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第5章 完成!究極の超次元殺法!!
第301話 それもホマレの内に入るんですか?
しおりを挟む「両者入場が終わったところで、早速試合開始の準備に入って頂きましょう。さて、両チーム、先鋒は誰が務めるのでしょうか?」
俺達はさっき話したとおり(話した内にはいるのか?)、ファルからのスタートにすることになった。対して相手側はどっちが出てくるのか……?
「チッ、ゴーレムの方かよ!」
鎧の方、選手名ブドー・マスターの方が出てきた。以外だ。本体が先に来ると思ったのに、そうではない方が出てきた。ファルの奴め、とんだ勇み足だったようだ。期待してない結果になってしまったな。
「ファル選手、ブドー選手からの開始となるようです。なお、待機している側も遠隔攻撃に限り、舟上での攻撃は可能となっております。」
さて、そういう風には説明されてはいるが、生憎、俺も侍も飛び道具の類いはほぼ使えないので、ここぞというときに一時的に割って入るか、特殊な技で攻撃するしかないわけだ。侍は魔法を使えるとはいえ、単体での使用はダンジョンでは見かけなかった。多分心配せんでも大丈夫……多分な!
「では、試合開始!」
「グロォッ!!」
開幕、ブドーがファルに襲いかかる。現時点では素手だ。力こそパワー、腕力で勝負を仕掛けるようだ。
「今さらそんなもんが効くかよ!」
殴りかかる腕をあっさりと切り落とす。そう、切り落とした。開幕、いきなりである。落ちた部分はすぐさま砂へと変わる。構わずブドーはファルへの攻撃の手を止めなかった。ファルはすれ違いざまに斬りつけ、相手の裏側へと回り込む。回避を兼ねた攻撃を繰り出したようだ。こうして見るとアイツ、結構剣術も出来るんだな。ジュリアを仮想敵と見立てて鍛錬してただけのことはある。
「グロロロォ……。」
胴体を斜めに切り裂かれたブドーは苦しげな声を上げている。もう終わりか?何かおかしい。侍と同じ強さではなかったのか?でも、鎧の中から妙な殺気を感じた。
「避けろ、ファル!」
鎧の中から何かが飛び出した。ファルも警戒していたためか、後ろへ飛び退き、難を逃れた。鎧から飛び出していたのは……一本の槍だった。ただの槍じゃなく、本命の刃だけじゃなく、刃の根元から左右対照に別の刃も伸びている。十文字槍っていうヤツかな?
「槍まで使えるなんて聞いてないぞ、コラ!」
「ふふ、確かに言ってはおらぬ。だが、武士たるもの武芸十八般、様々な武器、武術に精通してこその誉れなり!。」
崩れた砂の鎧の中から侍が出てきた。今までブドーだと思っていたのは、実は侍だったのか。
「ど、ど、ど、どういうことでしょう!ブドー選手とコタロウ選手がいつの間にか入れ替わっております!どんなトリックを使ったのでしょうか?」
会場がざわめいている。当然だ。俺らも騙された。とはいえ、俺はこのトリックは前にも見たので、またアレか、としか思わなかったのだが。舟の上の侍は逆に、外観だけ侍自身の姿にしておいた砂の鎧で偽装していたんだろう。試合前に一言も発しなかったのは、コレをやるための仕込みだったのだろう。とはいえ、本体が「グロロ」って言ってたのはさすがに笑えてくるけどな。
「刀は使わねえのかよ!アンタとしちゃ、あっちが本命だろ?嘗めてもらっちゃ、困るぜ?」
「勘違いしておるようだが、魔法と剣を使うお主が相手だからこそ、敢えて間合いの取れる槍を選んだまでだ。」
言い終わる前に槍を突き込み攻撃を始めた。ファルも攻撃に合わせて回避行動を取っている。槍の間合いでは剣を使うのは不利だ。攻撃の糸口を見いだせないようだ。
(ドゥン!)
その時俺は空気の震えを感じ、とっさに身をかがめた。頭上を何かが通り過ぎていったようだ。飛んできたと思われる方向に視線を移すと……島を挟んだ向かい側、同じく舟の上にいるブドーの姿があった。
「ゲーッ、弓なんか構えてやがる!」
ブドーの手には弓があった。最初は何も持ってなかったはずだが?……槍や刀同様、魔法で生成したのかもしれない。よく見ると矢筒もないのに、弓を引き絞ると同時に矢が出現していた。見ている内にそれも発射された。
「コレもホマレとかいうヤツか、コンチクショー!」
(シュボッ!)
ギリギリで避けて、次に備える。反撃の手立てを考えている間に次が来そうだからだ。落鳳波で迎え撃つしかない。
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