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プロローグ
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「ねえ、パパ?」
じっとテレビを見ていたハルカは、リビングにいるはずのパパに何回目かの声をかける。
返事がなかったので振り返ると、パパはこたつの机に顔をつけて固まっていた。
「パパ!」
「……ん、どうしたんだいハルカ?」
慌てた様子でパパは顔をあげる。
寝ていたな、とハルカはむくれて左のしっぽをつかむ。
さっきからずっとお話していたのに、聞いていなかったんだ。
「ごめんよ、暖かくてつい。ハルカは機嫌が悪くなると髪の毛をいじるね。機嫌を直して。せっかくママがかわいくあんでくれたんだ」
パパはいつもの優しい顔でにいっと笑いかけれてくる。
その表情と、お気に入りの髪形をほめられたことでハルカはすぐに気分をよくした。
これは小学生になってからママが毎朝耳の上で編んでくれている。でもハルカはそれが一人でできない。
ママが今日はお仕事でいないから、ほどけてしまっては夜まで直せないのだ。
「うん、許してあげる」
「ありがとう。……それで何かな?」
ハルカはひざ立ちでパパの横まで歩くと、さっきお話したことで一番大事なことを聞いた。
「パパ、サンタさんっているの?」
テレビから「サンタさんに何をお願いするの?」と女の人の声が聞こえる。
今日、学校でそのことでかなみちゃんと言い争いになったのだ。
「もちろんいるよ。あたりまえじゃないか」
「でも……」
サンタなんていない。正体はお父さんやお母さんなんだ。会った子どもが誰もいないのはそのためだ。
かなみちゃんのイジワルな顔を思い出し、かなしくなってくる。
そのことを伝えると、パパは楽しそうに笑った。
「サンタさんは忙しいからね。どうしても全部の子供の家にはいけないんだ。だからパパやママがサンタさんから代理で行くところもあるのさ」
「じゃあサンタさんが来てくれるおうちもあるの?」
「もちろんだとも」
パパは優しい顔をハルカに向けている。
でハルカはだんだん不安になってきた。
ハルカを子どもだと思って、パパはてきとうにいっているんじゃあないだろうか。
「実はパパはサンタさんと会ったことがあるんだ。子供のころに」
「本当?」
ハルカはパパに抱きついて、次々と質問した。
「いつ会ったの? やっぱりおひげが白くて長いの? そりに乗っているの? パパは何をプレゼントしてもらったの? サンタさんは……」
「おちついて、ハルカ。そんなにいっぺんには答えられないよ」
パパに肩をゆさぶられ、ハルカははっと口をとじる。
「そうだね、ママが帰ってくるのは夜だし、今日はお外に食べに行くから食事の準備も必要ない。時間もあるし今日はその話をしよう。かぜをひくといけないからこたつに入って」
素直に座ると、パパは
「どこから話そうか」
と一人ごとを言いながら一度顔をこたつに向けて、それからまたハルカのほうにむけた。
「時間もあるしきっかけになったことからはなすよ。少し長いお話になるけどいいかい?」
「もちろん!」
そうかい、とパパは笑った。
「これはパパが、ケント少年が小学校五年生の時のおはなしだ。あの日はパパのお母さん。ハルカのおばあちゃんと
シノブおばさんと出かけていてんだ」
パパの長いお話がはじまった。
じっとテレビを見ていたハルカは、リビングにいるはずのパパに何回目かの声をかける。
返事がなかったので振り返ると、パパはこたつの机に顔をつけて固まっていた。
「パパ!」
「……ん、どうしたんだいハルカ?」
慌てた様子でパパは顔をあげる。
寝ていたな、とハルカはむくれて左のしっぽをつかむ。
さっきからずっとお話していたのに、聞いていなかったんだ。
「ごめんよ、暖かくてつい。ハルカは機嫌が悪くなると髪の毛をいじるね。機嫌を直して。せっかくママがかわいくあんでくれたんだ」
パパはいつもの優しい顔でにいっと笑いかけれてくる。
その表情と、お気に入りの髪形をほめられたことでハルカはすぐに気分をよくした。
これは小学生になってからママが毎朝耳の上で編んでくれている。でもハルカはそれが一人でできない。
ママが今日はお仕事でいないから、ほどけてしまっては夜まで直せないのだ。
「うん、許してあげる」
「ありがとう。……それで何かな?」
ハルカはひざ立ちでパパの横まで歩くと、さっきお話したことで一番大事なことを聞いた。
「パパ、サンタさんっているの?」
テレビから「サンタさんに何をお願いするの?」と女の人の声が聞こえる。
今日、学校でそのことでかなみちゃんと言い争いになったのだ。
「もちろんいるよ。あたりまえじゃないか」
「でも……」
サンタなんていない。正体はお父さんやお母さんなんだ。会った子どもが誰もいないのはそのためだ。
かなみちゃんのイジワルな顔を思い出し、かなしくなってくる。
そのことを伝えると、パパは楽しそうに笑った。
「サンタさんは忙しいからね。どうしても全部の子供の家にはいけないんだ。だからパパやママがサンタさんから代理で行くところもあるのさ」
「じゃあサンタさんが来てくれるおうちもあるの?」
「もちろんだとも」
パパは優しい顔をハルカに向けている。
でハルカはだんだん不安になってきた。
ハルカを子どもだと思って、パパはてきとうにいっているんじゃあないだろうか。
「実はパパはサンタさんと会ったことがあるんだ。子供のころに」
「本当?」
ハルカはパパに抱きついて、次々と質問した。
「いつ会ったの? やっぱりおひげが白くて長いの? そりに乗っているの? パパは何をプレゼントしてもらったの? サンタさんは……」
「おちついて、ハルカ。そんなにいっぺんには答えられないよ」
パパに肩をゆさぶられ、ハルカははっと口をとじる。
「そうだね、ママが帰ってくるのは夜だし、今日はお外に食べに行くから食事の準備も必要ない。時間もあるし今日はその話をしよう。かぜをひくといけないからこたつに入って」
素直に座ると、パパは
「どこから話そうか」
と一人ごとを言いながら一度顔をこたつに向けて、それからまたハルカのほうにむけた。
「時間もあるしきっかけになったことからはなすよ。少し長いお話になるけどいいかい?」
「もちろん!」
そうかい、とパパは笑った。
「これはパパが、ケント少年が小学校五年生の時のおはなしだ。あの日はパパのお母さん。ハルカのおばあちゃんと
シノブおばさんと出かけていてんだ」
パパの長いお話がはじまった。
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