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五十二話 粛正
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1580年(天正八年)、戦が長引くことを懸念した正親町天皇が仲裁を提案する。
両者はこれを受入れ、本願寺側が武装解除し、顕如が石山を退去することで石山合戦は一応の終結を迎える。
元亀元年(1570年)、織田信長は三好氏が拠点とする野田砦と福島砦を攻撃。
この野田・福島の戦いから始まった石山本願寺との戦いは、その後、10年にも渡り、石山本願寺と織田信長は争っていくことになる。
石山本願寺の顕如は、全国の門徒に信長との全面対決を訴え、長島の一向一揆など、その声に答えた門徒達が信長と対決していく。
そんな石山勢に対して信長は、これに手こずりながらも長島、近江、越前、加賀の一向一揆など、地方における本願寺勢力を次々に潰していく。
そうして織田信長は、難攻不落の石山本願寺を攻略するため兵糧攻めを慣行していく事となる。
陸地では、本願寺の4方10箇所に砦を築き、大阪湾からの兵糧搬入も水軍で海を包囲していく。
しかしこの時、本願寺と連帯する毛利の水軍は強力であり、兵糧攻めの効果は上がってはいなかった。
しかし、その決定的打開策として用いれられたのが、(重治の持ち込んだ設計により)信長が開発させたのが巨大な軍艦である。
船は鉄板で覆われ、大砲が装備。これが正真正銘、日本で初の巨大鉄船であった。
これにより、兵糧不足におちいった本願寺は、1580年、正親町天皇仲裁を提案を受け入れ、ついに石山を引き渡せという織田信長の要求に答え、顕如は石山本願寺を開城したのである。
とここまでが、史実として現代に語り継がれている部分であり、この後、無能とされ織田家を追放される佐久間信盛親子への『十九カ条からなる覚書』へと繋がっていく。
しかし、たとえ史実がそうであっても、事実がそのままであるとは限らない。
佐久間家とは、織田家に何代にも渡って仕える古参の家臣である。そんな家臣を難攻不落と言われた石山の城を落とせなかったといって、無能扱いで追放することなど、普通に考えてあり得るであろうか?
その時、余程の癇癪でも起こしていなければ、そんな馬鹿な状況が起こる訳はない。つまり、追放の裏には、それなりの理由が存在したのである。
「佐久間信盛、林秀貞…いったい何人の者がわしを裏切っておる!」
「はっ、…重臣としては、そのお二人が…、しかし、その者だけとも言い難く…」
「蘭丸、その方、伊蔵に協力を仰ぎ、裏切り者をあぶり出せ!」
「はっ!」
あまりの剣幕の信長に蘭丸は、慌てて駆けだした。
目指すは、主不在の竹中屋敷である。
「ふっ…だからあれほど旅など許さぬと申したのに…」
信長の最後の言葉は、誰の耳にも届かない。ただ、青く広がる空へと溶け込んでいったのである。
両者はこれを受入れ、本願寺側が武装解除し、顕如が石山を退去することで石山合戦は一応の終結を迎える。
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そうして織田信長は、難攻不落の石山本願寺を攻略するため兵糧攻めを慣行していく事となる。
陸地では、本願寺の4方10箇所に砦を築き、大阪湾からの兵糧搬入も水軍で海を包囲していく。
しかしこの時、本願寺と連帯する毛利の水軍は強力であり、兵糧攻めの効果は上がってはいなかった。
しかし、その決定的打開策として用いれられたのが、(重治の持ち込んだ設計により)信長が開発させたのが巨大な軍艦である。
船は鉄板で覆われ、大砲が装備。これが正真正銘、日本で初の巨大鉄船であった。
これにより、兵糧不足におちいった本願寺は、1580年、正親町天皇仲裁を提案を受け入れ、ついに石山を引き渡せという織田信長の要求に答え、顕如は石山本願寺を開城したのである。
とここまでが、史実として現代に語り継がれている部分であり、この後、無能とされ織田家を追放される佐久間信盛親子への『十九カ条からなる覚書』へと繋がっていく。
しかし、たとえ史実がそうであっても、事実がそのままであるとは限らない。
佐久間家とは、織田家に何代にも渡って仕える古参の家臣である。そんな家臣を難攻不落と言われた石山の城を落とせなかったといって、無能扱いで追放することなど、普通に考えてあり得るであろうか?
その時、余程の癇癪でも起こしていなければ、そんな馬鹿な状況が起こる訳はない。つまり、追放の裏には、それなりの理由が存在したのである。
「佐久間信盛、林秀貞…いったい何人の者がわしを裏切っておる!」
「はっ、…重臣としては、そのお二人が…、しかし、その者だけとも言い難く…」
「蘭丸、その方、伊蔵に協力を仰ぎ、裏切り者をあぶり出せ!」
「はっ!」
あまりの剣幕の信長に蘭丸は、慌てて駆けだした。
目指すは、主不在の竹中屋敷である。
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