悪役令嬢は自重しない!

ゆうみ

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第1話

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彼女が目を開けると見たことのない美しい装飾などが施された天井であった。

(綺麗な天井だなぁってあれ?ん?ここってどこ?)

今、自分が寝ている場所が、枕などもあり、なんとなくベットだということがわかる。ただ、今まで使ってきたベッドの中でもナンバーワンの質であり、そして、

(あ、これ漫画とかで見たことあるわ。天蓋付きベッドってやつだわ。しかも、地球の最高級品なんか足元にも及ばないくらいのの。このベッド 、雲や綿菓子なんか目じゃないくらいのふわっふわさな上、程よい弾力と反発性が兼ね備えられたある種の全てを等しく平等に包み込む、絶対的な神々しさと包容力などを感じさせるマットレスは身体のラインに沿って、絶妙に凹みつつも決して不快な印象を与えない気持ちよさと、ふんわりとしたまるで海に浮かんでいるようなまるで宇宙の無重力に漂っているような母親の胎内で羊水に包まれ宇宙の神秘、この世の森羅万象や真理そして、生命の息吹感じれるような、仙人が人の手が入っていない森林で滝に打たれて、自然の美しさや偉大さを実感し、大いなる意志と神という存在を魂で感じ、感動して涙する様な、柔らかさもあり、ポヨンとしながら牛革のようなしっとり感生まれて間もない赤子の生命の尊さを実感できる様なモチモチとした滑らかな、そして吸い付く様な、玉の様な神秘と芸術性を兼ね揃えた、女神の柔肌と言われても納得がいく様な素晴らしいとしか例えようがない神がかった最高級のシルクが雑巾よりはマシと思えてしまうような額縁に入れて一生飾っておきたくなるぐらいのダイヤモンドにも勝る虹や朝つゆを閉じ込めた様な光沢とうっとりとするような一日中撫でていたくなるぐらいの滑らかさがありつつ、肌に当たる感触は、よくある少しひんやりしたようなものではなく冷たくも、暑くもない寝るのにちょうど良い素晴らしい感触などがある不思議な謎素材で出来ていて、枕なども私の体に合わせて作られたオーダーメイドの……………etc…………………)


というように私のような一般市民でもつらつらと評論家のように述べることができるほどの素晴らしいベットだったのだ。ただ、一つ言いたいことがあるとすればそれは、

(語彙力が…… 語彙力がァァァ 、たりなぁいぃぃぃ!!!)


くっ、私にもう少し語彙力があればっ、このベッドの素晴らしさを伝えられたのにぃ!!悔しい!
と現実逃避をしていると、誰かの驚いた声が目の前で聞こえた。

「まあ!アナスタシア様!意識が戻られたのですね!
よかったってあら?この摩訶不思議な紋様は…っまさか!革新者の証っっっ!早くお伝えしなければ!」
「え?何?え?」

言葉の意味が理解できず、呆然とする私に目もくれず
あっという間に部屋から飛び出していってしまった。
「………」
チラリと、自分の右手の甲を見るとそこには朱色に発光する印鑑で押されたようなでかでかとした、四角の中に【汝、地球での記憶を持った転生者であり、革新者である事を認め、ここに記す 地球担当 天照大御神 】
え?印鑑?魔方陣とかじゃなくて?え?ていうか地球担当って天照大御神様なんだね。うーん、革新者かぁ、さっきの侍女さんらしい人も言ってたけど何の事なんだろ。「転生者 」なんて言葉は見てないもんね。ははは。そうよ!ここは白昼夢に決まってるわ。だってこの一度寝たら永遠に出られないようなベッドとかもあるしね!それにしては、感触とかこの部屋の花の匂いとかキラキラとした素人な私が見ても明らかに国宝とかになってもおかしくないレベルの調度品とかがあまりにもリアルすぎるけど。それにしては、この身体、幼児体形だけど。現実から目を逸らしつつ、手の甲の紋様にふれると、光が一層強くなった。よく見るとキラキラとした細かい金の光も混じっていた。
それを手をかざしたりして見ていると、さっき侍女さんが飛び出していった扉から、複数の男女が勢いよく入ってきた。
「アナスタシアっっっ!」
「ああ!意識が戻ったのね!」
「うわぁっっっ!」
えっ、と思った時にはギュウギュウと自分と同年代に見える男女に泣き叫びながら抱きしめられた。かなりの強さと形相、そして着ているのがやたらと超がつくほどの一級品の素晴らしい装飾が施されたベッドと同じくやばいレベルのキラキラとした笑えるコスプレ衣装?と思ってしまったまるで貴族のような服だったからだ。私が驚いて叫ぶと半ば強引にもう一人の医者のような服装の 年配の男性がまあまあっ!と窘めながら引き離した。
「お二方!落ち着いて下され!お嬢様が驚かれていますぞ!」 
(良かった……痛かったから助かったわ。)
驚きと痛みで半ば意識が飛びかかっていたため、ほっと安堵した?すると今度はその男性がふむ、といい尋ねてきた。
「アナスタシア様、頭を打ってからの事を覚えていらっしゃいますか?。」
「は?なにそれ全然なんだけど。さっきから意味が全くわかんないんだけど。」
「そもそも私と名前はアナスタシアじゃないんだけど貴方のこともそこにいるいきなり泣き叫びながら人が気絶しかけるほど抱きしめてきた人のことも知らないんだけど。」
そう答えると、医者はやはりですかと言い、チラリと手の甲の紋様を見て、失礼しますと言い、何かの道具を出してかざしたりすると
「どうやら、アナスタシア様は革新者となられたようです。魔道具で調べて見ましたが革新者の証として間違いなく多少の神気と異世界の魔力が感じられます。」
その言葉を聞いて男女が息をのんでまさか!とかそんな…などと口々に言っている。
「ていうか、革新者の証ってさっきの人も言ってたけど一体何なわけ?」
「そうですね。では、順に説明いたしましょう。まずは…………………」 
と言って詳しく説明し始めた。要約すると別の世界で生きた記憶が現れた魔法などが普通の何倍もの強さで使えたり、魔力が少しだけ多かったりするらしい。そして歴代の革新者は魔道具を作って生活を豊かにしたり、農業や経済などを発展させたりしてきたらしい。けれど別に普通に過ごしたりする人も中身はいたりしたらしい。それに魔力が少しだけ多いぐらいしか違いがないため数は少ないものの、めずらしいぐらいにしか思われないようだが。その最たる特徴として証があり、稀に記憶が無くなったり、人格が多少変わったりすることもらしい。といった説明を聞いて私の私の頭はオーバーヒートし、意識が暗転した。


「ふっ、ふふふふ」
翌日、言葉の意味が理解できてしまったため、どうやら私は現実から目を背けることはできないようだ。いろいろなひとから話を聞くとだんだんどこの世界のことがわかり始めてきた。この世界は地球よりも進んでいて、ベッドのように地球よりも格段にグレードが違うものがほとんどらしい。その上魔法とかがあるため、携帯のような魔道具やテレビのような魔道具もあるらしい。ただ魔法はアイテムボックスとか攻撃に使えたりするほどのものではなく、平民はそよ風程度の風を起こしたり、ライター代わりの炎になるぐらいで魔力が多い革新者でもドライヤーや焚き火程度しか出来ないらしい。残念だ。魔獣というテンプレな存在がいるため、国同士で争ったりはしていないようだ。そしてやはりというか私は向こうの世界で死んでいるらしい。まあ、最後の記憶が階段から落ちたところだもんね。
(え?てことはやっぱりここは死んで生まれ変わった異世界な訳?しかもアナスタシア・シュレープスっていう貴族とか魔法とかテンプレ過ぎない?ん?なんか違和感あるけど……ってそれより認めたくないけど………なんで……なんで!!)
「ふっざっけんなあぁぁああああ!!買ったばっかの本とかよんでねぇのにぃぃぃい!!しかもなんでオセロに人生ゲームとかけん玉とかはあるのに小説も同人誌もゲームもない世界っておかしいだろぉぉぉ!ってしかもその世界に転生なんてふっざっけんじゃねぇぇえええ!!責任者の神出てこいぃぃぃ!!」
と叫び医者を呼ばれ、お嬢様が……!と家族や使用人たちの間で騒がれてしまうことになるのだ
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