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第11章 クラス対抗魔法球技戦編
サラの出陣
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「ごめんね、サリー。生徒会の仕事の忙しいのに、初戦から出てもらって」
フランチェスカがルーシッド達の試合会場からたった今控室に到着したサラにそう謝った。
サラ達のクラスは今からストライクボールの初戦に臨もうとしていた。
「フラニー、そんなこと気にしないで。私こそクラスの指揮を全部あなたに任せてごめんなさいね」
「ううん、それは全然大丈夫」
フランチェスカはクラス委員長として、各ゲームのメンバー選抜や作戦立案などを全てこなしていた。
「初戦の相手は3クラス。ヴァレンが出てくるわ。どこと当たったって厄介だけど、ストライクボールは特に当たりが悪いわね。2勝で優勝とはいえ、これに勝てば、決勝は間違いなく前回優勝のレイでしょう」
「そうね、まぁレイが負けるとは思えないわね。私以外には」
それを聞いて、フランチェスカはふっとほほ笑んだ。
「頼もしいわね」
「まぁでもその前にまずはヴァレンね」
「ヴァレンも強敵よ。策はあるの?」
フランチェスカは唯一、サラの作戦だけは本人に任せていた。サラはいわば、ファンタジスタだ。下手に作戦を立ててそれに従わせることでプレーを縛るよりも、自由にやらせてあげた方が彼女の強さが生かせるのだ。
「任せてちょうだい。いい?みんな、ヴァレンの相手は私が引き受けるわ。みんなはフラニーの指示通りに動いてちょうだい。この試合、絶対勝つわよ」
みんなが、サラの呼びかけに答えて、声を上げる。
その姿はさながら戦場で兵士を鼓舞する戦乙女だ。
会場に選手たちが入場すると、大きな歓声が上がった。
今回は風紀ギルドのギルドホームの裏手にある練習場が会場だったが、その中規模の会場に入りきらないくらいの観客が押し寄せていた。
全色の魔法使い、サラ・ウィンドギャザーが出るとあって、初戦から学年を問わず多くの人が詰めかけたようだ。
「相変わらずすごい人気だね、サラさんは」
対戦相手のヴァレン・ヴァーミリオンが、サラにそう話しかけた。
「私のファンだけじゃないでしょ、この黄色い歓声は…」
ヴァレン・ヴァーミリオンは、このディナカレア王国でも有数の『鉄の魔法使い』の家系、ヴァーミリオン家の長男だ。ヴァーミリオン家は士爵(騎士爵)、いわゆるナイトの階級を与えられた準貴族で、ウィンドギャザー家とは入学前からの顔見知りであった。ヴァーミリオン家の男子は騎士学校に行くのが通例であったが、ヴァレンは魔法学院に入学したのであった。
容姿端麗で高身長、家柄も良く、魔力ランクもAAA。二物も三物も与えられたようなヴァレンは、女子に比べて男子の数が圧倒的に少ないディナカレア魔法学院においては、女子から絶大な人気を誇る生徒のうちの1人だった。
ちなみに、朱色はオレンジ系統の魔力であり、緋色よりも黄色が強い。
「ははは。しかしまさか初戦で『全色の魔法使い』に当たるとはね。私もついてないね。まぁお手柔らかに頼むよ」
「悪いけど、そうもいかないのよ。速攻で終わらせてもらうわ。私の可愛い妹の試合を見に行かないといけないから」
その台詞を聞いて、わずかにヴァレンの顔色が変わったことをサラは見逃さなかった。
試合開始の合図と共に選手たちが詠唱を開始する。
"oPen the fiAry GATE.
(開け、妖精界の門)
in-g,rE,DIeNT = Re:D...
(食材は赤き魔力…)
ヴァレンはそう魔法を唱えだした。
よし、かかった。
サラはヴァレンの詠唱を2節目まで聞いてから詠唱を開始した。
自分の詠唱速度と魔力生成速度に自信があるサラは、相手の魔力の色やお菓子のレシピを聞いて、何の魔力を使うか予想してから瞬時に対抗魔法を決めて、そこから相手の発動に間に合わせるように詠唱を行うことができる。
これは、相手の声が聞こえるか聞こえないかは無関係である。サラはルーシッドの勧めもあって、読唇術を習得していた。サラは決闘などで対峙しており、相手の声が聞こえないような状況においても、唇さえ見れれば相手の詠唱文を読み取ることができる。読唇術によって相手の使う魔法を予測し、全色の魔力によってその場に適した対抗魔法を使う。これがサラの得意技『全魔法反射』だ。
"oPen the fiAry GATE.
(開け、妖精界の門)
1 OF the 4 ANEMoi, NorTH wiND GOD, BOReaS.
(四方を治めし風の神、その四柱が一人、北風のボレアースよ)
pLEAse L-END Me UR trumPET SHelL creatING DesTruCTive + coLD wiND."
(すべてを食らいつくす、凍てつく風を呼ぶ笛を貸したまえ)
サラが口早に詠唱を終え、魔法を発動させるのに合わせたかのようにヴァレンも詠唱を終えて魔法を発動させる。実際はサラがタイミングを合わせているのだが。
ヴァレンの魔法は、中距離攻撃魔法『ファイアアロー』だ。
このストライクボールは、時間内でより多くの的を倒した方が勝ちとなる。そのルールゆえに、使える魔法はかなり限られてくる。普通の攻撃魔法だと、詠唱文自体に終了条件が記されているため、一度の詠唱で一つの的しか攻撃できない。次の的を攻撃するためにはまた長い詠唱文を詠む必要があるのだ。これでは効率が悪い。それゆえ使用される魔法は、実質的に『終了条件を提示しない詠唱』を用いた『操作魔法』に限定されるのである。
一方のサラが発動させたのは、高位魔法『凍てつく北風』だ。使用する魔力は緑だが、使役するのは神位妖精ボレアース。ただの風ではなく、冷気を含んだ冷たい風を操ることができる魔法だ。
サラはその風圧で的を破壊すると同時にヴァレンのファイアアローをかき消した。
そう、サラが起こしたのは向かい風だ。的の向こう側を起点として風を起こしたのだ。
魔法で起こす風は通常の風とは異なり質量体である。魔法の風で空を飛んだりすることができるのはそのお陰だ。風にあおられて飛ばされているのではなく、風に体を乗せ、その風を操作することで疑似的に飛んでいるのである。
しかも、サラが起こした風は冷気を含んだ風だ。それによって、的の破壊、火の矢を防ぐ、消化による魔法の無力化という3つの働きを1つの魔法で行っているのだ。
しかし、これは口で言うほど簡単ではない。多くの操作系攻撃魔法は自分を起点として発生させる。その理由は明快で、その方が簡単だからである。
相手がどの的に撃ってくるのかを予想したうえで、存在しないポイントを起点として魔法を発動させ、しかもそこから自分に向かってくるように操作し、なおかつ的に命中させつつ、相手の魔法も相殺する。とてつもなく精密な魔力操作が要求される業だ。
サラは相手選手を横目で捉えながら、目線や弓を構えている方向、引き絞り方、魔法の矢の発射兆候などを確認して、それらを予測しているのだ。
もはやこうなってくると、単なる魔法力が優れているとかのレベルではない。
それをぶっつけ本番でやってしまうのがサラ・ウィンドギャザーという魔法使いであった。
サラは、完全にヴァレンの攻撃を無力化しつつ、ヴァレンが攻撃しようとしていた的だけを確実に破壊していく。
ヴァレンは途中から何発か同時に撃ったり、曲射で放物線を描いて的を狙ったりし出したが、それこそサラの思うつぼだった。
そういったまぐれ当たりを狙った攻撃をしてきた時は、その攻撃を無理に相殺しようとはせず、普通に的を破壊してポイントを稼いでいく。
ヴァレンは何個かの的を破壊することはできたが、そのほとんどの攻撃をサラによって吹き消されていた。
その間にも両チームの他の選手が的を攻撃していくが、主力を失ったヴァレンのクラスは、サラのチームに敗れたのだった。
「酷いことをしてくれるね」
ヴァレンが試合が終わったあとに、嘆くようにしてサラにそう言った。
「ごめんなさいね。目の敵みたいにしてしまって。あなたの攻撃を抑えないことにはチームの勝利はないと思ったから」
サラが申し訳なさそうに頭を下げた。
「まぁそう言われると悪い気はしないね。いいさ、負けたのはろくな対抗策を思いつかなかった自分の力不足だからね。恨み節を言って申し訳なかった、忘れてくれ。やはり『全色の魔法使い』では分が悪すぎたね」
ヴァレンは肩をすくめた。
「しかし、これで恐らく決勝はレイチェルだろうね。サラさん、勝機はあるのかい?」
「確かにレイは普通の魔法使いじゃないわ。でも、無詠唱でレイよりもっと理不尽極まりない攻撃をしてくるやつを私は知ってるわ。その子に比べたらまともに戦えるだけ勝機はあるわ」
フランチェスカがルーシッド達の試合会場からたった今控室に到着したサラにそう謝った。
サラ達のクラスは今からストライクボールの初戦に臨もうとしていた。
「フラニー、そんなこと気にしないで。私こそクラスの指揮を全部あなたに任せてごめんなさいね」
「ううん、それは全然大丈夫」
フランチェスカはクラス委員長として、各ゲームのメンバー選抜や作戦立案などを全てこなしていた。
「初戦の相手は3クラス。ヴァレンが出てくるわ。どこと当たったって厄介だけど、ストライクボールは特に当たりが悪いわね。2勝で優勝とはいえ、これに勝てば、決勝は間違いなく前回優勝のレイでしょう」
「そうね、まぁレイが負けるとは思えないわね。私以外には」
それを聞いて、フランチェスカはふっとほほ笑んだ。
「頼もしいわね」
「まぁでもその前にまずはヴァレンね」
「ヴァレンも強敵よ。策はあるの?」
フランチェスカは唯一、サラの作戦だけは本人に任せていた。サラはいわば、ファンタジスタだ。下手に作戦を立ててそれに従わせることでプレーを縛るよりも、自由にやらせてあげた方が彼女の強さが生かせるのだ。
「任せてちょうだい。いい?みんな、ヴァレンの相手は私が引き受けるわ。みんなはフラニーの指示通りに動いてちょうだい。この試合、絶対勝つわよ」
みんなが、サラの呼びかけに答えて、声を上げる。
その姿はさながら戦場で兵士を鼓舞する戦乙女だ。
会場に選手たちが入場すると、大きな歓声が上がった。
今回は風紀ギルドのギルドホームの裏手にある練習場が会場だったが、その中規模の会場に入りきらないくらいの観客が押し寄せていた。
全色の魔法使い、サラ・ウィンドギャザーが出るとあって、初戦から学年を問わず多くの人が詰めかけたようだ。
「相変わらずすごい人気だね、サラさんは」
対戦相手のヴァレン・ヴァーミリオンが、サラにそう話しかけた。
「私のファンだけじゃないでしょ、この黄色い歓声は…」
ヴァレン・ヴァーミリオンは、このディナカレア王国でも有数の『鉄の魔法使い』の家系、ヴァーミリオン家の長男だ。ヴァーミリオン家は士爵(騎士爵)、いわゆるナイトの階級を与えられた準貴族で、ウィンドギャザー家とは入学前からの顔見知りであった。ヴァーミリオン家の男子は騎士学校に行くのが通例であったが、ヴァレンは魔法学院に入学したのであった。
容姿端麗で高身長、家柄も良く、魔力ランクもAAA。二物も三物も与えられたようなヴァレンは、女子に比べて男子の数が圧倒的に少ないディナカレア魔法学院においては、女子から絶大な人気を誇る生徒のうちの1人だった。
ちなみに、朱色はオレンジ系統の魔力であり、緋色よりも黄色が強い。
「ははは。しかしまさか初戦で『全色の魔法使い』に当たるとはね。私もついてないね。まぁお手柔らかに頼むよ」
「悪いけど、そうもいかないのよ。速攻で終わらせてもらうわ。私の可愛い妹の試合を見に行かないといけないから」
その台詞を聞いて、わずかにヴァレンの顔色が変わったことをサラは見逃さなかった。
試合開始の合図と共に選手たちが詠唱を開始する。
"oPen the fiAry GATE.
(開け、妖精界の門)
in-g,rE,DIeNT = Re:D...
(食材は赤き魔力…)
ヴァレンはそう魔法を唱えだした。
よし、かかった。
サラはヴァレンの詠唱を2節目まで聞いてから詠唱を開始した。
自分の詠唱速度と魔力生成速度に自信があるサラは、相手の魔力の色やお菓子のレシピを聞いて、何の魔力を使うか予想してから瞬時に対抗魔法を決めて、そこから相手の発動に間に合わせるように詠唱を行うことができる。
これは、相手の声が聞こえるか聞こえないかは無関係である。サラはルーシッドの勧めもあって、読唇術を習得していた。サラは決闘などで対峙しており、相手の声が聞こえないような状況においても、唇さえ見れれば相手の詠唱文を読み取ることができる。読唇術によって相手の使う魔法を予測し、全色の魔力によってその場に適した対抗魔法を使う。これがサラの得意技『全魔法反射』だ。
"oPen the fiAry GATE.
(開け、妖精界の門)
1 OF the 4 ANEMoi, NorTH wiND GOD, BOReaS.
(四方を治めし風の神、その四柱が一人、北風のボレアースよ)
pLEAse L-END Me UR trumPET SHelL creatING DesTruCTive + coLD wiND."
(すべてを食らいつくす、凍てつく風を呼ぶ笛を貸したまえ)
サラが口早に詠唱を終え、魔法を発動させるのに合わせたかのようにヴァレンも詠唱を終えて魔法を発動させる。実際はサラがタイミングを合わせているのだが。
ヴァレンの魔法は、中距離攻撃魔法『ファイアアロー』だ。
このストライクボールは、時間内でより多くの的を倒した方が勝ちとなる。そのルールゆえに、使える魔法はかなり限られてくる。普通の攻撃魔法だと、詠唱文自体に終了条件が記されているため、一度の詠唱で一つの的しか攻撃できない。次の的を攻撃するためにはまた長い詠唱文を詠む必要があるのだ。これでは効率が悪い。それゆえ使用される魔法は、実質的に『終了条件を提示しない詠唱』を用いた『操作魔法』に限定されるのである。
一方のサラが発動させたのは、高位魔法『凍てつく北風』だ。使用する魔力は緑だが、使役するのは神位妖精ボレアース。ただの風ではなく、冷気を含んだ冷たい風を操ることができる魔法だ。
サラはその風圧で的を破壊すると同時にヴァレンのファイアアローをかき消した。
そう、サラが起こしたのは向かい風だ。的の向こう側を起点として風を起こしたのだ。
魔法で起こす風は通常の風とは異なり質量体である。魔法の風で空を飛んだりすることができるのはそのお陰だ。風にあおられて飛ばされているのではなく、風に体を乗せ、その風を操作することで疑似的に飛んでいるのである。
しかも、サラが起こした風は冷気を含んだ風だ。それによって、的の破壊、火の矢を防ぐ、消化による魔法の無力化という3つの働きを1つの魔法で行っているのだ。
しかし、これは口で言うほど簡単ではない。多くの操作系攻撃魔法は自分を起点として発生させる。その理由は明快で、その方が簡単だからである。
相手がどの的に撃ってくるのかを予想したうえで、存在しないポイントを起点として魔法を発動させ、しかもそこから自分に向かってくるように操作し、なおかつ的に命中させつつ、相手の魔法も相殺する。とてつもなく精密な魔力操作が要求される業だ。
サラは相手選手を横目で捉えながら、目線や弓を構えている方向、引き絞り方、魔法の矢の発射兆候などを確認して、それらを予測しているのだ。
もはやこうなってくると、単なる魔法力が優れているとかのレベルではない。
それをぶっつけ本番でやってしまうのがサラ・ウィンドギャザーという魔法使いであった。
サラは、完全にヴァレンの攻撃を無力化しつつ、ヴァレンが攻撃しようとしていた的だけを確実に破壊していく。
ヴァレンは途中から何発か同時に撃ったり、曲射で放物線を描いて的を狙ったりし出したが、それこそサラの思うつぼだった。
そういったまぐれ当たりを狙った攻撃をしてきた時は、その攻撃を無理に相殺しようとはせず、普通に的を破壊してポイントを稼いでいく。
ヴァレンは何個かの的を破壊することはできたが、そのほとんどの攻撃をサラによって吹き消されていた。
その間にも両チームの他の選手が的を攻撃していくが、主力を失ったヴァレンのクラスは、サラのチームに敗れたのだった。
「酷いことをしてくれるね」
ヴァレンが試合が終わったあとに、嘆くようにしてサラにそう言った。
「ごめんなさいね。目の敵みたいにしてしまって。あなたの攻撃を抑えないことにはチームの勝利はないと思ったから」
サラが申し訳なさそうに頭を下げた。
「まぁそう言われると悪い気はしないね。いいさ、負けたのはろくな対抗策を思いつかなかった自分の力不足だからね。恨み節を言って申し訳なかった、忘れてくれ。やはり『全色の魔法使い』では分が悪すぎたね」
ヴァレンは肩をすくめた。
「しかし、これで恐らく決勝はレイチェルだろうね。サラさん、勝機はあるのかい?」
「確かにレイは普通の魔法使いじゃないわ。でも、無詠唱でレイよりもっと理不尽極まりない攻撃をしてくるやつを私は知ってるわ。その子に比べたらまともに戦えるだけ勝機はあるわ」
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