4 / 5
第3話
しおりを挟む
いきなり扉が開かれ、本来ならここにいるべきではないはずの幼女が
「トップはだれだぁああ!」
と憤怒の形相で叫び、騒がしかった厨房内はしん、と静かになった。皆、一様に困惑を浮かべ年相応とはかけ離れた怒気に気圧され退いていた。その中で一人、勇敢にというか相手からのご指名というか声を上げる男がいた。
「え、えっと、アナスタシア様?私めがシュレープス公爵家で料理長をさせていただいておりますが………いかがなされたのでしょうか?」
ギランと鬼の形相で振り向き、ビビる料理長と名乗った男の前まで幼女が歩くと、
☆☆☆☆☆☆☆☆
私は、内心、怒りでいっぱいのまま、汗を浮かべながら頬が引きつり、ビビりながらもガタイのいい、白いコック服を着た料理長の前まで行きとジャンプしてネクタイをひっつかんで、引き寄せて、大きく息を吸い、あらんかぎりの大声で叫んだ。
「ふっざっけんなあぁぁああああ!!なめてんのかあぁあああ!!いくらこの世界の料理がクソ不味いとしても、国で二番めにおいしい料理がゴミ以下のレベルっていくらなんでもおかしいだろぉぉおおぉ!ろくに血抜きもされていない肉に焼き加減もクソもあったもんじゃない焼きすぎて噛みきれないほどかっったい血生臭いステーキ!。ドレッシングすらかけていないサラダ!。漬物かぁ、スムージーが作りたかったのかぁ!塩水に浸かっているクタクタどころか煮過ぎて原型すらとどめていない微妙な大きさの具材のスープ!。油でギットギトのムニエル!きらないの?!なんで油がボタボタ滴っているの?見ているだけで胸焼けがするわ!それにカッチカチの黒パン!、歯が折れるかと思ったわ!。異世界ものの小説でよくあるけど!小説の中に入りたいと思った事はあるけど、小説の中のカッチカチの黒パンなんで食べたいと思った事なんて一回もねぇわ!酵母をつかえぇええ!肉も野菜も、質はめっちゃいいじゃねぇかああああ!A5ランクレベルの肉とかじゃんかぁ!食材が泣いてるわぁああ!もったいないぃいいいい!謝れぇ、食材達に誠心誠意土下座して謝りやがれぇええええ!可哀想すぎるだろぉおおお!なんで遊び道具や経済とかお風呂に露天風呂に泡風呂、シャワー完備に、トイレにはウォシュレット完備とかぁなんでそういうのは発展してるのに、小説や料理は発展してねえんだあぁあああ!!普通、料理から発展するだろぉおおお!おかしいだろぉおがぁああああ!」
と、一息に叫んだ。ハアハアと肩で息をしながら、ネクタイを離した。皆があまりの内容に唖然としている中、一人の男がこれまたやっぱり声を上げた。
「え、えと、アナスタシア様?。お料理が美味しくないということでしたが、こ、これでも………」
「お黙りなさい。まさか本当にこ、の、レベルが二番めにおいしいって本当に失望したわね。ふふふ、でもいいわ。なんで今まで気づかなかったのかしらね、そう、そうよ!パンがなければケーキを食べればいいように、ないなら作ればいいじゃない!この世界の哀れなる民を救ってあげるのよ!この革新者の証に誓って、ね!私が小説を書いて、おいしい料理をひろめてあげるのよ!おーほっほほほほほほほ!!!!」
と、しっかりと手の甲を華麗に見せるポーズまで取って高笑いまで始めた幼女に皆がどこか納得した雰囲気をだしつつ、唖然としている中、料理長が、
「失礼ですがアナスタシア様は私達が作ったこの料理よりも作れるのでございますか。」
「ええ、女神アーリアの名にかけて失礼だけれども貴方達の料理よりもおいしい料理が作れることを誓うわ。」
その証を見た、料理長は真剣な眼差しでーー本来ならばアナスタシアが来た時点で跪かなかったことや目を合わせたりすることは無礼に当たるのだがーーアナスタシアをみた。そしてアナスタシアも胸を張って真剣に誓いをしてまで答えた。ちなみに女神の名に誓ったことを破るのは重罪に当たるのだ。
「っそうですか。分かりました。ならば私達はよろしいでしょうか。」
「そうね、でもまずは一つ質問をするわ。貴方達は我が家に忠誠を誓っているかしら?」
「っっ!」
その瞬間、その言葉を聞いたその場にいた全員が一斉に跪いた。
「当然でございます。我らは皆、公爵様に恩があったり、救われたものたちでございます。」
「そうね、野暮なことを聞いてごめんなさいね。一つ言うわ、貴方達はこれから行う一切のことを許可無くこの厨房の人間以外に伝えないことを女神の名に誓いなさい。」
そう、言ったアナスタシアの瞳には強い意志が浮かんでおり、いたって真剣であった。
全員が女神の名に誓ったことを確認するとアナスタシアは、楽にしなさいと言って、
「これから行うことは私の独断だから何かあった時の全責任は私が取るわ。」
「っなそれでは!」
「お黙りなさい。私が良いと言ったのですから良いのです。」
「……失礼いたしました。」
ああ、どうしよう、すごくワクワクする。さっきはあのまずいステーキを一口しか食べていないから、お腹もぺこぺこだから。
「では、まずは料理の基本を教えるのと実際にステーキと野菜スープを作りましょう。」
と、シリアスな空気をかき消すように明るく笑顔で言った。
「トップはだれだぁああ!」
と憤怒の形相で叫び、騒がしかった厨房内はしん、と静かになった。皆、一様に困惑を浮かべ年相応とはかけ離れた怒気に気圧され退いていた。その中で一人、勇敢にというか相手からのご指名というか声を上げる男がいた。
「え、えっと、アナスタシア様?私めがシュレープス公爵家で料理長をさせていただいておりますが………いかがなされたのでしょうか?」
ギランと鬼の形相で振り向き、ビビる料理長と名乗った男の前まで幼女が歩くと、
☆☆☆☆☆☆☆☆
私は、内心、怒りでいっぱいのまま、汗を浮かべながら頬が引きつり、ビビりながらもガタイのいい、白いコック服を着た料理長の前まで行きとジャンプしてネクタイをひっつかんで、引き寄せて、大きく息を吸い、あらんかぎりの大声で叫んだ。
「ふっざっけんなあぁぁああああ!!なめてんのかあぁあああ!!いくらこの世界の料理がクソ不味いとしても、国で二番めにおいしい料理がゴミ以下のレベルっていくらなんでもおかしいだろぉぉおおぉ!ろくに血抜きもされていない肉に焼き加減もクソもあったもんじゃない焼きすぎて噛みきれないほどかっったい血生臭いステーキ!。ドレッシングすらかけていないサラダ!。漬物かぁ、スムージーが作りたかったのかぁ!塩水に浸かっているクタクタどころか煮過ぎて原型すらとどめていない微妙な大きさの具材のスープ!。油でギットギトのムニエル!きらないの?!なんで油がボタボタ滴っているの?見ているだけで胸焼けがするわ!それにカッチカチの黒パン!、歯が折れるかと思ったわ!。異世界ものの小説でよくあるけど!小説の中に入りたいと思った事はあるけど、小説の中のカッチカチの黒パンなんで食べたいと思った事なんて一回もねぇわ!酵母をつかえぇええ!肉も野菜も、質はめっちゃいいじゃねぇかああああ!A5ランクレベルの肉とかじゃんかぁ!食材が泣いてるわぁああ!もったいないぃいいいい!謝れぇ、食材達に誠心誠意土下座して謝りやがれぇええええ!可哀想すぎるだろぉおおお!なんで遊び道具や経済とかお風呂に露天風呂に泡風呂、シャワー完備に、トイレにはウォシュレット完備とかぁなんでそういうのは発展してるのに、小説や料理は発展してねえんだあぁあああ!!普通、料理から発展するだろぉおおお!おかしいだろぉおがぁああああ!」
と、一息に叫んだ。ハアハアと肩で息をしながら、ネクタイを離した。皆があまりの内容に唖然としている中、一人の男がこれまたやっぱり声を上げた。
「え、えと、アナスタシア様?。お料理が美味しくないということでしたが、こ、これでも………」
「お黙りなさい。まさか本当にこ、の、レベルが二番めにおいしいって本当に失望したわね。ふふふ、でもいいわ。なんで今まで気づかなかったのかしらね、そう、そうよ!パンがなければケーキを食べればいいように、ないなら作ればいいじゃない!この世界の哀れなる民を救ってあげるのよ!この革新者の証に誓って、ね!私が小説を書いて、おいしい料理をひろめてあげるのよ!おーほっほほほほほほほ!!!!」
と、しっかりと手の甲を華麗に見せるポーズまで取って高笑いまで始めた幼女に皆がどこか納得した雰囲気をだしつつ、唖然としている中、料理長が、
「失礼ですがアナスタシア様は私達が作ったこの料理よりも作れるのでございますか。」
「ええ、女神アーリアの名にかけて失礼だけれども貴方達の料理よりもおいしい料理が作れることを誓うわ。」
その証を見た、料理長は真剣な眼差しでーー本来ならばアナスタシアが来た時点で跪かなかったことや目を合わせたりすることは無礼に当たるのだがーーアナスタシアをみた。そしてアナスタシアも胸を張って真剣に誓いをしてまで答えた。ちなみに女神の名に誓ったことを破るのは重罪に当たるのだ。
「っそうですか。分かりました。ならば私達はよろしいでしょうか。」
「そうね、でもまずは一つ質問をするわ。貴方達は我が家に忠誠を誓っているかしら?」
「っっ!」
その瞬間、その言葉を聞いたその場にいた全員が一斉に跪いた。
「当然でございます。我らは皆、公爵様に恩があったり、救われたものたちでございます。」
「そうね、野暮なことを聞いてごめんなさいね。一つ言うわ、貴方達はこれから行う一切のことを許可無くこの厨房の人間以外に伝えないことを女神の名に誓いなさい。」
そう、言ったアナスタシアの瞳には強い意志が浮かんでおり、いたって真剣であった。
全員が女神の名に誓ったことを確認するとアナスタシアは、楽にしなさいと言って、
「これから行うことは私の独断だから何かあった時の全責任は私が取るわ。」
「っなそれでは!」
「お黙りなさい。私が良いと言ったのですから良いのです。」
「……失礼いたしました。」
ああ、どうしよう、すごくワクワクする。さっきはあのまずいステーキを一口しか食べていないから、お腹もぺこぺこだから。
「では、まずは料理の基本を教えるのと実際にステーキと野菜スープを作りましょう。」
と、シリアスな空気をかき消すように明るく笑顔で言った。
5
あなたにおすすめの小説
はじめまして、私の知らない婚約者様
有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。
見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。
けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。
ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。
けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。
この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。
悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに?
※他サイトにも掲載しています。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
記憶を失くして転生しました…転生先は悪役令嬢?
ねこママ
恋愛
「いいかげんにしないかっ!」
バシッ!!
わたくしは咄嗟に、フリード様の腕に抱き付くメリンダ様を引き離さなければと手を伸ばしてしまい…頬を叩かれてバランスを崩し倒れこみ、壁に頭を強く打ち付け意識を失いました。
目が覚めると知らない部屋、豪華な寝台に…近付いてくるのはメイド? 何故髪が緑なの?
最後の記憶は私に向かって来る車のライト…交通事故?
ここは何処? 家族? 友人? 誰も思い出せない……
前世を思い出したセレンディアだが、事故の衝撃で記憶を失くしていた……
前世の自分を含む人物の記憶だけが消えているようです。
転生した先の記憶すら全く無く、頭に浮かぶものと違い過ぎる世界観に戸惑っていると……?
<完結>溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~
夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」
弟のその言葉は、晴天の霹靂。
アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。
しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。
醤油が欲しい、うにが食べたい。
レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。
既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・?
小説家になろうにも掲載しています。
本編完結済み。
続きのお話を、掲載中です。
続きのお話も、完結しました。
【完結】悪役令嬢だったみたいなので婚約から回避してみた
22時完結
恋愛
春風に彩られた王国で、名門貴族ロゼリア家の娘ナタリアは、ある日見た悪夢によって人生が一変する。夢の中、彼女は「悪役令嬢」として婚約を破棄され、王国から追放される未来を目撃する。それを避けるため、彼女は最愛の王太子アレクサンダーから距離を置き、自らを守ろうとするが、彼の深い愛と執着が彼女の運命を変えていく。
【長編版】悪役令嬢は乙女ゲームの強制力から逃れたい
椰子ふみの
恋愛
ヴィオラは『聖女は愛に囚われる』という乙女ゲームの世界に転生した。よりによって悪役令嬢だ。断罪を避けるため、色々、頑張ってきたけど、とうとうゲームの舞台、ハーモニー学園に入学することになった。
ヒロインや攻略対象者には近づかないぞ!
そう思うヴィオラだったが、ヒロインは見当たらない。攻略対象者との距離はどんどん近くなる。
ゲームの強制力?
何だか、変な方向に進んでいる気がするんだけど。
目覚めたら大好きなアニメの悪役令嬢でしたが、嫌われないようにしただけなのに全員から溺愛されています
月影みるく
恋愛
目を覚ましたら、大好きだったアニメの世界。
しかも私は、未来で断罪される運命の悪役令嬢になっていた。
破滅を回避するために決めたことはただ一つ――
嫌われないように生きること。
原作知識を頼りに穏やかに過ごしていたはずなのに、
なぜか王族や騎士、同年代の男女から次々と好意を向けられ、
気づけば全員から溺愛される状況に……?
世界に一人しかいない光属性を持つ悪役令嬢が、
無自覚のまま運命と恋を変えていく、
溺愛必至の異世界転生ラブファンタジー。
薔薇の令嬢はやっぱり婚約破棄したい!
蔵崎とら
恋愛
本編完結済み、現在番外編更新中です。
家庭環境の都合で根暗のコミュ障に育ちましたし私に悪役令嬢は無理無理の無理です勘弁してください婚約破棄ならご自由にどうぞ私ちゃんと手に職あるんで大丈夫ですから……!
ふとした瞬間に前世を思い出し、己が悪役令嬢に転生していることに気が付いたクレアだったが、時すでに遅し。
己の性格上悪役令嬢のような立ち回りは不可能なので、悪足掻きはせず捨てられる未来を受け入れることにした。
なぜなら今度こそ好きなことをして穏やかに生きていきたいから。
三度の飯より薔薇の品種改良が大好きな令嬢は、無事穏便な婚約破棄が出来るのか――?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる