半透明の彼女

藤川みはな

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わたしが消えても

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それから、日が経つにつれ
わたしの肌は半透明になっていった。
もう元には戻らない。
理人くんも言いかけていたけど、きっとわたしは
もうすぐ成仏してしまうだろう。
重い沈黙が流れる中、わたしは
理人くんの手を握りしめた。

「理人くん」

理人くんが顔を上げた。

「もし、もしね、わたしが消えちゃっても
落ち込まないでね。わたしはずっと理人くんだけを見てるから。」

理人くんが悲しみを表情に浮かばせる。

「そんなこと、言わないでよ、美花ちゃんは僕とずっと一緒にいるんだ。消えるなんて言わないでよ」

でもね、理人くん、わたし気づいたんだ。
理人くんと楽しい時間を過ごしていくと
わたしの体は半透明になっていく。
つまり、この世に未練がなくなった
っていうことになる。
これ以上、幸せを感じると成仏しちゃう。

「わたしだって理人くんと同じ瞬間ときを過ごしたかったよ。でも、仕方ないの。わたしは死者で理人くんは生者、ずっと一緒に過ごすことはできないんだよ。」

言いながら、悲しくなって涙がこぼれる。

「だから、理人くん、最後にデートしよう」

わたしはにっこり笑った。



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