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××の娘に転職です
しおりを挟むどうやら私は生まれ変わったらしい。しかも前の記憶をがっつり持ち込んで。
見た目は赤ん坊でも精神年齢はおばちゃんだったため、何とか自分の立場を理解することができた。いい歳こいて泣き叫んでしまって恥ずかしい…。あ、赤ん坊だから仕方が無いのかしら。えぇ、そう思いましょう。
まず、この体、つまり私は『稲月 椿』という名前らしい。前の名前、前世の名前といったほうがよいのかどうかは分からないが、『山田 惠子』という名前だった。平凡中の平凡だった名前がこんな綺麗な名前になってしまい、なかなか慣れない。
そして、私が生まれた所は稲月組というところであり、その、まぁ、うん。予想どうりの極道の家であった。ナンテコッタ。稲月組はどうやら大きい組織らしく、この下にいくつかの組を仕切っているらしい。そんな稲月組の代表もとい、親父は私の父『稲月 忠次』である。温厚な顔には似合わず、やり手で様々な場所に名を知られている。妻、つまり私の母は私を産んですぐ他界してしまい以来一人娘である私は父や舎弟達に蝶よ花よと育てられた。しかし、どんなに可愛がられても強面のおじさん達にはなかなか慣れず、ビクビクしまう。
あぁ、ごめんなさい!皆さんがとっても優しい方々だってことは分かっているのよ?それでも体が無意識に強ばってしまうの…!
私はビクビクしながらも、この生活に対応していくのであった。
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