魔法学院の階級外魔術師

浅葱 繚

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第10章 1学期末テスト編

試験後の昼休み

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「聞いたわよ、ルーシィ。テスト1000点満点だったそうね」
テスト週間が終わった次の週の最初の日、つまりテスト結果が各学年で張り出された日の昼休み。
ルーシッド達は、いつも通りサラ達と一緒にお昼ご飯を食べていた。
「うぐっ…げほっ、せっ、1000点満点!?何それぇ、そんなことってある?」
ベルベットが思わず食べているものを吹き出しそうになって、むせながらそう言った。
「ってことはペーパーテスト700点…私の倍近く取ってるじゃないか…」
「あなたはもう少し頑張りなさい」
ライカに対してそう突っ込むフランチェスカ。
「でもホントすごいわね。オール満点なんて史上初じゃないかしら?」
「そうですか?まぁペーパーテストも特にひねったような問題は出なかったですし、実技試験もパーティー実技だったんで」
「あれがひねった問題じゃなかったら、何がひねった問題だっていうのよ…」
ルビアがため息をつく。
「ルビィもすごいわよ。ペーパーテスト540点はすごく立派よ。基本問題はほぼノーミスってことよね。あの記述問題はそもそも解かせようと思って作ってないもの。そこで加点がもらえてるだけで本来はすごいことなのよ」
サラがそう言って励ます。
「まぁでも、実際その点が取れたのもルーシィのお陰ですし。テスト勉強もルーシィのお陰ではかどりましたし、パーティー実技だってルーシィがいなかったら絶対満点は無理でしたし」
「ホント、それ!いやぁ、あの発想はないよね~」
フェリカがうんうんとうなずく。
「実技試験は毎回変わるから、今回は何だったのかしら?」
「木・鉄・石・氷、4種類の違う素材の箱を魔法で開ける。ただし同じ魔法は1度しか使ってはいけない。っていうルールだったよ。サリーなら簡単だけどね」
「確かにそうね。でも普通だとちょっと難しいわね。パーティーによっては魔力の偏りがあるところもあるし」
「確かにそうだね~。私の毒の魔法じゃどうにもなんないかも。お手上げ~」
ベルベットが両手を挙げて降参のポーズを取る。
「ルビィとキリィがそれぞれ3種類ずつ基本属性が使えて、後はそれを組み合わせて、どの魔法でどの箱を開けるかって感じね。うーん、でも同じ魔法を使っちゃいけないってなると…うーん…火で氷を溶かして?いや、やっぱり火は木の方が…でも、そうなると氷を何で開けるか…うーん、難しいわ。一体どうやったの?」
フランチェスカは自分が試験を受けるわけではないのに、あぁでもないこうでもないと考えた後でそう尋ねた。
「鉄の箱で斧を作って木の箱を切って開けて、それを使って石と氷を砕いて開けただけだよ」
「あっ!えぇ?それってありなの?」
「確かに魔法的には『鉄の造形魔法』だけしか使ってないわね…箱を使ってはいけないとは言われていないし、盲点だわ…ルールの抜け穴をかいくぐるような方法ね」
サラが思わずうなる。
「ルーシィは対抗戦の時もそんな感じでしたよ。旗取り戦でしたけど、旗を持ち歩いてはいけないとは言われてないからって、平気で持ち歩いてました」
「えぇ、でもそれは他のパーティーもやってたよ」
ルビアにルーシッドが反論する。
「あと、賞品のケーキを何個食べてもいいって言われたので、クラス分もらったりとか~」
「あ、それは…」
フェリカがそう言うと、サラのパーティーの表情が変わった。
「ぷぷーっ、サリーと同じ手だ!今年もいたかぁ!やつが~」
ベルベットが大笑いする。
「あぁ、どうりで。なんか食堂の人が『か』みたいな感じで慣れた対応だったから、私が初めてじゃないのかなと思ったけど、なんだ、サリーが使った手だったのか」
「ブーメランが返ってきたわね、サリー」
フランチェスカがくすくすと笑う。
「むぅ~……」
サラは納得いかないというような表情で頬を膨らませた。
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