こんなはずじゃなかった

B介

文字の大きさ
30 / 137

モノホンの鬼じゃないですか?3

しおりを挟む
俺はまだ校舎を全て熟知していないことに気付いてしまった…

なので、校庭、体育館、校舎が見える絶好の位置の木の上にいます。はい。

校庭を走り回っている小柄な子達…確か小倉がチワワたんとか言っていたな。確かにチワワみたい。

校舎からもバタバタ足音が響いているし。もう少し様子を見るか…。

昼過ぎの日差しにウトウトしながら幹に寄りかかっていると、一瞬小さな悲鳴が聞こえた。

自分の耳を疑いつつ下を見ると、木の茂みでがたいの良い男3人が小柄な子を1人抑えてつけていた。口元を押さえつけ、制服を脱がしにかかっている。

げっ!本当にあんの!こんな事!?

俺は木から飛び降り、必死にズボンを脱がそうとしている男の背後に着地した。口と手を押さえていた男達が俺に気付いた瞬間、ズボン男の頭頂にかかと落としを決め、残り2人が立ち上がった瞬間、右の男に回し蹴り、その勢いで左の男も蹴り上げる。

やはり、勢いと先手必勝ならがたいで負けていてもどうにかなるな。

チラッと襲われていた青年に視線を向けるが、こういう時、どう声掛けていいかが分からない。俺ならプライドも傷つくしな。

眉まである前髪とふわふわな茶髪、大きな瞳の猫目は涙でうるうるしていた。抑えられていた口の周りと手首は赤くなっており、ブレザーは土で汚れていた。

顔を赤くしながらズボンを履くが震えている手ではベルトがうまく出来ないらしい。
俺はスッとしゃがみ込み、ベルトに手をやると、青年はビクッと震えだす。
俺は怖がらせないよう、ゆっくりとベルトを閉めてあげ、シャツのボタンを止めてあげた。

一回り小柄な青年には大きいかもしれないが、土塗れのブレザーよりいいだろうと、俺のを羽織らす。
青年は怯えて下を見ていたがチラッと顔を上げたので、安心させる為、精一杯優しく微笑む。

すると、ガサリッと茂みが揺れた事でまた、緊張が走った。そこには副会長が立っていた。

「おや、やっと睡蓮を見つけたと思ったが、それどころじゃ無さそうだね。」

倒れた3人の男を見て、少し目を大きくした後、震える青年に目を向けた。

「君は確か…親衛隊の…? まぁ、それはいい、まずはこの状況についてかな。転がっている3人は例のアメフト部員ですね。そして、彼が襲われたところを睡蓮が倒したと?」

あまり暴力行為は認めたくないが、コクリと頷く。

「睡蓮…貴方は本当に何者なんですかね。こんな大男3人を…しかも見たところ無傷ですし…。」

何者と言われても…。相手が構える前だったからまぐれ的に上手く行っただけだしな。

副会長はフゥーと息をついた。
「睡蓮を捕まえられる絶好のチャンスですが、この件はこちらも関係してるので、暴力行為共に見逃します。後はこちらが対処するので、他に見つかる前に行きなさい。見逃すのは今だけだよ?」

おお!ありがたい!俺は頭を下げ、チラッと青年を見た後その場から走って離れた。

しかし、隠れるとこも無いし…どうしたもんかな?とキョロキョロしていると、日本家屋のような場所に出た。あれ、コレ弓道場じゃ?
パンッと音がする方にヒョコッと顔を出すと…

長身の男が弓を構えていた。黒髪短髪、涼しげで男らしい瞳、肩幅は広いが姿勢が綺麗な為、スラッとして見える。道着がよく似合っていて、構えた姿から強さが伝わってくる。

パンッ!
命中!

つい拍手をしてしまったら、涼しげな瞳をこちらに向けてきた。

「す、すみません!邪魔して!」
慌てて謝るが、男は無言でじっと見てくる。

「…こ、ぶがいしゃ、あぶ…だ、、め」

へ?なんかボソボソ喋ってますね。

ポクポクポク…チーン!

「ここ、部外者、危ないからダメ?」
俺が確認の為聞くと、コクコクと頷いた。
なんか見た目男らしいのに行動可愛いなこの人。

「すみません!今出て行きますね!あまりにも綺麗だったから、つい見てしまいました!俺、鬼ごっこで逃げてる途中なので、行きますね!邪魔してごめんなさい。」

多分、先輩だろうと思い、ペコリと頭を下げた。

「き、、いわ、…は、うっ、あ…がと。」

綺麗と言われたの初めてだ嬉しい、ありがとう?

ふふっと自然と笑みが出る

「どういたしまして!」
ヘラっと笑い、弓道場を後にした。
しおりを挟む
感想 62

あなたにおすすめの小説

ヤンデレBL作品集

みるきぃ
BL
主にヤンデレ攻めを中心としたBL作品集となっています。

全寮制男子校でモテモテ。親衛隊がいる俺の話

みき
BL
全寮制男子校でモテモテな男の子の話。 BL 総受け 高校生 親衛隊 王道 学園 ヤンデレ 溺愛 完全自己満小説です。 数年前に書いた作品で、めちゃくちゃ中途半端なところ(第4話)で終わります。実験的公開作品

ビッチです!誤解しないでください!

モカ
BL
男好きのビッチと噂される主人公 西宮晃 「ほら、あいつだろ?あの例のやつ」 「あれな、頼めば誰とでも寝るってやつだろ?あんな平凡なやつによく勃つよな笑」 「大丈夫か?あんな噂気にするな」 「晃ほど清純な男はいないというのに」 「お前に嫉妬してあんな下らない噂を流すなんてな」 噂じゃなくて事実ですけど!!!?? 俺がくそビッチという噂(真実)に怒るイケメン達、なぜか噂を流して俺を貶めてると勘違いされてる転校生…… 魔性の男で申し訳ない笑 めちゃくちゃスロー更新になりますが、完結させたいと思っているので、気長にお待ちいただけると嬉しいです!

普通の男の子がヤンデレや変態に愛されるだけの短編集、はじめました。

山田ハメ太郎
BL
タイトル通りです。 お話ごとに章分けしており、ひとつの章が大体1万文字以下のショート詰め合わせです。 サクッと読めますので、お好きなお話からどうぞ。

悪役令息シャルル様はドSな家から脱出したい

椿
BL
ドSな両親から生まれ、使用人がほぼ全員ドMなせいで、本人に特殊な嗜好はないにも関わらずSの振る舞いが発作のように出てしまう(不本意)シャルル。 その悪癖を正しく自覚し、学園でも息を潜めるように過ごしていた彼だが、ひょんなことからみんなのアイドルことミシェル(ドM)に懐かれてしまい、ついつい出てしまう暴言に周囲からの勘違いは加速。婚約者である王子の二コラにも「甘えるな」と冷たく突き放され、「このままなら婚約を破棄する」と言われてしまって……。 婚約破棄は…それだけは困る!!王子との、ニコラとの結婚だけが、俺があのドSな実家から安全に抜け出すことができる唯一の希望なのに!! 婚約破棄、もとい安全な家出計画の破綻を回避するために、SとかMとかに囲まれてる悪役令息(勘違い)受けが頑張る話。 攻めズ ノーマルなクール王子 ドMぶりっ子 ドS従者 × Sムーブに悩むツッコミぼっち受け 作者はSMについて無知です。温かい目で見てください。

実は俺、悪役なんだけど周りの人達から溺愛されている件について…

彩ノ華
BL
あのぅ、、おれ一応悪役なんですけど〜?? ひょんな事からこの世界に転生したオレは、自分が悪役だと思い出した。そんな俺は…!!ヒロイン(男)と攻略対象者達の恋愛を全力で応援します!断罪されない程度に悪役としての責務を全うします_。 みんなから嫌われるはずの悪役。  そ・れ・な・の・に… どうしてみんなから構われるの?!溺愛されるの?! もしもーし・・・ヒロインあっちだよ?!どうぞヒロインとイチャついちゃってくださいよぉ…(泣) そんなオレの物語が今始まる___。 ちょっとアレなやつには✾←このマークを付けておきます。読む際にお気を付けください☺️

牛獣人の僕のお乳で育った子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!!

ほじにほじほじ
BL
牛獣人のモノアの一族は代々牛乳売りの仕事を生業としてきた。 牛乳には2種類ある、家畜の牛から出る牛乳と牛獣人から出る牛乳だ。 牛獣人の女性は一定の年齢になると自らの意思てお乳を出すことが出来る。 そして、僕たち家族普段は家畜の牛の牛乳を売っているが母と姉達の牛乳は濃厚で喉越しや舌触りが良いお貴族様に高値で売っていた。 ある日僕たち一家を呼んだお貴族様のご子息様がお乳を呑まないと相談を受けたのが全ての始まりー 母や姉達の牛乳を詰めた哺乳瓶を与えてみても、母や姉達のお乳を直接与えてみても飲んでくれない赤子。 そんな時ふと赤子と目が合うと僕を見て何かを訴えてくるー 「え?僕のお乳が飲みたいの?」 「僕はまだ子供でしかも男だからでないよ。」 「え?何言ってるの姉さん達!僕のお乳に牛乳を垂らして飲ませてみろだなんて!そんなの上手くいくわけ…え、飲んでるよ?え?」 そんなこんなで、お乳を呑まない赤子が飲んだ噂は広がり他のお貴族様達にもうちの子がお乳を飲んでくれないの!と言う相談を受けて、他のほとんどの子は母や姉達のお乳で飲んでくれる子だったけど何故か数人には僕のお乳がお気に召したようでー 昔お乳をあたえた子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!! 「僕はお乳を貸しただけで牛乳は母さんと姉さん達のなのに!どうしてこうなった!?」 * 総受けで、固定カプを決めるかはまだまだ不明です。 いいね♡やお気に入り登録☆をしてくださいますと励みになります(><) 誤字脱字、言葉使いが変な所がありましたら脳内変換して頂けますと幸いです。

平凡なぼくが男子校でイケメンたちに囲まれています

七瀬
BL
あらすじ 春の空の下、名門私立蒼嶺(そうれい)学園に入学した柊凛音(ひいらぎ りおん)。全寮制男子校という新しい環境で、彼の無自覚な美しさと天然な魅力が、周囲の男たちを次々と虜にしていく——。 政治家や実業家の子息が通う格式高い学園で、凛音は完璧な兄・蒼真(そうま)への憧れを胸に、新たな青春を歩み始める。しかし、彼の純粋で愛らしい存在は、学園の秩序を静かに揺るがしていく。 **** 初投稿なので優しい目で見守ってくださると助かります‼️ご指摘などございましたら、気軽にコメントよろしくお願いしますm(_ _)m

処理中です...