とてもくらい夜の中で

たやま

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序章 終わりの始まり

依存という名の病気

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彼の人生がまだ、どうとでもなった時期のお話です。

ー 校外学習が終わって数週間経った日 ー

「蒼斗も学校にスマホ持ってきてたんでしょ?私親友で投稿した画像先生にバレてヤバそうなんだよね。一緒に逃げない?」

前提として俺がスマホ持ってったことバレてるのが1番嫌なんだけどな、なんで雨は知ってるんだろ。

「逃げるって何からだよ」

「ゆうさくから!あいつめちゃめちゃ追っかけてきてすごいダルいんだよね」

「俺はまだ先生たちにはバレてないみたいだから、別に逃げる必要ないよ。勝手に逃げてればいいんじゃない」

全然一緒逃げることは嬉しいけど、自分の口から出る言葉はどこまでも、天邪鬼で嫌気がさす。

「どうせ同じ代議委員なんだから、仲良くなる必要もあるじゃん?」

小学校からの仲で、クラブチームだって一緒だったのに、仲良いと思ってもらえてない事実を受け止めきれないけど、ここは正直に甘えさせてもらおう。

かくして、昼休み中に校内を逃げ回る、逃走劇が始まった。逃走劇と言っても30分間校内を駆け回るだけの、チャチなものだ。実に中学生らしくて、青春だな。と思う。

「とりあえず、c棟に逃げるのが昼休みのお決まりだね。」

「俺は昼休みのc棟の雰囲気好きだけどね。誰もいなくて静かで、陽射し射してるのも好きだよ。」

「私蒼斗のそういうところ嫌い。嫌いてかキモい」

「おま、お前マジで正面切ってそういうこと言うの、普通にどうかと思うぞ??」

「はいはい。わかったわかった。てか、階段登る音聞こえる。a棟回ってb棟行こ!」

「行動するのも、走り始めるのもはえーよ。」

走り出しながら、そんなこと言われても、言われても、、、って感じではあるが。教室居たって、することなんてChromebookいじるくらいしかないんだ。十分充実してる。

「アホみたいに疲れたんだけど。」

「バド部がこの程度走っただけで、疲れるとか、笑えないよ」

「元から身体能力ずば抜けて高くて、バスケもやってる高持久力の人に、そんなこと言われたって、、、って感じだよ。」

「別に私が学年一足早いわけでもないんだから、男がそんな女子みたいなこと言わないでよ。」

「一応部活行ってるんだけどなぁ。」

「とか言いつつ、そこそこの頻度で部活サボってるんでしょ。はるなからよく聞くよ。」

「女子の情報網広過ぎて怖いわ」

「そんなことより、先生来てるっぽい。」

「あそこの空き教室入ろうか。」

「一年のここ、空き教室入るの久しぶりだな。蒼斗もでしょ?」

「いうて何ヶ月ぶりっていう程度だけど。春休み挟んだから、確かに久しぶりに感じるな。」

「どの階にもあって、ボールも置いてあるから、こう言う時助かるよね。でも、このボール空気入ってないから、嫌いだな。」

「そもそも、こういう時が頻繁に発生したり、しないんだけどね。普通は。ちなみに、ドッジボールと同じボールがご所望なら、そんなの普通の学校に置いてないと思うけどね。」

「流石にそこまでは期待してないけどさ、もう少しマシなボールが良いんだけどな。」

「俺もそれは思う。空気入れ欲しいよな。」

「あー確かに。空気入れあればもう少し楽しめるのにね。」

ボール投げをしながら、いろんな話をした。小学校の頃、同じクラブチームに入っていて、小学校を卒業するにあたって、卒団したのもあり、最近チームはどんな感じなのか聞いたり、先生の愚痴を言ったり、まぁいっぱい話した。
久しぶりに話したこともあって、中々話が弾んだ。
いい顔してる女と話せるのは、中々良いものだ。

そんなこと思ってた矢先だった。学年集会が、開かれることになったのは。本当に充実していたのに。まぁ別に当たり前っちゃ当たり前の話でもあったけど、面倒というか、嫌であることに変わりはない。まぁ、仕方がない。それだけの話だ。
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