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第1章 英雄と竜帝
第9話 鍛錬の日々。 ~はちくげき~
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――戦技一0八計の一つ、破竹撃。その一撃は鉈で竹を割るかのごとく、相手を断ち割る技である。かつて名を馳せた猛将が立て続けに敵軍を破り抜き勢い良く進軍する様に例えられ、その逸話にあやかり付けられたと言われている。
「お前、いつまで薪割りなんかしてるつもりなんだ?」
ロアは朝からずっと薪割りを続けていた。梁山泊には薪を割る音が朝から鳴り続けていた。
「お前は薪割りの修行に来たのかよ。」
「よっ、薪割り名人!」
ロアと同世代の門下生が時おりからかいに来る。いつまでたっても破竹撃が習得できないからだ。その習得のための基礎練習、それが薪割りである。だが、ロアはそんな野次など耳を貸さずに黙々と薪割りを続ける。
「いつまで続くかなあ。……おっといけねえ。そろそろ行かねえと、師範にどやされる。」
野次を入れに来た門下生たちがその場を去っていく。そんなことは彼にはどうでもいいことであった。少しでも早く技を習得し、遅れを取り戻したかった。屈辱感に耐えつつただひたすらに鍛練を続けた。
(……いいですか、ロア。この破竹撃は力任せに叩き斬る技ではありません。物の壊れやすいい一点、人に置き換えれば、相手の僅かな隙を突くというのがこの技の本質です。)
師父に教わった技についての本質を頭に思い浮かべながら、ひたすら鍛練に励んではいるが、なかなか、それを体現できないでいた。薪割りを続けていても、木片が増えていくだけで、ちっとも糸口は見えはしなかった。
――その日も日が傾き始めても、一向に出来はしなかった。
「……あ、やべっ!もうない!」
あまりにも夢中になりすぎたためか、薪割りをするための木片がもうそこにはなかった。
あるのは薪割りの済んだ木片しかそこにはない。新たに木材を調達しにいかなくてはならなかった。しかし、今からそれを行うには、不十分であり、日も暮れてしまうだろう。
「じゃあ、今日はこれで終わりか。」
突きつけられた現実にロアはがっくりとかたを落とした。しかし、あきらめきれなかった。また明日も同じことを続けるのかと思うと、気が滅入る。
「……まてよ。同じ木片なら、これでも一応出来るじゃないか。」
自分が割った薪そのものを見つめ、発想の転換をした。とはいえこの木片をさらに割るには
細すぎで、下手をすれば鉈を振り下ろしたときの衝撃で折れてしまうだろう。
「一か八か、駄目元でやってみるか。」
強風が吹いただけで倒れてしまいそうな木片を慎重に薪割台へと立たせた。
「よし!慎重にやるぞ。風なんか吹いたりするなよ。」
鉈を振り上げ、肩の力を抜き、木片を狙って正確に振り下ろした。木片は音をたてず、まるで、紙でも裂いたかのように易々と切断されていった。
「……おおっ!」
思わず感嘆の声を上げてしまった。そして勢い余って薪割台まで真っ二つにしてしまっていた。
「やべっ!やっちまった。……でも、これって、もしかして技ができたってことなのか?」
薪割りにしては大それた威力である。これはある意味、破竹撃の完成を意味していた。
「なら、一回試しにやってみりゃいいんだ。」
破竹撃の修練の最終目標は大岩を剣で断ち割ることである。さっそく、ロアは傍らにおいてあった剣を手にし近くにあった石壁と向き合った。
「今一度、破竹撃!」
「お前、いつまで薪割りなんかしてるつもりなんだ?」
ロアは朝からずっと薪割りを続けていた。梁山泊には薪を割る音が朝から鳴り続けていた。
「お前は薪割りの修行に来たのかよ。」
「よっ、薪割り名人!」
ロアと同世代の門下生が時おりからかいに来る。いつまでたっても破竹撃が習得できないからだ。その習得のための基礎練習、それが薪割りである。だが、ロアはそんな野次など耳を貸さずに黙々と薪割りを続ける。
「いつまで続くかなあ。……おっといけねえ。そろそろ行かねえと、師範にどやされる。」
野次を入れに来た門下生たちがその場を去っていく。そんなことは彼にはどうでもいいことであった。少しでも早く技を習得し、遅れを取り戻したかった。屈辱感に耐えつつただひたすらに鍛練を続けた。
(……いいですか、ロア。この破竹撃は力任せに叩き斬る技ではありません。物の壊れやすいい一点、人に置き換えれば、相手の僅かな隙を突くというのがこの技の本質です。)
師父に教わった技についての本質を頭に思い浮かべながら、ひたすら鍛練に励んではいるが、なかなか、それを体現できないでいた。薪割りを続けていても、木片が増えていくだけで、ちっとも糸口は見えはしなかった。
――その日も日が傾き始めても、一向に出来はしなかった。
「……あ、やべっ!もうない!」
あまりにも夢中になりすぎたためか、薪割りをするための木片がもうそこにはなかった。
あるのは薪割りの済んだ木片しかそこにはない。新たに木材を調達しにいかなくてはならなかった。しかし、今からそれを行うには、不十分であり、日も暮れてしまうだろう。
「じゃあ、今日はこれで終わりか。」
突きつけられた現実にロアはがっくりとかたを落とした。しかし、あきらめきれなかった。また明日も同じことを続けるのかと思うと、気が滅入る。
「……まてよ。同じ木片なら、これでも一応出来るじゃないか。」
自分が割った薪そのものを見つめ、発想の転換をした。とはいえこの木片をさらに割るには
細すぎで、下手をすれば鉈を振り下ろしたときの衝撃で折れてしまうだろう。
「一か八か、駄目元でやってみるか。」
強風が吹いただけで倒れてしまいそうな木片を慎重に薪割台へと立たせた。
「よし!慎重にやるぞ。風なんか吹いたりするなよ。」
鉈を振り上げ、肩の力を抜き、木片を狙って正確に振り下ろした。木片は音をたてず、まるで、紙でも裂いたかのように易々と切断されていった。
「……おおっ!」
思わず感嘆の声を上げてしまった。そして勢い余って薪割台まで真っ二つにしてしまっていた。
「やべっ!やっちまった。……でも、これって、もしかして技ができたってことなのか?」
薪割りにしては大それた威力である。これはある意味、破竹撃の完成を意味していた。
「なら、一回試しにやってみりゃいいんだ。」
破竹撃の修練の最終目標は大岩を剣で断ち割ることである。さっそく、ロアは傍らにおいてあった剣を手にし近くにあった石壁と向き合った。
「今一度、破竹撃!」
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