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二章 恋わずらいはゆううつで
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「ケント、どうしたんだそのケガ?」
「福永くん、大丈夫なの?」
火曜日。
一日学校を休んで登校したケントは、クラスメイトたちから質問攻めにあった。
「大げさだよ。大したことないから」
ケントはクラスメイトたちに、うっとおしそうにそれだけ答えた。
こんな風になるから学校は休まないっていったのに!
ケントはほとんど休んだことがないから、余計に珍しいのだ。
「お願いだから今日は一緒に、学校休んで病院いきましょう? ね?」
母さんが泣きそうな顔で言うから、さすがに無理やり学校に行くわけにはいかなかったのだ。
実際病院に行ったけど、ちょっとあざができているぐらいで大したことはなかった。
今日も普通に学校に行こうとしていたら、母さんがとても大げさに学校に行けるのか聞いてきた。
それがとてもうっとおしくて、ケントは不機嫌に家をでたのだった。
クラスメイトたちも最初のあいだは「骨とかおれてない?」「保健室に行かなくていい?」などと心配と好奇心でいろいろと聞いてきた。
ケントが何も言わないし、聞かれたくないオーラがでているのがわかったのだろう。
給食の時間ぐらいには、誰も聞かなくなっていた。
今日の給食は、ケントの好きなカレーと鳥の唐揚げだった。
でも食べたという気がしなかった。
気がついたときには食べ終わっていたのだ。
給食を食べ終えても、いつものように外に遊びに行ったりしない。
母さんにしばらく外で遊ばないようにたのまれたのもある。
それ以上に、今は何もする気がおこらなかったのだ。
一昨日会った女の子の、あの優しげな頬笑みが忘れられないでいた。
彼女のことは何もわからない。
目を覚ました後、おまわりさんがいろいろ聞いてきたとき、ずっと膝枕してくれていろいろ優しくはなしかけてくれたのは覚えている。
母さんとシノブがが血相をかえて来たころ、彼女はいつの間にかいなくなっていた。
あの子はどういう子だったんだろう?
背はケントと同じ位だった。でも顔が少し大人びていた。
名前はなんていうんだろう? どんなものが好きなんだろう? 普段どんな事をしているんだろう?
そんな考えが浮かんでは胸がドキドキするような、苦しいような不思議な気持ちになった。
あの子の事を考えると胸のドキドキが止まらない。
どうしてちゃんと彼女のことを聞いておかなかったのか?
もう会えないのだろうか?
寂しいような、なんともいえない感情が頭をぐちゃぐちゃ回っている。
ケントはズボンのポケットからキレイに洗われたハンカチを取り出す。
ケントの涙と血を、ぬぐってくれた彼女のハンカチだ。
これを返すことも出来なかった。
もう一度、会いたいと思った。
この気持ちはなんだろう?
ずっと考えていたケントは――
それが「恋」と呼ばれる感情なのだとようやく気付いた。
「福永くん、大丈夫なの?」
火曜日。
一日学校を休んで登校したケントは、クラスメイトたちから質問攻めにあった。
「大げさだよ。大したことないから」
ケントはクラスメイトたちに、うっとおしそうにそれだけ答えた。
こんな風になるから学校は休まないっていったのに!
ケントはほとんど休んだことがないから、余計に珍しいのだ。
「お願いだから今日は一緒に、学校休んで病院いきましょう? ね?」
母さんが泣きそうな顔で言うから、さすがに無理やり学校に行くわけにはいかなかったのだ。
実際病院に行ったけど、ちょっとあざができているぐらいで大したことはなかった。
今日も普通に学校に行こうとしていたら、母さんがとても大げさに学校に行けるのか聞いてきた。
それがとてもうっとおしくて、ケントは不機嫌に家をでたのだった。
クラスメイトたちも最初のあいだは「骨とかおれてない?」「保健室に行かなくていい?」などと心配と好奇心でいろいろと聞いてきた。
ケントが何も言わないし、聞かれたくないオーラがでているのがわかったのだろう。
給食の時間ぐらいには、誰も聞かなくなっていた。
今日の給食は、ケントの好きなカレーと鳥の唐揚げだった。
でも食べたという気がしなかった。
気がついたときには食べ終わっていたのだ。
給食を食べ終えても、いつものように外に遊びに行ったりしない。
母さんにしばらく外で遊ばないようにたのまれたのもある。
それ以上に、今は何もする気がおこらなかったのだ。
一昨日会った女の子の、あの優しげな頬笑みが忘れられないでいた。
彼女のことは何もわからない。
目を覚ました後、おまわりさんがいろいろ聞いてきたとき、ずっと膝枕してくれていろいろ優しくはなしかけてくれたのは覚えている。
母さんとシノブがが血相をかえて来たころ、彼女はいつの間にかいなくなっていた。
あの子はどういう子だったんだろう?
背はケントと同じ位だった。でも顔が少し大人びていた。
名前はなんていうんだろう? どんなものが好きなんだろう? 普段どんな事をしているんだろう?
そんな考えが浮かんでは胸がドキドキするような、苦しいような不思議な気持ちになった。
あの子の事を考えると胸のドキドキが止まらない。
どうしてちゃんと彼女のことを聞いておかなかったのか?
もう会えないのだろうか?
寂しいような、なんともいえない感情が頭をぐちゃぐちゃ回っている。
ケントはズボンのポケットからキレイに洗われたハンカチを取り出す。
ケントの涙と血を、ぬぐってくれた彼女のハンカチだ。
これを返すことも出来なかった。
もう一度、会いたいと思った。
この気持ちはなんだろう?
ずっと考えていたケントは――
それが「恋」と呼ばれる感情なのだとようやく気付いた。
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