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1章 貧乏が嫌なので冷酷竜人陛下に嫁ぎます
6,寂しい結婚式と初夜
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大聖堂に到着するなり、待っていた侍女に控室に連れていかれた。
「私はアリーナオブライエンと申します。
今日からキャンディ様の専属侍女をさせていただく事になりました。
ふつつか者ですがよろしくお願いいたします」
「こちらこそお願いします。
急に陛下との結婚が決まったので、私自身何もわかってないの」
生まれてこのかた侍女なんてつけてもらった事なかったので、接し方がわからない。
ドギマギしながら頭を下げると、アリーナから事務的な返事がかえってくる。
「おそれながら、侍女へ敬語を使うのはおやめ下さい」
濃紺の侍女服の白い襟からのびているアリーナの首はあきらかに普通の人より長かった。
たぶんキリン族なのだろう。
年齢は私より少し上かしら。
推測があたっているかどうか知りたいのはやまやまだけど、ニコリともしないアリーナに話かける勇気はもちあわせて
なかった。やはり私は小心者のウサギ族なのだ。
肩のへんで切りそろえられた黒髪に髪と同じ色の瞳。
スラリと背が高く細身のアリーナはいかにも仕事ができるって感じの人だったけれど、冷たそうで正直私の苦手なタイプだった。
「さっそくですが、ウエディングドレスに着替えていただきます。
本当は別の方の為にしつらえたドレスなので、お似合いになるか疑問ですがサイズ的には大丈夫のようですね」
そう言うと、アリーナは一目で高級品だとわかる純白のドレスを私に着せてゆく。
無駄話はいっさいせず、テキパキと手だけ動かすアリーナの様子からして、なんとなく彼女も私が苦手なんだろうなとさっする。
人種カーストではキリン族はウサギ族よりワンランク上だ。
その辺も面白くない理由の一つかもね。
常識的には底辺のウサギ族と頂点の竜族の皇帝が結ばれる。なんてありえないもの。
「キャンディ様。用意が整いました。これでよろしいでしょうか?」
心の中でアリーナの心境をあれこれさぐっていると、アリーナが大きな姿見を運んできた。
「もちろんよ。ありがとうアリーナ。まるで私じゃないみたいよ」
鏡の中の自分に目を丸くする。
パサパサだった薄桃色の髪はツヤツヤと輝いているし、いつも血色の悪かった唇はみずみずしいサクランボのようだ。
「お礼にはおよびません。私の仕事ですから」
表情一つかえずアリーナはそう言うと、宝石が散りばめられたベールを私の頭につける。
「ではお覚悟はよろしいですね」
「はい」
アリーナに短く答えると、コツコツと靴音を響かせながら礼拝堂へつながっている廊下を歩く。
「え!」
礼拝堂に到着した私は参列者の少なさに思わず声を上げた。
歴史を感じさせるおごそかな雰囲気の空間に黒っぽい長椅子がいくつも並べられていたが、そこに座っている人数は両手に
おさまりそうだ。
信じられない。皇帝陛下の結婚式だというのに……。
バルバド帝国の皇室は一体どうなっているのだろう。
目を丸くしてあっけにとられていると、耳元で誰かがささやいた。
「血の雨もなめられたものだろ。俺を笑いたければ笑えばいい」
「血の雨って?」
胸元を勲章や宝石で飾った輝くばかりに美しい皇帝陛下に首を傾ける。
「皇城内の俺の二つ名だ。
人殺しのレインっという意味だろうな。戦場で多くの人をぶった切った俺にふさわしい名前だろ」
私に視線を落とした皇帝陛下は淡々としているが、そんな風に呼ばれて喜しい人はいないはずよ。
「戦争ではしかたない事だったと思います。
やらなけらばこちらがやられてしまいますから。
皇帝陛下のおかげで我が国は勝利できたのです。お気になさらないで下さい」
伝えられる神業のような皇帝陛下の剣さばきを皇国民はエンペラーの剣技と呼んで称賛していた。
「そんな風に言う女性は初めてだ。見かけによらず冷静なんだな。さすが金の為に竜の元に嫁いできたウサギだ」
どう考えても新郎新婦にふさわしくない会話をかわした後、私達は祭壇へすすむ。
「新郎レインファンバルバド。貴方は新婦キャンディラビットをいつ如何なるときも愛し敬うことを誓いますか」
金色の法衣を着た神父様の言葉に「はい」と偽りの返事をする陛下の横顔はゾクリとするほど冷たい。
それはそうよね。
私達は微塵も愛のない夫婦になるのだもの。
わかっていたくせに、膝をおってワンワン泣きたくなった。
それは初恋も知らない頃から憧れていた、質素でもあたたかな結婚式とはあまりに違っていたからだろうか。
それともこれからの生活が灰色にしか思えなくなったからだろうか。
どちらにせよ、式をおえた私は皇帝陛下と馬車で皇城へと向かった。
「キャンディ。今夜は初夜の儀式だ。
貴女はしきたり通り、侍女に身体を清められ聖夜の間へ連れていかれる。
だがそこに俺が行くことはないので、自由に過ごしてくれ。
もし部屋の中に気に入った物があれば好きにすればいいぞ。
そうすれば長い夜も退屈しないだろう」
「陛下はどこかにおでかけになるのですか?
もしご用がなければお部屋でお茶でもいかがですか?
その方が周りの者に怪しまれなくていいと思いますが」
「黙れ!
ウサギ風情が俺に指示をするな」
形だけの夫婦とはいえ、長いつきあいになるのだもの。
お互いを知っていた方がいいに違いないわ。
そう思って提案しただけなのに、陛下は私達の間にあるテーブルをバシンと手で叩いて激怒する。
それから数時間後。
大理石の浴場で侍女たちに身体を隅々まで洗われた私は聖夜の間の大きなベッドに一人で横たわっていた。
「それにしても豪華なつくりね」
皇帝夫婦の夜の営みの為につくられた部屋はラビット家がまるまる入ってしまうほど広い。
あちこにに金がほどこされた壁へ天井。
素人が見ても博物館級におもえる調度品の数々。
「結婚三ヶ月までの皇帝夫婦は聖夜の間以外での
夜の営みを禁止されているって。
そんな私的な所まで法で決められてるのも、
考えものね。皇族って窮屈だわ」
サイドテーブルの上のリンゴに手をのばし、
ガリッと齧りついた時だった。
部屋のカーテンのあまりの可愛さにベッドから
飛びおりたのは。
「まるで虹を溶かしこんだみたいね。
凄く素敵だわ」
様々な色合いが混じりあう上質な生地に手を触れた時、妹の顔が脳裏に浮かんだ。
「いつも私のお下がりばかり着ているパンちゃんにこれでドレスをつくってあげたいな」
そう思った瞬間、無意識に魔法を発動していた。
気がつけば大きなハサミで、カーテンをシャカシャカ切りとっていたのだ。
「きゃあ。たいへんだわ。ソーイング開始」
あわあわして、カーテンに人差し指をふり、切った事がわからないように魔法で縫ってゆく。
初夜からやらかしてしまったわ。
「私はアリーナオブライエンと申します。
今日からキャンディ様の専属侍女をさせていただく事になりました。
ふつつか者ですがよろしくお願いいたします」
「こちらこそお願いします。
急に陛下との結婚が決まったので、私自身何もわかってないの」
生まれてこのかた侍女なんてつけてもらった事なかったので、接し方がわからない。
ドギマギしながら頭を下げると、アリーナから事務的な返事がかえってくる。
「おそれながら、侍女へ敬語を使うのはおやめ下さい」
濃紺の侍女服の白い襟からのびているアリーナの首はあきらかに普通の人より長かった。
たぶんキリン族なのだろう。
年齢は私より少し上かしら。
推測があたっているかどうか知りたいのはやまやまだけど、ニコリともしないアリーナに話かける勇気はもちあわせて
なかった。やはり私は小心者のウサギ族なのだ。
肩のへんで切りそろえられた黒髪に髪と同じ色の瞳。
スラリと背が高く細身のアリーナはいかにも仕事ができるって感じの人だったけれど、冷たそうで正直私の苦手なタイプだった。
「さっそくですが、ウエディングドレスに着替えていただきます。
本当は別の方の為にしつらえたドレスなので、お似合いになるか疑問ですがサイズ的には大丈夫のようですね」
そう言うと、アリーナは一目で高級品だとわかる純白のドレスを私に着せてゆく。
無駄話はいっさいせず、テキパキと手だけ動かすアリーナの様子からして、なんとなく彼女も私が苦手なんだろうなとさっする。
人種カーストではキリン族はウサギ族よりワンランク上だ。
その辺も面白くない理由の一つかもね。
常識的には底辺のウサギ族と頂点の竜族の皇帝が結ばれる。なんてありえないもの。
「キャンディ様。用意が整いました。これでよろしいでしょうか?」
心の中でアリーナの心境をあれこれさぐっていると、アリーナが大きな姿見を運んできた。
「もちろんよ。ありがとうアリーナ。まるで私じゃないみたいよ」
鏡の中の自分に目を丸くする。
パサパサだった薄桃色の髪はツヤツヤと輝いているし、いつも血色の悪かった唇はみずみずしいサクランボのようだ。
「お礼にはおよびません。私の仕事ですから」
表情一つかえずアリーナはそう言うと、宝石が散りばめられたベールを私の頭につける。
「ではお覚悟はよろしいですね」
「はい」
アリーナに短く答えると、コツコツと靴音を響かせながら礼拝堂へつながっている廊下を歩く。
「え!」
礼拝堂に到着した私は参列者の少なさに思わず声を上げた。
歴史を感じさせるおごそかな雰囲気の空間に黒っぽい長椅子がいくつも並べられていたが、そこに座っている人数は両手に
おさまりそうだ。
信じられない。皇帝陛下の結婚式だというのに……。
バルバド帝国の皇室は一体どうなっているのだろう。
目を丸くしてあっけにとられていると、耳元で誰かがささやいた。
「血の雨もなめられたものだろ。俺を笑いたければ笑えばいい」
「血の雨って?」
胸元を勲章や宝石で飾った輝くばかりに美しい皇帝陛下に首を傾ける。
「皇城内の俺の二つ名だ。
人殺しのレインっという意味だろうな。戦場で多くの人をぶった切った俺にふさわしい名前だろ」
私に視線を落とした皇帝陛下は淡々としているが、そんな風に呼ばれて喜しい人はいないはずよ。
「戦争ではしかたない事だったと思います。
やらなけらばこちらがやられてしまいますから。
皇帝陛下のおかげで我が国は勝利できたのです。お気になさらないで下さい」
伝えられる神業のような皇帝陛下の剣さばきを皇国民はエンペラーの剣技と呼んで称賛していた。
「そんな風に言う女性は初めてだ。見かけによらず冷静なんだな。さすが金の為に竜の元に嫁いできたウサギだ」
どう考えても新郎新婦にふさわしくない会話をかわした後、私達は祭壇へすすむ。
「新郎レインファンバルバド。貴方は新婦キャンディラビットをいつ如何なるときも愛し敬うことを誓いますか」
金色の法衣を着た神父様の言葉に「はい」と偽りの返事をする陛下の横顔はゾクリとするほど冷たい。
それはそうよね。
私達は微塵も愛のない夫婦になるのだもの。
わかっていたくせに、膝をおってワンワン泣きたくなった。
それは初恋も知らない頃から憧れていた、質素でもあたたかな結婚式とはあまりに違っていたからだろうか。
それともこれからの生活が灰色にしか思えなくなったからだろうか。
どちらにせよ、式をおえた私は皇帝陛下と馬車で皇城へと向かった。
「キャンディ。今夜は初夜の儀式だ。
貴女はしきたり通り、侍女に身体を清められ聖夜の間へ連れていかれる。
だがそこに俺が行くことはないので、自由に過ごしてくれ。
もし部屋の中に気に入った物があれば好きにすればいいぞ。
そうすれば長い夜も退屈しないだろう」
「陛下はどこかにおでかけになるのですか?
もしご用がなければお部屋でお茶でもいかがですか?
その方が周りの者に怪しまれなくていいと思いますが」
「黙れ!
ウサギ風情が俺に指示をするな」
形だけの夫婦とはいえ、長いつきあいになるのだもの。
お互いを知っていた方がいいに違いないわ。
そう思って提案しただけなのに、陛下は私達の間にあるテーブルをバシンと手で叩いて激怒する。
それから数時間後。
大理石の浴場で侍女たちに身体を隅々まで洗われた私は聖夜の間の大きなベッドに一人で横たわっていた。
「それにしても豪華なつくりね」
皇帝夫婦の夜の営みの為につくられた部屋はラビット家がまるまる入ってしまうほど広い。
あちこにに金がほどこされた壁へ天井。
素人が見ても博物館級におもえる調度品の数々。
「結婚三ヶ月までの皇帝夫婦は聖夜の間以外での
夜の営みを禁止されているって。
そんな私的な所まで法で決められてるのも、
考えものね。皇族って窮屈だわ」
サイドテーブルの上のリンゴに手をのばし、
ガリッと齧りついた時だった。
部屋のカーテンのあまりの可愛さにベッドから
飛びおりたのは。
「まるで虹を溶かしこんだみたいね。
凄く素敵だわ」
様々な色合いが混じりあう上質な生地に手を触れた時、妹の顔が脳裏に浮かんだ。
「いつも私のお下がりばかり着ているパンちゃんにこれでドレスをつくってあげたいな」
そう思った瞬間、無意識に魔法を発動していた。
気がつけば大きなハサミで、カーテンをシャカシャカ切りとっていたのだ。
「きゃあ。たいへんだわ。ソーイング開始」
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