こんなはずじゃなかった

B介

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モノホンの鬼じゃないですか?4

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「待てコラー!!」
「そこのボサボサメガネ!止まれー」

ハアハアハアハアハア
止まれと言われて止まるやつが居るかよ。

怖いもの見たさで後ろを振り返ると、やはり数十もの男達に追われている。

怖いと思いつつ、この程度の奴らなら何とかなると、内心思っていた。
だから、だからあまり大声出さないで!
やつら、奴らが来るから!!

と、考えてしまったのが行けなかったのか…
噂をすれば影とはこのこと。
進行方向の目の前に仁王立ちの御二方。
好きね…仁王立ち。

ふざけている場合ではなかった。

「崎原睡蓮…覚悟しろよ?」
兵藤の目が獲物を捕らえた。

「さあ、狩の始まりです。」
二階堂の言葉に、同時にこちらに走ってきた。

止まれと言われて止まる馬鹿いました!

俺はキュッと足でブレイキをかけ、階段の手すりを使い、滑り落ちるかのように、下に降りた。

「やるじゃねえか!だが、風紀を甘くみんなよ?」
兵藤の言葉にはてなマークを浮かべると、降りた階には田島と小川が立っていた。

な、何という先読み、戦略、チームワーク!!俺にやらず、他に活かせ!!

だが、悪いな!捕まるわけには行かない!
2人の伸ばしてきた手を空中でひらりと躱して窓から外に飛び降りた。

チラッと見た時、4人の目がギョッと開いたのが見え、してやったりとニヤッと笑う。

二階ぐらいなら大丈夫なんだよ!

下に着地した俺は、ひらひらと二階の窓から見下ろす兵藤に手を振った。
その行為にピキッと青筋を浮かべる兵藤。

さて、と走り出そうとした瞬間、背後にドンッと音がした。

睡蓮と同じように、二階から飛び降りた兵藤の姿がそこにあり、その形相はマジモンの鬼!!

ひいいいいい!
もう、絶対振り返れない!!怖すぎる!!

助けて!!誰か!!鬼役に本物の鬼がいますよー!!

とにかく、走り走りまくり、また校舎に入り、思うままに走りまくった!
後ろを見なくとも、殺気がビンビン!居るのはわかってる!!このままじゃ体力がやられる!
何処かに隠れないと!!
ってか、あの兵藤オニ、本気になると無言なのね!更にそれが怖い!

考えろ俺!考えるんだ!
今現在は最上階の5階!逃げるとしたら下へ…
ふと、窓からあるものが見えた。
ピンッときた俺は、怖いが窓から飛び出した。

「バカヤロー!ここ5階!!」
兵藤は青ざめ、叫びながら慌てて窓から顔を出す。

下を覗き、睡蓮が落ちていないことに胸を撫で下ろす。
「心配してくれたんですね?優しいとこもありますね。」

上から聞こえる声につられて見上げると。垂れ幕のロープをくるくると持ち上げている睡蓮が屋上にいた。

「いやー。一か八か!なんてね。以前中学でも同じことしたことがあってw学校の屋上から吊るす垂れ幕って、太いロープで吊るされてるから意外と頑丈なんですょ?」

ニコニコ喋る睡蓮に上を向いたままポカンとする兵藤。

「そのロープが見えたから掴んで屋上に!同じことされると困るんで、片付けますね?しかも屋上って鍵掛けられるんですよ♡安心して時間いっぱいここにいますね?」

まだ、状況が飲み込めないのか、唖然としている兵藤が可笑しくて、ニヤニヤがとまらん!!

徐々に理解し出した兵頭のこめかみにまた、青筋が現れる。

そんな顔しても、もう怖くないもんねー!!

「おまえ…絶対捕まえてやる!!」

ふふ、どう捕まえるおつもりで?

ケタケタと屋上から兵藤を見下ろすことを楽しんでいた。

いたが、瞬間的に背後に殺気を感じで、意志よりも先に身体が反応して、絡みついてこようとする腕から逃れる。

なんで!?鍵はかけたはず!

「どうした!睡蓮!?」
何かを感じ取ったのか、兵藤が下から叫ぶ。

驚きと共に、そのいる筈の無い人物から間合いをとる。

「…生徒会長…。」

「何!!西園寺がいるのか!?」
兵藤の問いに答える余裕がない。

この閉ざされた空間で、獰猛な百獣の王と対峙しているかのように緊張が走る。

ゆっくりと姿勢を正し、余裕の笑みを浮かべているが、瞳は以前見た時より鋭く獰猛で、こちらの隙を伺っている。

「やはり来たか。崎原睡蓮。」
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