【完結】虐待された少女が公爵家の養女になりました

鈴宮ソラ

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4章 無血革命

公爵令嬢の末路

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 どうして…どうしてこんな事になってしまったのです?

 この前は格下のエメリック公爵家のパーティーに仕方なく参加してあげていましたの。皆さん辛気臭い顔をしていましたわ。
 でも、今私がいるのは狭苦しい馬車の中。それも公爵家のようなふかふかの座椅子も無い、固くて揺れる最悪の馬車ですわ!!

 私はディアナ・テレネシア、公爵令嬢にして王太子殿下の婚約者ですわ。この国の令嬢の誰よりも高貴で偉くて美しくて煌びやかで……とにかく誰にも劣らないのですわ!




 婚約者の王太子殿下からパーティーに出席するよう言われ来てみれば、殿下は下級貴族の皆さんに混ざってお父様と私を告発してきたではありませんか!愚かな殿下、騙されているのですわね!

 私が身分を笠に着て、他の令嬢を嫌がらせをした?そんなの私の癪に障る事をした令嬢たちが悪いのですわ。私の気を悪くしたのだから、相応の罰を受けるのは当然。むしろ罪に問わなかったのだから感謝してほしいくらいですのに!


 闇魔道具を使った?ど、どうして知っているのです!?愚かな殿下やエメリック家ごときが!

「公爵家の人間たるもの、常に強者であれ。強者は全てが許され、弱者は許されない。」

 お父様の口癖でした。だから私は何事も強者になるためブレスレットを買ったのですわ。
 このブレスレットに初めて触れた時の快感といったら!全身に力が流れ込んできて、全てから解放されたような喜びに溢れたのです。買うのには躊躇しませんでしたわ。

 そのブレスレットが、犯罪?ふざけてますわ!私が認めたものは、全て認められるべきなのですわ!
「ふっざけんじゃないわよ!!私は高貴な令嬢なのよ!!」
ふざけるな、許さない許さない許さない!皆、皆私の力の前にひれ伏せばいいのですわ!
 あぁ!感じますわ!力が、魔力が全身に行き渡ってきますわ!

「ディアナ!やめろ!」
「ふふふ……これが…私の力!さぁ!!ひれ伏しなさい!!」
これが凡人には理解できない私の力なのですわ!


その刹那、私の意識が消えたのですわ。ただ物凄く冷たい何かが突き刺さった気はしましたわ。

 そして、身体が動くようになった途端拘束されましたわ。戸惑って何が何だか分からない私を警備隊が拘束。私は引きずられながら会場を出されたのです。

 何故?
 私は公爵令嬢、間違っても犯罪者ではありませんわ。何故、何故……

 不快極まりない馬車の旅を続けること1週間。私は揺れる馬車に悲鳴をあげた身体を鬱陶しく思いながら、降りた先に絶句しましたわ。

「エーデン修道院、北方支部。」

 そこは厳しいと有名な修道院だったのですわ。
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