【第2部完結】勇者参上!!~究極奥義を取得した俺は来た技全部跳ね返す!究極術式?十字剣?最強魔王?全部まとめてかかってこいや!!~

Bonzaebon

文字の大きさ
77 / 331
第2章 はぐれ梁山泊極端派【燃えよ、十字剣!!】

第77話 怪物? それとも天才?

しおりを挟む

「あ~あ、ホントにもう、ワンちゃんたら、情けないんだから!」


 セルフでクリティカルヒットが発生する事案が発生したため、タニシは医務室に担架で運ばれていった。その間、訓練生達は笑いをこらえるのに必死な様子だった。なんか俺らも笑われてる気分だ。恥ずかしい……。


「まあ、場が和んだということで、彼は一役買ってくれたのだろう。君の仲間の資格は強さに依らないという事を証明してくれたのだ。訓練生達には良い教訓となろう。」


 エドは真面目にタニシをフォローしてくれている。ヤツのアホ行動をそんな無理して好意的に解釈してくれなくてもいいのに……。


「ンッフッフ! とうとう、満を持して俺っちの出番がやってきたようッスね! タニシパイセンの仇討ちッス!」


 しまった! もっとやべえヤツがいるということを忘れていた! 我がパーティー最大の問題児が、怪物がしゃしゃり出てきた!


「そういえば、彼も君の仲間なのか?」

「うん、仲間というか、俺の押しかけのファンというか、弟子っていうか……。」

「何? 彼は君の弟子なのか? 大したものだ! なかなか良い体つきをしているな。実戦経験も豊富とお見受けするが? 彼のお手前を拝見させてもらおう。」


 見た目は強そうな戦闘ゴリラなんですがね……。でも……アホなんですよ。空気読めないし。ヤツも俺やタニシに続いて、技を披露しようとしている。


「ちょえあーーっ!! 戦技一0九系ぇぇい!!」


 戦技? 一0九? チョイ待て! 一個増え取るじゃないか! 一0八だ! 勝手に増やすな! それにしてもヤツには技の類いはまだ教えてないんだけどな? 基礎的な精神統一とか硬気功を教えただけなのだが……?


「爆! 竹撃!!」

(ボガッシャ!!! ドガァァァン!!!!)


 うわぁぁぁぁぁい!? 人形どころか根元の地面まで豪快に爆砕した! 周囲もその威力に驚きを隠せない。俺だって驚いた。これは破竹撃ではなく、“爆竹撃”か。確かに丸ごと爆砕するような一撃だ。でもこれは……、


「どうっすか? 師匠の技、完コピっす。見ただけで出来たッス! 俺っち、天才っしょ?」


 見ただけでコピーできたのか? 確かに教えた覚えはない。俺は習得するのに何ヶ月もかかった、あの技を! とはいえ、威力がデカすぎる。本来の技の本質を逸脱している。


「確かに天才かもしれないが……やり過ぎだ。この技はな……その名の通り、竹を割るように綺麗にスパッとやる技なんだ。今度正しいやり方を教えてやるから……、」

「お堅いッスよ、師匠! 敵なんて倒してなんぼのもんッスよ! 強けりゃ強いほどいいモンっす!」


 ゲイリーはドヤ顔で主張する。完全に自分が正しいと思っている。強さ本意ではダメだ。それを何とかしてコイツに教えてやらないと……、


「フフフ、少し脳みそまで筋肉な考えには賛同できないが、敵に対する考え方に関しては僕も賛成だな。」


 突然、誰かが会話に乱入してきた。さっきまでは聞かなかった声だ。でも……どこかで聞いた覚えがある。


「ロッヒェン。」


 誰? 名前を聞いただけではわからない。見た目はかなり若い。ここにいる訓練生達やミヤコと同じくらい、少年と言ってもおかしくない外見をしている。そして、美形だ。適度な長さに切りそろえられた赤毛が目を引く。


「待ちくたびれたので、自分から会いに来てしまいましたよ、勇者殿?」


 彼はエドのように黒い制服を着ている。黒の兵団の人間のようだ。どこか気品のある佇まいを漂わせている。貴族のお坊ちゃんかもしれない。雰囲気的に魔術師のラヴァンと同じ系統の人間だ。そして、何度も戦いをくぐり抜けてきたかのような気配も持ち合わせている。その若さとは不似合いなくらいに。間違いなく、ただ者ではない。何者なんだ?
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす

黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。 4年前に書いたものをリライトして載せてみます。

貧弱の英雄

カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。 貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。 自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる―― ※修正要請のコメントは対処後に削除します。

【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』

ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。 全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。 「私と、パーティを組んでくれませんか?」 これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

お荷物認定を受けてSSS級PTを追放されました。でも実は俺がいたからSSS級になれていたようです。

幌須 慶治
ファンタジー
S級冒険者PT『疾風の英雄』 電光石火の攻撃で凶悪なモンスターを次々討伐して瞬く間に最上級ランクまで上がった冒険者の夢を体現するPTである。 龍狩りの一閃ゲラートを筆頭に極炎のバーバラ、岩盤砕きガイル、地竜射抜くローラの4人の圧倒的な火力を以って凶悪モンスターを次々と打ち倒していく姿は冒険者どころか庶民の憧れを一身に集めていた。 そんな中で俺、ロイドはただの盾持ち兼荷物運びとして見られている。 盾持ちなのだからと他の4人が動く前に現地で相手の注意を引き、模擬戦の時は2対1での攻撃を受ける。 当然地味な役割なのだから居ても居なくても気にも留められずに居ないものとして扱われる。 今日もそうして地竜を討伐して、俺は1人後処理をしてからギルドに戻る。 ようやく帰り着いた頃には日も沈み酒場で祝杯を挙げる仲間たちに報酬を私に近づいた時にそれは起こる。 ニヤついた目をしたゲラートが言い放つ 「ロイド、お前役にたたなすぎるからクビな!」 全員の目と口が弧を描いたのが見えた。 一応毎日更新目指して、15話位で終わる予定です。 作品紹介に出てる人物、主人公以外重要じゃないのはご愛嬌() 15話で終わる気がしないので終わるまで延長します、脱線多くてごめんなさい 2020/7/26

悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます

竹桜
ファンタジー
 ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。  そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。  そして、ヒロインは4人いる。  ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。  エンドのルートしては六種類ある。  バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。  残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。  大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。  そして、主人公は不幸にも死んでしまった。    次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。  だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。  主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。  そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。  

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

処理中です...