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第3章 第2幕 はぐれ梁山泊極端派【灰と青春と学園モノ!!】
第198話 ワケわかんないヤツがワケワカメ!!
しおりを挟む「……メンナサイ。モウシマセン。ゴメ……、」
エロ犬二人は「市中引き回しの上、打ち首獄門に処」される予定だったが、処刑執行人が疲れているため、処分は保留となった。だが、みのむしぃーヌの刑が代わりに執行された。
「もう、ホントに隙あらば如何わしい! こんなことしてたら、余計に疲れちゃったよ!」
店の軒先に大きな蓑虫が二匹出現することになったのである。当然の事ながら、二人とも目が死んでるし、壊れたゴーレムのように反省の言葉を連呼している。
「で、何があった? 一日前倒しで戻ってくるなんて、どういう風の吹き回しだ?」
冷静に考えれば、おかしな話である。何かトラブルがあったからといって、早く戻って来るもんだろうか? 同じくトラブルに見舞われたエル達は普通に戻ってきたというのに?
「どうもこうもないよ! ムカツクったらありゃしない! なんでダンジョン攻略中に外から乱入してくんの?」
「誰かに乱入されたんだな? ここのダンジョン実習って、乱入が恒例なのかな?」
皮肉交じりに言ってみる。まあ、色々とよからぬ噂のある学院だ。決闘システムだってそうだし、目の届かないところで怪しげな事が行われるのは当然なのかもしれない。まあ、その当然をずっと許しておくワケにもいかないんだが。
「誰が来たんだ? まさか、エピオンとか?」
「アイツも来た。ボッチをこじらせた末にウチらに構って欲しくなったんじゃない? 絶対そう!」
ありゃあ! いきなりビンゴだった! ヤツならやりかねないな、と思ってた矢先だ。ホントにやりやがったな! ミヤコにちょっかいを出したかったのだろう。そうに違いない! でもちょと待て? 今、アイツも、とか言わなかったか?
「他にも来たんか?」
「来たよ! 変なヤツが! ワケわかんないヤツが来た!」
「何だよ、ワケわかんないヤツって?」
「だってワケわかんないヤツがワケわかんないコトして、ワケわかんないコト言って帰ってったんだもん!」
「お前の言ってる事が訳わかんねえよ!」
「お前って言うな!」
もう、何が何やら……。ワケワカメだよ。とりあえずワカメはいいから、メカブでも食って落ち着いてからにしてくれと言いたい。いや、そんなことはどうでもいいから、もっと詳細を……。
「謎の刺客が現れたんです! 監視しているとも取れる発言をしていたので、おそらく学院側の人間でしょう。」
もうさっきから機嫌が悪くて高ぶっているミヤコの言動はアテにならない。一緒にロッヒェンがいてくれて助かった。
「学院側の刺客か? 監視していることを隠しもせずに姿を現したのか。」
「そうです。今回は排除が目的ではなかったようです。エピオン君への警告、そして将来的な犯行予告と言ったところでしょう。」
エピオンへの警告がメインだったか。ヤツは多分、ヴァルからの命で潜入しに来ているだろうからな。この前「俺がここにいる理由を考えろ」とか言ってたぐらいだからな。学院の秘密について探っているのだろう。そして、犯行予告とは……?
「ん? 予告とはなんぞや?」
「これはあなたへの挑戦状とも取れる内容でした。『いずれ近いうちに会うことになる』と。」
「いずれ、って来週に決まってんじゃねえか!」
俺たちの実習は来週に迫っている。これまでのことを考えると、多分、来るつもりなのだろう。迷惑なもんだ。ダンジョンは密会の場じゃないんだぞ? 呼び出しとかするんなら、屋内運動設備の裏とかにして欲しいモンだ!
「名前はシルヴァンと言っていました。全身銀ずくめの鎧のような物を身に纏った怪しい男です。兜のマスクで顔は隠しています。」
「ギンギラギンにさりげなさそうなヤツだな!」
「気を付けて下さい。あらゆる物を破壊する術式、“破壊”と呼ばれるものを駆使してきました。物だけではなく魔力や闘気などのエネルギーも相殺できるようです。それはまるであなたが使う秘剣のようでもありました。」
「何ぃ!?」
攻撃だけじゃなくて、防御にも使える魔法だと? まるで八刃のような魔法だな。そんなヤツから名指しで予告を受けた。さて、どうしてくれようか?
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