57 / 66
57.自分の気持ち
「ジュリアンヌ、学園でジェラルドに会っていないのか?」
「……会っていないわ」
「今まで昼食は一緒に取っていたんじゃないのか?」
「今までは兄妹だったから……でも」
「なんで兄妹じゃなくなると、会わなくなるんだ?」
「え?」
「もう兄妹じゃなくても会いたい、そばにいてほしい、
そう素直に言えばいいじゃないか」
その言葉に、心の中の殻が壊されたような気がした。
「……妹じゃなくても、会いたいって言っていいの?」
「いいに決まっているだろう」
「ジェラルド兄様のそばにいても怒られないの?」
「誰が怒るんだ?むしろジェラルドは喜ぶだろう」
「……喜ぶのかしら」
その言葉にレイモン兄様は面白そうに笑った。
「喜ぶだろうよ。というか、気持ちは言わないと伝わらないぞ。
ジェラルドのことが好きなんだろう?」
「え?……あの、兄様?どうして」
「どうして?気がつかれていないと思ったのか?
俺にはすぐわかったけど」
レイモン兄様に気持ちが知られていたことが恥ずかしくて、
毛布の中にもぐりこみたくなる。
「……ジェラルド兄様も気がついてる?」
「……いや、それはどうかな。
意外と自分に関することは気がつきにくいものだ」
「そう……」
ジェラルド兄様に気がつかれていないのならとほっとしていると、
兄様はそれでよしとしてくれなかった。
「とりあえず、大事なのはジュリアンヌの気持ちだ。
ジェラルドに会いたいんだろう?
眠れなくなって倒れるほど、ジェラルドが必要なんだろう?
ちゃんと言葉にしないと伝わらない。
今頃、ジェラルドも倒れているかもしれないな」
「え!?」
ジェラルド兄様が倒れる?病気もしたことがないのに!?
「ああ、そういえば。
今日の午後はアゼリマ侯爵家がレドアル公爵家に来るって聞いたな。
ジュリアンヌがイフリア公爵家に戻ったことは知っているだろうから、
ジュリアンヌへの婚約の申し出ではないはずだ。
あきらめずにシャルロット嬢がジェラルドに婚約を申し出るつもりかな」
「シャルロット様が……」
「ジェラルドが血迷って婚約を受けてしまわないか心配だよ。
気が弱っているときは断るのも大変だろうから。
誰かさんが徹底的に避けるから、ジェラルドも眠れていないらしいし」
「それ……本当なの?」
「伯父上とは何かと連絡を取り合っているからね。
ついでにジェラルドの様子も聞いた。
睡眠不足で倒れそうなのは本当だ。
アゼリマ侯爵家が訪問するという話も。
いいのか?このままシャルロット嬢に奪われても」
ジェラルド兄様はシャルロット様のことが苦手だと言っていた。
だけど、こんなに何度も婚約の申し出があれば断りにくいのも事実。
ましてや体調が悪い時に強く出られたら断れないかもしれない。
兄様がシャルロット様と結婚する……?
そんなの……
「……そんなのは嫌だわ」
「じゃあ、邪魔をしに行くか」
「え?」
「さぁ、行くか」
「ええ!?」
横になっていたのに、無理やり起こされて馬車に乗せられる。
着いた場所は本当にレドアル公爵家だった。
しかも、アゼリマ侯爵家の紋章がついた馬車が止まっている。
「兄様、本当に邪魔する気なの!?」
「もともと今日は訪問する約束していたんだ。
少し伯父上と相談したいことがあったからね」
「え?そうなの?」
「ああ、先に約束したのはこちらだ。
それなのにアゼリマ侯爵家から訪問すると手紙があったらしい。
勝手に向こうが日時を決めてね。
邪魔しているのはアゼリマ侯爵家だから問題ない」
「そうなの……」
もともと約束していたのがレイモン兄様のほうだというのなら、
たしかに悪いのはアゼリマ侯爵家ということになる。
それでも向こうが話している席に押しかけていくのは気まずい。
レイモン兄様はそんなことを気にしないようで、
応接室へ迷わずに進んでいく。
応接室の前に来ると、使用人がうなずいてドアをノックする。
レイモン兄様が返事を待たずにドアを開けると、
中にいたアゼリマ侯爵家の人たちが驚いた顔をしていた。
レイモン兄様はそれにも動じずにスタスタと入っていく。
「な、なんですか!?」
「ああ、約束の時間か。いらっしゃい、レイモン」
「ええ、伯父上」
「なぜここにイフリア公爵が!?」
空いているソファにレイモン兄様が座ったので、私もその隣に座る。
斜め向かいの席に座る金髪の小太りの男性が慌てているが、
この人がアゼリマ侯爵に違いない。
隣に座る気の弱そうな夫人は侯爵にしがみつくようにして青ざめている。
そして、その隣には私をにらみつけるシャルロット様。
「どうしてジュリアンヌ様が……いなくなったんじゃなかったの!?」
「用があるのは私で、妹は連れて来ただけだ。
それにしても伯父上と約束していたのはこちらだったと思うが」
「そうなんだよ、レイモン。
先約があるから断ったのに押しかけて来られたんだ」
「押しかけて来ただなんて人聞きが悪い!
私はイフリア公爵家のためを思って話をしに来たんです!」
アゼリマ侯爵が大げさな動作で伯父様に訴えかける。
それをうんざりするように止めたのはジェラルド兄様だった。
「話はもう聞いた。俺がその話を受け入れることはない。
レイモンが来たことだし、お帰り願おうか」
「待ってくれ!ジェラルド殿はまだ若いから、
この話の重要さを理解できていないんだ!
シャルロットと結婚すれば、中立派を取り込めるんだ!」
「だから、その必要はないと言っている」
「レドアル公爵はわかりますよね!
そうすれば、これからの社交界を牛耳ることもできるんです!」
シャルロット様と結婚すれば中立派が推進派に派閥替えをしてくれる。
それはたしかに重要なことかもしれないけれど、
それは伝統派が残っていた場合だ。
うんざりしたようなジェラルド兄様と伯父様。
きっと何度も同じやり取りを繰り返しているんだろう。
そこに口を挟んだのはレイモン兄様だった。
「アゼリマ侯爵、その必要はないよ」
「イフリア公爵は邪魔したいでしょうけど、
口を挟まないでいただきたい!」
「そういう意味で邪魔したいわけじゃない。
伝統派がなくなるから派閥争いは意味がないと言いたいんだ」
「……は?」
「……会っていないわ」
「今まで昼食は一緒に取っていたんじゃないのか?」
「今までは兄妹だったから……でも」
「なんで兄妹じゃなくなると、会わなくなるんだ?」
「え?」
「もう兄妹じゃなくても会いたい、そばにいてほしい、
そう素直に言えばいいじゃないか」
その言葉に、心の中の殻が壊されたような気がした。
「……妹じゃなくても、会いたいって言っていいの?」
「いいに決まっているだろう」
「ジェラルド兄様のそばにいても怒られないの?」
「誰が怒るんだ?むしろジェラルドは喜ぶだろう」
「……喜ぶのかしら」
その言葉にレイモン兄様は面白そうに笑った。
「喜ぶだろうよ。というか、気持ちは言わないと伝わらないぞ。
ジェラルドのことが好きなんだろう?」
「え?……あの、兄様?どうして」
「どうして?気がつかれていないと思ったのか?
俺にはすぐわかったけど」
レイモン兄様に気持ちが知られていたことが恥ずかしくて、
毛布の中にもぐりこみたくなる。
「……ジェラルド兄様も気がついてる?」
「……いや、それはどうかな。
意外と自分に関することは気がつきにくいものだ」
「そう……」
ジェラルド兄様に気がつかれていないのならとほっとしていると、
兄様はそれでよしとしてくれなかった。
「とりあえず、大事なのはジュリアンヌの気持ちだ。
ジェラルドに会いたいんだろう?
眠れなくなって倒れるほど、ジェラルドが必要なんだろう?
ちゃんと言葉にしないと伝わらない。
今頃、ジェラルドも倒れているかもしれないな」
「え!?」
ジェラルド兄様が倒れる?病気もしたことがないのに!?
「ああ、そういえば。
今日の午後はアゼリマ侯爵家がレドアル公爵家に来るって聞いたな。
ジュリアンヌがイフリア公爵家に戻ったことは知っているだろうから、
ジュリアンヌへの婚約の申し出ではないはずだ。
あきらめずにシャルロット嬢がジェラルドに婚約を申し出るつもりかな」
「シャルロット様が……」
「ジェラルドが血迷って婚約を受けてしまわないか心配だよ。
気が弱っているときは断るのも大変だろうから。
誰かさんが徹底的に避けるから、ジェラルドも眠れていないらしいし」
「それ……本当なの?」
「伯父上とは何かと連絡を取り合っているからね。
ついでにジェラルドの様子も聞いた。
睡眠不足で倒れそうなのは本当だ。
アゼリマ侯爵家が訪問するという話も。
いいのか?このままシャルロット嬢に奪われても」
ジェラルド兄様はシャルロット様のことが苦手だと言っていた。
だけど、こんなに何度も婚約の申し出があれば断りにくいのも事実。
ましてや体調が悪い時に強く出られたら断れないかもしれない。
兄様がシャルロット様と結婚する……?
そんなの……
「……そんなのは嫌だわ」
「じゃあ、邪魔をしに行くか」
「え?」
「さぁ、行くか」
「ええ!?」
横になっていたのに、無理やり起こされて馬車に乗せられる。
着いた場所は本当にレドアル公爵家だった。
しかも、アゼリマ侯爵家の紋章がついた馬車が止まっている。
「兄様、本当に邪魔する気なの!?」
「もともと今日は訪問する約束していたんだ。
少し伯父上と相談したいことがあったからね」
「え?そうなの?」
「ああ、先に約束したのはこちらだ。
それなのにアゼリマ侯爵家から訪問すると手紙があったらしい。
勝手に向こうが日時を決めてね。
邪魔しているのはアゼリマ侯爵家だから問題ない」
「そうなの……」
もともと約束していたのがレイモン兄様のほうだというのなら、
たしかに悪いのはアゼリマ侯爵家ということになる。
それでも向こうが話している席に押しかけていくのは気まずい。
レイモン兄様はそんなことを気にしないようで、
応接室へ迷わずに進んでいく。
応接室の前に来ると、使用人がうなずいてドアをノックする。
レイモン兄様が返事を待たずにドアを開けると、
中にいたアゼリマ侯爵家の人たちが驚いた顔をしていた。
レイモン兄様はそれにも動じずにスタスタと入っていく。
「な、なんですか!?」
「ああ、約束の時間か。いらっしゃい、レイモン」
「ええ、伯父上」
「なぜここにイフリア公爵が!?」
空いているソファにレイモン兄様が座ったので、私もその隣に座る。
斜め向かいの席に座る金髪の小太りの男性が慌てているが、
この人がアゼリマ侯爵に違いない。
隣に座る気の弱そうな夫人は侯爵にしがみつくようにして青ざめている。
そして、その隣には私をにらみつけるシャルロット様。
「どうしてジュリアンヌ様が……いなくなったんじゃなかったの!?」
「用があるのは私で、妹は連れて来ただけだ。
それにしても伯父上と約束していたのはこちらだったと思うが」
「そうなんだよ、レイモン。
先約があるから断ったのに押しかけて来られたんだ」
「押しかけて来ただなんて人聞きが悪い!
私はイフリア公爵家のためを思って話をしに来たんです!」
アゼリマ侯爵が大げさな動作で伯父様に訴えかける。
それをうんざりするように止めたのはジェラルド兄様だった。
「話はもう聞いた。俺がその話を受け入れることはない。
レイモンが来たことだし、お帰り願おうか」
「待ってくれ!ジェラルド殿はまだ若いから、
この話の重要さを理解できていないんだ!
シャルロットと結婚すれば、中立派を取り込めるんだ!」
「だから、その必要はないと言っている」
「レドアル公爵はわかりますよね!
そうすれば、これからの社交界を牛耳ることもできるんです!」
シャルロット様と結婚すれば中立派が推進派に派閥替えをしてくれる。
それはたしかに重要なことかもしれないけれど、
それは伝統派が残っていた場合だ。
うんざりしたようなジェラルド兄様と伯父様。
きっと何度も同じやり取りを繰り返しているんだろう。
そこに口を挟んだのはレイモン兄様だった。
「アゼリマ侯爵、その必要はないよ」
「イフリア公爵は邪魔したいでしょうけど、
口を挟まないでいただきたい!」
「そういう意味で邪魔したいわけじゃない。
伝統派がなくなるから派閥争いは意味がないと言いたいんだ」
「……は?」
あなたにおすすめの小説
私を棄てて選んだその妹ですが、継母の私生児なので持参金ないんです。今更ぐだぐだ言われても、私、他人なので。
百谷シカ
恋愛
「やったわ! 私がお姉様に勝てるなんて奇跡よ!!」
妹のパンジーに悪気はない。この子は継母の連れ子。父親が誰かはわからない。
でも、父はそれでいいと思っていた。
母は早くに病死してしまったし、今ここに愛があれば、パンジーの出自は問わないと。
同等の教育、平等の愛。私たちは、血は繋がらずとも、まあ悪くない姉妹だった。
この日までは。
「すまないね、ラモーナ。僕はパンジーを愛してしまったんだ」
婚約者ジェフリーに棄てられた。
父はパンジーの結婚を許した。但し、心を凍らせて。
「どういう事だい!? なぜ持参金が出ないんだよ!!」
「その子はお父様の実子ではないと、あなたも承知の上でしょう?」
「なんて無礼なんだ! 君たち親子は破滅だ!!」
2ヶ月後、私は王立図書館でひとりの男性と出会った。
王様より科学の研究を任された侯爵令息シオドリック・ダッシュウッド博士。
「ラモーナ・スコールズ。私の妻になってほしい」
運命の恋だった。
=================================
(他エブリスタ様に投稿・エブリスタ様にて佳作受賞作品)
【完結】え、別れましょう?
須木 水夏
恋愛
「実は他に好きな人が出来て」
「は?え?別れましょう?」
何言ってんだこいつ、とアリエットは目を瞬かせながらも。まあこちらも好きな訳では無いし都合がいいわ、と長年の婚約者(腐れ縁)だったディオルにお別れを申し出た。
ところがその出来事の裏側にはある双子が絡んでいて…?
だる絡みをしてくる美しい双子の兄妹(?)と、のんびりかつ冷静なアリエットのお話。
※毎度ですが空想であり、架空のお話です。史実に全く関係ありません。
ヨーロッパの雰囲気出してますが、別物です。
もうあなた達を愛する心はありません
佐藤 美奈
恋愛
セラフィーナ・リヒテンベルクは、公爵家の長女として王立学園の寮で生活している。ある午後、届いた手紙が彼女の世界を揺るがす。
差出人は兄ジョージで、内容は母イリスが兄の妻エレーヌをいびっているというものだった。最初は信じられなかったが、手紙の中で兄は母の嫉妬に苦しむエレーヌを心配し、セラフィーナに助けを求めていた。
理知的で優しい公爵夫人の母が信じられなかったが、兄の必死な頼みに胸が痛む。
セラフィーナは、一年ぶりに実家に帰ると、母が物置に閉じ込められていた。幸せだった家族の日常が壊れていく。魔法やファンタジー異世界系は、途中からあるかもしれません。
【完結】私を捨てた皆様、どうぞその選択を後悔なさってください 〜婚約破棄された令嬢の、遅すぎる謝罪はお断りです〜
くろねこ
恋愛
王太子の婚約者として尽くしてきた公爵令嬢エリシアは、ある日突然、身に覚えのない罪で断罪され婚約破棄を言い渡される。
味方だと思っていた家族も友人も、誰一人として彼女を庇わなかった。
――けれど、彼らは知らなかった。
彼女こそが国を支えていた“本当の功労者”だったことを。
すべてを失ったはずの令嬢が選んだのは、
復讐ではなく「関わらない」という選択。
だがその選択こそが、彼らにとって最も残酷な“ざまぁ”の始まりだった。
婚約破棄される前に、帰らせていただきます!
パリパリかぷちーの
恋愛
ある日、マリス王国の侯爵令嬢クロナは、王子が男爵令嬢リリィと密会し、自分を「可愛げのない女」と罵り、卒業パーティーで「婚約破棄」を言い渡そうと画策している現場を目撃してしまう。
普通なら嘆き悲しむ場面だが、クロナの反応は違った。
白い結婚のまま、旦那様は薔薇のような美人に夢中になりました
柴田はつみ
恋愛
伯爵令嬢リディアは、美貌で有名な侯爵レオンハルトに嫁いだ。
けれど結婚して二年、夫婦は一度も結ばれないまま――白い結婚だった。
それでも旦那様は優しかった。
冷たいわけではない。気づかいの言葉も、穏やかな笑顔もくれる。
だからリディアは、愛されてはいなくても、いつか少しは夫婦になれるのではないかと信じていた。
そんなある日、彼女は知ってしまう。
旦那様が薔薇の君と呼ばれる絶世の美女に心を奪われていることを。
彼が触れなかったのは私にだけだったのだと。
都合のいい奥方として、役に立っていたと悟る
静かに離縁を決意したリディアは、実家へ戻ったあと、女子学院で働き始める。
すると侯爵夫人時代には当たり前だった実務のすべてが、外では驚くほど必要とされていた。
感謝され、認められ、自分の足で立ち始めた彼女は、少しずつ見違えるほど美しくなっていく
【完結】王妃はもうここにいられません
なか
恋愛
「受け入れろ、ラツィア。側妃となって僕をこれからも支えてくれればいいだろう?」
長年王妃として支え続け、貴方の立場を守ってきた。
だけど国王であり、私の伴侶であるクドスは、私ではない女性を王妃とする。
私––ラツィアは、貴方を心から愛していた。
だからずっと、支えてきたのだ。
貴方に被せられた汚名も、寝る間も惜しんで捧げてきた苦労も全て無視をして……
もう振り向いてくれない貴方のため、人生を捧げていたのに。
「君は王妃に相応しくはない」と一蹴して、貴方は私を捨てる。
胸を穿つ悲しみ、耐え切れぬ悔しさ。
周囲の貴族は私を嘲笑している中で……私は思い出す。
自らの前世と、感覚を。
「うそでしょ…………」
取り戻した感覚が、全力でクドスを拒否する。
ある強烈な苦痛が……前世の感覚によって感じるのだ。
「むしろ、廃妃にしてください!」
長年の愛さえ潰えて、耐え切れず、そう言ってしまう程に…………
◇◇◇
強く、前世の知識を活かして成り上がっていく女性の物語です。
ぜひ読んでくださると嬉しいです!
妹がいなくなった
アズやっこ
恋愛
妹が突然家から居なくなった。
メイドが慌ててバタバタと騒いでいる。
お父様とお母様の泣き声が聞こえる。
「うるさくて寝ていられないわ」
妹は我が家の宝。
お父様とお母様は妹しか見えない。ドレスも宝石も妹にだけ買い与える。
妹を探しに出掛けたけど…。見つかるかしら?