かみたま降臨 -神様の卵が降臨、生後30分で侯爵家を追放で生命の危機とか、酷いじゃないですか?-

牛一/冬星明

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2.この体、マジで使えない。

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最大の脅威が去った。
すると、お腹が減っているのに気づいて小さな手でお腹を摩った。
生まれてから一度も乳を吸っていない。
お腹が減るハズだ。
しかし、どうしようか?
泣きたくとも泣けないよ。

森の中にぽつんと一人だ。
何気なく、私は索敵魔法を放った。
周囲の警戒は大切だ。
索敵魔法を広げた瞬間に周囲にいた魔物達が消えて逝くのを感じた。
これも初体験だ。
索敵魔法に浄化効果があるとは新しい発見だ。
世界が違うとこんな事も起こるのかと感心してしまう。
すべての魔物が消えた訳ではなく、何匹かは生きていた。
浄化された場所を嫌うように索敵外に逃げ出した。

私は神様の卵なので幸運値が高いらしい。
高確率で裕福な家に生まれ易い。
今回も侯爵家という裕福な家に生まれた。
そのまま7歳くらいは普通に暮らして行ければ、何とかなった気がする。

今の私はその神力すら少ない。
1日に1滴ほど神力が魂に落ちてくるのだが、この体に私の魂が定着したのが最近だ。
まだ、5滴ほどしかストックがない。
あの加速の魔法は1滴を消費する。
残弾4発とかないよね。
貴重な神力は小指の先に触れるか触れない程度に掬って、それを伸ばして使用する。

あの加速の魔法も完璧ではない。
時間を操れる天使・上級悪魔クラスになると効かないので要注意だ。
早々に出会う敵ではない。
それよりも神力不足だ。
ここが主神の世界ならば、成長の神ピクムヌスを呼び出して解決なのだが、この世界は管轄外で声が届かない。
主神の世界ではないのはすぐに魂が感じ取った。
この世界にも神がいるのだろうが、迂闊に声を掛けるのは止めておく。
神は善良という訳ではない。
個性的な神から排他的な神、原理主義な神もいる。
場合によっては意地悪な神に魂を消滅されられるという最悪な事態に成りかねない。
私は成長の神を真似て自分で自分を成長させる事にした。

手足をバタバタさせて、体を覆っている布を外した。
魂から神力を取り出すイメージで体中に巡らせて強制的に成長させる。
体の中からメキメキという音が聞こえてくる。
風船に息を吹き込む感じだ。
手足がにゅるにゅると伸びてゆくのを感じた。
バキバキと骨が軋む感覚が襲ってくる。
痛い、痛い、マジで痛いよ。



酷い目にあった。

節々が痛い。
思わず涙を流したが、これだけ我慢しても身長100cmくらいだ。
5歳、う~ん、4歳位か?
風船が割れそうな感じがしたのでここで止めた。
ぎゅるるるるるるるるるるるるるるうるるるるる~~~~~とお腹があり得ないほど空いたと栄養を要求する。
お腹減った。

だかしかし、私には秘策がある。
この魔力が豊富な森には薬草が多く生えていたのだ。
索敵魔法を放った時に見つけた。
早速、近くの薬草を引き抜き、生活魔法『クリーン』で綺麗にする。
小石を拾って神力の帯びた指で粘土のように捏ねて元素を変化させて、ガラスの入れ物を作った。
何もないカオスから天と地を創造するに比べると、元素記号を変えるなど簡単な事だ。
綺麗なガラス瓶の完成させると、薬草から魔力で直接に絞った体力回復ポーションを入れる。
完成と同時にそれをぐびっと飲み干した。
ふんわりと胃の中が温かくなり、体力がじわりと回復するのを感じた。
この体は吸収も遅い。

次に魔力草を引き抜いて、魔力回復ポーションを作成して飲む・・・・・・・・・・・・ごくりと飲み込んだ瞬間に違和感が走った。
手で口を防ぎ、逆流してくる不快ふかい感に堪えた。
私はその場にうずくまる。
気持ち悪い。

ここで吐けば、二度と飲めなくなるような気がして必死に耐えた。
5時間、6時間位か。
クーちゃんに聞くと30分だったが、本当に長く感じられた。
どうやらポーションを消化するのに30分も掛かるらしい。
この体、マジで使えない。

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