161 / 401
第3章 迷宮道中膝栗毛!!
第161話 数の暴力を押し返せ!
しおりを挟む
「少女よ、拙者はもう全快した。礼を言う。」
「もう少し、治療したほうが……、」
「多少の傷等、問題にはならぬよ。気遣いには感謝致す。」
侍は傷の全快を待たずに、戦線に復帰した。そんな状態で大丈夫か?
「貴様が一人戻ったところで状況は大して変わりはせん!」
ダイヤ野郎も負けじと奮戦している。でも、明らかに侍と一対一で戦っていたときより、弱くなっているような気がする。
「愚か者どもめ!数の上で勝っているということは、こんな戦い方も出来る!」
俺たちが直接戦っている個体とは別に後ろの方で出番待ちしているヤツらが急に構え始めた。まさか……、魔法を使おうとしているのか?
「こうやって一斉に放てばどういうことになるかはわかっておるのだろうな?」
「ヤバイ!なんとかしないと!」
この状況で広範囲に放出されたら大変な事になる。
《皆の者、よく聞け!妾に良い考えがある。今から言うことを実行に移すのじゃ!それは……、》
サヨちゃんは人間の姿に戻りながら、みんなに思念波を送っていた。
「パゴア!食らえ!ダイヤモンド・フレア・ブラスト!」
ダイヤ野郎は知らずに放とうとしている。俺たちはサヨちゃんの策をそれぞれ実行に移した。
(ドギュァァァッ!!!!)
周囲から一斉に魔法が放たれた。ダイヤモンドの雨あられが放たれ、周囲の建造物がボロボロに破壊されていった。もう、なりふり構わずといった感じだ。作った本人が一番破壊している。
「どうだ!全員ボロ雑巾に変えてやったぞ!パゴア!パゴ……ア!?」
ダイヤ野郎は変な笑いを途中でやめた。やっと気付いたか、お間抜けさん!
「いやあ、助かったぜ!そこら中に盾があるんだもんなあ!便利なモンは有効利用しないとね!」
サヨちゃんの秘策とは……ヤツらの体自身を盾にすることだった。ヤツらの体は魔法に耐性がある。数もたくさんいるし、身を隠すにはもってこいだった。下手に防御しても食らってしまうのでこうする方が得策だった。サヨちゃんが直前に人間に戻ったのはこれを実行するためだった。
「おのれ!小癪な真似を!」
「数の暴力がかえって仇になったねえ!」
あいつ自身のゴリ押し戦法を使って接近戦で各個撃破というところまでは良かったんだろうけど、あとからの思いつきで魔法ブッパしたのはアホとしか言い様がない。魔法を極めたようだが、戦闘に関しては素人同然だったのだ。ホントに残念なヤツだ。
「かくなる上は……。」
何か言おうとして途中で黙ってしまった。あまりのショックに思考停止したか?
「今のうちに数を減らすぞ!頭脳がフリーズしているうちに倒しきるぞ!」
「おおっ!!」
力強い返事が方々から返ってくる!みんなやる気だ。この調子で全滅させてやる!
「なりふり構ってなどおれぬ。私に勝つことは出来ぬのだ。」
ぶつぶつ負け惜しみを言っている。まだ、そんなたわごとを……、
「私に不可能などない。魔術を極めるとはどういうことか、思い知らせてやろう!」
(ズゥン!…ズゥン!…ズゥン!…ズゥン!)
重々しい音が建物の奥から響いてくる。今さら何が出来るっていうんだ?こけおどしもたいがいにしろ!
「ゴバアアア!」
建物の奥から何か咆哮が聞こえてきた。何を出してくるんだ?
(ドゴアアアアァン!!)
建物を破壊しながら、何か巨大な物が飛び出てきた。交戦中だった俺は避けきれずに近場のダイヤ野郎を盾にした。
「ぐわああっ!!」
その衝撃は凄まじく、俺だけじゃなくダイヤ野郎数体もまとめて吹き飛ばされた。
「邪道だが即興で思いついた。下手に竜の姿を見せぬ方が良かったのではないか?」
建物の中から姿を現したのは……、なんとダイヤモンドのドラゴンだった!大きさは竜形態のサヨちゃんと同じくらいはあった。
「名付けてダイヤモンド・ドレイク!私が竜如きの姿を借りねばならぬとは、屈辱だ!不本意だ!キッチリその責任は取ってもらうぞ!」
「もう少し、治療したほうが……、」
「多少の傷等、問題にはならぬよ。気遣いには感謝致す。」
侍は傷の全快を待たずに、戦線に復帰した。そんな状態で大丈夫か?
「貴様が一人戻ったところで状況は大して変わりはせん!」
ダイヤ野郎も負けじと奮戦している。でも、明らかに侍と一対一で戦っていたときより、弱くなっているような気がする。
「愚か者どもめ!数の上で勝っているということは、こんな戦い方も出来る!」
俺たちが直接戦っている個体とは別に後ろの方で出番待ちしているヤツらが急に構え始めた。まさか……、魔法を使おうとしているのか?
「こうやって一斉に放てばどういうことになるかはわかっておるのだろうな?」
「ヤバイ!なんとかしないと!」
この状況で広範囲に放出されたら大変な事になる。
《皆の者、よく聞け!妾に良い考えがある。今から言うことを実行に移すのじゃ!それは……、》
サヨちゃんは人間の姿に戻りながら、みんなに思念波を送っていた。
「パゴア!食らえ!ダイヤモンド・フレア・ブラスト!」
ダイヤ野郎は知らずに放とうとしている。俺たちはサヨちゃんの策をそれぞれ実行に移した。
(ドギュァァァッ!!!!)
周囲から一斉に魔法が放たれた。ダイヤモンドの雨あられが放たれ、周囲の建造物がボロボロに破壊されていった。もう、なりふり構わずといった感じだ。作った本人が一番破壊している。
「どうだ!全員ボロ雑巾に変えてやったぞ!パゴア!パゴ……ア!?」
ダイヤ野郎は変な笑いを途中でやめた。やっと気付いたか、お間抜けさん!
「いやあ、助かったぜ!そこら中に盾があるんだもんなあ!便利なモンは有効利用しないとね!」
サヨちゃんの秘策とは……ヤツらの体自身を盾にすることだった。ヤツらの体は魔法に耐性がある。数もたくさんいるし、身を隠すにはもってこいだった。下手に防御しても食らってしまうのでこうする方が得策だった。サヨちゃんが直前に人間に戻ったのはこれを実行するためだった。
「おのれ!小癪な真似を!」
「数の暴力がかえって仇になったねえ!」
あいつ自身のゴリ押し戦法を使って接近戦で各個撃破というところまでは良かったんだろうけど、あとからの思いつきで魔法ブッパしたのはアホとしか言い様がない。魔法を極めたようだが、戦闘に関しては素人同然だったのだ。ホントに残念なヤツだ。
「かくなる上は……。」
何か言おうとして途中で黙ってしまった。あまりのショックに思考停止したか?
「今のうちに数を減らすぞ!頭脳がフリーズしているうちに倒しきるぞ!」
「おおっ!!」
力強い返事が方々から返ってくる!みんなやる気だ。この調子で全滅させてやる!
「なりふり構ってなどおれぬ。私に勝つことは出来ぬのだ。」
ぶつぶつ負け惜しみを言っている。まだ、そんなたわごとを……、
「私に不可能などない。魔術を極めるとはどういうことか、思い知らせてやろう!」
(ズゥン!…ズゥン!…ズゥン!…ズゥン!)
重々しい音が建物の奥から響いてくる。今さら何が出来るっていうんだ?こけおどしもたいがいにしろ!
「ゴバアアア!」
建物の奥から何か咆哮が聞こえてきた。何を出してくるんだ?
(ドゴアアアアァン!!)
建物を破壊しながら、何か巨大な物が飛び出てきた。交戦中だった俺は避けきれずに近場のダイヤ野郎を盾にした。
「ぐわああっ!!」
その衝撃は凄まじく、俺だけじゃなくダイヤ野郎数体もまとめて吹き飛ばされた。
「邪道だが即興で思いついた。下手に竜の姿を見せぬ方が良かったのではないか?」
建物の中から姿を現したのは……、なんとダイヤモンドのドラゴンだった!大きさは竜形態のサヨちゃんと同じくらいはあった。
「名付けてダイヤモンド・ドレイク!私が竜如きの姿を借りねばならぬとは、屈辱だ!不本意だ!キッチリその責任は取ってもらうぞ!」
0
あなたにおすすめの小説
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
チート魔力はお金のために使うもの~守銭奴転移を果たした俺にはチートな仲間が集まるらしい~
桜桃-サクランボ-
ファンタジー
金さえあれば人生はどうにでもなる――そう信じている二十八歳の守銭奴、鏡谷知里。
交通事故で意識が朦朧とする中、目を覚ますと見知らぬ異世界で、目の前には見たことがないドラゴン。
そして、なぜか“チート魔力持ち”になっていた。
その莫大な魔力は、もともと自分が持っていた付与魔力に、封印されていた冒険者の魔力が重なってしまった結果らしい。
だが、それが不幸の始まりだった。
世界を恐怖で支配する集団――「世界を束ねる管理者」。
彼らに目をつけられてしまった知里は、巻き込まれたくないのに狙われる羽目になってしまう。
さらに、人を疑うことを知らない純粋すぎる二人と行動を共にすることになり、望んでもいないのに“冒険者”として動くことになってしまった。
金を稼ごうとすれば邪魔が入り、巻き込まれたくないのに事件に引きずられる。
面倒ごとから逃げたい守銭奴と、世界の頂点に立つ管理者。
本来交わらないはずの二つが、過去の冒険者の残した魔力によってぶつかり合う、異世界ファンタジー。
※小説家になろう・カクヨムでも更新中
※表紙:あニキさん
※ ※がタイトルにある話に挿絵アリ
※月、水、金、更新予定!
最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)
みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。
在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる