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序章 その物語は悲劇から始まった
一話 悲劇は突然に
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この話しの主人公、佐伯義弘が、長年勤務してきたその商事会社からリストラを言い渡されたのは、本厄となる数え四十二になってすぐのことであった。
当初、僅かながらにあった退職金も底を見せ始めたある日、どうしてもと友人に頼まれたバイトピンチヒッターが悲劇の始まりであったのかもしれない。
悪友であり失業先輩でもある大学時代のニートな友人、上條敦からの頼みとしてバイト代打要請として入ったコンビニの夜間業務。
そして、そんなたまたまの出来事、義弘のバイトの時間に、客として表れたその人物。その人物その客が、はたまた、たまたま、たまたま、義弘担当のハローワークの労務管であったばかりに、支給され続けられるはずであった生存への唯一の頼みの綱となる失業保険が、紆余曲折(どのようないいわけも虚しく)話し合いをもって、『失業手当支給の差し止め』となる結末、大いなる不幸となって義弘に襲いかかるという、まるで笑い話のような悲劇を主人公にもたらしたのである。
「ああぁ~、コンビニ弁当も飽きたよなぁ‥」
人付き合いの苦手な義弘ではあったが、唯一無二の親友、小中高、大学までも同じという数奇な関係?ご近所の幼なじみ上條敦という人物がいた。
幼なじみの親友とは言える関係ではあるのだが、義弘からしてみれば腐れ縁の悪友。決して親友などに分類される関係に発展することはないと言える仲である。
そんな悪友、敦ではあるが、失業してから7カ月。懐の寂しくなった義弘にとって、コンビニ勤めの敦という人物がこっそりと持ち帰る賞味期限切れの弁当は、天からの贈り物とも言えるものであった。
「まあ‥、食べれるだけ幸せか…。はあ‥、それにしても、いい加減、部屋の掃除もしないとなぁ…」
『ガサガサガサガサ』
「?????」
散らかされたゴミ、ゴミ、ゴミ。
間違いなく汚部屋とも呼べるレベルの部屋の中を眺めながら呟いた義弘の耳にそれまで聞いた事のない不穏な響きが届いた。
『ガサガサガサガサ』
散らかされたゴミとゴミの間を物凄いスピードで通り過ぎる黒い影。
それは誰もが一度は見たことがある生物。
ピカリと輝く脂ぎったそのボディ。
誰でも、決してお近づきたくはないそんな生物。
世の中で最も嫌われる生物。
通称『G』。
義弘が失業する以前、規則正しい生活を営なわれていたこの部屋では、そんな嫌われ者Gの存在は全く確認されていなかったのである。
「はあ、明日は、なけなしのお金で殺虫剤バル○ンでも買ってこないと…」
『現状トラブルを先延ばす』これが最大の悲劇の始まりであった。
当初、僅かながらにあった退職金も底を見せ始めたある日、どうしてもと友人に頼まれたバイトピンチヒッターが悲劇の始まりであったのかもしれない。
悪友であり失業先輩でもある大学時代のニートな友人、上條敦からの頼みとしてバイト代打要請として入ったコンビニの夜間業務。
そして、そんなたまたまの出来事、義弘のバイトの時間に、客として表れたその人物。その人物その客が、はたまた、たまたま、たまたま、義弘担当のハローワークの労務管であったばかりに、支給され続けられるはずであった生存への唯一の頼みの綱となる失業保険が、紆余曲折(どのようないいわけも虚しく)話し合いをもって、『失業手当支給の差し止め』となる結末、大いなる不幸となって義弘に襲いかかるという、まるで笑い話のような悲劇を主人公にもたらしたのである。
「ああぁ~、コンビニ弁当も飽きたよなぁ‥」
人付き合いの苦手な義弘ではあったが、唯一無二の親友、小中高、大学までも同じという数奇な関係?ご近所の幼なじみ上條敦という人物がいた。
幼なじみの親友とは言える関係ではあるのだが、義弘からしてみれば腐れ縁の悪友。決して親友などに分類される関係に発展することはないと言える仲である。
そんな悪友、敦ではあるが、失業してから7カ月。懐の寂しくなった義弘にとって、コンビニ勤めの敦という人物がこっそりと持ち帰る賞味期限切れの弁当は、天からの贈り物とも言えるものであった。
「まあ‥、食べれるだけ幸せか…。はあ‥、それにしても、いい加減、部屋の掃除もしないとなぁ…」
『ガサガサガサガサ』
「?????」
散らかされたゴミ、ゴミ、ゴミ。
間違いなく汚部屋とも呼べるレベルの部屋の中を眺めながら呟いた義弘の耳にそれまで聞いた事のない不穏な響きが届いた。
『ガサガサガサガサ』
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それは誰もが一度は見たことがある生物。
ピカリと輝く脂ぎったそのボディ。
誰でも、決してお近づきたくはないそんな生物。
世の中で最も嫌われる生物。
通称『G』。
義弘が失業する以前、規則正しい生活を営なわれていたこの部屋では、そんな嫌われ者Gの存在は全く確認されていなかったのである。
「はあ、明日は、なけなしのお金で殺虫剤バル○ンでも買ってこないと…」
『現状トラブルを先延ばす』これが最大の悲劇の始まりであった。
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