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第一章 森のほとり
7 雪の夜空へ
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7 雪の夜空へ
「ごめん! そんなに蹴るつもりは……」
命の恩人の急所を蹴るなんて。
「大丈夫?」
でも、元はと言えば変なことをしてきたホクトくんが悪い。キモすぎてキモすぎて、どうしていいか分からなかったんだ。
「……い、いや、僕のほうこそ、少しばかりコトを急ぎすぎてしまったようだ」
ホクトくんを助け起こしていると、廊下がにわかに騒がしくなった。
「ホクト様、奥様がいらっしゃいます」
メアリがドアをこつこつとたたいて、小声で知らせてきた。
「まずい! 隠れて!」
「か、隠れるったって……」
部屋を見回していると、すさまじい音を立てて、ドアが勢い任せに開けられた。
「ホクトちゃん?!」
そこには日焼けしたおっさ……否、ノーメイクのザクロさんが立っていた。
シルクのキャミソールから突き出た力士もびっくりのたくましい腕で、鍵のかかったドアを開けてしまったのだ。
「ホクトちゃん!? こんな夜中に、いったい何を……」
「か、母さん」
ホクトくんがザクロさんの視界に立ちふさがった。
僕はその間に逃げ道を探した。
窓に駆け寄り、下を見下ろす。
「ちょっと、そこにいる小娘はだれなのよ!」
迷っている暇はなかった。
僕はドレスをたくし上げると、吹雪の舞う夜空へ身を躍らせた。
「ごめん! そんなに蹴るつもりは……」
命の恩人の急所を蹴るなんて。
「大丈夫?」
でも、元はと言えば変なことをしてきたホクトくんが悪い。キモすぎてキモすぎて、どうしていいか分からなかったんだ。
「……い、いや、僕のほうこそ、少しばかりコトを急ぎすぎてしまったようだ」
ホクトくんを助け起こしていると、廊下がにわかに騒がしくなった。
「ホクト様、奥様がいらっしゃいます」
メアリがドアをこつこつとたたいて、小声で知らせてきた。
「まずい! 隠れて!」
「か、隠れるったって……」
部屋を見回していると、すさまじい音を立てて、ドアが勢い任せに開けられた。
「ホクトちゃん?!」
そこには日焼けしたおっさ……否、ノーメイクのザクロさんが立っていた。
シルクのキャミソールから突き出た力士もびっくりのたくましい腕で、鍵のかかったドアを開けてしまったのだ。
「ホクトちゃん!? こんな夜中に、いったい何を……」
「か、母さん」
ホクトくんがザクロさんの視界に立ちふさがった。
僕はその間に逃げ道を探した。
窓に駆け寄り、下を見下ろす。
「ちょっと、そこにいる小娘はだれなのよ!」
迷っている暇はなかった。
僕はドレスをたくし上げると、吹雪の舞う夜空へ身を躍らせた。
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