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十五話 姉川の合戦
しおりを挟む越前から、ほぼ無傷で帰京した信長は、浅井、朝倉家を討つべく戦力の立て直しを始めていた。
そして信長の帰京に遅れること一週間。
重治が消えた後も何度かの小競り合いを繰り返し、なんとか木ノ下藤吉郎は、しんがりの役目を果たし、京へと帰還していた。
「木ノ下藤吉郎様、帰還のご報告に参って降りまする」
「うむ、通せ」
藤吉郎は、織田家しんがり隊としての越前撤退戦の戦果を信長に報告した。
しかし、その報告の中に重治の名前が出てくる事はなく、全てが藤吉郎の戦功として報告された。
「以上で、我が木ノ下隊の撤退戦の戦果報告とさせていただきます」
「‥‥うむ、下がってよし」
「ははぁー」
藤吉郎の戦果報告には、重治から授かった鉄砲の新戦術さえ記載されておらず、それは口頭での報告でさえ、信長に、される事はなかった。
信長がその事について藤吉郎に、あえて問いたださなかった事により、鉄砲の新戦術は、この戦いでは存在しないものとなった。
そして、それはまた重治と忍び達の活躍についての事実に関してもでもある。
それら全て事実の報告は、既に三人の忍びによって信長には、なされていた。
しかし、歴史の表舞台に立つことをよしとしない重治の思いを受け入れ、信長と藤吉郎は、重治の名前を心に深く刻み込みはしたが、後世に残すことはしなかったのである。
重治の弔い合戦として、浅井、朝倉家を討つために信長は、積極的に調略をもちいている。
信長は、浅井家を包囲、足止めをしておいて、朝倉家を最初に滅ぼす相手とした。
この事の大きな理由としては、浅井家の居城、小谷城は難攻不落と言われおり、攻略に手間取る事を恐れたのが理由とも、また信長の妹お市の影響が心理的に現れた結果ともいわれている。
とにもかくにも、朝倉を攻めるその事を実現するためには、浅井家の動きを封じる事が最も大事な事となるのは明らかで、織田家の家臣総出にて奔走する事になる。
この時代、浅井家の居城小谷城に攻めいるためには、その南に位置する浅井家最強と言われた磯野軍が守る佐和山城が鍵となっていた。
織田方にとって、佐和山城を抑える事こそが、浅井家を封じ込める最初の一手となり得たのである。
そんな織田家の動きに対して、浅井・朝倉軍は、小谷、佐和山両城の中ほど、美濃と近江との境に位置する坂田郡長比の地に強固な砦を築いていた。
この坂田の地は浅井家家臣、堀二郎秀村の領地で当主秀村は、弱冠14歳でであった。
この堀家の家老である樋口直房と親交のあった竹中半兵衛の働きによって、幼い当主、秀村は家老の言いなりとなり、労せずして信長は、この長比の砦を手に入れる事となる。
浅井家は、坂田の地を織田家に抑えられた事により、小谷城と佐和山城との連絡を絶たれ、孤立することとなった佐和山城は、織田軍に包囲され籠城を余儀なくされることとなった。
いくら、最強の軍が守ろうとも、援軍、後詰めの来ることのない城は、落城以外の結末を迎えるはずはあり得なかったのである。
信長の戦略は、あえて佐和山城には攻め込まず、包囲するだけであった。
他の城との連絡の途切れた城の兵たちは、やがては志気が下がりはじめ、投降をしはじめる。
信長は、時間をかけることで、戦力を温存したままでの落城、勝利を得ることとなったのである。
この佐和山城包囲と平行して信長は、小谷の城下を焼き払うという、策もとっている。
頑なに籠城をし続けている浅井軍をおびき出そうと画策したのである。
しかし、小谷城に籠城する浅井軍は、城下を焼かれても出陣せず籠城を続け、盟友朝倉軍の後詰めを待ち続け、信長の策は水泡ときしたのであった。
この画策が無駄になったと思われた時、信長は、浅井家の盟友、朝倉軍が浅井家の援軍として、一乗谷を出陣したとの報告を受ける。
信長は、朝倉軍に自軍の背後を突かれる事を避けるため、それまでの小谷城の包囲の陣を崩さざるをえなくなったのである。
朝倉の援軍に備え、陣を小谷城の南側に展開し、支城の横山城を包囲しつつ織田信長、徳川家康の連合軍は、態勢を整えていった。
西暦1570年、元亀元年六月二十七日、浅井・朝倉軍と織田・徳川軍は、近江の姉川をはさんで睨み合い、戦いの時を待ち対峙していた。
北に浅井・朝倉軍、一万八千。それに対して、南に織田・徳川軍、二万八千が見通しの良い平野で、一定の距離を保ったままの膠着状態を続いていた。
戦力的に上回る織田、徳川連合軍ではあったが、浅井家、横山城の包囲を緩める事のできない織田・徳川方は、自軍より討ってでることが、かなわなかった。
なぜなら、包囲を緩め、自軍から進軍した場合、横山城の牽制が手薄になる事で、横山城からの攻撃に背後を突かれかねない陣容になってしまっていたからであった。
数的有利を持ちながらも織田・徳川連合軍にとって、極めて不利な戦いとなってしまっていた。
長い長い睨み合いが続いた末、翌二十八日未明、浅井・朝倉の陣が動いた。
姉川を分けて南側の対岸から数多くの移動するかがりびが、織田方の陣から確認する事ができたのである。
その様子を見て、信長は、朝倉軍が撤退、浅井軍は、元の籠城策に切り替えたものと軽率にも判断してしまった。
そして、それを好機と見た信長は、包囲していた横山城の攻略をこれ幸いにかかってしまったのである。
しかし、それは浅井・朝倉軍の緻密な計略であった。
数多くのかがり火を移動させる事で、軍を引いたように見せかけ、その実は、軍が引かれた事を見て信長軍が横山城を攻めるのを見越した偽装工作であった。
六月二十八日早朝、織田軍が横山城に攻めいったとき、浅井、朝倉軍は、織田軍の背後をつき奇襲を開始した。
織田軍主力部隊は、姉川からいって、南に位置する横山城の攻略にかかっていた。
北から朝倉・浅井軍、姉川を挟み、信長本陣、織田軍主力、そして横山城の配置となる。
信長の本陣は、姉川方面からは、全くの無防備な状況の位置にあったのである。
そこに浅井、朝倉軍が奇襲を仕掛けたのだ。
「お、お館様、お知らせします!!浅井、朝倉軍が攻め込んでまいりました!!」
「な、なんじゃと。!?‥‥してやられたわ……」
飛び込んできた伝令の言葉を聞いた信長は、頬を引き攣らせつつも苦笑いを浮かべた。
この報告を受けた時、信長は、簡単死を覚悟し、それを受け入れた。自分を守る部隊など、周りに存在しないのである。
金ヶ崎の結末は、公式の物とは別に木下藤吉郎から詳しく報告されていた。愛していると公言するほどの相手、重治が鉄砲で狙撃された。確かに安否が確認できた訳ではない。しかし信長の心の空白は日増しに大きくなり生に対して投げやりにさえなっていたのであ。
伝令を出すことによって、横山城を攻めている部隊のいくつかは反転し多少の反撃は、可能かもしれない。しかし、その反撃の時まで、生き残れる可能性は、皆無といってもよかった。
信長の本陣を守るのは、御馬廻り(親衛隊)のみで、他は織田家の主力を外れたわずかな部隊であった。
そのわずかな部隊さえも、備えのない後方からの攻撃に、わずか短い時を稼いだだけで壊滅させられていった。
信長の命は、風前の灯火となっていた。
「浅井家主力、磯野軍が待機部隊の坂井隊を壊滅させ、この本陣に攻め込んでまいりました」
「‥‥うぅむ。もはや、これまでか……」
「お館様だけでも、お逃げくだされ」
「もう、よい。‥‥皆の者。覚悟を決めよ!」
信長は、陣幕の内で守りにつく近從のものたちにつげた。
重治のいない世界。信長には、この戦いが勝とうが負けようがどうでもいいもののように感じていた。
織田信長が死を覚悟していたその時、横山城の攻めには、加わらずに待機をしていた強者たちが存在した。
徳川家康率いる三河武士軍団である。
待機していた家康軍五千人は、信長本陣に攻め込む浅井、朝倉軍の横槍をついた。
信長の本陣を目指して集中する敵軍にとって、突然の側面からの攻撃は、絶大なるダメージとなり、攻撃進度にも大きな影響を与えた。
また、この時、一方では、越前撤退戦で負傷者を多数抱えていたため、待機部隊となっていた木ノ下藤吉郎隊も動いていた。
本陣にいる信長の耳には敵の怒声が響き、どんどんと近づくのが感じられていた。
信長は、そばにいた小姓を呼びつけ、刀を受けとると、陣幕を突き破ってくるであろう敵将にそなえていた。
そしてついに、その時がきた!?
信長本陣の陣幕が大きく波打ち揺れ動いた。
「……?」
「お館様ぁ。おおぅ、お館様。よくぞ、ご無事で!」
「‥‥おぅ!さ、さるか!!!」
「はっ、我が部隊がお館様をお守りいたしまする」
そう言うと藤吉郎は、今来た方向へと陣幕を飛び出していった。
しかし、今の信長にとって藤吉郎の部隊の守備は、大きな安心とはなり得ることはなかった。
撤退戦で活躍した藤吉郎ではあったが、それは与えられた兵力と重治の力によるものがあったからで、負傷兵を多く抱える今の藤吉郎の部隊に大きな期待は持てなかったのである。
藤吉郎の織田家での役所は、馬廻り役。兵力としては、何ほどの役に立つものではなかったのであった。
この時代においては、信長が鉄砲を使った戦闘を行うようになる前までは、戦陣を切る部隊には、必ずと言ってもいいぐらい、先駆けの者というその部隊一、屈強で命知らずな者が存在し、その者の活躍いかんによって勝利が決するという戦いが数多くあった。
そして今、信長の本陣に襲いかかるのは、その命知らずな屈強なる先駆けの者。
浅井家の中の最強軍団、磯野部隊、先駆けの者。その男の名を、山崎新平と言った。
浅井家、最強の男であるそんな男を馬廻り役の、しかも傷つき、万全と言えない兵士達で食い止める事ができようはずもない。
木ノ下藤吉郎の部隊は難なく、先駆けの者に信長本陣への突破を許してしまう。
ひとりの雑兵が信長の本陣へと叫びながら飛び込んできた。
「も、申し上げまする。浅井家先駆け、やまざ、ぐ、ぐぅわぁあ!」
「…………」
「信長公とお見受けいたす。我は浅井家家臣、山崎新平。お命、頂戴いたす」
飛び込んできた雑兵を持っている槍で馬上から一振りで切り倒し、信長本陣の陣幕の中に入り込んだ騎馬武者はそう叫んだ。
信長の近従達は、山崎新平と信長の間に入り込み、なんとか信長の盾になろうとした。
しかし、近従達では全く歯が立たず虚しく切り倒されていくのみである。
「信長殿、お覚悟なされい!」
信長と新平との距離わずか三間(一間は約1.8メール)。馬上の新平にとっては無いにも等しい距離であった。
山崎新平は、手に持つ槍を高々と持ち上げると、ゆっくりと信長との間合いを詰めようとした。
『ヒヒィーン』
突然の嘶きとともに、山崎新平を乗せた馬が立ち上がった。
それは、突然の出来事であった。その馬は人には感じとる事のできない、一種異様な空気を感じとり反応を示したのである。
「どぉう、どぉう、どぉう!どうした、どぉう、どぉう!!」
山崎新平は、驚き興奮する馬を懸命になだめた。
なんとか馬を混乱から落ち着かせた新平は、再び、信長と対峙しようと馬の鼻を信長に向けた。
「ふぁは、はははは。はっははは。山崎とやら、少し遅かったようだの。はっ、はははは」
「なんだと!?」
死さえも覚悟していた信長が、それまでの緊張の欠片も感じる事の出来ない笑い声をあげた。
「はっ、はははは。もっちっとは早く来ぬか。待ちわびたぞ!!」
信長がそう叫ぶ信長と山崎新平のいる場所との間に、空間の歪みが生じ、目にも眩しい、拳大の白く輝く光が現れていた。
「な、なんだ、この光は?……」
驚く、山崎新平の目の前の光は、輝きを増しながら更に大きくなっていく。
やがて、その輝きは、人を包み込むほどの大きさにまで膨らみ、そのまばゆい光のなかに、突如、人影が現れた。
山崎新平にとって、目前に現れた初めて見る超常現象に、あっけにとられ、呆然とそれをただ見つめ続けるだけだった。
まばゆいばかりの輝きを放っていた光は、やがて現れた人影を残し徐々に収束していき、そして消えた。
「……、あれっ?!、信長様?!……お久しぶりです」
「はっ、はははは。のん気な奴じゃな」
「?、?、?」
山崎新平に対して背を向けて現れた重治には、今の緊迫した状況が飲み込めるはずもない。ましてや、重治の前には、にこやかに微笑む信長がいた。
しかも、そのうえ信長の表情は喜びいっぱいで、戦中の緊張感などかけらさえも感じさせないのである。
『ヒヒィーン』
すぐ真後ろから聞こえた馬のいななきに、重治は驚いて後ろを振り向いた。
「き、きさま、な、なにものだ?!」
「?、?、?」
凄い殺気を放つ、馬上の鎧武者。
陣幕の張られたこの場所。周りで足元に倒れ伏しているたくさんの小姓たち。
のん気な重治にさえ、流石に今が、ただならぬ状況である事が飲み込めた。
「重治!、ほれ!!」
信長の方をちらりと振り向き見た重治に、突然、刀が飛んできた。
武器を持たない重治に、信長が自分の持つ刀を投げ渡したのである。
『パシッ!』、重治は、突然の事にもかかわらず、見事に投げられた刀を捕まえる。
犬が投げられたフリスビーを捕まえるように、目の前に突然に投げられた刀を条件反射のように瞬間的に受け取っていた。
「えっ?!えぇー!!」
「‥‥ほう、やる気か。では、切り捨てる前に名を聞いておこうか」
「え?!、え?!、‥‥は、はい。竹中重治です。」
「‥‥ほう、そなたが半兵衛殿か。相手にとって不足なし。いくぞ!!」
「ち、ちょっとぉ、待って。違う、違う、違う。半兵衛じゃなくて、重治」
「‥‥そんな事など、どうでもよい。我の行く道をふさぐ者は、誰であろうと容赦はせぬわ」
そう言うと、馬上の山崎新平は、大上段に槍をかまえなおした。
それに対して重治は、信長を背後に守る位置にいる事で、逃げる事のできない追い込まれた状態となっていた。
重治の緊張と集中は、否が応でも高まっていった。
陣幕の外では怒声、罵声、悲鳴、歓声、ありとあらゆる感情の音が渦巻いている。
それとは対称的に、陣幕一枚隔てたこの場所で、重治は、緊張と集中が高まる事によって、全ての雑音が消え去り、相手の呼吸の音さえ、聞き分けることができるようにまでなっていた。
馬上の山崎新平が先に仕掛けた。
重治は、全く動じる事なく、信長から受け取った刀を素早く鞘から抜き、抜いた鞘をそのまま捨て去った。
そしてそんな一連の動作のなかで、一瞬のうちに腰を落とし低い体制になって相手を待ち構える。
山崎新平の乗る馬が馬上の主の命令で駆け出した。
馬上の新平は、独楽のような動きで、大きく、そして素早く槍を振り回す。
新平の馬上槍の攻撃には、全く死角はないように思われた。
新平と重治との間合いがゼロになり、重治めがけ槍の穂先が重治の頭上から、近づいてきた。
『ビュッ』、槍の穂先が迫った瞬間に重治は、前へと足を踏み出した。
迫るくる槍を紙一重でかわしきり、相手の懐に入り込んだ重治は、目の前にある馬の足を薙ぎはらった。
足を切られた馬は、たまらずにもんどりうって倒れた。
倒れた馬に乗っている者が無事にいられる筈もなく、その倒れた勢いで、強く地面に叩きつけられた。
「お館様ぁ。お館様ぁ」
陣幕の外から叫ぶ声が聞こえてくる。
陣幕の外の状況は、先ほどから少しずつではあるが変わり始めていた。
徐々にではあるが、織田方の攻勢が始まっていたのである。
馬上から叩きつけられた山崎新平は、鎧兜の重量がそのままダメージとなってその身に被ることとなり、立ち上がる事さえできないでいた。
その時、陣幕を引き裂いて、叫びながら飛び込んでくる武将たちがいた。
「お館様ぁー。あっ、お館様。よくぞご無事で」
援軍の駆けつけたのを知った新平は、覚悟を決めていた。
「くっ、もはやこれまでか‥‥」
起き上がる事すらできない山崎新平は、仰向け大の字になって叫んでいた。
先頭を切って飛び込んで来たのが、織田家の重臣、猛将で名を馳せた柴田勝家、その人であった。
「お館様、よくぞ、よくご無事で……」
「ばかものが、泣くな。みっともない。重治が笑っておるぞ」
「?!お、おぅ!!、し、しげはる‥‥」
「……ども」
慌てふためいて飛び込んできた勝家は、信長の無事を確認し、感極まって涙を浮かべてしまっていた。
重治と視線の合った勝家は、照れくさいやら恥ずかしいやらで、重治から顔を背け、あたりを見回すことでそれをごまかしていた。
「……むっ、なんと。こやつは、山崎ではないか。……重治、まさか、おまえが?」
「?、‥‥知っておられるので」
「はっははは。そうじゃ、ほんとうに見事なものであった。勝家、そちにも見せてやりたかったぞ」
「‥‥うむ、なるほど……、この山崎という男はな、浅井家の中でも最強と言われた磯野隊の先駆け大将でな、わしが手合わせしたかった最強の中の最強の男よ」
そう言いながら勝家は、大の字に寝ている山崎新平に近づき、起き上がるために手を差し出した。
「いつまで寝ているつもりだ」
「‥‥ふん。誰が手を貸してくれと頼んだ」
そう言いながらも新平は、勝家の差し出された手をつかみ、重い体を漸くのこと起こした。
「‥‥半兵衛殿。完敗じゃ」
「えっ、だから半兵衛じゃないって……」
「はっ、はははは」
快勝したはずの重治の表情は困り果て、敗者である新平の表情よりも敗者らしかった。
「信長様、笑い事ではないです。‥‥説明してあげてくださいよぉ……」
この日から、古文書、歴史書などから山崎新平の名前は消える。
山崎新平は、姉川の合戦のさなか織田家本陣まで切り込むも、力つき果て、討ち取られてその生涯を閉じたのである。
歴史書、史実のなかでは……。
本陣から戦場のいたる場所へと伝令が走る。
『浅井家先駆け大将、山崎新平、討ち取ったり』
この知らせが、伝令達によって戦場に広められていった。
その報を伝え聞いた浅井家の兵士達の動揺は尋常ではなかった。士気は、急激に下がり、それまで優勢を保っていた戦いが、織田方へと一気に傾いていったのである。
「お館様、ご報告いたします。徳川家康様、朝倉軍を打ち破ったもようでございます。朝倉軍は、そのまま越前に撤退を開始しました」
「ふふふ、そうか‥‥。家康め、ほんに戦上手じゃわい」
「ご報告いたします。横山城の抑えの諸将が駆けつけ、浅井軍を一気に押し返しました」
次々と戦況が有利に変わっていく報告が届けられ続けた。
早朝に始まった姉川の戦いは、その日のうちに幕をとじる。
朝倉の兵士達は、織田、徳川の圧倒的強さを見せつけられ、ほうほうの体で越前一乗谷へと退却していった。
そして浅井軍は、姉川を越えて攻め込む織田軍の勢いに追われ、再び、小谷の城に籠城する事になるのである。
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