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第3章 迷宮道中膝栗毛!!
第171話 かれ〜なる一族?
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「お前がなんでここにおんねん?」
社員のタニシが出てきたところで、社長も黙っていられなくなったようだ。
「いやいや、おかしいでヤンス!魔王のダンジョンに行った皆さんが教習用ダンジョンにいるでヤンスか?」
ここは教習用ダンジョンなのか。隠しダンジョンが壊れたらここに転送されたのか?それともダイヤ野郎はここに作ったのだろうか。謎は深まるばかりだ。
「ワハッ!ま、まさか!もしかして、今回もあっしを対象にしたドッキリでヤンスか!冗談にしては手が込みすぎているでヤンスよ!」
「ちゃうわ、ボケ!」
「ボスを倒したら、ここに転送された、って言ったら信じる?」
「意味がワカランでヤンス!」
あー、やっぱりか。普通信じられないよな。冗談にしか聞こえないもん。
「ねー?そんなのどっちでもよくない?つまんない!」
よくなくないわい!部外者が口を挟むな。
「それより、この姉ぇちゃんがなんでこんなとこにおんねん?ライセンス持っとらへんから前に摘まみ出したやろがい。」
「豚さんたらひっど~い!ちゃんとライセンス取ったもん。これを見ろ!ひかえおろー!」
「誰が豚やねん!ニセもんちゃうやろな?」
変な女は冒険者ライセンスを見せつけた。まだ新しい。俺のヤツと大して変わらないくらいか。職業は……遊び人…と書いてある。遊び人?
「この方、勇者様と同期の方じゃないですか?この前のイースト・ウッドの冒険者ギルドで見かけたことがあります。」
「そういえば、あの時におったような気がするのう。」
そういえばいたような?イケたらイクかも、とか適当なことを言ってたな。でも実は結構な実力者で、他の受験者の間では評判になっていた。実力ランキングの一位は俺で、二位は力士。三位はコイツだった!遊び人のくせに!
「あれぇ?この前、ゆーしゃといっしょにいたロリっ子と地味子ちゃんじゃん?ひさしぶり!」
「じ、地味……。」
エルちゃんはショックを受けている。傷つくことを言うな!
「コラ!エルちゃんに失礼なこと言うな!」
「え~?でも、地味じゃん?……じゃあ、ゆーしゃの彼女ってことにしとく!」
「な、なにぃ!?」
な、何を言うんだいきなり!顔が熱くなってきたじゃないか。見たら、エルちゃんも顔が赤くなっている。
「まあ、ええわ。証人がおるのがわかったさかい、ホンマもんなんやな。……でもなんでタニシと一緒にここにおるねん?」
「あっしは普通に仕事してるんでヤンス!この子の依頼でダンジョン教習をしてるだけでヤンス。」
「そうなんか?ようやく全うに冒険することになったんやな。ほなら、ええわ。」
とりあえず、一件落着のようだ。これでようやく普通に帰れそうだ。
「メダカ!メダカではないのか?」
「メダカ?」
突然、侍が叫んだ。ビックリした。タニシの方を見ている。人違いでは?名前の傾向は似ている気がするけど。
「メダカ?なんでお侍さんがあっしのひいじいちゃんの名前を知っているでヤンスか?」
「なんと、曾孫であったか!……それもそうであるな。今いるのは百年後の世界であったな。見知った顔がいたもので、拙者としたことがつい気が逸ってしまった。」
「ひいじいちゃんのお知り合いでヤンスか!」
意外なつながりが発覚した。タニシの先祖が侍の知り合いだったなんて……。
「コイツのひいじいちゃんにどんな縁があるんだ?」
「拙者とメダカは同郷でな。奴は商人、ある意味拙者の支援者とも言える存在だった。拙者が修行の旅に出る際に同行する事になったのだ。」
「侍と同郷!?しかも商人!?」
「兄ィちゃんは知らんやろうけど、コイツはボンボンやで。要するにセレブや。コイツの一族はノウザン・ウェルでも有名な実業家やねん。実はガツ森もコイツの一族が経営しとるんや。」
「エエェ!?金持ちなのコイツ!?」
まあ、言動や行動がかなりアレなので、ある意味その方が納得がいく。アホボンだったのか。
「拙者が地下迷宮に挑む事となり、物資等の調達で便宜を図って貰っていたのだ。しかし、知っての通り、拙者は迷宮に囚われ、帰れぬこととなったのだ。」
「あーっ!?思い出したでヤンス!お侍さんの友達がいるって話を聞いたことがあったでヤンス!」
一応、話を聞いたことがあったのか。じゃあ、侍の言うメダカとタニシのひいじいちゃんが同一人物なのは間違いなさそう。
「拙者は迷宮に赴く際、戻ってくることがなければ、メダカに故郷へ帰るように言っていた。だが、子孫がここにおるということは、拙者を待っていてくれていたのだな。」
なんとも泣ける話じゃないか。にも関わらず曾孫のタニシはただのアホ犬である。そういう意味でも泣けてくるな。
社員のタニシが出てきたところで、社長も黙っていられなくなったようだ。
「いやいや、おかしいでヤンス!魔王のダンジョンに行った皆さんが教習用ダンジョンにいるでヤンスか?」
ここは教習用ダンジョンなのか。隠しダンジョンが壊れたらここに転送されたのか?それともダイヤ野郎はここに作ったのだろうか。謎は深まるばかりだ。
「ワハッ!ま、まさか!もしかして、今回もあっしを対象にしたドッキリでヤンスか!冗談にしては手が込みすぎているでヤンスよ!」
「ちゃうわ、ボケ!」
「ボスを倒したら、ここに転送された、って言ったら信じる?」
「意味がワカランでヤンス!」
あー、やっぱりか。普通信じられないよな。冗談にしか聞こえないもん。
「ねー?そんなのどっちでもよくない?つまんない!」
よくなくないわい!部外者が口を挟むな。
「それより、この姉ぇちゃんがなんでこんなとこにおんねん?ライセンス持っとらへんから前に摘まみ出したやろがい。」
「豚さんたらひっど~い!ちゃんとライセンス取ったもん。これを見ろ!ひかえおろー!」
「誰が豚やねん!ニセもんちゃうやろな?」
変な女は冒険者ライセンスを見せつけた。まだ新しい。俺のヤツと大して変わらないくらいか。職業は……遊び人…と書いてある。遊び人?
「この方、勇者様と同期の方じゃないですか?この前のイースト・ウッドの冒険者ギルドで見かけたことがあります。」
「そういえば、あの時におったような気がするのう。」
そういえばいたような?イケたらイクかも、とか適当なことを言ってたな。でも実は結構な実力者で、他の受験者の間では評判になっていた。実力ランキングの一位は俺で、二位は力士。三位はコイツだった!遊び人のくせに!
「あれぇ?この前、ゆーしゃといっしょにいたロリっ子と地味子ちゃんじゃん?ひさしぶり!」
「じ、地味……。」
エルちゃんはショックを受けている。傷つくことを言うな!
「コラ!エルちゃんに失礼なこと言うな!」
「え~?でも、地味じゃん?……じゃあ、ゆーしゃの彼女ってことにしとく!」
「な、なにぃ!?」
な、何を言うんだいきなり!顔が熱くなってきたじゃないか。見たら、エルちゃんも顔が赤くなっている。
「まあ、ええわ。証人がおるのがわかったさかい、ホンマもんなんやな。……でもなんでタニシと一緒にここにおるねん?」
「あっしは普通に仕事してるんでヤンス!この子の依頼でダンジョン教習をしてるだけでヤンス。」
「そうなんか?ようやく全うに冒険することになったんやな。ほなら、ええわ。」
とりあえず、一件落着のようだ。これでようやく普通に帰れそうだ。
「メダカ!メダカではないのか?」
「メダカ?」
突然、侍が叫んだ。ビックリした。タニシの方を見ている。人違いでは?名前の傾向は似ている気がするけど。
「メダカ?なんでお侍さんがあっしのひいじいちゃんの名前を知っているでヤンスか?」
「なんと、曾孫であったか!……それもそうであるな。今いるのは百年後の世界であったな。見知った顔がいたもので、拙者としたことがつい気が逸ってしまった。」
「ひいじいちゃんのお知り合いでヤンスか!」
意外なつながりが発覚した。タニシの先祖が侍の知り合いだったなんて……。
「コイツのひいじいちゃんにどんな縁があるんだ?」
「拙者とメダカは同郷でな。奴は商人、ある意味拙者の支援者とも言える存在だった。拙者が修行の旅に出る際に同行する事になったのだ。」
「侍と同郷!?しかも商人!?」
「兄ィちゃんは知らんやろうけど、コイツはボンボンやで。要するにセレブや。コイツの一族はノウザン・ウェルでも有名な実業家やねん。実はガツ森もコイツの一族が経営しとるんや。」
「エエェ!?金持ちなのコイツ!?」
まあ、言動や行動がかなりアレなので、ある意味その方が納得がいく。アホボンだったのか。
「拙者が地下迷宮に挑む事となり、物資等の調達で便宜を図って貰っていたのだ。しかし、知っての通り、拙者は迷宮に囚われ、帰れぬこととなったのだ。」
「あーっ!?思い出したでヤンス!お侍さんの友達がいるって話を聞いたことがあったでヤンス!」
一応、話を聞いたことがあったのか。じゃあ、侍の言うメダカとタニシのひいじいちゃんが同一人物なのは間違いなさそう。
「拙者は迷宮に赴く際、戻ってくることがなければ、メダカに故郷へ帰るように言っていた。だが、子孫がここにおるということは、拙者を待っていてくれていたのだな。」
なんとも泣ける話じゃないか。にも関わらず曾孫のタニシはただのアホ犬である。そういう意味でも泣けてくるな。
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