王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!

gacchi(がっち)

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21.遅めのご飯

シーナとシオンが用意してくれた昼ご飯が半分になった頃、
ようやくお腹も落ち着いてきたのか、レオが話し始めた。

「それで、王宮は出てきたから、もう帰らなくていいよ。」

「え?」

王宮を出てきたって、レオ?

「ちょっと遅くなったけど、予定通り公爵になってきた。ギルギア公爵。
 だから、リリーも今の身分は公爵夫人ね?
 で、もう頭きたから後宮の扉も粉々にぶっ壊してきた。
 今ごろは国王と王妃に仕事するように、
 文官や女官が必死で説得してるんじゃないかな。」

「え?…ええぇ?」

理解が追いつかない。
え?側妃の件が誤解なのは聞いたけど、これらは初耳なんだけど。


「レオ様、説明が雑過ぎです。
 姫さまにもわかるように説明しなきゃダメですよ~。」

シーナがのんびりとレオに注意する。
あれ?シーナが驚いていないってことは、シーナとシオンは知っていたってこと?

「レオ?なんだかよくわからないから、最初から説明し直して?
 側妃のことが誤解だったのは聞いた。
 でも、何がどう誤解だったのかは聞いていないわ。」


「あぁ、そうだな。そこからか。
 あの日、俺は出かけていて私室にいなかった。
 でも、文官たちに説明するのがめんどくさかったから、
 身代わりでジョンを置いていったんだ。影として。
 たまたまその日に伯爵家が雇った侍女が媚薬を盛って、
 ジョンが罠にはまってしまった。
 起きたら隣に女が寝ていて純潔を散らした跡があるって、
 真っ青になって俺に報告にきたよ。

 で、実際に抱いたのがジョンでも俺の私室だし、
 ちゃんと証拠集めないとまずいなって。
 謁見室にうるさそうな貴族たちみんな集めた上で、
 その令嬢に相手がジョンだったって証言させて、
 侍女が薬盛ったことも証言させた。
 伯爵と令嬢は捕まえて牢に入れてある。
 おそらく2人は処刑で伯爵家は取りつぶしだな。」

「え?処刑なの?」

「あぁ、ジョンに媚薬盛っただけじゃなく、リリーにも盛ってたんだ。
 避妊薬を4年間。毒薬じゃないから気づけなかった。」

「避妊薬…。」

「…姫様、避妊魔術かけてますよね?」

「うん。でも、ほら、公表してないから。」

「たとえ、薬が効かなかったとしても王弟妃に薬盛るのは重罪だからな。
 ここで処罰を軽くして、王妃に盛られても困るだろう?
 リリーに効いていなくても、今後の王弟妃のこともある。
 見せしめの意味もあるだろう。」

「…そっか。そうよね。私じゃなかったら大変なことよね。」

国王と王妃に子どもが生まれて落ち着くまで、
私たちは子どもを作るつもりが無かった。
だからずっと避妊魔術をかけていた。
女官に知られるとうるさいから、こっそりと。

「そんなに側妃になりたかったのかしら。」

「いや、それだけじゃないと思う。覚えてないか?伯爵家のミリナ。
 あの魅了の子だよ。
 リリーを恨んでいるようだった。」

「あの令嬢!?」



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