あぁ、もう!婚約破棄された騎士がそばにいるからって、聖女にしないでください!

gacchi(がっち)

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56.マリージュ様の手紙

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「疲れたぁ…。」

学校長と別れてユリアスと研究室に戻り、
シャワーを浴びて着替えたらもう疲れ切ってしまっていた。
夕食が届くまでの間リビングのソファで座って待とうと思ったけれど、
思った以上に身体が疲れ切ってしまっていた。

「お疲れ様。」

声がしたほうへ視線だけ動かすと、
同じようにシャワーを浴びて着替えたユリアスがリビングに入ってくるところだった。

「ユリアスもお疲れ様。
 明日は授業ないから、ゆっくり休もうね…。」

ちょうど明日は魔術師学校は休みの日だった。
旅の疲れもあるし、今日の謁見の疲れもある。
久しぶりに何も考えずにゆっくり休める…。

「ロージー。これ。」

見ると手紙が一通差し出されていた。見覚えがある封筒。
マリージュ様がユリアスに渡していた手紙だった。

「…?私が見てもいいの?」

大事に使ってねってマリージュ様が言ってた気がする。
私が読んでみてもいいものなのだろうか。

「…見て、いらなかったら処分してくれ。
 その判断は…ロージーに任せる。」

「…?」

手紙の中を開くと何かの証明書と便箋が一枚入っていた。
紙質があきらかに違うため、手触りで何かの証明書だというのはわかる。
証明書を開いて見て、時間が止まったかのように思った。


[ ルーニア国名誉国民
  ロージー・エバーリング と
  同じく ユリアス の婚姻を証明する   ]


「…え?」

これって、もしかしてルーニア国の国王の直筆?王印もある…。
国宛に使われる書簡と同じで、正式な証明書!?
いったいどういうこと!

「…マリージュ様が用意したみたいなんだ。
 手紙も読んでみて。」

-------------------------------------------------------------------
証明書を見て驚いたでしょう?
でもね、ユリアスがいつまでもうだうだしていると、
帰国した時に王命で他の貴族との結婚を命じられたらどうするの?
これさえあれば、もうすでに結婚してますって言って断れるでしょう。
何かあれば使って。
もし使わないようだったら、処分するなり勝手にしていいから。
ちゃんとロージーをしあわせにするのよ!
未来の王妃命令だからね!

マリージュ・ケンバウム

---------------------------------------------------------------------

…マリージュ様らしい。帰国した後のことも心配して、用意してくれたんだ。
マリージュ様にお願いされて、
うれしそうに書いただろうルーニア国王の顔が目に浮かぶ。

「ふふふっ。もう、マリージュ様ってば。
 本当に優しくて心配性なんだから。」

「ロージーが無理やりに結婚させられるんじゃないかって、
 それだけが心配だったみたいだよ。」

「そうなんだ。
 もしかして、昨日ユリアスの態度がおかしかったのはこれのせい?」

「…ああ。ちょっと動揺して…。
 机の上の文箱を落としてしまった…。」

なるほどね。昨日ユリアスの部屋から聞こえたのは文箱を落とした音だったんだ。
その時に教えてくれても良かったのに。


「ねぇ?これは…私がもらってもいい?
 大事にとっておきたいの。」

「いいけど…処分しなくていいの?」

「え?」
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