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辺境伯令嬢と皇帝 - 4
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部屋を貸して貰った。
広くて清潔感のある部屋。
ベッドに身を預ければ、ふかふかで気持ちい。そんな贅沢な部屋の中で、わたしはひとり考えた。
陛下のおかげで……わたしはなんとか生きてる。
彼がいなかったら、今のわたしはなかった。きっと冷たくなって泥の底に沈んでいたと思う。
だから……。
◆
……眠ってしまっていた。
あまりに疲れて、いつの間にか横になっていたみたい。
起き上がって外を眺めると朝だった。
部屋をノックする乾いた音がして、わたしは返事をした。
「どうぞ」
「失礼するよ、クレメンタイン」
「陛下……! おはようございます。わざわざ訪ねて下さるとは……」
「もちろんさ。これからフラッド伯爵の隠れている家へ向かうのだからね」
「さっそくですね」
「ああ、ついて来てくれ」
部屋を出て、そのまま城を出ていく。
庭にはペガサスのような白馬がいた。なんて綺麗な毛並み。
「あの馬に乗っていくんですか?」
「そうだ。コイツは『アヴァランチ』という。帝国一の脚力を持つ。早いぞ」
陛下は先に馬に乗る。
そして、手を差し伸べてくれた。
「えっと、あの……もしかして」
「僕の前に乗ってもらう。そうしないと振り落とされちゃうからね」
「え、ええッ!」
それってつまり、わたしは陛下に後ろから抱かれるような形になるってことよね。
少しイメージしてみると、顔が一瞬にして熱くなった。
仕方ないとはいえ……胸の高鳴りが。
少しでも動揺を隠しつつ、わたしは陛下の手を取った。
……でも、やっぱり緊張する。
ドキドキして死んでしまいそう。
馬に乗り、わたしは陛下の体に包まれた。
「さあ、出発だ」
「……は、はい」
城の外に出て街を駆けていく。
温かい風が頬を撫でる。
気持ちい……。
けど、のびのびしている暇はない。
もうすぐ伯爵のいるという潜伏先に到着する。
見つけたら……わたしは。
「緊張することはない、クレメンタイン。僕が君を守る」
「陛下……信じております」
「ああ、もう間もなく潜伏先だ」
ついに“家”に到着。
……この煉瓦の家にフラッド伯爵が?
広くて清潔感のある部屋。
ベッドに身を預ければ、ふかふかで気持ちい。そんな贅沢な部屋の中で、わたしはひとり考えた。
陛下のおかげで……わたしはなんとか生きてる。
彼がいなかったら、今のわたしはなかった。きっと冷たくなって泥の底に沈んでいたと思う。
だから……。
◆
……眠ってしまっていた。
あまりに疲れて、いつの間にか横になっていたみたい。
起き上がって外を眺めると朝だった。
部屋をノックする乾いた音がして、わたしは返事をした。
「どうぞ」
「失礼するよ、クレメンタイン」
「陛下……! おはようございます。わざわざ訪ねて下さるとは……」
「もちろんさ。これからフラッド伯爵の隠れている家へ向かうのだからね」
「さっそくですね」
「ああ、ついて来てくれ」
部屋を出て、そのまま城を出ていく。
庭にはペガサスのような白馬がいた。なんて綺麗な毛並み。
「あの馬に乗っていくんですか?」
「そうだ。コイツは『アヴァランチ』という。帝国一の脚力を持つ。早いぞ」
陛下は先に馬に乗る。
そして、手を差し伸べてくれた。
「えっと、あの……もしかして」
「僕の前に乗ってもらう。そうしないと振り落とされちゃうからね」
「え、ええッ!」
それってつまり、わたしは陛下に後ろから抱かれるような形になるってことよね。
少しイメージしてみると、顔が一瞬にして熱くなった。
仕方ないとはいえ……胸の高鳴りが。
少しでも動揺を隠しつつ、わたしは陛下の手を取った。
……でも、やっぱり緊張する。
ドキドキして死んでしまいそう。
馬に乗り、わたしは陛下の体に包まれた。
「さあ、出発だ」
「……は、はい」
城の外に出て街を駆けていく。
温かい風が頬を撫でる。
気持ちい……。
けど、のびのびしている暇はない。
もうすぐ伯爵のいるという潜伏先に到着する。
見つけたら……わたしは。
「緊張することはない、クレメンタイン。僕が君を守る」
「陛下……信じております」
「ああ、もう間もなく潜伏先だ」
ついに“家”に到着。
……この煉瓦の家にフラッド伯爵が?
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