【完結】好きじゃなかった冬の日に、好きになった彼と僕の話

秋良

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01. 冬の記憶 #

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 これも一つの異常気象なのか、季節外れの夏日や、それに迫るほどに暖かな日が何度もやってきては人々を驚かせていた十一月も過ぎ、ようやく晩秋なり初冬なりと言ってもまあいいかと思える気候になってきた、十二月三日。
 暦の上ではとうに冬。そして、気候としてもコートが必要な季節になった。

 ——冬は苦手だ。あまり好きじゃない。

 永瀬ながせ千晃ちあきは職場のカフェをあとにして、ネイビーカラーのダッフルコートの袖にかじかむ指先を埋めながら、最寄りの駅まで徒歩十分の道のりをぼんやりと歩いていた。

 見上げれば、薄明るい夜の空が広がる。時刻は午後八時。
 いつもは朝から夕方までのシフトがほとんどで、千晃がこんな時間まで仕事をしていたのは珍しい。というのも、夕方から閉店の夜九時まで入る予定だったアルバイトの大学生が急な発熱で来られなくなってしまい、急遽千晃がそのままシフトに入り続けたからだ。夜の七時を越えて客足も落ち着いたため、店長から上がっていいと言われた千晃は、閉店時間より前に仕事をあがった。

「夜、だなぁ」

 この時間に帰るのは初めてではない。過去に似たような経験は何度もあるし、頻繁ではないが、朝ではなく昼過ぎに入って閉店までのシフトになることもある。
 けれど、夜にこの道を歩くのはやっぱり少しだけ珍しいので、不思議な気持ちで足を進めていた。

 都心の夜空は濃い紺色にはならず、ビルや高層マンションの灯りで滲んで灰色と藍色の中間で混じっている。ここはあっちを向いても、こっちを向いても人工の灯りがひしめくビジネス街だ。
 そんなビルの隙間から見上げた夜は、月ならそこそこに明るく見えても、星はほとんど見えない。まあ今日は新月から明けてすぐだから、その月だって細い姿をわずかに現しているだけだけど。なんにせよ「星空」なんて言える感じではない都会の夜が頭上に広がっていた。

「夕飯、どうしよう……」

 冷蔵庫にあるのはたしか、南瓜かぼちゃとしめじ。それから、冷凍した豚肉のこま切れがあったはず。なら、それらを適当に炒めれば立派なおかずにでもなるか。小松菜や豆腐もあったと思うし、味噌汁もできるだろう。最近は、お米は高くてなかなか買えないからご飯はやめておこうか。夜はもう寝るだけだから全然問題ないし。
 なんて、夕飯の献立を考えているうちに、最寄りの駅までの道のりはあと半分くらいになる。

(相変わらず、冴えない顔してる)

 ふと何気なく視線を向けたオフィスビルのガラス窓に映った自分を見て、千晃は小さくため息をついた。

 一度も染めたことのない黒髪に、焦茶の瞳。
 自分で見る分にはおおよそ一般的な日本人の容姿だけれど、どうやら顔のつくりはいいほうらしい。でも、表情はパッとしない。アンニュイというか、無表情というか。とにかく明るさとは無縁の、退屈そうな顔をしている。

 カフェで接客をしているときは、それなりに笑顔も浮かべるし、こんなに冴えない——暗そうな顔もしていないと思う。
 時折、「クールビューティーって感じですよね」なんて、自分ではしっくりこない褒め言葉らしきものを言われることがあるから、整った顔立ちであるという一応の自覚があるだけだ。

(まあ、別に楽しいこともないしな……)

 だから、オフの時間……しかも一人きりのときに笑顔がなくても、仕方がないし、不思議でもない。

 千晃はこの夏で二十一歳になった。
 職業はカフェ店員。高校を卒業したあとに、知り合いに紹介されて、都心にあるカフェで働いている。

 勉強はそれなりにはできるのだから、大学なり専門学校なりに行けばいいのにと、長年お世話になった人たちは言ってくれた。それに期待やら親切やらを感じとりはしたけれど、千晃は進学ではなく就職を選んだ。
 大学で学びたいことはなかったし、かといって専門学校なんてもっと選択肢にならなかった。何かを目指すとか、何かになりたいとか、そういうキラキラした夢や希望を語る周りの子どもたちが千晃はずっと不思議だった。みんな、自分とは違う人間に見えた。

 職場のカフェだって、自分で選んだわけじゃなく「それならここはどうか」と勧められたところに、するりと採用されただけだ。カフェ店員の仕事に不満はないけれど、大きな夢を抱いて働いているわけでもない。

「……あ。今月はクリスマスか。じゃあ、何か用意しなくちゃ」

 視線の端に映るのは、オフィスビル内の片隅にきらめくクリスマスツリー。
 ゆうに十メートルはありそうな綺麗な飾りつけのツリーは、残業上がりらしき人たちをちらちらと灯している。
 なかにはカップルのような男女もいて、オフィスしか入っていないビルであってもロマンティックな雰囲気にも見えた。クリスマスツリーがあるだけで、日常にも非日常な魔法がかかるものなのかもしれない。

 けれど、千晃の目に映る冬はいつも以上に、世界が色褪せて見える。
 冬の空は昼も夜も灰色が多く、街行く人のファッションも暗めの色が多い。その中で赤や緑、青や金色にピカピカと輝くクリスマスの装飾は冬の日を輝かせて、多くの人の心を浮き立たせているのだろう。

 けれど、千晃の心はいつもと変わらない。
 いや、いつも以上に冷たい気持ちが増えていきさえする。

 ——冬は、好きじゃない。良い思い出があまりないから……。

 それでも千晃は立ち止まって、ピカピカに磨かれた窓ガラス越しに、立派に飾りつけられたツリーを見ていた。

(今年のプレゼントは何にしようかな)

 言葉だけならば、自分も、恋人に贈るクリスマスプレゼントを悩んでいる青年か。あるいは、冬の人恋しさに甘酸っぱい一ページを良いものにしようと勇む若者の一人だろうか。だけど、残念ながら千晃のそれは恋人あてでも、片想い相手あてでもない。
 それに、千晃が思い浮かべるのは指輪やネックレス……ではなく、図書カードや有名通販サイトで使えるギフトカードだ。気をてらったところで、せいぜいマフラーや手袋。それもブランド品ではなく、手頃な値段のものを複数個である。

(やっぱ、無難だけど図書カードかな。いくらあっても困らないし)

 いろいろ想像してみるが、結局無難なものに考えが収束していく。
 毎年変わり映えがしないけれど、実用的なもののほうが『あの場所』には良いよなぁと、そんなものばかりが頭に浮かぶのだから仕方がない。

(……そうだ、今年はあのお高いアイスのギフト券も添えてみよう)

 ふと、この前、何かの広告で見かけたアイスクリームのギフト券を思い出した。
 以前、差し入れとして届けられたそのアイスを、高級レストランに勝るとも劣らない味だと、みんながはしゃいでいたのは何年前のことだったか。たしか、千晃が食べたのはストロベリー味だ。みんな、高級レストランなんて行ったことがないから、ただの想像でしかなかったけれど、たしかにあれは美味しかった。

(みんな、甘いものは好きだもんな)

 千晃が『みんな』と思い浮かべるのは、数年前までともに暮らしていた子どもたちの顔だ。それから、その周りにいる親切で優しい大人たちも。

 千晃は、児童養護施設育ちだ。
 八歳のときに訳あって、母のもとを去り、施設へと預けられた。ちなみに血縁上の父親が誰かは一応知っている。でもまあ、認知はされていないから、父などいないも同然だ。千晃は会ったことがないし、会いたい気持ちも特にない。

 自分は、不倫の末にできた子らしい。
 母の妊娠がわかった当初は「離婚して一緒になる」だなんて甘い言葉を吐いていたのだとか。なのに、千晃が生まれる直前になって、男は別れを切り出した。結局、男は家庭を捨てられず、母が捨てられたのだというのは、物心つく前から散々聞かされてきた話だ。

 それでも母は、千晃を生んですぐには捨てなかった。
 多少なりとも我が子に対する愛情があった……というわけではなく、男に捨てられたときはすでに堕ろせる時期ではなく、かつ「子を捨てる」という選択肢をとれなかっただけだ。無知であったとか、捨てるという行為に忌避感があっただとか、生むまでは愛そうとしていただとか、理由は彼女なりにあったのだろう。

 当時の——そして今なお——母の考えは微塵もわからないが、少なくとも千晃は自分の母を「哀れな人」だと解釈している。望んでいたはずの未来に裏切られ、望まぬものを押し付けられた可哀想な女性。それが千晃の、書類上の母親だ。

 千晃は生まれてこの方、母から愛情を感じたことがない。

 それでも、八歳まで母と安アパートに住んでいたのは、千晃はまだ子どもで、狭い世界の中で生きていたから。そして、生きる楽しみを見出せないままに育ってしまったからだった。
 もっと早くに知っていれば、自ら施設へと逃げ込んだのかもしれない。だがそれは、起きることのなかった未来の、そして過去の話だ。

 母は暴力こそ振るわなかったが、交際相手ができれば千晃は家の中に入れてもらえず外で待つこともあったし、旅行やら何やらで何日も留守にすることもあった。
 食事を忘れられたことも一度や二度ではないし、身なりを整える術も知らなくて、当時の健康状態と衛生状態はかなり悪かったと思う。母自身はさておき、ころころと変わる彼氏の誰だかに、殴られたり蹴られたりしたことはたくさんある。

 性懲りもなく何人もの男に翻弄されているのにもかかわらず、男がいないと生きていけないネグレクト気味の母と、その時々で変わる交際相手からの暴力や暴言。
 それが幼い千晃の日常だった。

 そして、その日常は、八歳の冬に呆気なくその日々は終わった。
 とある事件をきっかけに、近所の人たちが通報したのだ。

(母さんから離れて、そろそろ十三年か)

 あの日は、今日よりもずっと寒い日だった。
 詳細な日付は憶えていない——記録は残ってはいるが千晃は憶えていたくないから脳がそれを拒否しているのだ——けれど、東京近郊でも雪がちらつく冬の夜だったことは憶えている。

 八畳程度の居室が一つに台所と水回り、靴が四足も置けばいっぱいになる玄関しかないアパートの一室。
 その日、当時交際していた母の恋人が来るからと、千晃は台所の隅っこで膝を抱えて座っていた。リビングと寝室を兼ねた一つだけの居室は、母と男の空間となっていて、千晃の居場所はなかった。

 台所と居室の間にある扉は閉め切られていて、台所は薄暗い。けれど、それは千晃にとって救いでもあった。
 そこに暖房器具はなく、押し入れから引っ張り出せた毛布に包まるだけ。そんなみすぼらしい状況であっても、千晃はまだマシだと思えた。母からも、男からも、見られることがない安心感だけがそこにあったからだ。

 その救いが破られたのは、深夜に近づく時間帯のこと。

「おいっ! 起きろ、このやろう!」

 夕食を与えられることもなく、空腹のままに台所の床で、いつの間にかうつらうつらとしていた千晃は、突然の怒声と髪を掴まれた痛みに目が覚めた。
 自分の髪を掴み上げ、目を血走らせていたのは母親の交際相手だ。

「こんなところで寝やがって! 俺への当てつけかよ!」
「あぅっ!」

 バシン、と乾いた音とともに頬を殴られた。
 何が何だかさっぱり理解できず、千晃は一瞬でパニックに陥る。ただ、どうやら母親の彼氏だという男が千晃に対して怒っていること。そして、かなり酒を飲んでいることはわかった。

 混乱しているうちに、千晃は台所脇の玄関へと引きずられた。
 靴を履く余裕も与えられないままに、玄関の扉が開く。冬の冷たい風がびゅうっと室内へと入り、男が「寒すぎんだろ!」と舌打ちをしながら、またもや怒鳴った。

 大の大人の男に、小学生の千晃は抵抗らしい抵抗もできない。ゴミ袋でも投げるかのように、あっという間に外へと放り出されてしまう。

「ったく、せいせいするぜ!」

 とどめとばかりに腹を蹴られると、バタリと目の前で扉が閉まり、ガチャと鍵がかかる非道な音が聞こえた。

 え? うそ? と、思わず目と耳を疑ったが、手加減なしに蹴りを入れられた千晃は立ち上がる気力すらなく、玄関前でぐったりと横たわっていた。
 台所に横たわっていたときに包まっていた毛布は、引きずられたときに離してしまい、足元も靴下のまま。もちろんコートなど着る暇もなく、千晃は着古したセーターと肌着、丈が短くなった長ズボンしか着ていない。

 雪は積もるほどではないものの、ちらりちらりと空から舞い落ちる。
 正確な時間はわからなかったが、人通りも少なくなった真夜中なのは確かで、千晃は凍えるほどの寒さのなか、幼いながらに死を覚悟した。

(あーあ、なんだ……ぼく、これで終わりかぁ……。母さんは、ぼくのこと、やっぱり興味ないんだなぁ……)

 たとえば、すぐに母が千晃を見つけてくれれば。
 恋人だという男の怒号に、目を覚ましていれば。

 そうしたら千晃も、欠片もなかった母の愛情を、ほんの一瞬だけでも感じることができたかもしれない。
 けれど、無情に閉められた玄関扉が開くことはなく、薄い扉と壁越しでも室内が静かなことはよくわかった。

 きっと男はトイレか何かに目を覚まして、部屋の隅で横たわる千晃を見かけたのだ。そして、特に大した理由もなく、気に障ったというだけで殴り、蹴り、外へと追い出したのだろう。
 目障りな千晃を追い出したことに満足して、あっという間に眠りについたに違いない。母も酒を飲んだのだろうから、ぐっすり夢の中だ。

(寒い……冷たい……痛い……)

 アパートの外廊下の床は氷のように冷たく、千晃の体温をぐんぐんと奪っていく。
 寒いとか、痛いとか、そういう気持ちで頭が埋め尽くされていった。千晃の小さな心には、不思議と母への憎しみや怒りは湧かなかった。もとから期待していないし、子どもながらに千晃はすでに人生ってというものを諦めていたからだ。

「坊や! しっかりしな! 死んじゃダメだよっ」

 寒さに体を震わせて、半ば意識が朦朧としていたところに誰かが駆けつけた。
 顔も声も憶えていない。近所に住んでいた主婦と二人の警察官が、死にかけの千晃を助けてくれたというのを知ったのは、目を覚ました病室だった。

 そうして、千晃は母から離れ、児童養護施設に預けられたのだ。

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