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第四章
第20話 まるであの時の男のような
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明るい光、一面の緑。BGMは可愛い笑い声。
「ホタル! ――――!」
うん、何言ってるか分かんないや。
それでも私は楽しそうに話すリリににっこりと笑いかける。何を言っているかは分からないけれど本人が楽しそうなので、きっと楽しいことを言っているのだろう。
ノエと従属種について廊下で話していた時、私達に声をかけてきたのはリリと保護者のニックさんだった。なんでも食後の運動に向かうところだったそう。運動と言ってもがっつりとした運動ではなく、この畑の中でリリを遊ばせるだけだ。リリはまだ子供だから、日光に近い光をたくさん浴びさせてあげたいらしい。なんて真っ当な理由。
でも困ったことに、ニックさんは吸血鬼。いくら炎輝石から発せられる日光のコピーのような光でも、長時間当たれば体に障る。
だからいつもはノエが着ていたような防護服を着てリリと遊んでいた。でもまあ当然動きは制限されるし、リリも何やら不満顔。そこで私に白羽の矢が立ったのだ。偶然廊下で鉢合わせただけだけど、ノエが「ほたるだったらリリと派手に遊べるんじゃね?」と言ったことから私の予定が決定した。
「――――!」
「うん、あっち行こうねー」
派手に遊べると言われたものの、私とリリには共通語がない。吸血鬼の言葉は敢えてリリには教えていないらしくて、片言でも会話をすることができない。でも言葉が通じないのはリリも分かっているようで、身振り手振りで伝えようとしてくれている。
そうしていると、だんだん分かってくるから不思議。畑遊びに関しては先輩のリリが、私をあっちこっち連れ回しては自分の知っていることを一生懸命教えてくれる。ああ、癒やし。
そのまましばらく遊んでいると、リリが何やら眠そうにし始めた。もしかしてお昼寝の時間だろうか? 周りに小さい子はいないけれど、保育園の時にお昼寝の時間があったかどうかみたいな話を友だちがしているのを聞いたことがある。そんな話題が出るくらいだから、リリくらいの小さな子供にはお昼寝が必要なのだろう。
私はリリに出口を指差して見せて、そろそろ戻ろうかと促す。リリはまだ遊びたそうだったけれど、瞼がその気持ちに追いついていないみたい。やがて自分から出口に向かって歩き出したので、私達は運動の時間を終えることになった。
ノエとニックさんはダイニングで待つと言っていた。まあ近くに待つところなんてなさそうだったから当然だ。
何かあった時は入り口で大声を張り上げれば聞こえるらしいし、移動も物凄く速いので問題ないのだろう。そういえば未だによく分かってないんだけど、あの高速移動は一体どうやっているのだろうか。思い切り足を踏み切った感じはしないから筋肉ではないんだと思うんだけど。
そんなことを考えながら、二重扉を通ってお城内の廊下に出る。窓がないからか、ちょっと閉塞感のある廊下をリリに合わせてトコトコ進んで行った。
最初の突き当りで左に曲がれば、右手に大きな窓のある廊下に出るので急に開放感。でも外は暗いから、今まで日中の外みたいな明るい場所にいた身としては中々に混乱する。
今は昼間、外の光は赤い。それがなんだか外界の夕方のように思えて、時間感覚がおかしくなるような気がした。
「リリ、眠い? 抱っこしようか?」
左手にいるリリに言いながら、両手を広げて迎え入れるポーズを取ってみる。ちゃんと伝わったみたいだけど、リリはのろのろと首を横に振ってそれを断った。ぼそぼそと言っていたのは、「自分で歩ける」とかだろうか? この短時間接してみて分かったけれど、リリは私に対してどうやらお姉さんっぽい振る舞いをしたいらしい。
私が「リリは凄いね」と言って頭を撫でると、リリはにぱっとこちらを向いて笑った。目がだいぶとろんとしているけれど。
ああもう可愛いなぁ。ノエからリリの話を聞いた時は凄く苦しくなったけれど、こうして笑えているのを見ると心から安心する。
自分以外の人のことでこんなふうに思うのはちょっと変かもしれないけどさ。しかも長い付き合いとかじゃなくて、まだ二回目。だけど胸が凄くむずむずして、私はリリの頭を撫でくりまわそうと両手を伸ばした。
――ガシャンッ……!
大きな音が、屈んだ背中の上から降ってきた。この音は知っている――考えるよりも先に身体が動いて、伸ばしかけていた腕で咄嗟にリリを抱き締めた。
けれど次の瞬間に伝わった衝撃は、考えていたものとは違っていて。
「あぐッ――!?」
背中に熱が走った。熱に沿って衝撃が伝わり、私はリリを抱き締めたまま壁の方に投げ出される。
「痛ッ……!?」
痛すぎて悲鳴も出ない。なんだこれ、何が起こったの?
チカチカする視界には割れたガラスが散らばっている。窓ガラスが割れたのだ。
それはあの音を聞いた瞬間に分かっていたけれど、背中を引き裂くこの痛みの原因が分からない。
大きなガラスでも刺さった? ――違う。何かが刺さった感覚はない。
飛び散ったガラスに背中を裂かれた? ――そうかもしれない。だけど、それだけじゃない。それだけだったら壁まで飛ばされない。
「――――!」
唐突に何語か分からない叫び声が響く。低く不気味な声の主は、リリじゃない。
無意識のうちに声のした方へと顔を向けると、そこには見知らぬ男がいた。眼窩に収まっているのはぎょろりと見開かれた血走った目。見覚えのある目。
まるであの時の男のような――薄くなりかけていた記憶が蘇る。塾の帰り道、私を襲って死んだ男。あの男と、同じ。
「従属種……?」
どうしてここに? ガラスを割ったのはこの男? なら私の背中を裂いたのもこの人?
ぐるぐるぐるぐる、一気に思考が頭を巡る。
「ホタル……!」
リリの声。そうだ、私は今リリといるんだ。リリを守らないと。
「ノエッ!!」
大きな声でノエを呼ぶ。声を出した瞬間背中に痛みが走って驚いたけれど、短い名前のお陰で途切れず呼ぶことができた。
多分ノエにはガラスが割れた音は聞こえているだろう。ダイニングからここまでは結構遠いけれど、そこまで時間はかからないはず。
それでもノエが来るまで、この男から逃げないといけない。
「――――!」
男が何を言っているのかは相変わらず分からない。ラミア様の配下の従属種だろうか。それともそれ以外の、私を探しに来た人だろうか。もしそうだとするとリリは無関係だ。無関係ならここに置いて私だけ逃げれば、男は私だけを追ってくるんだろうか。
いや、そうとは限らない。相手が冷静だったらまだ違うように感じたかもしれないけれど、こんな、明らかに正気を失ったような人が相手じゃ何を信じていいか分からない。
それにリリも私の服をぎゅっと掴んでいる。もし仮に襲われなかったとしても、こんなに怯えた子を置いていくなんてできない。
「小さい子がいるの! 私に用があるならちょっと待っててよ!」
我ながら無茶なことを言っている気がする。けれど今は考える時間が欲しい。どこにどう逃げればリリと一緒に逃げ切れるのか、考えてから動かないと守りきれる気がしない。
割れた窓から赤い光が差し込む。それは相手の不気味さを助長するようで、なんだかとても恐ろしく感じた。
――そうか、光か。
従属種も吸血鬼なら、太陽の光に弱いはず。ここからなら畑は近い。リリが走れなくても、抱えて私が走ればいい。
そう思ってリリを抱きかかえようとしたら、背中を激痛が襲う。
そうだ、怪我をしていたんだ。これじゃあリリを抱えられない。だけどリリが私と同じ速さで走れるはずがない。
どうしよう、どうしよう。やっぱり私一人で逃げてみた方がいいんだろうか。でもそれで相手がリリを狙ったら?
考えが纏まらない。考えすぎなのか、頭が芯から熱を持つように熱くなる。それが余計に私の思考の邪魔をして、頭の中の熱しか感じられなくなっていった。
ぼんやりと、目の前の光景をただ見ているだけだった。
ぬらりと赤く光る男の手。男はそれをゆっくりと鼻に近付け、匂いを嗅ぐ。恍惚とした表情はおぞましく、男の血走った目をさらに大きくする。
「――――」
何か言っている。分からない。だけど。
――こいつを壊さなきゃ。
その瞬間、男が視界から消えた。
「ホタル! ――――!」
うん、何言ってるか分かんないや。
それでも私は楽しそうに話すリリににっこりと笑いかける。何を言っているかは分からないけれど本人が楽しそうなので、きっと楽しいことを言っているのだろう。
ノエと従属種について廊下で話していた時、私達に声をかけてきたのはリリと保護者のニックさんだった。なんでも食後の運動に向かうところだったそう。運動と言ってもがっつりとした運動ではなく、この畑の中でリリを遊ばせるだけだ。リリはまだ子供だから、日光に近い光をたくさん浴びさせてあげたいらしい。なんて真っ当な理由。
でも困ったことに、ニックさんは吸血鬼。いくら炎輝石から発せられる日光のコピーのような光でも、長時間当たれば体に障る。
だからいつもはノエが着ていたような防護服を着てリリと遊んでいた。でもまあ当然動きは制限されるし、リリも何やら不満顔。そこで私に白羽の矢が立ったのだ。偶然廊下で鉢合わせただけだけど、ノエが「ほたるだったらリリと派手に遊べるんじゃね?」と言ったことから私の予定が決定した。
「――――!」
「うん、あっち行こうねー」
派手に遊べると言われたものの、私とリリには共通語がない。吸血鬼の言葉は敢えてリリには教えていないらしくて、片言でも会話をすることができない。でも言葉が通じないのはリリも分かっているようで、身振り手振りで伝えようとしてくれている。
そうしていると、だんだん分かってくるから不思議。畑遊びに関しては先輩のリリが、私をあっちこっち連れ回しては自分の知っていることを一生懸命教えてくれる。ああ、癒やし。
そのまましばらく遊んでいると、リリが何やら眠そうにし始めた。もしかしてお昼寝の時間だろうか? 周りに小さい子はいないけれど、保育園の時にお昼寝の時間があったかどうかみたいな話を友だちがしているのを聞いたことがある。そんな話題が出るくらいだから、リリくらいの小さな子供にはお昼寝が必要なのだろう。
私はリリに出口を指差して見せて、そろそろ戻ろうかと促す。リリはまだ遊びたそうだったけれど、瞼がその気持ちに追いついていないみたい。やがて自分から出口に向かって歩き出したので、私達は運動の時間を終えることになった。
ノエとニックさんはダイニングで待つと言っていた。まあ近くに待つところなんてなさそうだったから当然だ。
何かあった時は入り口で大声を張り上げれば聞こえるらしいし、移動も物凄く速いので問題ないのだろう。そういえば未だによく分かってないんだけど、あの高速移動は一体どうやっているのだろうか。思い切り足を踏み切った感じはしないから筋肉ではないんだと思うんだけど。
そんなことを考えながら、二重扉を通ってお城内の廊下に出る。窓がないからか、ちょっと閉塞感のある廊下をリリに合わせてトコトコ進んで行った。
最初の突き当りで左に曲がれば、右手に大きな窓のある廊下に出るので急に開放感。でも外は暗いから、今まで日中の外みたいな明るい場所にいた身としては中々に混乱する。
今は昼間、外の光は赤い。それがなんだか外界の夕方のように思えて、時間感覚がおかしくなるような気がした。
「リリ、眠い? 抱っこしようか?」
左手にいるリリに言いながら、両手を広げて迎え入れるポーズを取ってみる。ちゃんと伝わったみたいだけど、リリはのろのろと首を横に振ってそれを断った。ぼそぼそと言っていたのは、「自分で歩ける」とかだろうか? この短時間接してみて分かったけれど、リリは私に対してどうやらお姉さんっぽい振る舞いをしたいらしい。
私が「リリは凄いね」と言って頭を撫でると、リリはにぱっとこちらを向いて笑った。目がだいぶとろんとしているけれど。
ああもう可愛いなぁ。ノエからリリの話を聞いた時は凄く苦しくなったけれど、こうして笑えているのを見ると心から安心する。
自分以外の人のことでこんなふうに思うのはちょっと変かもしれないけどさ。しかも長い付き合いとかじゃなくて、まだ二回目。だけど胸が凄くむずむずして、私はリリの頭を撫でくりまわそうと両手を伸ばした。
――ガシャンッ……!
大きな音が、屈んだ背中の上から降ってきた。この音は知っている――考えるよりも先に身体が動いて、伸ばしかけていた腕で咄嗟にリリを抱き締めた。
けれど次の瞬間に伝わった衝撃は、考えていたものとは違っていて。
「あぐッ――!?」
背中に熱が走った。熱に沿って衝撃が伝わり、私はリリを抱き締めたまま壁の方に投げ出される。
「痛ッ……!?」
痛すぎて悲鳴も出ない。なんだこれ、何が起こったの?
チカチカする視界には割れたガラスが散らばっている。窓ガラスが割れたのだ。
それはあの音を聞いた瞬間に分かっていたけれど、背中を引き裂くこの痛みの原因が分からない。
大きなガラスでも刺さった? ――違う。何かが刺さった感覚はない。
飛び散ったガラスに背中を裂かれた? ――そうかもしれない。だけど、それだけじゃない。それだけだったら壁まで飛ばされない。
「――――!」
唐突に何語か分からない叫び声が響く。低く不気味な声の主は、リリじゃない。
無意識のうちに声のした方へと顔を向けると、そこには見知らぬ男がいた。眼窩に収まっているのはぎょろりと見開かれた血走った目。見覚えのある目。
まるであの時の男のような――薄くなりかけていた記憶が蘇る。塾の帰り道、私を襲って死んだ男。あの男と、同じ。
「従属種……?」
どうしてここに? ガラスを割ったのはこの男? なら私の背中を裂いたのもこの人?
ぐるぐるぐるぐる、一気に思考が頭を巡る。
「ホタル……!」
リリの声。そうだ、私は今リリといるんだ。リリを守らないと。
「ノエッ!!」
大きな声でノエを呼ぶ。声を出した瞬間背中に痛みが走って驚いたけれど、短い名前のお陰で途切れず呼ぶことができた。
多分ノエにはガラスが割れた音は聞こえているだろう。ダイニングからここまでは結構遠いけれど、そこまで時間はかからないはず。
それでもノエが来るまで、この男から逃げないといけない。
「――――!」
男が何を言っているのかは相変わらず分からない。ラミア様の配下の従属種だろうか。それともそれ以外の、私を探しに来た人だろうか。もしそうだとするとリリは無関係だ。無関係ならここに置いて私だけ逃げれば、男は私だけを追ってくるんだろうか。
いや、そうとは限らない。相手が冷静だったらまだ違うように感じたかもしれないけれど、こんな、明らかに正気を失ったような人が相手じゃ何を信じていいか分からない。
それにリリも私の服をぎゅっと掴んでいる。もし仮に襲われなかったとしても、こんなに怯えた子を置いていくなんてできない。
「小さい子がいるの! 私に用があるならちょっと待っててよ!」
我ながら無茶なことを言っている気がする。けれど今は考える時間が欲しい。どこにどう逃げればリリと一緒に逃げ切れるのか、考えてから動かないと守りきれる気がしない。
割れた窓から赤い光が差し込む。それは相手の不気味さを助長するようで、なんだかとても恐ろしく感じた。
――そうか、光か。
従属種も吸血鬼なら、太陽の光に弱いはず。ここからなら畑は近い。リリが走れなくても、抱えて私が走ればいい。
そう思ってリリを抱きかかえようとしたら、背中を激痛が襲う。
そうだ、怪我をしていたんだ。これじゃあリリを抱えられない。だけどリリが私と同じ速さで走れるはずがない。
どうしよう、どうしよう。やっぱり私一人で逃げてみた方がいいんだろうか。でもそれで相手がリリを狙ったら?
考えが纏まらない。考えすぎなのか、頭が芯から熱を持つように熱くなる。それが余計に私の思考の邪魔をして、頭の中の熱しか感じられなくなっていった。
ぼんやりと、目の前の光景をただ見ているだけだった。
ぬらりと赤く光る男の手。男はそれをゆっくりと鼻に近付け、匂いを嗅ぐ。恍惚とした表情はおぞましく、男の血走った目をさらに大きくする。
「――――」
何か言っている。分からない。だけど。
――こいつを壊さなきゃ。
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