31 / 61
第四章 異世界生活
十三話 訳ありと紹介と
しおりを挟む
「まあ、これを見てくれ♪」
ゴルドは背中に背負った異世界風風呂敷をゲン爺さんの前へと差し出した。
「なんじゃい?今日の獲物かい?」
ゲン爺さんは、差し出された風呂敷の包みをゆっくりと解いていく。
「?!…!‥!!」
「おいおいおい!これはまた‥いったい全体どうしたらこんなに‥」
無言で爺さんを見つめていた毛むじゃは、ニヤリと笑って義弘を指さした。
「なんじゃい、そいつは?」
「だから、そいつ♪そいつがその薬草の犯人♪」
「ゴルちゃん、犯人はないんじゃない‥」
指さされたおっさんは苦笑いを浮かべながら、爺さんに近づいた。
「初めまして、佐伯義弘と申します。ゴルちゃん‥‥ゴルドさんにはお世話ななっております。」
「また、ばかっ丁寧なやつだなぁ‥わしは、ゲン♪このギルドのまあ、雑用係だよ♪」
そんな紹介をしたゲン爺さんには、まるで隙がない。
素人の義弘でさえ、ゲン爺さんが計り知れない力を持っていて、只者でないことは理解できた。
「それで、どうやった?」
「……」
「‥すまん、冒険者の秘匿事項だったな…。」
ゲン爺さんはおっさんに深々と頭を下げた。
ゲン爺さんの視線にいち早く気づいたおっさんは、気まずい空気と相手の気持ちを汲んで、自らこの後の乾杯のお誘いをする。
クエスト攻略。
それは冒険者各自の方法で成果を示す。
勿論その方法は冒険者それぞれが工夫を凝らし、最上の結果を追求していく。そんな独自のクエスト攻略方法は、冒険者の秘匿事項としてギルドから認められ、一般開放する必要はなかったのである。
「‥別にかまわないんですが、‥たぶん、私以外は無理かと…」
「構わん、教えてくれ。この上回復草が定期的に確保となれば、冒険者の死亡率が極端に減ることは間違いない!」
おっさんに迫るゲン爺の表情に、後退る義弘。
そんな二人をニコニコと眺める毛むくらじゃのおっさん。倉庫の中は殺伐と化していく。
「ちょ、ちょ、ゲン爺、ち、近い。近いって!!」
「教えろ、教えてくれ、いや、教えてください…」
ずんずんと迫るゲン爺さんにたじたじとなるおっさん。端から見ればシュールなおっさんと爺さんのラブシーン。
「はあぁ、わかりました…ただ私のしたことといえば索敵をより細かく、より精密にしただけで…」
「……………………………………」
「ゲン爺よ、ヨッシは我々一般人じゃ、計り知れない♪考えるだけ無駄無駄♪」
「そ、それでもゴルドよ‥もしもじゃ、もしも…はっ、詮無いことか…」
「すみません…」
苦虫をつぶしたように苦笑いを浮かべゲン爺さんは、それまでの勢いは秘めて、ゆっくりとおっさんに語りかけ頭を下げた。
「この回復草一本あれば助かる命もまた一つ。どうか、街の為、回復草の定期的な納品をしてもらえないか」
「ゲン爺さん、頭をあげてください」
「では‥」
「はい。これからも買い取りのほうお願いします」
笑顔で握手を交わすおっさんと爺さん。
その後は、山となった薬草を何故か三人で選別していく。
採取後の処理はさすがにベテランのゴルドである。
一切の品質劣化は見当たらない。義弘は、いい友人といい教師を同時に得て自然と笑みが溢れるのであった。
ゴルドは背中に背負った異世界風風呂敷をゲン爺さんの前へと差し出した。
「なんじゃい?今日の獲物かい?」
ゲン爺さんは、差し出された風呂敷の包みをゆっくりと解いていく。
「?!…!‥!!」
「おいおいおい!これはまた‥いったい全体どうしたらこんなに‥」
無言で爺さんを見つめていた毛むじゃは、ニヤリと笑って義弘を指さした。
「なんじゃい、そいつは?」
「だから、そいつ♪そいつがその薬草の犯人♪」
「ゴルちゃん、犯人はないんじゃない‥」
指さされたおっさんは苦笑いを浮かべながら、爺さんに近づいた。
「初めまして、佐伯義弘と申します。ゴルちゃん‥‥ゴルドさんにはお世話ななっております。」
「また、ばかっ丁寧なやつだなぁ‥わしは、ゲン♪このギルドのまあ、雑用係だよ♪」
そんな紹介をしたゲン爺さんには、まるで隙がない。
素人の義弘でさえ、ゲン爺さんが計り知れない力を持っていて、只者でないことは理解できた。
「それで、どうやった?」
「……」
「‥すまん、冒険者の秘匿事項だったな…。」
ゲン爺さんはおっさんに深々と頭を下げた。
ゲン爺さんの視線にいち早く気づいたおっさんは、気まずい空気と相手の気持ちを汲んで、自らこの後の乾杯のお誘いをする。
クエスト攻略。
それは冒険者各自の方法で成果を示す。
勿論その方法は冒険者それぞれが工夫を凝らし、最上の結果を追求していく。そんな独自のクエスト攻略方法は、冒険者の秘匿事項としてギルドから認められ、一般開放する必要はなかったのである。
「‥別にかまわないんですが、‥たぶん、私以外は無理かと…」
「構わん、教えてくれ。この上回復草が定期的に確保となれば、冒険者の死亡率が極端に減ることは間違いない!」
おっさんに迫るゲン爺の表情に、後退る義弘。
そんな二人をニコニコと眺める毛むくらじゃのおっさん。倉庫の中は殺伐と化していく。
「ちょ、ちょ、ゲン爺、ち、近い。近いって!!」
「教えろ、教えてくれ、いや、教えてください…」
ずんずんと迫るゲン爺さんにたじたじとなるおっさん。端から見ればシュールなおっさんと爺さんのラブシーン。
「はあぁ、わかりました…ただ私のしたことといえば索敵をより細かく、より精密にしただけで…」
「……………………………………」
「ゲン爺よ、ヨッシは我々一般人じゃ、計り知れない♪考えるだけ無駄無駄♪」
「そ、それでもゴルドよ‥もしもじゃ、もしも…はっ、詮無いことか…」
「すみません…」
苦虫をつぶしたように苦笑いを浮かべゲン爺さんは、それまでの勢いは秘めて、ゆっくりとおっさんに語りかけ頭を下げた。
「この回復草一本あれば助かる命もまた一つ。どうか、街の為、回復草の定期的な納品をしてもらえないか」
「ゲン爺さん、頭をあげてください」
「では‥」
「はい。これからも買い取りのほうお願いします」
笑顔で握手を交わすおっさんと爺さん。
その後は、山となった薬草を何故か三人で選別していく。
採取後の処理はさすがにベテランのゴルドである。
一切の品質劣化は見当たらない。義弘は、いい友人といい教師を同時に得て自然と笑みが溢れるのであった。
0
あなたにおすすめの小説
娘を返せ〜誘拐された娘を取り返すため、父は異世界に渡る
ほりとくち
ファンタジー
突然現れた魔法陣が、あの日娘を連れ去った。
異世界に誘拐されてしまったらしい娘を取り戻すため、父は自ら異世界へ渡ることを決意する。
一体誰が、何の目的で娘を連れ去ったのか。
娘とともに再び日本へ戻ることはできるのか。
そもそも父は、異世界へ足を運ぶことができるのか。
異世界召喚の秘密を知る謎多き少年。
娘を失ったショックで、精神が幼児化してしまった妻。
そして父にまったく懐かず、娘と母にだけ甘えるペットの黒猫。
3人と1匹の冒険が、今始まる。
※小説家になろうでも投稿しています
※フォロー・感想・いいね等頂けると歓喜します!
よろしくお願いします!
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
祈りの果てに ― 無限の箱庭で笑う者 ―
酒の飲めない飲んだくれ
ファンタジー
俺は一度、終わりを迎えた。
でも――もう一度だけ、生きてみようと思った。
女神に導かれ、空の海を旅する青年。
特別な船と、「影」の船員たちと共に、無限の空を渡る。
絶望の果てに与えられた“過剰な恩恵”。
それは、ひとりの女神の「願い」から生まれたものだった。
彼の旅路はやがて、女神の望みそのものを問い直す。
――絶望の果て、その先から始まる、再生のハイファンタジー戦記。
その歩みが世界を、そして自分自身を変えていく。
これは、ただの俺の旅の物語。
『祈りの果てに ― 無限の箱庭で笑う者 ―』
もしかして寝てる間にざまぁしました?
ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。
内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。
しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。
私、寝てる間に何かしました?
帰国した王子の受難
ユウキ
恋愛
庶子である第二王子は、立場や情勢やら諸々を鑑みて早々に隣国へと無期限遊学に出た。そうして年月が経ち、そろそろ兄(第一王子)が立太子する頃かと、感慨深く想っていた頃に突然届いた帰還命令。
取り急ぎ舞い戻った祖国で見たのは、修羅場であった。
【読切短編】処刑前夜、地下牢に現れた王女は言った。「お前でなければ駄目なんだ」滅びの未来を覆す、騎士との契約
Lihito
ファンタジー
王国騎士団の副長ヴェルドは、無実の罪で投獄され、明日処刑される運命にあった。
腐敗した国に絶望し、静かに死を待つ夜。
地下牢に現れたのは、実権を持たない「傀儡」と噂されるイゾルデ王女。
彼女はヴェルドに仮死毒を渡し、こう告げた。
「死んで、私の影になれ」
彼女は知っていた。
この国が三年後に滅ぶこと。誰が裏切り者か。
そして——ヴェルドこそが、国を救うための唯一の「切り札」であることを。
これは、滅びの未来を知る孤独な王女と、一度死んで生まれ変わった騎士が、裏から国を救う「共犯」の物語。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる