上 下
243 / 342
第5章 完成!究極の超次元殺法!!

第243話 出場エントリー

しおりを挟む
「じゃあ、行ってくるニャ。アールをよろしくお願いニャ。」


 翌日、出場エントリーのためにコロッセオまでやってきた。そして驚くべき大会のルールを昨日の夜知った!


「ジェイ、アンタのパートナーって誰なんだ?」


 そう!二人タッグで出場する必要があるのだ。昔は1対1のタイマンバトル形式だったそうだが、近年変更になった。出場希望者の増加に伴う対策なのは間違いない。やっぱ、出場枠とか、スケジュールの都合の問題から二人一組形式のほうが早く終わると判断されたのだろう。


「秘密なのニャ。会ってからのお楽しみニャ。でもきっと驚くと思うニャ。」

「おいおい、秘密なんて、そんなもったいぶるなよ。気になるじゃんか。」

「後のお楽しみニャ。」


 ジェイはそのままエントリーに向かった。結局パートナーの正体はわからずじまいだ。誰なのか気になる。……でも、エントリーしに行くって事は近くに来ているはずだ。探したら見つかるんじゃないか?どこかにいないか?見覚えのあるヤツが?


「どこかに、どこカニ?」


 周囲を見渡していると、やけに人目を引く人影があった。明らかに周りの人と雰囲気がちがう。超絶美人だから目立ちまくっている。ちょっと声をかけて驚かしてやろう!


「クロエさん、こんなところで何してんの!」

「……っ!?」


 彼女は意表を突かれたようで、すごいビックリしていた。この人の無防備な顔は初めて見たような気がする。


「閃……、」


 彼女は体勢を立て直すと、お得意の浄化魔法の光弾を出現させた。


「わーっ!ちょっとまって!それはやり過ぎ!」

「お黙りなさい。貴方はやはり一度消毒して差し上げた方が良いと思うのです!」

(ボン!)

「ぎゃああ!?」


 俺の顔面で光弾がはじけた。情け容赦なく、俺は消毒されてしまった。怪我はしてないが、顔面を鍋で引っ叩かれたかのような衝撃が走った。痛い。


「怒りすぎじゃない?ちょっと脅かしたかっただけなのに。」

「淑女に対して失礼ですわ。身の程を弁えなさい。」

「勇者様、知り合いだからといっても失礼ですよ。」


 いつの間にかやってきたエルちゃんが俺の元へやってきた。エルちゃんにまで怒られてしまった。


「あら、皆さんお揃いでいらしてたんですね。」


 クロエさんは他のメンバーが来たことに気付いて、優雅なポーズで挨拶をした。なんか貴族令嬢みたいな気品を感じる。


「うむ、久し振りじゃのう。」


 ホント、久し振りだ。あの日の砦での激闘以来の再会だ。でも何故、ここにいるのか?まさか……、


「もしかしてだけど、ジェイと組むのってクロエさんなの?」

「まさか!ジェイさんと組むのは魅力的ではありますけど、私よりもっと相応しい方がいらっしゃいますわ。」


 ふさわしいヤツとは?誰なのか?ウネグとかアイツとか……。


「ロア!君も来ていたのだな。」

「おうあ、エド!」


 そうだよな。クロエさんがいるならコイツも絶対一緒にいる。出場するのかエドも!
しおりを挟む

処理中です...