知らない…っ)
ユウキなのに、ユウキじゃないみたいで、酷く恐ろしい。
「ユ、ウキ…っ!」
「でも…廊下であの男と話す姿を見て、気が変わった」
「!」
「俺の知らない顔をするライは…見たくない。許せない。俺のものなんだから、俺が求める事だけしてればいいんだ」
ユウキの器用な指先がシャツの上から撫でてくる。ぷちぷちと前を開けて、できた隙間から直接肌を撫でられた瞬間、ユウキに抱く恐怖が加速度的に跳ね上がった。
「い、やめ、ろ…ッ!!」
左手でユウキの体を押し退けようとするが、ユウキは俺が何もできないとわかっていて好きにさせてる。その余裕に腹が立って、胸を弄る手首を掴んだ。骨がきしむほど強く握りしめた。
「やめろ!ユウキ!これ以上するならっ」
「これ以上するなら…どうするの?」
ユウキを殴っても右手を縛る手錠は外れない。仮にユウキから手錠の鍵を奪えてもその後狐ヶ崎組に追われる事になる。俺にはヤクザから逃げるツテも金もない。一時間後には捕まっているだろう。
(一族の秘密を知った俺はユウキから逃げられない…)
狐ヶ崎組と心中するか、海の藻屑となるか、二つの道しかないのだ。
「死なせないよ」
なのに、今日は銃を突きつけられず、その代わり、ユウキの顔が近付いてきて
ちゅ…
唇が重なった。
「??!」
顔を固定され何度も啄むようにキスされる。ユウキは思考も体も停止した俺を抱きしめ、触れるだけのキスを落としてくる。しばらくそうして楽しんだ後鼻先で囁かれた。
「ライ、これからは外に出ない分暇になると思うから…俺の相手をしてもらうよ」
「あ、いて…?」
「これの相手」
左手をとられユウキの足の間に誘われる。固くなってるそれを指先で感じ、慌ててユウキの方を見れば暗い目をしたまま見下ろされる。
「男の人と付き合ってたんでしょ?なら俺の相手もできるよね?」
「で、できるわけ、ねえだろ…!おま、お前と、やるって…意味わかんねえから…!」
「わからなくてもやるの。それがライの新しい仕事なんだから」
「…!!」
驚きに固まる俺の額にちゅっと吸い付いてくる。甘い刺激でも告げられる言葉は死刑宣告のように重い。
(ユウキの相手…?)
確かに今の俺は衣食住を狐ヶ崎に支えられている。いくら見張る為とはいえ、なるべくなら仕事で返したいと思っているが、
(そんな馬鹿な仕事があってたまるか)
「無理だ…!!」
「無理じゃないよ。あ、腕が繋がれてたら無理か。じゃあ両手に付け替えてあげるね」
そう言ってユウキはアシストグリップに繋いでいた手錠を外し、俺の両手を後ろに回しながら…左手にかけた。後ろでガチャンと嫌な音がする。グリップに繋がれてない為体を前屈みにする事はできるが、今度は両手の自由がなくなり顔面蒼白となる。
「…お前、正気か…?」
「正気だよ。てか、そろそろ皆が戻ってくるし早くしてくれる?あんまりぐずるなら離れに連れてくよ」
「…!!」
「ずっと離れで囲われたいなら好きなだけぐずっていいよ。俺にとったら結果は同じだしぶっちゃけどっちでもいい」
「待て、待って、くれ…わかった、お前の言うことを聞く。だから離れは止めてくれ…!」
外出禁止程度なら組合員との交流もできるし、それこそ柴沢に相談してユウキを説得してもらえる。
(離れで飼い殺されたらその希望すら奪われる…)
ここは…吐いてでもやるしかない。
「じゃあ、舐めて」
「…!」
「流石に射精するまでやれとは言わないから、ほら」
ユウキは自らのズボンの前を開けて、俺の後頭部を掴みぐいっと引き寄せる。前屈みになって顔を近づければ、ユウキの匂いに混ざるようにして男の蒸されたような匂いが鼻をかすめ
「ッ…」
躊躇って背けられた顔を追いかけるように、ユウキの指先が唇に割り込んできた。
「んぐ、」
「シャワー行けてないのは我慢してね」
人差し指と中指で舌の上を撫でられる。軽く舌で遊ばれた後呆気なく指は出ていった。
ちゅく…
唇と指先を唾液の糸が繋ぐ。その糸が消えるより先にユウキの指先は半勃ちの自身に添えられ、唾液を絡ませながら一往復した。
「舌、出して」
一連の動きを操られたように見ていた俺を言葉と手で導いてくる。おずおずと舌を出せばぐりっと先端を擦り付けられ俺は思わず顔をしかめた。…嫌だ。こんな好きでもない男のモノなど咥えたくない。だが、このままではユウキの言っていたように他の奴らが戻ってきてしまう。きっとユウキは運転席に組合員がいても続けるだろう。そんなことになれば地獄だ。
ちろ…
舌先で舐めて、唾液で濡れたそれを更に濡らしていく。自分の唾液のおかげで余計な味を感じずに済んだが“ユウキのを咥える”という抵抗感は拭えない。
(ユウキの許しが出るまでだ…)
顔をしかめつつ無心で舐めていると
「咥えられる?」
固くなり完全に勃ちあがったそれを唇に誘導してくる。俺は「射精までやらない」という言葉を信じて咥えた。つるりとした先端を飲み込む途中で先走りが溢れてきて、その味に吐き気がした。
「う…っ」
なんとか吐き気を抑え込むが、先走り混じりの唾液を飲み込む気にはならず口の端から垂らせばユウキがくすりと笑った。
「シートとズボンがべとべとだね」
「…っ」
上目遣いで睨めば、ユウキは上機嫌な様子で「清掃は皆慣れてるし大丈夫だよ」と頭を撫でてくる。
「好きなようにやってみて」
好きなように、それならすぐに口を離してしまいたいが、もちろんそんな事は許されないだろう。俺は目を瞑り、これ以上は無理だなと思う深さまで咥え、舐めて、吸って、手探りのフェラをしていく。
「…うん、いいね。技術的には及第点だけど、気持ち的には…ライにやってもらってるってだけで百点満点」
褒めるように喉と顎を擽られる。俺はやっと解放されるのかと期待の目でユウキを見上げた。栗色の瞳は暗い光を宿しながらも食い入るように俺をジッと見つめていた。
ゾクリ
その熱い視線に体が嫌な震え方をする。
「どこがいい?」
「…え?」
「かけられるの、どこがいい?」
「!」
何を、と聞くまでもない。俺は目の前の今にも弾けそうなそれを見て眉を寄せた。
「口の中だと嫌でしょ?喉も慣れないと吐いちゃうだろうし、頑張ってくれたから今回だけライの好きな所にかけてあげる」
「かけないって選択肢は…」
「ない。これは儀式でもあるからね、ちゃんとやってもらうよ」
「…」
俺とユウキの新たな関係を告げる儀式という事か。
(嫌すぎる…)
げんなりとしつつも、俺は自分の体を確認した。両手は後ろに束ねられていて無理だし、狐ヶ崎に用意されたオーダーメイドのスーツは弁償するには高すぎる。
(これを汚すわけにはいかない…)
「……顔で、」
「はは、初めてのフェラで顔射?ライはヘンタイだね」
「るせぇ…」
ギロリと睨みつければユウキはケラケラと笑った。そして先端を唇に押し付けてくる。
「じゃあギリギリまで咥えて」
「…ん、」
二度目も抵抗感はあったが、これでやっと終わるのだと思えば気が楽だった。ただ、張り詰めたそれは今にも爆発しそうなほど固くて、このまま出されるんじゃないかとヒヤヒヤする。
「んんっ、ん…、んう、ふ…ッ」
「はぁ、しゃぶってるライ、可愛い…」
「ううっ…」
余計な事をほざくユウキに唸って抗議する。その際、ほんの一瞬、歯が当たってしまう。ちくりとかすめる程度の痛みだと思うが、口の中のものは予想に反してびくりと大きく震えて、
びゅくっ
「ンぐ?!」
途中まで引き上げていた舌の上にどろりとしたものがかけられる。熱い粘液は唾液と混ざりあいあっという間に口いっぱいに苦味が広がった。
「んううっ…!!」
「あ、ごめん、出ちゃった」
謝りつつも口の中でどくどくと出し続けるそれには全く反省の色が見えない。
「ほんとごめん、顔にかける約束はちゃんと守るから安心してね」
「うう?!…ん、ぷはっ、やめっ」
びしゃり
否定の言葉も虚しく、唇から引き抜いたそれで顔射を決められる。口の中も外も精液の匂いが染みつきそうな程しっかり塗りつけられ…俺は呆然とする。ヤクザの車で後ろ手に拘束され顔面を精液で濡らす屈辱。
「あはは、ライ、やらしー」
カシャ
笑いながら写真を撮られる。スマホを奪う気にもならずガクリと項垂れた。
「……」
俺はこの日まで“ユウキとの生活も悪くない"と思っていた。ヤクザらしくないユウキとなら平和に生きていけるとどこからか警戒心を手放してしまっていた。
(…甘かった)
奴もれっきとしたヤクザの一人なのに。何を腑抜けていたのか。
「ライ、」
呆然とする俺の頬をユウキの指先が撫でていく。その指先には白い液体が纏わりついていて
ぐちゅ
唇に押し込まれた瞬間、苦い味がした。
「っう、…」
「これからもっともっと仲良くしようね、ライ」
舌の上に広がる苦味はこれからの俺の先行きを表しているようで…、俺は苦い味のする唾液を、指先に誘導されるままごくりと飲み込むのだった。
おわり🦊
🐥<…灰にしてやる
🦊<待って待って!これは俺であって俺じゃない!てかそっちがナンパした事で触発されたんだから不可抗力!!
🐥<私がいなくてもいずれ暴走していただろう、灰になって詫びろ、今すぐにだ
🦊<灰になったら詫びれないって…(正座はしとこう)
🐺<つーかグレイとオレが空気なんだが
🦊<空気というか多分ソルジさんこの時点で死んでますよ
🐺<エッ
🚬<あんたはあたしとライが会わないと生存ルートにいかないのヨ
🐺<しんどッ!!!!
※一周年記念の『出会う順番が違っていれば』の蛇足
※ユウキルートのその後🦊
※安定の暴走ボーイ(手錠、フェラ、顔射、精飲など注意)
狐ヶ崎組に入ってから半年。
俺はユウキの部下として働いていた。部下といっても、屋敷の掃除やユウキの食事の世話、希望があれば勉強を見たり話し相手になったりするだけで…ほとんど世話人だった。一番長く時間を共にするユウキは俺を兄のように慕ってくれるし、世話人の先輩であり俺を見張る担当でもある柴沢は程よい距離で必要な知識を与えてくれる良き隣人であった。二人のおかげで俺はヤクザの仲間入りをしたにしてはあまりにも平和に、ストレスなく過ごせていた。
そんな日々が、とある事をきっかけに大きく変化する。
「おい、ユウキ、話が違えんだが」
学校帰りのユウキに呼び出されそのまま黒塗りの車に押し込まれる。まるで人攫いにあったのかと思うレベルの手荒さに驚きつつも、ユウキに振り回されるのは慣れっこなので攫われたのはいいとして(よくはないが)その行き先を告げられた瞬間俺は盛大に頭を抱えた。
「なんで俺が“龍神組との会合"に付き添わなきゃいけねえんだ。危ない事はしないって話だったろ…」
「危なくないよ?ちょ~っと怖い人達とお話するだけ」
「ちょっとなわけあるか!!俺も少しは事情を耳にしてるんだからな!今そこの組とは抗争一歩手前になってんだろ??そんな相手との会合って…絶対ヤバいじゃねえか!」
情けない話だが、銃が当たり前に存在するヤクザの世界になど行きたくない。普通に怖かった。
「あはは、大丈夫だって~」
なのに、どんなに食い下がってもユウキは笑って聞き流すだけ。わりと詰んでいた。それならばと柴沢の名を出せば、
「柴沢は今実家に帰っててさ」
「?!」
「年に一度の休暇をとる特別な日なんだけど、流石にそんな日に引っ張り出すのは可哀想でしょ。俺は信用できる奴しか横に置きたくないし、敵対勢力との会合なら余計人選はしっかりしたい。だから、ライを呼んだってわけ」
「………」
「それにほら、今から行く料亭、サツマイモの天ぷらが美味しいんだよ」
「!!!」
サツマイモという単語に俺が反応するとユウキは悪戯が成功したように笑った。
「ライに食べさせたくて…元々連れていく予定だったんだ。だから、それが早まったと思って懐石料理を楽しんでよ」
「…」
「俺以外モブと思えばいいし、ただ俺の横にいてくれればいいから…お願い、ライ」
あどけない笑顔を浮かべて「ね?」と首を傾げるユウキ。すっかり背も追い越され体格も負けつつあるユウキは「可愛い」とは程遠い存在だが、なんだかんだ素直に甘えられると拒否する気にならなく…これが弟ポジの強さなのだろうか、とため息を吐いた。
「…わかったよ。その代わり…銃が出てきたら俺は逃げるからな」
「え~庇ってくれないの?」
「お前はネズミになって逃げれるだろが」
「あはは、そーだったね」
「ったく…」
くすくすと悪戯っぽく笑うユウキに俺は首を振って、窓の外へ視線を逃がすのだった。
「狐ヶ崎の皆様、お待ちしておりました、どうぞこちらへ」
高級料亭に着いた俺達は奥の個室に案内された。道中行われた身体検査はやけに念入りで、マジで荒事にだけはなりませんように…と祈りながら狐ヶ崎組若頭とユウキに続いて中に入る。
「待っていたぞ、狐ヶ崎の」
龍神組側はすでに揃っていて、三人の男が並んでいた。上座で寛ぐ初老の男は相談役、その横の神経質そうな男は龍神組若頭…二人共完全にカタギではない雰囲気だ。そして、俺の正面の位置に座る男は白金の髪のありえないほどイケメンの外人で、
(はあ??外人??)
厳つい強面男達の横にハリウッド俳優みたいな男が並んでるのは合成映像のように違和感を感じた。高級そうなスーツをビシッと着こなし美しい正座をしたその男は、恐ろしい緊張感の中、まるで宮殿の晩餐会にお呼ばれしたかのように上品に微笑んでいる。
(う…浮いてる…)
完全一般人の俺と良い勝負だ。お互いに「なんでお前がこんな所にいるんだ」と見合っていると
「ライ」
ユウキの声で我に返った。すぐにユウキの横に腰を下ろすが正面からは引き続き視線を感じて気まずい。
「…では詳細はまた後程文書でまとめよう」
会合は比較的平和かつ早期に終結した。どちらの組も事を大きくしたくないのは同じだったようで(若頭同士はバチバチと睨みあっていたが)殺し合いに発展せずホッとした。安心した事で急に尿意を思い出した俺は配膳が落ち着いたタイミングで一人離席する。
「はあー肩こった…」
手を洗いながらため息を吐く。話し合いは順調でも何分空気が重すぎる。一般人の俺にはストレスフルな空間だった。寿命が一分ぐらい縮んだ気がする。
(結局緊張で天ぷらも喉を通らなかったし…)
ガクリと肩を落とし、廊下へ出る為引き戸を開けると、
どん!
「うぶ」
「おっと、失礼」
鼻をさすりながら顔を上げれば、例の龍神組のイケメン外人が立っていた。
「あんたは…」
「申し訳ない。照明が薄暗くて気付かなかった」
「こちらこそ…悪い」
謝りつつ廊下に出て道を譲れば…イケメン外人は俺の顔を覗き込んできた。綺麗な、透き通ったオレンジ色の瞳にドキリとする。
「ぶつかってきたのは私なのに、謝罪してくれるなんて、狐ヶ崎は腰が低いのだな」
ヤクザの癖にと詰られた気がして俺はとっさに睨み付けていた。
「うるせえな。どっちが悪いかなんて関係ねえだろ。迷惑かけたら謝る。社会人の常識だろが」
「………」
俺の返答に男は目をぱちくりとさせて
「ふふ」
小さく笑った。そのまま長い足を使って距離を詰めてくる。
「っ…??!」
突然の間合いに動揺しつつ後ずさればすぐに背中が壁と当たった。逃げ場を失った俺を嘲笑うように男の手が伸びてきて、
(殴られる?!?)
すっ
顎クイされた。
「…は?」
このルックスでないと許されないようなキザな仕草に、一瞬時が止まったように固まり、次の瞬間カアッと顔が熱くなる。
「なっ…?!!」
「ヤクザに常識を説くとはなかなか面白い。狐ヶ崎が一般人のような男を連れてきたと思えば、本当に中身も一般人だったとは…驚きだ」
「…うっうるせえな!そっちだって来る場所間違えてんじゃねえの!」
ここにはレッドカーペットなんてないぞ。負けじと言い返せばオレンジの瞳は楽しそうに細められた。
「そうだな。確かに私は龍神組に身を置いてないし場違いではある。時雨のボディーガード、いや肉壁に過ぎないしな」
「身を置いてない…?あんたヤクザじゃないのか」
「ああ、互いにヤクザらしくないのは見てわかるだろう?」
「…うん、まあ」
緊迫感に満ちたあの空間で唯一殺気を放っていなかったのはこの男だけだった。だからこそ不気味で恐ろしかったのだが、
(…そうか)
俺と同じ連れられただけの一般人なのだとしたら納得がいく。
(ヤクザじゃないのか)
そう思うと一気にこの男への警戒心が薄れ、興味がわいてくる。どうして龍神組のボディーガードなんてやってるのか。普段は何をしているのか。名前はなんというのか。
「私はフィン」
「…!」
「あなたの名前を聞かせてくれないか?」
まるで心が見透かされたように名乗られて、俺はそのオレンジの瞳に魅入られたまま口を開いた。
「俺、は…」
「――ライッ!!」
廊下の奥から鋭い声が響いたと思えば、酷く焦った様子のユウキが駆け寄ってくる。
「ユウキ?!うわっ」
気付いた次の瞬間には腕を引っ張られ…そのあまりにも力任せな引き寄せ方に、俺はバランスを崩しかけた。
「ちょっ、おい!危ないだろ!」
「行くよ」
「はあ?!ユウキ!?」
有無を言わさぬ様子に戸惑いつつユウキに引き摺られていく。
どさっ
「イッてぇ…!」
後部座席に転がされた俺は強く腰を打ちつけ呻いた。運転席には誰もいない。ユウキが後ろ手に扉を閉じると車内は再び暗くなった。唯一の光源の料亭から届く灯りはほんのりとユウキの背を照らすだけで、俺の方に向けられている顔は塗り潰されたように真っ黒だった。
「ユウキお前…」
「ライ、手を出して」
ユウキの手に握られているものを見てぎくりと体が固まる。
「早く」
滅多にしない命令口調に思わず両手を出すと、ユウキは俺の右手だけをとって、後部座席の天井部にあるアシストグリップと繋いだ。
ガチャン
逃げられない。そう告げるように手錠の無機質な音が静かな車内に響く。半年前に二度使われて以来の手錠に「俺…また何かやらかしたのか…?」と恐怖が浮かぶ。
「今の男は誰?」
ユウキが低く問う。その感情の抜け落ちた声に俺はびくりと震え、考えるより先に答えていた。
「誰、って…、フィンって…名前の男…、それ以外は知らねえ…」
「名前は知ってるんだ。あいつ龍神組でしょ?どこで知り合ったの?ライとどんな関係?今日知り合ったのなら連絡先は交換した?ちょっとスマホ見せて」
「お、おい…」
怒涛の質問攻めの後、服をまさぐられスマホを奪われる。無言で確認してスマホを後方に投げ捨てたと思えば…馬乗りになって、何の躊躇いもなく首を絞めてきた。
「うっ…ッ!?」
とっさにユウキの手をどかせようとするが、左手だけでは引っ掻いてもがく事しかできない。しかもやっと暗闇に慣れてきた目で捉えたユウキの顔は真顔で
「ライ、あの男…龍神組に鞍替えするつもり?」
その栗色の瞳に宿る暗い光に気付き、ぞわっと鳥肌が立った。
「ち、が…ッ」
「じゃあちゃんと説明して。あの男とどうして話す事になったの?ナンパされた?ライが声をかけたの?」
話せるように少しだけ喉を緩められ、俺はぜえぜえと息を荒げながらなんとか絞り出す。
「トイレの…帰りに…ッ、はっ、廊下で、ぶつかって…す、少し、話した…だけだ…ッ」
「ふーん。でも、話すだけであんな密着しないよね?」
「…っ」
「男女ならまだしも男同士で何してたの?」
確かにあの距離はおかしかった。だがそれはフィンの外人としての距離感がおかしいだけで、俺とフィンの関係が特別なわけではない。どう弁解したらいいのか戸惑っていると、ユウキが深いため息を吐く。
「はぁ…会合なんかに連れてくるんじゃなかった」
「!」
「たまには一緒にお出かけしたいと思ったけど、ダメだね。ライは危なっかしいし巻き込まれ体質だから、外を出歩けば変な男に目をつけられてああやって言い寄られちゃう。俺が目を離したのが悪いんだけど…まさかあんな一瞬でナンパされるなんて」
「…ユウ、キ」
「今日のは勉強代って事でお仕置きは我慢するから、明日からは外出禁止ね。柴沢との買い出しも禁止。必要なものはメモに書いて誰かに買ってもらって」
「なっ?!」
今でもかなり窮屈なのに、買い出し(柴沢付き外出)まで取り上げられたらそれはもう幽閉…いや監禁だ。
「冗談じゃねえよ!俺はっ」
ガチャッ
抗議しようと上半身を起こせば、右手を繋ぐ手錠に邪魔される。ユウキは冷たい表情で俺の無駄な足掻きを眺め…そして、体を倒してきた。
「?!」
鼻先があたるほどの距離にぎょっとして顔を背ければ、
ぬるっ
頬を舐められた。
「??!」
「俺ね、ライがこのまま傍にいてくれるなら、それでいいって思ってた。友達みたいな、兄貴みたいな、そんな存在で十分だった。何も…求めるつもりはなかったんだよ」
耳元で囁いたと思えばくちゅりと輪郭を舐められる。今まで踏み越えなかったラインを余裕で飛び越える行為に心臓が破裂しそうだった。
(こんなユウキ知らない…っ)
ユウキなのに、ユウキじゃないみたいで、酷く恐ろしい。
「ユ、ウキ…っ!」
「でも…廊下であの男と話す姿を見て、気が変わった」
「!」
「俺の知らない顔をするライは…見たくない。許せない。俺のものなんだから、俺が求める事だけしてればいいんだ」
ユウキの器用な指先がシャツの上から撫でてくる。ぷちぷちと前を開けて、できた隙間から直接肌を撫でられた瞬間、ユウキに抱く恐怖が加速度的に跳ね上がった。
「い、やめ、ろ…ッ!!」
左手でユウキの体を押し退けようとするが、ユウキは俺が何もできないとわかっていて好きにさせてる。その余裕に腹が立って、胸を弄る手首を掴んだ。骨がきしむほど強く握りしめた。
「やめろ!ユウキ!これ以上するならっ」
「これ以上するなら…どうするの?」
ユウキを殴っても右手を縛る手錠は外れない。仮にユウキから手錠の鍵を奪えてもその後狐ヶ崎組に追われる事になる。俺にはヤクザから逃げるツテも金もない。一時間後には捕まっているだろう。
(一族の秘密を知った俺はユウキから逃げられない…)
狐ヶ崎組と心中するか、海の藻屑となるか、二つの道しかないのだ。
「死なせないよ」
なのに、今日は銃を突きつけられず、その代わり、ユウキの顔が近付いてきて
ちゅ…
唇が重なった。
「??!」
顔を固定され何度も啄むようにキスされる。ユウキは思考も体も停止した俺を抱きしめ、触れるだけのキスを落としてくる。しばらくそうして楽しんだ後鼻先で囁かれた。
「ライ、これからは外に出ない分暇になると思うから…俺の相手をしてもらうよ」
「あ、いて…?」
「これの相手」
左手をとられユウキの足の間に誘われる。固くなってるそれを指先で感じ、慌ててユウキの方を見れば暗い目をしたまま見下ろされる。
「男の人と付き合ってたんでしょ?なら俺の相手もできるよね?」
「で、できるわけ、ねえだろ…!おま、お前と、やるって…意味わかんねえから…!」
「わからなくてもやるの。それがライの新しい仕事なんだから」
「…!!」
驚きに固まる俺の額にちゅっと吸い付いてくる。甘い刺激でも告げられる言葉は死刑宣告のように重い。
(ユウキの相手…?)
確かに今の俺は衣食住を狐ヶ崎に支えられている。いくら見張る為とはいえ、なるべくなら仕事で返したいと思っているが、
(そんな馬鹿な仕事があってたまるか)
「無理だ…!!」
「無理じゃないよ。あ、腕が繋がれてたら無理か。じゃあ両手に付け替えてあげるね」
そう言ってユウキはアシストグリップに繋いでいた手錠を外し、俺の両手を後ろに回しながら…左手にかけた。後ろでガチャンと嫌な音がする。グリップに繋がれてない為体を前屈みにする事はできるが、今度は両手の自由がなくなり顔面蒼白となる。
「…お前、正気か…?」
「正気だよ。てか、そろそろ皆が戻ってくるし早くしてくれる?あんまりぐずるなら離れに連れてくよ」
「…!!」
「ずっと離れで囲われたいなら好きなだけぐずっていいよ。俺にとったら結果は同じだしぶっちゃけどっちでもいい」
「待て、待って、くれ…わかった、お前の言うことを聞く。だから離れは止めてくれ…!」
外出禁止程度なら組合員との交流もできるし、それこそ柴沢に相談してユウキを説得してもらえる。
(離れで飼い殺されたらその希望すら奪われる…)
ここは…吐いてでもやるしかない。
「じゃあ、舐めて」
「…!」
「流石に射精するまでやれとは言わないから、ほら」
ユウキは自らのズボンの前を開けて、俺の後頭部を掴みぐいっと引き寄せる。前屈みになって顔を近づければ、ユウキの匂いに混ざるようにして男の蒸されたような匂いが鼻をかすめ
「ッ…」
躊躇って背けられた顔を追いかけるように、ユウキの指先が唇に割り込んできた。
「んぐ、」
「シャワー行けてないのは我慢してね」
人差し指と中指で舌の上を撫でられる。軽く舌で遊ばれた後呆気なく指は出ていった。
ちゅく…
唇と指先を唾液の糸が繋ぐ。その糸が消えるより先にユウキの指先は半勃ちの自身に添えられ、唾液を絡ませながら一往復した。
「舌、出して」
一連の動きを操られたように見ていた俺を言葉と手で導いてくる。おずおずと舌を出せばぐりっと先端を擦り付けられ俺は思わず顔をしかめた。…嫌だ。こんな好きでもない男のモノなど咥えたくない。だが、このままではユウキの言っていたように他の奴らが戻ってきてしまう。きっとユウキは運転席に組合員がいても続けるだろう。そんなことになれば地獄だ。
ちろ…
舌先で舐めて、唾液で濡れたそれを更に濡らしていく。自分の唾液のおかげで余計な味を感じずに済んだが“ユウキのを咥える”という抵抗感は拭えない。
(ユウキの許しが出るまでだ…)
顔をしかめつつ無心で舐めていると
「咥えられる?」
固くなり完全に勃ちあがったそれを唇に誘導してくる。俺は「射精までやらない」という言葉を信じて咥えた。つるりとした先端を飲み込む途中で先走りが溢れてきて、その味に吐き気がした。
「う…っ」
なんとか吐き気を抑え込むが、先走り混じりの唾液を飲み込む気にはならず口の端から垂らせばユウキがくすりと笑った。
「シートとズボンがべとべとだね」
「…っ」
上目遣いで睨めば、ユウキは上機嫌な様子で「清掃は皆慣れてるし大丈夫だよ」と頭を撫でてくる。
「好きなようにやってみて」
好きなように、それならすぐに口を離してしまいたいが、もちろんそんな事は許されないだろう。俺は目を瞑り、これ以上は無理だなと思う深さまで咥え、舐めて、吸って、手探りのフェラをしていく。
「…うん、いいね。技術的には及第点だけど、気持ち的には…ライにやってもらってるってだけで百点満点」
褒めるように喉と顎を擽られる。俺はやっと解放されるのかと期待の目でユウキを見上げた。栗色の瞳は暗い光を宿しながらも食い入るように俺をジッと見つめていた。
ゾクリ
その熱い視線に体が嫌な震え方をする。
「どこがいい?」
「…え?」
「かけられるの、どこがいい?」
「!」
何を、と聞くまでもない。俺は目の前の今にも弾けそうなそれを見て眉を寄せた。
「口の中だと嫌でしょ?喉も慣れないと吐いちゃうだろうし、頑張ってくれたから今回だけライの好きな所にかけてあげる」
「かけないって選択肢は…」
「ない。これは儀式でもあるからね、ちゃんとやってもらうよ」
「…」
俺とユウキの新たな関係を告げる儀式という事か。
(嫌すぎる…)
げんなりとしつつも、俺は自分の体を確認した。両手は後ろに束ねられていて無理だし、狐ヶ崎に用意されたオーダーメイドのスーツは弁償するには高すぎる。
(これを汚すわけにはいかない…)
「……顔で、」
「はは、初めてのフェラで顔射?ライはヘンタイだね」
「るせぇ…」
ギロリと睨みつければユウキはケラケラと笑った。そして先端を唇に押し付けてくる。
「じゃあギリギリまで咥えて」
「…ん、」
二度目も抵抗感はあったが、これでやっと終わるのだと思えば気が楽だった。ただ、張り詰めたそれは今にも爆発しそうなほど固くて、このまま出されるんじゃないかとヒヤヒヤする。
「んんっ、ん…、んう、ふ…ッ」
「はぁ、しゃぶってるライ、可愛い…」
「ううっ…」
余計な事をほざくユウキに唸って抗議する。その際、ほんの一瞬、歯が当たってしまう。ちくりとかすめる程度の痛みだと思うが、口の中のものは予想に反してびくりと大きく震えて、
びゅくっ
「ンぐ?!」
途中まで引き上げていた舌の上にどろりとしたものがかけられる。熱い粘液は唾液と混ざりあいあっという間に口いっぱいに苦味が広がった。
「んううっ…!!」
「あ、ごめん、出ちゃった」
謝りつつも口の中でどくどくと出し続けるそれには全く反省の色が見えない。
「ほんとごめん、顔にかける約束はちゃんと守るから安心してね」
「うう?!…ん、ぷはっ、やめっ」
びしゃり
否定の言葉も虚しく、唇から引き抜いたそれで顔射を決められる。口の中も外も精液の匂いが染みつきそうな程しっかり塗りつけられ…俺は呆然とする。ヤクザの車で後ろ手に拘束され顔面を精液で濡らす屈辱。
「あはは、ライ、やらしー」
カシャ
笑いながら写真を撮られる。スマホを奪う気にもならずガクリと項垂れた。
「……」
俺はこの日まで“ユウキとの生活も悪くない"と思っていた。ヤクザらしくないユウキとなら平和に生きていけるとどこからか警戒心を手放してしまっていた。
(…甘かった)
奴もれっきとしたヤクザの一人なのに。何を腑抜けていたのか。
「ライ、」
呆然とする俺の頬をユウキの指先が撫でていく。その指先には白い液体が纏わりついていて
ぐちゅ
唇に押し込まれた瞬間、苦い味がした。
「っう、…」
「これからもっともっと仲良くしようね、ライ」
舌の上に広がる苦味はこれからの俺の先行きを表しているようで…、俺は苦い味のする唾液を、指先に誘導されるままごくりと飲み込むのだった。
おわり🦊
🐥<…灰にしてやる
🦊<待って待って!これは俺であって俺じゃない!てかそっちがナンパした事で触発されたんだから不可抗力!!
🐥<私がいなくてもいずれ暴走していただろう、灰になって詫びろ、今すぐにだ
🦊<灰になったら詫びれないって…(正座はしとこう)
🐺<つーかグレイとオレが空気なんだが
🦊<空気というか多分ソルジさんこの時点で死んでますよ
🐺<エッ
🚬<あんたはあたしとライが会わないと生存ルートにいかないのヨ
🐺<しんどッ!!!!
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