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8章 迷宮の先(15)
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スウェンとセイジは、何食わぬ顔でエルの身体に傷がない事を確認した。しかし、衣服に少々の戦闘の残りを感じ、すぐにスウェンが眉根を寄せた。
「エル君、もしかして闘ったのかい?」
「馬鹿でかい奴が一匹出てきたけど、あいつと一緒だったから平気だった」
エルは、後ろのホテルマンを指した。
風呂敷を背中に背負ったホテルマンが、話す機会を設けられたと気付き、セイジとスウェンに向かって大きく手を振った。
「無事でなによりでした、親切なお客様方! またお会いできて、私はとてもハッピーな気分ですよ!」
「え、ああ、そうだね……」
スウェンは、途端に笑顔を引き攣らせて一歩後退した。ホテルマンは胡散臭い張り付いた笑顔のまま、一人ケラケラと笑い出してしまい、何か嬉しい事でもあったのだろうかと、スウェン、ログ、セイジは目配せした。
スウェンは、ふとホテルマンの荷物に目を止めた。出会った頃よりも、確実に荷物の量が増えていると気付いた。
エルが、呆れた眼差しを改めてホテルマンに向け、舌打ちした。
こいつ、金目の物を風呂敷に詰めやがったな。
先程は心に余裕がなかったので、確認する事をつい忘れてしまっていたが、そういえばその問題があったのだったと、エルは送れて思い起こした。心の中で愚痴りつつ、ホテルマンの脇腹を小突き「ちょっと来て」とその腕を引っ張る。
エルは、ホテルマンを連れたまま少し歩くと、三人に背を向けた状態で、小声で彼を叱った。
「やっぱり持って来たのか。俺、置いて来いって言ったよね?」
「置いてきましたよ。ええ、私の荷物が少し大きくなったと感じるのは、あなた様の目の錯覚です」
「そう言ってる時点でアウトじゃん。白状しちゃってるようなもんだよ」
「まあまあ、細かい事はお気きになさらず。将来、あの方のようにハゲてしまいますよ」
ホテルマンはそう告げて、二人の間からログの方を指差した。
エルは、ホテルマンに促され、肩越しに訝しげに後方を窺い見た。セイジとスウェンに続いて、腰を上げたログと目が合った。
途端、ログの眉間に深い皺が入った。こちらの内容は聞こえてはいないようだが、何かしら悪口を囁かれていると、野性的な勘で察したらしい。
「……あいつがハゲるって事? そうは見えないけど?」
「おほほほほほっ、毛根は繊細ですから、あのようにピリピリされていては、いずれ早いうちに彼の元を去ってしまうでしょう! ああ見えてお若いようですが、――ふぅ」
ホテルマンは、露骨に残念がる素振りで頭を振った。スウェンが嫌な予感に顔を歪ませ、ホテルマンとログを交互に見やっている。
「けれど安心してください。私の毛根は、あと百年は残りますので」
ホテルマンはそう誇らしげに言い切ると、ニッコリと微笑んだ。そして、ふと身体を屈めると、エルにこう続けて耳打ちした。
「でも実を言うと私、楽しくて仕方がないのです」
「え、ハゲる話しが? お前、阿呆なの?」
「嫌ですねぇ、違いますよぉ。二人で内緒話しというのも、なかなか面白くて楽しいものなのだなぁと思いまして」
「はぁ、なるほど……?」
内緒話の何が楽しいというのだろうか?
エルは、ひとまず肯いておく事にした。ホテルマンの心情を察する事は出来そうにもないので、放置の方向でいいだろうと判断する。
ホテルマンの顔が「――とても、名残惜しいものです」と囁きを残し、エルから離れた。
振り返ったエルは、驚いた顔をしたスウェンと目が合った。スウェンは、どこか呆気にとられたように口を開いていた。
「まぁ、なんというか――なんだか君達、短い間に随分仲良くなったみたいだねぇ」
エルは、「ああ、多分……」と考えられる理由を思い浮かべつつ、隣のホテルマンを盗み見た。ホテルマンは、セイジとログに向かって手を振っている。
「……なんというか、どっちも接近戦タイプだったみたいで」
思わず、本音がエルの口をついて出た。
予想外の返答内容に、スウェンが「は?」と素っ頓狂な声を上げた。エルはハッと我に返り、慌てて「なんでもないッ」と取り繕った。
スウェン達は、自分については何も知らないのだ。知っている仲の方が気楽ではあるが、彼らとの距離感を計り間違えてはいけない。
エルとスウェンが、お互いのゲーム内容について情報交換を始めると、その傍らで、ログが「おい」と友好的ではない眉間の皺を刻んだまま、ホテルマンに話しかけた。
ホテルマンはあろう事か、内緒話である毛根の件をログ本人に告げ、彼の怒りを買うという騒動が勃発した。セイジが含み笑いを堪えつつ、ホテルマンに殴りかかろうとするログを後ろから羽交い締めにし、場を落ち着けようとした。
しかし、ホテルマンは全く悪びれもなく、唐突に場違いにも、自分がどれほど優秀なホテルマンであるかを語り出し始めた。
スウェンが、実に楽しそうな含み笑いをもらし、こっそりエルに耳打ちした。
「珍しいけど、ログはどうやら、君と彼が、どんな話をしたのか気になっているみたいだよ」
「そうなの?」
「うん、実は僕もなんだけれどね」
スウェンは、二人の内緒話とやらが早とちりな懸念だったと、心の中で反省した。「ほんと、らしくないよ」と彼は呟き、ログを制止すべく歩き出した。
しかしふと、スウェンは立ち止まり、エルを振り返った。
「そういえば、エル君。何かあった?」
「え?」
「なんだか、別れる前とは雰囲気が違うような感じがして、少し気になったんだ」
「――特に何もないよ。二人で一緒にモンスター退治をしただけだ」
エルは平気を装い、そう答えた。スウェンが「ふうん?」とぼやいて踵を返し、ログ達の方へと駆けていくのを見送った。
先程出来てしまった秘密を、エルは、彼らに打ち明ける訳にはいかなかった。誰にどんな約束をしたのかは思い出せていないが、いずれ全てを思い出さなければならないだろう、とは分かっている。
実をいうと、このフロアへ入った瞬間に、エルは、もう一つ思い出した記憶の風景があった。
白いコートと、白いシャツと水玉のネクタイをした、首に薄い古傷を持った男の人の事だった。彼が、包帯だらけのエルの幼い手を取り、オジサンに話しかけている光景が脳裏に浮かんでいたのだ。
「ねぇ、一つだけ訊いてもいい?」
ログとホテルマンの騒ぎが収まった頃、エルは、出口へと向かう彼らについて行きながら、こっそりスウェンを呼び止めた。彼が目を瞬いて「どうぞ?」と小首を傾げた。
「この研究をやっていた人が、アリスのお父さんなんだよね」
「うん、前にも説明した通り、そうだよ」
「スウェンは、その人の事も苦手だった?」
「変な事を訊くね」
スウェンは、ぎこちなく頬をかいた。
「苦手というか……まぁ、何度か見かけた事がある程度だから、どうかな」
スウェンは答えつつ、所長についての記憶を辿った。
スウェンは初対面で彼の胸倉を掴み、部下を助けないと皆殺しにすると宣言した事があった。その後は、所長である彼との接点はなかったが、まさか、こんな形で巻き込まれるとは予想にもしていなかっただけに、少し複雑でもあった。
今回、大佐から任命されたスウェンに話をつけたのは、現場にいたハイソンであるので、所長については他に記憶に新しいものは何もない。
「う~ん、そうだなぁ。僕が彼を見た印象では、教師か文学者を思い浮かべたな。聞いていた話とは全然違っていたけど――ああ、そういえば、首に古傷があったっけ」
スウェンは話しながら、所長と出会った頃の記憶を鮮明に思い起こした。彼の胸倉を掴み上げた時、首の古傷に気付いて、咄嗟に力を緩めたのだ。
先に死んだ部下のローランドの首にも裂傷痕があり、よく痛むのだと語っていた困った顔を唐突に思い出して、スウェンは、思わず手を離してしまったのである。脅す為に少しは痛い目に遭わせてやろうと考えていた気持ちは、そこで一気に萎えてしまっていた。
殺してもどうにもならない。白衣を着ている人間が全て悪いわけじゃない。助けてくれる人間もいるのだと、スウェンは、セイジやローランドから教えられたから。
エルは、物想いに耽ってしまったスウェンに、「そう」とだけ答えて目をそらした。ホテルマンがまた何かしら失言したのか、笑顔で逃げ回り始め、それをログが追い駆け、セイジが遅れて追う様子を眺めた。
エルは、自身の記憶を探った。真っ青な顔をした白衣の男が、その白い衣服を血に塗らせている光景が、ぼんやりと浮かび上がった。
――ひどい傷だ。大丈夫、きっと、助けて見せるから。
そうエルに告げた男こそが、この研究に携わっていた所長だった。
「エル君、もしかして闘ったのかい?」
「馬鹿でかい奴が一匹出てきたけど、あいつと一緒だったから平気だった」
エルは、後ろのホテルマンを指した。
風呂敷を背中に背負ったホテルマンが、話す機会を設けられたと気付き、セイジとスウェンに向かって大きく手を振った。
「無事でなによりでした、親切なお客様方! またお会いできて、私はとてもハッピーな気分ですよ!」
「え、ああ、そうだね……」
スウェンは、途端に笑顔を引き攣らせて一歩後退した。ホテルマンは胡散臭い張り付いた笑顔のまま、一人ケラケラと笑い出してしまい、何か嬉しい事でもあったのだろうかと、スウェン、ログ、セイジは目配せした。
スウェンは、ふとホテルマンの荷物に目を止めた。出会った頃よりも、確実に荷物の量が増えていると気付いた。
エルが、呆れた眼差しを改めてホテルマンに向け、舌打ちした。
こいつ、金目の物を風呂敷に詰めやがったな。
先程は心に余裕がなかったので、確認する事をつい忘れてしまっていたが、そういえばその問題があったのだったと、エルは送れて思い起こした。心の中で愚痴りつつ、ホテルマンの脇腹を小突き「ちょっと来て」とその腕を引っ張る。
エルは、ホテルマンを連れたまま少し歩くと、三人に背を向けた状態で、小声で彼を叱った。
「やっぱり持って来たのか。俺、置いて来いって言ったよね?」
「置いてきましたよ。ええ、私の荷物が少し大きくなったと感じるのは、あなた様の目の錯覚です」
「そう言ってる時点でアウトじゃん。白状しちゃってるようなもんだよ」
「まあまあ、細かい事はお気きになさらず。将来、あの方のようにハゲてしまいますよ」
ホテルマンはそう告げて、二人の間からログの方を指差した。
エルは、ホテルマンに促され、肩越しに訝しげに後方を窺い見た。セイジとスウェンに続いて、腰を上げたログと目が合った。
途端、ログの眉間に深い皺が入った。こちらの内容は聞こえてはいないようだが、何かしら悪口を囁かれていると、野性的な勘で察したらしい。
「……あいつがハゲるって事? そうは見えないけど?」
「おほほほほほっ、毛根は繊細ですから、あのようにピリピリされていては、いずれ早いうちに彼の元を去ってしまうでしょう! ああ見えてお若いようですが、――ふぅ」
ホテルマンは、露骨に残念がる素振りで頭を振った。スウェンが嫌な予感に顔を歪ませ、ホテルマンとログを交互に見やっている。
「けれど安心してください。私の毛根は、あと百年は残りますので」
ホテルマンはそう誇らしげに言い切ると、ニッコリと微笑んだ。そして、ふと身体を屈めると、エルにこう続けて耳打ちした。
「でも実を言うと私、楽しくて仕方がないのです」
「え、ハゲる話しが? お前、阿呆なの?」
「嫌ですねぇ、違いますよぉ。二人で内緒話しというのも、なかなか面白くて楽しいものなのだなぁと思いまして」
「はぁ、なるほど……?」
内緒話の何が楽しいというのだろうか?
エルは、ひとまず肯いておく事にした。ホテルマンの心情を察する事は出来そうにもないので、放置の方向でいいだろうと判断する。
ホテルマンの顔が「――とても、名残惜しいものです」と囁きを残し、エルから離れた。
振り返ったエルは、驚いた顔をしたスウェンと目が合った。スウェンは、どこか呆気にとられたように口を開いていた。
「まぁ、なんというか――なんだか君達、短い間に随分仲良くなったみたいだねぇ」
エルは、「ああ、多分……」と考えられる理由を思い浮かべつつ、隣のホテルマンを盗み見た。ホテルマンは、セイジとログに向かって手を振っている。
「……なんというか、どっちも接近戦タイプだったみたいで」
思わず、本音がエルの口をついて出た。
予想外の返答内容に、スウェンが「は?」と素っ頓狂な声を上げた。エルはハッと我に返り、慌てて「なんでもないッ」と取り繕った。
スウェン達は、自分については何も知らないのだ。知っている仲の方が気楽ではあるが、彼らとの距離感を計り間違えてはいけない。
エルとスウェンが、お互いのゲーム内容について情報交換を始めると、その傍らで、ログが「おい」と友好的ではない眉間の皺を刻んだまま、ホテルマンに話しかけた。
ホテルマンはあろう事か、内緒話である毛根の件をログ本人に告げ、彼の怒りを買うという騒動が勃発した。セイジが含み笑いを堪えつつ、ホテルマンに殴りかかろうとするログを後ろから羽交い締めにし、場を落ち着けようとした。
しかし、ホテルマンは全く悪びれもなく、唐突に場違いにも、自分がどれほど優秀なホテルマンであるかを語り出し始めた。
スウェンが、実に楽しそうな含み笑いをもらし、こっそりエルに耳打ちした。
「珍しいけど、ログはどうやら、君と彼が、どんな話をしたのか気になっているみたいだよ」
「そうなの?」
「うん、実は僕もなんだけれどね」
スウェンは、二人の内緒話とやらが早とちりな懸念だったと、心の中で反省した。「ほんと、らしくないよ」と彼は呟き、ログを制止すべく歩き出した。
しかしふと、スウェンは立ち止まり、エルを振り返った。
「そういえば、エル君。何かあった?」
「え?」
「なんだか、別れる前とは雰囲気が違うような感じがして、少し気になったんだ」
「――特に何もないよ。二人で一緒にモンスター退治をしただけだ」
エルは平気を装い、そう答えた。スウェンが「ふうん?」とぼやいて踵を返し、ログ達の方へと駆けていくのを見送った。
先程出来てしまった秘密を、エルは、彼らに打ち明ける訳にはいかなかった。誰にどんな約束をしたのかは思い出せていないが、いずれ全てを思い出さなければならないだろう、とは分かっている。
実をいうと、このフロアへ入った瞬間に、エルは、もう一つ思い出した記憶の風景があった。
白いコートと、白いシャツと水玉のネクタイをした、首に薄い古傷を持った男の人の事だった。彼が、包帯だらけのエルの幼い手を取り、オジサンに話しかけている光景が脳裏に浮かんでいたのだ。
「ねぇ、一つだけ訊いてもいい?」
ログとホテルマンの騒ぎが収まった頃、エルは、出口へと向かう彼らについて行きながら、こっそりスウェンを呼び止めた。彼が目を瞬いて「どうぞ?」と小首を傾げた。
「この研究をやっていた人が、アリスのお父さんなんだよね」
「うん、前にも説明した通り、そうだよ」
「スウェンは、その人の事も苦手だった?」
「変な事を訊くね」
スウェンは、ぎこちなく頬をかいた。
「苦手というか……まぁ、何度か見かけた事がある程度だから、どうかな」
スウェンは答えつつ、所長についての記憶を辿った。
スウェンは初対面で彼の胸倉を掴み、部下を助けないと皆殺しにすると宣言した事があった。その後は、所長である彼との接点はなかったが、まさか、こんな形で巻き込まれるとは予想にもしていなかっただけに、少し複雑でもあった。
今回、大佐から任命されたスウェンに話をつけたのは、現場にいたハイソンであるので、所長については他に記憶に新しいものは何もない。
「う~ん、そうだなぁ。僕が彼を見た印象では、教師か文学者を思い浮かべたな。聞いていた話とは全然違っていたけど――ああ、そういえば、首に古傷があったっけ」
スウェンは話しながら、所長と出会った頃の記憶を鮮明に思い起こした。彼の胸倉を掴み上げた時、首の古傷に気付いて、咄嗟に力を緩めたのだ。
先に死んだ部下のローランドの首にも裂傷痕があり、よく痛むのだと語っていた困った顔を唐突に思い出して、スウェンは、思わず手を離してしまったのである。脅す為に少しは痛い目に遭わせてやろうと考えていた気持ちは、そこで一気に萎えてしまっていた。
殺してもどうにもならない。白衣を着ている人間が全て悪いわけじゃない。助けてくれる人間もいるのだと、スウェンは、セイジやローランドから教えられたから。
エルは、物想いに耽ってしまったスウェンに、「そう」とだけ答えて目をそらした。ホテルマンがまた何かしら失言したのか、笑顔で逃げ回り始め、それをログが追い駆け、セイジが遅れて追う様子を眺めた。
エルは、自身の記憶を探った。真っ青な顔をした白衣の男が、その白い衣服を血に塗らせている光景が、ぼんやりと浮かび上がった。
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そうエルに告げた男こそが、この研究に携わっていた所長だった。
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