短編

リナ

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不死鳥シリーズ

★お利口な獣(フィン×ライ)

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 ※七話読了推奨
 ※裸の付き合いの後の本編では省かれたイチャイチャ
 ※無理やり&甘め(イラマ、精飲、ドライあり)





「ん……ぁ、?」

 ちゅ、ちゅっとリップ音が聞こえる。膝当たりを舐められる感覚も。瞼を閉じたまま直前の記憶を探った。
 (ああ、そうだ…さっきまで温泉で…)
 裸の付き合いという無茶振りでソルとグレイに襲われ、最後はフィンと一緒にイって…そこから先の記憶がなかった。体に残る熱の感じから言ってそれ程長い間気絶していたわけじゃなさそうだ。十分から三十分ぐらいだろうか。

「は、あ…っ」

 体のむず痒さで吐息を漏らせば、膝辺りを啄んでいた唇が離れ

 ちゅっ

 キスされる。目を開けて確認すると白金の髪と、その背後に夜空が見えた。どうやら外(露天風呂?)に移動したらしい。

「ライ、よかった、目が覚めたのだな」
「ん…ここは」
「またライがのぼせてしまったから涼ませていたところだ」
「涼ませるって…どこが、アッ、やめっ、…っ」

 涼ませるといいつつ、愛撫が止まらないのはどうしてか。内ももを撫でられ、鎖骨をかじられ吸われ、温泉で味わった快感がぶり返してくる。勘弁してくれ。

「フィン…っ、もっ、…っ、終わったろ…!」
「まだだ、全然、足りない」
「足りないって、うああっ、俺はもっ、限界っ、くっ、むりっだ…って!」

 今日はすでに三回出してる。出せるものもなければ気力もない。仰向けに寝かされていた体を捻ってフィンから離れようとする。

 がしっ

 足首を掴まれた。そのまま後ろに引き摺られるかと思ったが石畳で擦って怪我をするのを避けるためか足首を縫い止めるだけだった。ならばと足を引き抜いて逃げようとするが、足首を掴む力は恐ろしい程強く、どんなに力を込めても抜け出せる気がしなかった。もしも仮に俺が万全の状態だったとしてもきっとこの手からは逃れられなかっただろう。普段どれだけ優しくされていたかを痛感する。

「ちょっ、はなせっ、俺はっ、もうあがる、から!!」
「大丈夫だ。ライは何もしなくていい。ただ体を触らせてくれ…それで十分満たされる」
「んなわけ、んあぁ…、ちょっ、ンンッ、」
「ライ、暴れないでくれ、良い子だから」
「でも…っ」

 “逃げる事以外は全て許すから”

 そう甘く囁かれた。いやいや、優しい感じに囁いてるけど普通に鬼畜なんですが。堪らず振り返れば、その濃いオレンジに目を奪われる。

「…っ」

 固まってる間に脇腹と首に腕が回され体の向きを変えさせられた。仰向けに寝かされ、上から覆い被さるフィンと向き合う形になる。

「ライが寝てる間に体は洗ってある。だが…グレイや狼男、配信者達が与えた刺激はライの体に刻まれたまま、残ってるはず」
「え??あっ、おいっ、ンンッ…ああぁっ、そこ、やめっ」
「だから、今からそれを上書きする」

 自分以外がつけた痕跡を消すようにフィンの舌がなぞっていく。舐めて、吸って、齧って、またそれを舐められて…限界を迎えていた体はすぐに脱力しきって、頭の奥はどろどろに溶けて、何も考えられなくなった。

「ライ、口を開けて」
「んぅ…あっ…、ンン、んん~っ!んっ、んうっ」

 口の中も優しく舐められた。何度もフェラさせられたせいで顎も喉も痛い。それを労わるようにフィンの舌が甘く刺激してくる。吐息すら食われ、息もほとんどできないまま上書きのキスをされた。それと同時に、熱い掌が腹を撫でてくる。腰まで行くと脇腹まで上がってきて、背中をくすぐるように指先を躍らせられた。感じすぎて辛いのがわかってるからか前は触れてこない。だからこそ純粋に、ただただ気持ちイイだけの状態に落とされ、息をするのも精一杯だった。感じすぎるのも辛いが終わりが見えないのも辛い。

「フィン、…っ!!」

 助けを求めて顔を上げると、ずっと俺の反応を見て楽しんでいたオレンジの瞳とぶつかった。

「ライ、苦しいか?」

 今のフィンは目は据わってないが何かに耐えるようにずっと顔をしかめている。俺を無理やり襲わないように耐えてるのだろう。そっちの方がよっぽど苦しそうじゃないかと目を細めた。

「くる、し、く…ねえ、けど…っ、ンンっ、もう…っ」
「もう?」

 フィンに愛撫されるのは気持ちいいし嬉しいが、もう誰かの真似事をされるのは嫌だった。体に不快感なんて残ってない。他の男の刺激も十分上書きされた。だから、だから…

 ぎゅっ

 ほとんど力の入らない腕を精一杯動かして、肩を引き寄せる。間近にきたオレンジの瞳を見上げて、その溶け具合に安心しながら、息をのんで固まってしまった唇に自分から重ねにいった。何度か重ねれば、熱い舌が唇を柔らかく舐めてくる。開けてくれと誘われればこちらも我慢できるわけもない。舌を絡ませ、噛みつくようなキスをした。

「んん、っ、…っ、ふ、んんぅ…」

 耳を掌で覆われ、ぐちゃぐちゃと音が響く。耳からも犯されてるみたいでおかしいほど気持ちよかった。吸われすぎて痺れてきた頃やっと絡んでいた舌が離れていく。

「っく、ああ…もっ、いいか、ら、…あんたの、したいよう、に…してくれ…っ(そして終わらせてくれ)」
「ふふ、あまり私を煽らないでくれ。間違って襲ってしまったらどうするんだ」
「いいって、言ってん…だろっ」
「何が良いんだ。やっと傷が癒えた所なのに、こんな狭いところに私のなんて咥えられるわけないだろう」

 ぐちゅり

 ちょっとキレつつ中指を後ろに入れられた。どんなに怒っていても、中を弄る指は丁寧で傷一つつけてこない。異物感も全く感じさせず、おかげでもどかしさだけが積み上がる。

「ああっ!!んっ、フィンっ、そこ、んううっ…ひっ、んああ…っ!」

 指先が腹側の気持ちいい場所をかする。それだけで腰が跳ねる程の快感が溢れた。ヤバイ、ここは何度やっても鮮明な刺激がくる。もうイケない、出せないはずなのにふつふつと何かがこみ上がってきた。

 ぐちゅぐちゅ

「あああアアッ…!!やめっ、く、あぁッ」

 慣れることができない強い刺激に生理的な涙が浮かんだ。助けを求めてフィンの腕に縋りつく。

「そこっ、んああぅ…やば、い…っ!からっ!」
「私の好きにしていいのではないのか?」
「いっ…いけどっ、はあっ、俺の、じゃなく、てっ!あんたの!体っ、ああ!もっ、ほんとに、…また、いっち、まうっ!からっ…!」
「いくらでもイってくれ。私は止めない」

 そういって前を擦る手も追加してくる。違う。そうじゃない。手をはねのけたくてもほとんど力が入らず縋りつくみたいになるだけだった。

「あああっ!また、そこっ、ひ、いく、でっ、る、うあアアッ…!!」

 びしゃりとほとんど透明になった液体を吐き出した。自分で高めたものではない波は脳を直接シェイクされるみたいで制御できるものではなかった。目の前が白く染まり、そのまま電源が落ちたかのように全ての感覚が途絶える。

 じゅるる…

「んひっ?!ああっ…!な、にっ、うああッ」

 落ちかけていた意識が、強すぎる刺激によって叩き起こされた。慌てて下を確認すれば俺の出したばかりのそれをフィンが咥えていて

「ふぃ、ん、うあぁ…っ」

 熱い口内に包まれたと思えば、萎えかけていたものに舌が這ってきて、先端をじゅるじゅると吸われた。痛いほどの刺激が来る。

「アアア…っ…も、む、り…っ!いいっ…っ」

 最後の一滴まで飲み干そうとするフィンの髪を掴んで引っ張った。引っ張るといっても力が入らないせいで「もっと」とねだるみたいな動きになってしまう。

「ん…意識が戻ったのか、ライ」

 叩き起こしたのは誰だと睨みつければ笑いながら唇を啄まれた。それを首を振って逃げたあと、チラリと後方にある大浴場の扉を確認する。
 (相手してやりたいけど、本当にもう無理、死ぬ、殺される)
 大浴場の中に戻らないとグレイに助けを呼ぶ事もできないし、今の俺ではフィンを止める事もできない。隙をみてここから逃げ出さなければ本気で殺されると思った。温泉で恋人に襲われて殺されるなんて絶対ごめんだ。必死に抜け出す算段を付けてると、

 ぐちゅっ

「ひぃ?!んああっ…なにっ、あアッ!」
「体も良い具合に溶けてきたし、もう少しここも広げておこう」
「えっ、あ、ああ…っ!やめっ…っ、んンンッ」

 中指を根本まで咥えさせられた後、ぐるりと中を確認するように回される。とんとんと弱いところを撫でられれば雷に打たれたような快感が内側から溢れてきた。軽くイきかけた所で指が更に増やされた。人差し指の関節が一つ、また一つと飲み込まされ、そのゾワゾワする感覚に息が詰まる。

「ライ、息をして」
「ハッ、ハアッ、くっ、ンンッ、はっ、ああ…」
「そのまま力を抜いて」

 肺を無理やり動かして酸素を取り込む。体の強張りがとけていくのと同時に中に入れられていた指が動き出した。良い子だと褒めるように腹側を押される。じわじわと気持ちよさが広がって、指で広げられる感覚すら快感に置き換えられるようだった。

「はあ、は、っ、ん…」
「中はどうだ?」
「んん…っ」

 頷く。何にたいしての頷きなのか自分にもわからなかった。とにかく気持ちがいい。“気持ちいい”と認めてしまえば一気に快感の波が押し寄せてきた。更に追い込むようにフィンの指がイイ所を押し潰してくる。

 グチュリっ

「アアアッ!!!」

 とてつもない快感にのけぞった。涙のせいで視界が滲んでよく見えない。

「ライ」

 再度名前を呼ばれる。中はどうだ?の答えを待ってるらしい。俺が答えないままでいると更に指で引っ掻いてくる。息も絶え絶えになって感じまくってるんだから一目瞭然だろう。なのに言わせたいのか鬼畜野郎。

「ハッ、ハアッ、いい…っ、気持ちいい、から…っ!」

 やけくそのように叫んだ。フィンは笑みを深めて前を軽く擦ってくる。何度もイったそこは敏感になっていて触れられるだけでも辛い。

「ひああっ、ばか、しぬ、って…!!」
「ふふ、前は限界みたいだが後ろはまだだろう?今度はこっちでイってみるか」
「…なっ?!」

 後ろでイくって、マジか。さっきのだって前の刺激がなければ射精には至らなかっただろうし後ろだけだなんて想像がつかない。色んな意味で震えてるとフィンが獰猛な笑みを浮かべる。珍しく、野性味のある顔だった。普段の紳士的な顔とのギャップがすごい。ゾクゾクする。

「…ライはまだ後ろでイった事がないのか」
「そ、そりゃ、な、い…だろ…普通に、やってた、ら…」
「そうなのか?」

 真人とやってる時はお互い出したら終わりだったし、それ以上先を極めようなんて思わなかった。

「大丈夫だ。怖くない。今のライの体はイきやすくなってるから、後ろでなくても、ここでだってイけるはずだ」

 そういってするりと内ももを撫でられた。薄い部分の皮膚を撫でられる、そんな淡い感覚ですら気持ちいい。確かに今のバカになった体でならイけるかもしれない。という事はつまり、中を弄られたら確実に終わる。

「や、やばい、って…フィ、ん、ンうう~っ!」

 期待と恐怖に震えていると、フィンがあやすように口付けてきた。舌を絡ませながら後ろを刺激される。ぞわぞわと何かがこみ上がってくるような、背中が粟立つような感覚に震えた。さっさと前を擦って終わらせたい。でも、前でイクのは無理だ。すでに限界を超えてるし出せるものがない。じゃあこの波をどういなせばいいのか。

 ぐちゅぐちゅ

「ああああ…ッ!!」

 引っ掻いたり、揉んだり、擦ったり…どれも明確な気持ちよさを脳に伝えてくる。初めての感覚に焦り、喘ぐだけしかできない。嘘だろ、後ろってこんなに気持ちいいのか?…いや、今の俺の体がバグってるだけなのか?とにかく今の溶けきった俺の頭では「気持ちいい」ということしかわからなかった。自制心も羞恥心も消え去り、次第に自分から求めるようになっていた。

「フィ、ン、そこ、あああっ、んんーっ、んっ」

 ねだればそれ以上の刺激を与えられ溺れそうになる。快感の波が段々と大きくなってきた。怖くなってくると甘いキスで思考ごと溶かされる。おかげで体に変な力が入らず後ろの刺激を素直に感じることができた。

「んんあ、や、ば…っ、なんか、くるっ、んああッ、ま、てっ、ふぃんっ」
「大丈夫、そのまま」
「ひっ、んあ…ッ、だめ、っ、て…!あっ、ああああ…ッ!!」

 ゾクリ

 全身の鳥肌が立つ。フィンの指先がイイ所を強めに引っ掻いた事で、体の中に蓄積されていた熱が爆発した。脳内まで熱く溶かすような強すぎる快感に視界が白く染まる。

「あ、アアア…ッ!!ひ、ぐっ…アア、ッ…なん、だ…こ、れ…っ」
「イけたみたいだな」

 よしよしと背中をさすられる。その刺激だけでまたイった。こんな風に快感を塗り重ねることなんて今までなかった。ブチブチと神経を直接引きちぎるような、それでいて熱く広がる快感に…呆けながら酔いしれる。

「はあッ、はっ、…や、ばい……っあ、ぁ…っ」

 このイキ方はやばい。一瞬正気を手放しかけた。はくはくと口を開閉させ、まだ引く気配のない体の高ぶりに恐ろしくなる。

「気持ちよかっただろう?」

 耳を啄みながら囁かれた。心の中を見透かされたみたいで恥ずかしくなるが、ここまできて強がっても仕方ない。フィンの首に腕を回し、小さく頷いた。

「ふふ、良い子だ」

 素直に認めると喉を鳴らして笑われる。馬鹿にするというより可愛くて仕方ないという笑い方だったがそれでも悔しさはあるわけで。なんか、俺ばっかりぐちゃぐちゃにされて不公平じゃないか?
 (そっちだって襲いたくて仕方ないって顔をしてるのに)
 自分の欲はそっちのけにして、俺の体を弄び楽しむだけで満足する“お利口な獣"に腹が立った。

「くそっ…、っ……」

 その余裕を剥がしてやりたくて、限界まで張り詰めてるそれに手を伸ばす。今度はあんたのも擦ってやる、そう誘えば…オレンジの獣は嬉しそうに目を細めた。





「あああ…!!」

 何度目かの後ろイキを決めると、手の中にあるフィンのものからもドプリと熱いものが吐き出された。脳の奥で弾けるような快感と掌の熱い感覚が混ざり合ってクラクラする。高すぎる波に溺れて戻ってこれずにいると、顎を掴まれ唇に噛みつかれた。無意識のうちに舌を絡ませ応えていると、フィンが喉で笑った。一回出した事でまた余裕が戻ってきたのか「可愛いな」と囁いてくる。
 (この、やろ…)
 負けたくないの一心で、鉛のように重くなった体を無理矢理起こした。

 ぐいっ

 フィンの肩を掴んで石畳に座らせる。

「…ライ?」

 問いかけには答えず、舌で唇を湿らせながらフィンの足の間に顔を埋めた。イキまくった事で思考は溶かされ抵抗感は皆無だった。

 ぴちゃ…ちゅる…

 先端を舐めたあと、裏の筋をたどり根本までいき、別の場所を舐めながら先端へと戻る。

「…ライ」

 見上げれば、フィンの熱い視線とぶつかった。俺が自分から舐めるなんて正気の状態ではありえない。その喜びと興奮がスパイスになってるのだろう。少し舐めただけなのにまた固く張りつめていた。俺もその姿に煽られ、フィンの弱い所を中心に責めた。時折、褒めるように耳を擽られる。それだけでも気持ちいいのに、

 ぐちゅり

 また後ろの刺激が再開され全身が強張るように震えた。その衝撃で、フィンのを奥まで飲み込んでしまう。

「んううっ!?、ケホッ、んぐっ、うううっ」

 軽くえずきながら、文句を言うように上目遣いで睨めば、フィンが小さく笑った。

「…ライ、今、飲み込んだ所まで、もう一度咥えてくれないか」
「んぐ、んむう…」

 指先が喉仏の近くを撫でてくる。ここだと伝えるように擽られ、ぞくりとした。俺は返事の代わりに、息を整え…言われた深さまで飲み込んだ。喉の奥まで埋めつくされる物理的な苦しさに喘ぐ。

「ンウウ…ぐっ、ンンッ、」
「大丈夫。私は動かないから。咥えたまま…唾を飲み込んでみてくれ」
「んぅ…?ん、くっ…ン、ンッ」

 言われるまま、ゴクリと嚥下した。喉の動きに絞られフィンのものがビクリとはねる。

「ハア…」

 熱い吐息を溢し、少し雑な手つきで「上手だ」と頭を撫でてくる。かなりイイらしい。フィンの余裕のなさに満足して、また喉の奥まで咥えてみた。苦しいが自分で動く分には恐怖はない。深い位置で嚥下して、頭を上げる時に舌をぴったりと這わせて刺激する。また深くまで飲み込む。

 じゅるるっ

 先端を吸いながら強めに絞り上下していると、とんっと頭の上に掌が置かれた。上に戻れない。どうしたのかとフィンの様子をうかがえば

「っ…!?」

 本能的な恐怖を感じるほどキレた状態のフィンと目が合った。いや、違う。キレてはない。ただ単純に興奮しすぎて理性が吹き飛んでるだけだ。…いや、十分キレてるか。変な所で我に返ってると低く呻くような声が降ってくる。

「ライ、十秒だけ我慢してくれ」
「ンンンッ…?!」

 “十秒”という数字を脳が処理するより先に後頭部を掴まれ固定される。そのままガツガツと喉を抉られ視界が明暗した。

「ンぐううっ!!んん~ッ!??」

 苦しいし吐き気もするし何より怖かった。このまま喉を突き破られるんじゃないかと恐怖する。そんな永遠にも感じる“十秒”を味わい、

 どくり…

 喉の奥で熱い液体が出される感覚がする。息ができないまま反射のように嚥下した。フィンの欲の塊が胃の中に落ちていく。心なしかそこでも熱く感じる気がして、フィンの熱を体の奥で感じられたことに興奮した。…俺も十分ヘンタイらしい。

「ふっ、ううう…ッ、ごくん、っ、ンンっ…」
「はあ…」

 満足げな吐息に、腰の奥が熱くなる。しばらくそのまま出させてから頭を引き、ちゅるりと先端を吸い上げた。苦い味のする液体を絞り出してから顔を離す。喉と口の圧迫感が消え、やっとまともに息ができた。

「ライ…」
「ぜえ、ぜえ…ハアッ、殺される、か、と、思ったわ…」
「すまない、無茶をさせー…んん?」

 謝罪しようとした唇を奪い、口の中に残っていた精液を塗りつけてやった。イラマのし返しのつもりが、フィンは顔をしかめつつも舌で綺麗に舐めとってくる。自分の精液なんて味わいたくないだろうに、愛を感じる仕草に不覚にもときめいてしまう。

「ぷは、はあっ、フィン、」
「……まずいな」
「ははっ、自分のは…まずいのかよ」

「当たり前だ」と即答され笑ってしまった。それから軽く戯れのような愛撫をした後、フィンの腕が抱きかかえるように回された。姫抱っこで大浴場まで運ばれる。

「そろそろ冷えてきただろう」
「寒いほどじゃ、ねえけど、…んんっ」

 洗い場まで行き、椅子に腰掛けたフィンの膝の上でシャワーをあてられた。互いの出したもので汚れた体を洗い流していく。

 くちゅり、ちゅく…

 腹の中もお湯を入れて洗われた。本来入れる場所ではない所に入れられる感覚にゾクゾクと震える。

「ンンっ…はあ…っ、んあうっ」

 指がお湯をかきだすように抜き差しされ、自分でも信じられない程甘い声がでた。フィンがハッと顔を上げる。

「ライ…」
「な、んでも、ない…っ」

 いいから、と催促するがそれが間違いだった。ぐちゅりとお湯が入ってきて、指が内側を撫でていく。普段なら感じないはずの弱い刺激にも敏感に反応してしまうのだ。洗われてるだけなのに…気持ちいいだなんて嘘だと言ってくれ。

「ひああ…ッ、んむ、ふ…ううっ」

 とっさに手で口を塞ぐが小さな喘ぎは漏れてしまう。誰かさんのせいで快感を拾うセンサーがいかれたらしい。もうどうしたらいいかわからなかった。

「ライ…私を煽ってるのか?」
「ち、がうっ…!ンンっ!バカ、に、なってん、だよっ…アアっ!くそっ…!」
「…はあ」

 フィンはため息をはいた後、シャワーのお湯を止めた。

「まったく、ライの為にも、終わらそうと思ったのだが…」

 俺の腰を抱えたと思えば後ろから固いものを押し付けられる。ぐりりっと背中を抉る程の固いそれに、心も体もときめく。…うん、頭もバカになってるらしい。自分の終わりっぷりに内心笑いつつ、後ろ向きだった体を捻って、その柔らかい唇に口付けた。舌を絡ませるのはほとんど反射で、口を離しても鼻を擦るほどの距離で見つめ合う。

「逃げる事以外は、…全て、許すんだろ?」
「ふふ、そうだったな」

 自分の言った台詞を思い出し、“お利口な獣”は再び甘く優しく牙を剥くのだった。


 end
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