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ジョージアという魔術師
6.結婚式の日
レオンハルト殿が手配した小さな教会に二人を置いて、
俺は公爵家に戻りヒューバート殿を連れて行くことになっていた。
公爵家の離れに行くと、着替えて準備が終わったヒューバート殿が待っていた。
「ジョージア殿、すまないな。
一人で歩けなくも無いんだが、すぐ力が抜けるんだ。」
それもそうだろう。成長期に数年も寝たきりになっていたら、
筋肉どころか骨の成長もどうなってるのかあやしい。
まともに動けるようになるには、まだしばらくかかるだろう。
青年の身体にしては軽すぎるヒューバート殿を抱きかかえると、
そのまま馬車まで連れて行く。
使用人達が驚いているのがわかるが、それほどおかしなことか?
「何度されても驚くな。ジョージア殿は鍛えて無さそうに見えるのに、
いくら軽いとは言え俺の身体を軽々と持ち上げてしまう。」
「あぁ。結界がはれるからと言って戦いに加わらないわけではないので、
けっこう鍛えているんだ。レオンハルト殿より筋肉ついているかもしれない。」
「魔術師が戦争に行くことは無いと思うが…。」
「戦いって、意外とその辺で起きるものだからね。」
「…あぁ、そうだな。」
その戦いの犠牲になって呪術をかけられていたヒューバート殿ならわかるだろう。
どこにいても戦いは起きる。そして、巻き込まれてしまうということを。
馬車に寝かせるように乗せ、クッションを隙間に敷き詰めて痛くないようにする。
教会には簡易寝台を用意したあるみたいだから、
行き帰りだけなんとか頑張ってもらうしかない。
「少しでも痛いようなら言ってほしい。
無理されるとまた治るのに時間かかるから。」
「ああ、わかった。ありがとう。
…本当に俺たち兄弟はお世話になりっぱなしだな。」
「兄弟?それはこっちの方じゃないかな。
レイフィアをあんな風にしてくれたのはレオンハルト殿だし。」
「いや、そうじゃないんだ。
レオンハルトが人間らしさを残してくれたのは、全部レイフィア嬢のおかげだ。
レオンハルトは意外と弱い。というか、あのままではダメになっていたと思う。
そのくらい限界だったんだ。
ジョセフから聞いたけどレイフィア嬢に会って、変わることができたらしい。
俺はただ寝たきりで、あいつを支えるどころか重荷にしかならなかった。
だから二人には感謝してるんだ。
これからもレオンハルトを支えてくれないだろうか。」
「…俺からは何とも言えないけど、多分大丈夫だよ。
レイフィアが離れるとは思えないし、レオンハルト殿が手放すとも思えない。
あの二人が一緒にいる限り、俺はそばで見守っていくつもりだ。」
「そうか。安心したよ。」
「レオンハルト殿はヒューバート殿も必要だって言うと思うよ。
血のつながった兄弟っていうのは、代わるものがいないだろう?」
「ああ、そうだな。」
ヒューバート殿がレオンハルトの出生の秘密を知っているのかどうかはわからない。
それでも母親が一緒なことには変わらないし、
レオンハルト殿がヒューバート殿を大事に思っているのも変わらない。
母親を亡くし、父親からの愛情がわからなかったのは、俺たちと一緒だな。
この後の結婚式では父親の代わりに俺がエスコートすることになっている。
あぁ、レイフィアを嫁に出すのか。
一緒に暮らしているわけではないけど、俺の人生の目的みたいなものが消える。
幸せでいてくれるならそれでいいと思うけど、やっぱり寂しさは誤魔化しきれなかった。
俺は公爵家に戻りヒューバート殿を連れて行くことになっていた。
公爵家の離れに行くと、着替えて準備が終わったヒューバート殿が待っていた。
「ジョージア殿、すまないな。
一人で歩けなくも無いんだが、すぐ力が抜けるんだ。」
それもそうだろう。成長期に数年も寝たきりになっていたら、
筋肉どころか骨の成長もどうなってるのかあやしい。
まともに動けるようになるには、まだしばらくかかるだろう。
青年の身体にしては軽すぎるヒューバート殿を抱きかかえると、
そのまま馬車まで連れて行く。
使用人達が驚いているのがわかるが、それほどおかしなことか?
「何度されても驚くな。ジョージア殿は鍛えて無さそうに見えるのに、
いくら軽いとは言え俺の身体を軽々と持ち上げてしまう。」
「あぁ。結界がはれるからと言って戦いに加わらないわけではないので、
けっこう鍛えているんだ。レオンハルト殿より筋肉ついているかもしれない。」
「魔術師が戦争に行くことは無いと思うが…。」
「戦いって、意外とその辺で起きるものだからね。」
「…あぁ、そうだな。」
その戦いの犠牲になって呪術をかけられていたヒューバート殿ならわかるだろう。
どこにいても戦いは起きる。そして、巻き込まれてしまうということを。
馬車に寝かせるように乗せ、クッションを隙間に敷き詰めて痛くないようにする。
教会には簡易寝台を用意したあるみたいだから、
行き帰りだけなんとか頑張ってもらうしかない。
「少しでも痛いようなら言ってほしい。
無理されるとまた治るのに時間かかるから。」
「ああ、わかった。ありがとう。
…本当に俺たち兄弟はお世話になりっぱなしだな。」
「兄弟?それはこっちの方じゃないかな。
レイフィアをあんな風にしてくれたのはレオンハルト殿だし。」
「いや、そうじゃないんだ。
レオンハルトが人間らしさを残してくれたのは、全部レイフィア嬢のおかげだ。
レオンハルトは意外と弱い。というか、あのままではダメになっていたと思う。
そのくらい限界だったんだ。
ジョセフから聞いたけどレイフィア嬢に会って、変わることができたらしい。
俺はただ寝たきりで、あいつを支えるどころか重荷にしかならなかった。
だから二人には感謝してるんだ。
これからもレオンハルトを支えてくれないだろうか。」
「…俺からは何とも言えないけど、多分大丈夫だよ。
レイフィアが離れるとは思えないし、レオンハルト殿が手放すとも思えない。
あの二人が一緒にいる限り、俺はそばで見守っていくつもりだ。」
「そうか。安心したよ。」
「レオンハルト殿はヒューバート殿も必要だって言うと思うよ。
血のつながった兄弟っていうのは、代わるものがいないだろう?」
「ああ、そうだな。」
ヒューバート殿がレオンハルトの出生の秘密を知っているのかどうかはわからない。
それでも母親が一緒なことには変わらないし、
レオンハルト殿がヒューバート殿を大事に思っているのも変わらない。
母親を亡くし、父親からの愛情がわからなかったのは、俺たちと一緒だな。
この後の結婚式では父親の代わりに俺がエスコートすることになっている。
あぁ、レイフィアを嫁に出すのか。
一緒に暮らしているわけではないけど、俺の人生の目的みたいなものが消える。
幸せでいてくれるならそれでいいと思うけど、やっぱり寂しさは誤魔化しきれなかった。
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