僕の兄は◯◯です。

一章

⑥

「そばかす太郎です」


「そばかす太郎ねェ…」



えっ、納得しちゃったの？


　ちょっとビックリ顔で金髪ヤンキーを見るが、本人は至って真面目に「太郎…太郎な」とブツブツ呟いて、ベッドに座った。……っか隣に座んなよ近い離れて汗臭い。


「…なぁ、そばかす」


「(結局太郎じゃないのか)何ですか金ぱ…先輩」


「金髪って言わなくて命びろいしたな。…オメェ、幸のことどう思う？」


「……田村先輩っすか？」


「あぁ」


　真剣そうな顔して何かと思えばアンタ。


「そうですね」と腕を組み、いかにも考えてますって態度をとる。


この場合、心底どうでも良いって答えたらダメだろうか。いやでもまだ命はおしいしなー。


無難に答えよう。


「トテモスバラシイセンパイダトオモイマスネー」


「それは当然だろ。俺が言いてぇのはもっと別だ！」


えぇー…ちょっ、無難回答がえぇー…。