ちょっと幸せ

柊(ひいらぎ)

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憧れることが上手になってきました

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若い時の私は、人やものに憧れるということがほとんどありませんでした。

親しくなりたい人にはこちらからアプローチする。欲しいものがあれば働いて手に入れる。行きたいところがあればスケジュールを調整して出発する。

憧れて、心の中で夢を温めるなんて、まどろっこしかったのだと思います。
若い時には、野心もバイタリティもありましたからね

ここ最近、「憧れる」ことを楽しめるようになったことに気づきました。

子供たちを育てながらでは、どう頑張っても実現できない願いがあり、残念ながら能力不足で叶わない目標もあり、
いろいろな願いや欲望(?)を手放しながら生きてきて、
憧れることの楽しさが分かってきました。

これまで叶わなかった、たぶんこれからも叶えることのできない夢。
いくつかあるそんな夢を、ときどき取り出して、絵本を眺めるように心の中でころがしています。

ずいぶん昔に手放した夢を思い出して、そのころを懐かしく思い返したり、
「なんでそんなもんが欲しかったん?」と昔の自分に問いかけてみたり。

これがすこぶる楽しいので、「憧れることがうまくなった」のだと自分では思っています。

例えば、少し前からブームになっている団地のリノベ。
もう少し自由な立場であれば、ぜひやってみたいライフタイルです。

団地暮らしの本をときどき眺めては楽しんでいます。

これを話すと「今から団地住まい???」と不思議そうにする人もいますが、
「楽しそう。暮らしてみたいな」と言い続けていました。

すると、「ちょっと貸してやろうか?」と言ってくれる人が現れました。
都内の大きな一戸建てに暮らすかたですが、団地にも一部屋持っているとのこと。
「使ってないからガランとしてるけど」と言うので、
「家具とか置いていい?」と身を乗り出してしまいました。

「それはちょっと・・・」と引かれてしまいましたが、「長期の休みにでも住んでみなよ」と言ってくれました。

実現するといいな。
すでにその団地での暮らしをいろいろ思い描いています。
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