僕の親友に捧げる

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悪夢1

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――夢を見ている。
何かに追われる夢だった。
俺は追って来る『何か』から必死に逃げる。
『何か』の正体は分からないけれど、
『ソレ』が危険なものだと言うことだけは本能的に察して居て、
俺は足を動かして、必死に逃げ続ける。
夢の中の俺は、いつも少年の姿だった。
今より短い手足を動かして、必死に走り続けている。


「ま、待って……あ、足がッ……」


背後から声が聞こえ、振り向けばそこには親友の『香澄』が居た。
どうやら香澄は足を捻ったらしく、地面に倒れていた。


「待って……置いていかないでっ……」


倒れた香澄かすみが縋る様な目で俺を見て、此方へ手を伸ばして来る。
そうしている間にも『何か』は俺達に迫って来ている。
そしてその何かは香澄の背後までやって来ると……


「見捨てないでっ! 待っ――――ッ」


――香澄の首を、跳ねた。
グロテスクな断面図が強制的に目に飛び込んで来る。
首を跳ねられたというのに、香澄の手はまだ俺へと伸ばされていた。
……俺は、香澄の手を取らなかった。
自分が逃げることだけを考え、既に亡き者となった香澄から距離を取る。
香澄の死体に背を向けて、一目散に逃げ出した。



「はぁ、はぁ……ッ」

荒い呼吸が聞こえる。
俺が逃げた先で、香澄は全裸で磔にされていた。
貧相で、痩せ細った一糸まとわぬ少年の身体。


「ああ、嫌だな、裸で、こんな格好にされて……恥ずかしいよ。あんまり見ないで」


磔にされた香澄は恥ずかしそうに微笑んで居た。
その光景は何処となく妖艶に思えた。


「あぎっ、ぐあッ……っ」


香澄の白い肌に、誰かが容赦なくメスを入れる。
鳩尾から臍にかけて、一直線に切り込みを入れて、
裂けた皮膚を左右に開いて、内臓を露出する。
白い腹から、でろりと血と臓物が溢れだす。


「あ゛、あ゛、なずなく、ん……っ
 僕の内臓、見ちゃ、やだよッ……恥ずかしいよっ……
 あがっ、はぁッ、う、くッ、おっ、ごっ」


『何か』は香澄の腹の中に手を突っ込み、内臓をぐちゃぐちゃと掻き回し始めた。
ニチャニチャとグロテスクな音が鳴り響く。
俺は恐ろしくて、また逃げ出した。


「どうして逃げるの?」


微かに聞こえた香澄の声は、聞こえなかったふりをした。
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