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第24話 さびしい
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露店街を少し離れ、湖が望めるベンチに座っていた。
「この場所、綺麗だね」
「……」
あれ、ルシアの反応が薄い。
あのブレアの一件以来、なぜか機嫌が悪そうだった。なんだか距離も少し離れてるし、俺なんかしたっけ……。普通に話していただけ……だよな。
「ルシア?」
「……ごめんなさい。そんなつもり、なくて」
「え」
「さっきブレアさんと楽しそうに話していたから、わたし……淋しくなっちゃって」
そ、そういうことー!
「しょ、商売の話をしていただけだよ? 大丈夫、これからルシアとの時間だから」
「……もう他の女の子と話したら嫌ですよ」
「もう予定はないよ。あとはルシアと二人きりの時間だけ」
そう断言すると、ルシアは距離を縮めて来てくれた。爽やかな匂いとかに包まれて、俺はついドキッとする。
「レイジさん」
そんな瞳で見られると俺……。
ルシアは瞼を閉じ、唇を僅かに突き出す。
これって……まさか。
ドキドキしながらも思考を追い付かせた。つまり、これって……。
悩んでいる間にも、ルシアは舌を出して笑った。
「おかえしです」
「あぁっ、酷い。俺をからかったのかよ~」
「えへへ……ごめんなさい。でも、いつかお待ちしておりますね」
え……それって。
ポカンとしている間にも、ルシアは頭を俺の膝の上に乗せてきた。突然、小さな銀髪が乗っかってきて、俺はビックリする。
「……うわぁ! ルシア!」
「代わりに膝枕してもらいます」
いやそれ、普通逆じゃない? とは思ったけれど、これはこれで…………悪くない。俺の膝の上にルシアの小さな顔があった。
「……そ、そのちょっと刺激が」
「わたしもドキドキしています……その、頭撫でて欲しいのです」
「いきなり難易度の高い要求だな……」
この状態でも心臓がはち切れそうなのに、頭を撫でろ? こんな手に届かない美術品レベルに俺の手なんかが触れていいのだろうか。
穢れてしまうのではないかという恐怖感があった。
でも。
「いいんです。レイジさんになら触れられたい」
「……そ、そか。じゃあ……遠慮なく」
「はい」
俺はそっとルシアの銀髪に触れた。
な、なんという触り心地。
ふわふわすぎてビックリした。
「……えへへ」
「ルシアは、意外と甘えん坊だったんだな」
「……はい、淋しがり屋の甘えん坊なんです、わたし。だから、あんまり他所の子ばかりに構ったら嫌です。もっとわたしを構ってください」
「分かった。今後はずっと手を繋ぐ。ルシアを見失わないようにね」
「嬉しい。……それと、眠くなってしまいました」
うとうとするルシア。眠たそうだ。
「いいよ、このまま寝ても。守ってやるから」
「…………心より信頼しています」
ルシアは瞼を閉じた。
直ぐにすーすーと寝息が聞こえた。
うわ、寝顔初めてみたけど、可愛すぎる。
こんな子を膝の上にとか……幸せ過ぎた。
「……ルシア、可愛い」
そして、気づけば冒険者連中の注目を浴びていた事に気づく。……うわ、すげぇ野次馬! いつの間に!
この寝顔は誰にもやらないぞ。
「この場所、綺麗だね」
「……」
あれ、ルシアの反応が薄い。
あのブレアの一件以来、なぜか機嫌が悪そうだった。なんだか距離も少し離れてるし、俺なんかしたっけ……。普通に話していただけ……だよな。
「ルシア?」
「……ごめんなさい。そんなつもり、なくて」
「え」
「さっきブレアさんと楽しそうに話していたから、わたし……淋しくなっちゃって」
そ、そういうことー!
「しょ、商売の話をしていただけだよ? 大丈夫、これからルシアとの時間だから」
「……もう他の女の子と話したら嫌ですよ」
「もう予定はないよ。あとはルシアと二人きりの時間だけ」
そう断言すると、ルシアは距離を縮めて来てくれた。爽やかな匂いとかに包まれて、俺はついドキッとする。
「レイジさん」
そんな瞳で見られると俺……。
ルシアは瞼を閉じ、唇を僅かに突き出す。
これって……まさか。
ドキドキしながらも思考を追い付かせた。つまり、これって……。
悩んでいる間にも、ルシアは舌を出して笑った。
「おかえしです」
「あぁっ、酷い。俺をからかったのかよ~」
「えへへ……ごめんなさい。でも、いつかお待ちしておりますね」
え……それって。
ポカンとしている間にも、ルシアは頭を俺の膝の上に乗せてきた。突然、小さな銀髪が乗っかってきて、俺はビックリする。
「……うわぁ! ルシア!」
「代わりに膝枕してもらいます」
いやそれ、普通逆じゃない? とは思ったけれど、これはこれで…………悪くない。俺の膝の上にルシアの小さな顔があった。
「……そ、そのちょっと刺激が」
「わたしもドキドキしています……その、頭撫でて欲しいのです」
「いきなり難易度の高い要求だな……」
この状態でも心臓がはち切れそうなのに、頭を撫でろ? こんな手に届かない美術品レベルに俺の手なんかが触れていいのだろうか。
穢れてしまうのではないかという恐怖感があった。
でも。
「いいんです。レイジさんになら触れられたい」
「……そ、そか。じゃあ……遠慮なく」
「はい」
俺はそっとルシアの銀髪に触れた。
な、なんという触り心地。
ふわふわすぎてビックリした。
「……えへへ」
「ルシアは、意外と甘えん坊だったんだな」
「……はい、淋しがり屋の甘えん坊なんです、わたし。だから、あんまり他所の子ばかりに構ったら嫌です。もっとわたしを構ってください」
「分かった。今後はずっと手を繋ぐ。ルシアを見失わないようにね」
「嬉しい。……それと、眠くなってしまいました」
うとうとするルシア。眠たそうだ。
「いいよ、このまま寝ても。守ってやるから」
「…………心より信頼しています」
ルシアは瞼を閉じた。
直ぐにすーすーと寝息が聞こえた。
うわ、寝顔初めてみたけど、可愛すぎる。
こんな子を膝の上にとか……幸せ過ぎた。
「……ルシア、可愛い」
そして、気づけば冒険者連中の注目を浴びていた事に気づく。……うわ、すげぇ野次馬! いつの間に!
この寝顔は誰にもやらないぞ。
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