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1章 貧乏が嫌なので冷酷竜人陛下に嫁ぎます
10,グレイス皇太后との朝食 グレイス視点
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代々バルバド帝国の皇帝陛下は多数の妃を迎えた。
それは陛下のご意志というよりも、それぞれの種族と安定した関係を保つための政治的な為だろう。
そしてクジャク国の筆頭公爵家の次女であった妾は6代皇帝陛下イザークファンバルバドの皇妃となる。
当時は武力のバルバド帝国と富のクジャク国と呼ばれていた。
両国の結びつきはどちらにとっても喜ばしいものだったろう。
「パメラお姉様。竜族の皇帝陛下は野蛮な男なのでしょうね」
「竜獣人の血が流れているんですもの。しかたないわ。
貴族に政略結婚は当たり前だとはいえ、まさか貴女が竜の国へ嫁ぐとは思わなかったわ。
でもグレイスなら大丈夫よ。貴女はワタクシと違ってとても強いんですから」
嫁ぐ前、お姉様はそう言って妾をなぐさめてくれた。
「お姉様の婚約者は王太子。
いずれお姉様はこのクジャクの王妃になるのね。
生まれた国で暮らせるのは羨ましいわ」
いつも勝気な妾も、さすがに竜に嫁ぐのは気がおもく何度も弱音を吐いたものだ。
けど挙式の時。
初めてイザークを見た時、一瞬で心を奪われてしまった。
大柄な妾が小柄にみえる屈強な身体。
鋭く光る琥珀色の瞳に漆黒の髪。
筋の通った鼻梁と形の良い唇。
豪胆と繊細を兼ね備えた姿に惹かれた。
「これから陛下は私の他にも色々な女をお抱きになるのでしょうね。
それもある意味皇帝陛下のお仕事ですから、私は気にしませんが」
盛大な挙式の後、聖夜の間で迎えた初夜に強がった。
「心配するな。
俺は結婚で政治をする気はない。
妃は一人で十分だ」
耳に届いたイザークの男らしい声に内心涙がでるほど喜んだ。
なのにイザークは妾を裏切った。
数年後心から欲するという理由で側室をめとったのだ。
女の名はレーナ。
皇室の祝賀の席によばれた白鳥族の舞姫だった。
折れそうに華奢な身体は透けるように白く、燃えるような金髪と緑の瞳をもつ女だ。
レーナはすぐにみごもり、レインを出産した。
子ができない妾は烈火のごとき嫉妬に身をこがし、いつのまにか話し方も立ち振る舞いも刺々しくなる。
レインが王太子になった時、妾は誓った。
妾を裏切ったイザーク。
妾を苦しめたレーナ。
その2人が溺愛したレインを手中に収め、帝国を意のままに操ってやろうと。
「イザークが病死してレーナには後ろ盾がなくなった。
お姉様。目障りな女を処分していただけたら、クジャク国がバルバド帝国を掌握する力になれるのですが」
あれこれ策を練っていたが都合よくレーナは亡くなった。
あとは目の前のレインを懐柔するだけだ。
もう少しで妾の復讐はかなう。
そう思っていた矢先の事だ。
レインがウサギ族の娘と式をあげたのは。
(黒い眼鏡をかけた貧乏くさい娘じゃのう。
それに頭も弱いのかもしらん。
邪魔者はレーナと同じく排除せねばならんのう)
朝食の席で新たな策略をねっていると、突然キャンディがテーブルを揺らせ妾にスープを浴びせたのだ。
キャンディレビット。
お前は馬鹿なのか?
それともしたたかなのか?
どちらでもいいわい。
すぐに皇妃の座をはく奪してやる!
どす黒い気持ちを抱いた妾はルーカスとダイニングサロンを後にする。
それは陛下のご意志というよりも、それぞれの種族と安定した関係を保つための政治的な為だろう。
そしてクジャク国の筆頭公爵家の次女であった妾は6代皇帝陛下イザークファンバルバドの皇妃となる。
当時は武力のバルバド帝国と富のクジャク国と呼ばれていた。
両国の結びつきはどちらにとっても喜ばしいものだったろう。
「パメラお姉様。竜族の皇帝陛下は野蛮な男なのでしょうね」
「竜獣人の血が流れているんですもの。しかたないわ。
貴族に政略結婚は当たり前だとはいえ、まさか貴女が竜の国へ嫁ぐとは思わなかったわ。
でもグレイスなら大丈夫よ。貴女はワタクシと違ってとても強いんですから」
嫁ぐ前、お姉様はそう言って妾をなぐさめてくれた。
「お姉様の婚約者は王太子。
いずれお姉様はこのクジャクの王妃になるのね。
生まれた国で暮らせるのは羨ましいわ」
いつも勝気な妾も、さすがに竜に嫁ぐのは気がおもく何度も弱音を吐いたものだ。
けど挙式の時。
初めてイザークを見た時、一瞬で心を奪われてしまった。
大柄な妾が小柄にみえる屈強な身体。
鋭く光る琥珀色の瞳に漆黒の髪。
筋の通った鼻梁と形の良い唇。
豪胆と繊細を兼ね備えた姿に惹かれた。
「これから陛下は私の他にも色々な女をお抱きになるのでしょうね。
それもある意味皇帝陛下のお仕事ですから、私は気にしませんが」
盛大な挙式の後、聖夜の間で迎えた初夜に強がった。
「心配するな。
俺は結婚で政治をする気はない。
妃は一人で十分だ」
耳に届いたイザークの男らしい声に内心涙がでるほど喜んだ。
なのにイザークは妾を裏切った。
数年後心から欲するという理由で側室をめとったのだ。
女の名はレーナ。
皇室の祝賀の席によばれた白鳥族の舞姫だった。
折れそうに華奢な身体は透けるように白く、燃えるような金髪と緑の瞳をもつ女だ。
レーナはすぐにみごもり、レインを出産した。
子ができない妾は烈火のごとき嫉妬に身をこがし、いつのまにか話し方も立ち振る舞いも刺々しくなる。
レインが王太子になった時、妾は誓った。
妾を裏切ったイザーク。
妾を苦しめたレーナ。
その2人が溺愛したレインを手中に収め、帝国を意のままに操ってやろうと。
「イザークが病死してレーナには後ろ盾がなくなった。
お姉様。目障りな女を処分していただけたら、クジャク国がバルバド帝国を掌握する力になれるのですが」
あれこれ策を練っていたが都合よくレーナは亡くなった。
あとは目の前のレインを懐柔するだけだ。
もう少しで妾の復讐はかなう。
そう思っていた矢先の事だ。
レインがウサギ族の娘と式をあげたのは。
(黒い眼鏡をかけた貧乏くさい娘じゃのう。
それに頭も弱いのかもしらん。
邪魔者はレーナと同じく排除せねばならんのう)
朝食の席で新たな策略をねっていると、突然キャンディがテーブルを揺らせ妾にスープを浴びせたのだ。
キャンディレビット。
お前は馬鹿なのか?
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どちらでもいいわい。
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