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家族団欒
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「お父様、お母様、ただいま戻りました」
ロレンス邸の門をくぐり、馬車を降り立ったらもう両親と長女のヴァイオレットが外で待ち構えていた。
「もう!どこで油を売っていたの?朝食をいっしょにと思っていたらランチの時間になってしまったわ」
相変わらずお姉様はうるさい。
「ララ、おかえり」
お母様のハグ、お父様の長めのハグ、ああ、帰ってきたんだ。
それと1度も帰らずごめんなさい。
ランチも済んだところで家族の近況と例の儀式のことを聞いてみた。
「手紙で知らせたとおりミカエラはもう嫁いでこの家にはいないわよ。
でもそう遠くないところだからいつでも会えるわ」
もうひとりのお姉様、次女のミカエラはいつも急に行動する。学園卒業後、急に植物研究所なるものに就職した。
そこで旦那様となる子爵令息と知り合ったらしい。
(でも3年前私が留学する時は、婚約期間は長いほうが楽しいからと結婚はまだまたと言っていたけど…なにがあったのかしらね)
「お母様、近所といっても会えませんよ。あの子、家にいないんだから」
ヴァイオレット姉様があきれ顔で言った。
「植物採集と称してふたりで旅行に行きまくりよ。
ララが帰ってくることは知らせたけどどこかの山奥に行っていて今日戻れないのよ」
「そうなの…ちょっと残念。
あ、そうだわ。ヴァイオレット姉様の結婚決まったのよねぇ。来年でしょ?」
「ふふふ、実はそうなの。
はぁ長かったわ」
ロレンス家の三姉妹の長女であるから当然婿をとらなければならない。
だがこれがなかなか丁度いい人がいない。本人的には容姿もいいし、見た目優しそうなのだが。
だがしかし!この度伯爵家五男坊のかたが婿に来てくれる。よかった!
「あの…『聖女エレニ誕生の儀』は見に行った?」
私はちょっと声を落として聞いた。
「それが」
ヴァイオレットの説明によると…
当日ミカエラはその時は婚約者の旦那様とふたりで植物採集、ここにはいなかった。
お母様は混んでいるところは苦手と言って最初から行く気がなかった。
ヴァイオレットとお父様が行く予定だったが、運悪くお父様が階段で足を踏み外した。腰を強か打って動けない。
医者を呼んだりとあたふたしているうちに時間が過ぎて結局ヴァイオレットも行かなかった。
「つまり誰も行ってないのね」
私はなんだかほっとした。
「あ、でもメイドたちは何人か行ってたわよ。
すごかったんですってね。
あの子たちがものすごく興奮して話すからおかしくて」
キリアンのところと同じね。
「そうだ、いいもの見せてあげる」
ヴァイオレットはそう言ってサイドボードの引き出しから何か取り出した。
それはピンクのリボンがかかった小瓶であった。
「何それ?」
「ウチもね、みんながしているからちょびっとだけ寄付したのよ。
そしたら…これがもらえるの。漏れなく聖水入り小瓶プレゼントって具合にね」
「聖水って、あれ?中身入ってないけど」
「それは私が持って帰った時、お父様がイッキ飲みしたのよ」
「だって聖水だって言うから腰が痛いのが治るかと思って」
「で、どうでした?」
「んー治ったような、治らなかったようなー」
「つまり治らなかったのよ」
ヴァイオレットがそう言ってあとは笑ってしまった。
「はぁロレンス家って無神論者なのね」
私もちょっと可笑しくなった。
「そんな事ないぞ。
ロレンス家は代々商売の神様を信心している。
ティラーン教はなんというか昔から強制的で威圧感があってあまり…
おっとこれ以上はまずいな…
“モンク”の耳にでも入ったら大変だ」
「?モンクって?」
初めて聞く言葉だ。
「神殿の修道士たちだ、武装したな」
「武装って⁉︎」
「昔はそんなものいなかったんだが。
今じゃ神殿に、いや、街にもウロウロしている」
「ララも外では気をつけるんだぞ」
街全体がとんでもないことになってしまっている。
「神様はね」
ずっと黙っていたお母様が口を開いた。
「みんなの心の中にそれぞれいらっしゃるの。
それでいいんじゃなくて?」
その言葉に私はほっとする思いだった。
ロレンス邸の門をくぐり、馬車を降り立ったらもう両親と長女のヴァイオレットが外で待ち構えていた。
「もう!どこで油を売っていたの?朝食をいっしょにと思っていたらランチの時間になってしまったわ」
相変わらずお姉様はうるさい。
「ララ、おかえり」
お母様のハグ、お父様の長めのハグ、ああ、帰ってきたんだ。
それと1度も帰らずごめんなさい。
ランチも済んだところで家族の近況と例の儀式のことを聞いてみた。
「手紙で知らせたとおりミカエラはもう嫁いでこの家にはいないわよ。
でもそう遠くないところだからいつでも会えるわ」
もうひとりのお姉様、次女のミカエラはいつも急に行動する。学園卒業後、急に植物研究所なるものに就職した。
そこで旦那様となる子爵令息と知り合ったらしい。
(でも3年前私が留学する時は、婚約期間は長いほうが楽しいからと結婚はまだまたと言っていたけど…なにがあったのかしらね)
「お母様、近所といっても会えませんよ。あの子、家にいないんだから」
ヴァイオレット姉様があきれ顔で言った。
「植物採集と称してふたりで旅行に行きまくりよ。
ララが帰ってくることは知らせたけどどこかの山奥に行っていて今日戻れないのよ」
「そうなの…ちょっと残念。
あ、そうだわ。ヴァイオレット姉様の結婚決まったのよねぇ。来年でしょ?」
「ふふふ、実はそうなの。
はぁ長かったわ」
ロレンス家の三姉妹の長女であるから当然婿をとらなければならない。
だがこれがなかなか丁度いい人がいない。本人的には容姿もいいし、見た目優しそうなのだが。
だがしかし!この度伯爵家五男坊のかたが婿に来てくれる。よかった!
「あの…『聖女エレニ誕生の儀』は見に行った?」
私はちょっと声を落として聞いた。
「それが」
ヴァイオレットの説明によると…
当日ミカエラはその時は婚約者の旦那様とふたりで植物採集、ここにはいなかった。
お母様は混んでいるところは苦手と言って最初から行く気がなかった。
ヴァイオレットとお父様が行く予定だったが、運悪くお父様が階段で足を踏み外した。腰を強か打って動けない。
医者を呼んだりとあたふたしているうちに時間が過ぎて結局ヴァイオレットも行かなかった。
「つまり誰も行ってないのね」
私はなんだかほっとした。
「あ、でもメイドたちは何人か行ってたわよ。
すごかったんですってね。
あの子たちがものすごく興奮して話すからおかしくて」
キリアンのところと同じね。
「そうだ、いいもの見せてあげる」
ヴァイオレットはそう言ってサイドボードの引き出しから何か取り出した。
それはピンクのリボンがかかった小瓶であった。
「何それ?」
「ウチもね、みんながしているからちょびっとだけ寄付したのよ。
そしたら…これがもらえるの。漏れなく聖水入り小瓶プレゼントって具合にね」
「聖水って、あれ?中身入ってないけど」
「それは私が持って帰った時、お父様がイッキ飲みしたのよ」
「だって聖水だって言うから腰が痛いのが治るかと思って」
「で、どうでした?」
「んー治ったような、治らなかったようなー」
「つまり治らなかったのよ」
ヴァイオレットがそう言ってあとは笑ってしまった。
「はぁロレンス家って無神論者なのね」
私もちょっと可笑しくなった。
「そんな事ないぞ。
ロレンス家は代々商売の神様を信心している。
ティラーン教はなんというか昔から強制的で威圧感があってあまり…
おっとこれ以上はまずいな…
“モンク”の耳にでも入ったら大変だ」
「?モンクって?」
初めて聞く言葉だ。
「神殿の修道士たちだ、武装したな」
「武装って⁉︎」
「昔はそんなものいなかったんだが。
今じゃ神殿に、いや、街にもウロウロしている」
「ララも外では気をつけるんだぞ」
街全体がとんでもないことになってしまっている。
「神様はね」
ずっと黙っていたお母様が口を開いた。
「みんなの心の中にそれぞれいらっしゃるの。
それでいいんじゃなくて?」
その言葉に私はほっとする思いだった。
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