40 / 181
3章 共同作戦
答えは…
しおりを挟む
「少し席を外してもよろしいですか?一旦考える時間が欲しいです。もちろん、口外は致しません。」
お父様の言葉に、場がしんと静まります。殿下は相変わらず真剣で腹の底が読めない表情をしています。
「分かった。今日中には答えを出してくれ。いい返事を期待しているよ。」
「では、一旦。」
私はお父様と共に謁見の間を出ました。いつになく気難しい顔をしています。お父様は私に向き直り、口を開きます。
「レイ、殿下からの提案をどう思う?」
「私は……」
悩みました。もちろんディアナ様は憎いですし、あの方が王妃になるなんて考えるだけでも恐ろしいです。しかしこの計画、失敗すればエメリック公爵家が危険に晒されることでしょう。テレネシア公爵家の足取りは優秀なお父様でさえ僅かに掴めたくらいです。失敗する可能性は充分あえります。
ですが、それ以上にやらなければならない、そんな気がしました。庭園で出会った疲れ果てた王太子殿下の顔がチラつきます。オラルト元伯爵やディアナ様のような小狡い人が甘い汁を吸い、殿下のような誠実な人が苦労をする、そんな国は嫌です。
そして、決意しました。
「提案を受けるべきだと思います。」
「そうか。レイならそう言ってくれると思ったよ。」
お父様は私の頭を撫でました。そして謁見の間に向け、私たちはまた歩みを進めます。
従者の方が扉を開けるとギィィと重苦しい音がして、王太子殿下の顔が見えてきます。従者が履けていきます。
「答えが出たようだね。」
「はい。」
胸を張って、堂々と。お父様は殿下に告げました。
「エメリック家の力を総動員して、協力致します。共にこの国の膿を取り出しましょう。」
「あぁ、ありがとう。エメリック家が協力してくれるなら心強い。」
こうして、公爵家と王太子殿下による共同作戦が始まったのです。
お父様の言葉に、場がしんと静まります。殿下は相変わらず真剣で腹の底が読めない表情をしています。
「分かった。今日中には答えを出してくれ。いい返事を期待しているよ。」
「では、一旦。」
私はお父様と共に謁見の間を出ました。いつになく気難しい顔をしています。お父様は私に向き直り、口を開きます。
「レイ、殿下からの提案をどう思う?」
「私は……」
悩みました。もちろんディアナ様は憎いですし、あの方が王妃になるなんて考えるだけでも恐ろしいです。しかしこの計画、失敗すればエメリック公爵家が危険に晒されることでしょう。テレネシア公爵家の足取りは優秀なお父様でさえ僅かに掴めたくらいです。失敗する可能性は充分あえります。
ですが、それ以上にやらなければならない、そんな気がしました。庭園で出会った疲れ果てた王太子殿下の顔がチラつきます。オラルト元伯爵やディアナ様のような小狡い人が甘い汁を吸い、殿下のような誠実な人が苦労をする、そんな国は嫌です。
そして、決意しました。
「提案を受けるべきだと思います。」
「そうか。レイならそう言ってくれると思ったよ。」
お父様は私の頭を撫でました。そして謁見の間に向け、私たちはまた歩みを進めます。
従者の方が扉を開けるとギィィと重苦しい音がして、王太子殿下の顔が見えてきます。従者が履けていきます。
「答えが出たようだね。」
「はい。」
胸を張って、堂々と。お父様は殿下に告げました。
「エメリック家の力を総動員して、協力致します。共にこの国の膿を取り出しましょう。」
「あぁ、ありがとう。エメリック家が協力してくれるなら心強い。」
こうして、公爵家と王太子殿下による共同作戦が始まったのです。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1,569
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる