何故私が呼ばれたの?彼らに望まれたチート級聖女!

B介

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光り輝く2つの太陽に照らされる中、薄暗い地下では5人の男達を中心に、神官たちが周りを囲んでいた。


床に書かれた複雑な紋様の上で円を描く様に並ぶ5人の男達。


「これで、儀式は終了だな?仕事がある。離れて良いか?」

5人の中で1番のガタイを持つ男が眉を寄せながら神官に目をやる。


「まだなりません。儀式後は月が登るまで待つ決まりです。」

年老いた神官の言葉にため息が漏れる5人。


「こんな儀式をするより、対策を練った方が早いのでは?何百年の内、最初の2回しか成功してないんでしょ?」

ここ最近の激務に凝り固まった肩を揉む2人目の男をジロッと睨む神官。


「最近の瘴気の量は勝手の2倍です。どんなに対策を立てようと、呪われし身体となっては国は滅びます。」


「神官の言う通りだ。確かに何百年と失敗している儀式だが、やらぬよりはやったほうが良いだろう。それに、国に必要とされる国宝と呼ばれる人物しか、この儀式に参加出来ぬ。呼ばれた事にまず、誇ろう。」

椅子に腰をかけ、紋様を眺める3人目の男に、周りも頷き、頭を下げる。


「しかし、初めて知った儀式だが、今まで現れなかったのも頷ける。まさか、選ばれた者たちが願う人物像に近いものが召喚されるとは。」


「確かに。この世の瘴気を消し、世界を救う聖女となると、想像と欲求は強くなりますね。当てはまる者など出てきますかね。」

足元を腕を組みながら見つめる4人目の男。


「して、では皆は何を願ったのだ?」

1番年上であろう5人目の男が口元を笑わせて、他4人の男に目をやる。


「私は、心身ともに美しく、どんな瘴気にも負けぬ聖女だ。」

「私は、瘴気を無くすのは勿論、瘴気のせいで増えた魔物も倒せる強く美しい者を浮かべた。」

「強さだけでもダメだ。私は高い知性を持ちこの国のために尽くす責任感のある美しい聖女を浮かべた。」

「聖女は一度召喚したら、帰れない。であれば、民を思う優しさ、そして民を引っ張っていける力、カリスマ性を持った者を浮かべた。」


「俺は、やっぱり、この世で1番美しい奴だな。」


「「「…………」」」




「今回も無理じゃ無いか?」


ボソリと呟く男に、神官までも頷きたくなる。


「あれほど、要求はなるべく抑えて下さいと申したのに…」


頭を抱える神官に、気まずい5人は視線を合わせた。


「まとめると、心身ともにこの世で1番美しく、瘴気に負けぬ、強く、知性があり、カリスマ性と責任感がある者か……」


いないだろ!!


と、誰しもが、ツッコみたくなった。



「お前ら、何故その様に欲をかく?聖女は瘴気を消せればいいであろう?」


椅子に座る男はイライラした様に他の4人を睨む。


「いや、知性も必要かと。召喚し説明しても分からず、理解に時間がかかっては困ります。」

「強さも必要だ。聖女の力によっては瘴気の1番強い場所に行が無ければならない。すると魔物にも関わるだろう。守りはするが、強いに越した事はない。」


「カリスマ性、責任も同じこと。嫌われるような聖女じゃ意味がない。何百年前の文献の聖女なんて酷かったでしょう?」


すると、4人の目が1番年上の男へ向いた。


「な!お前らだって美しいと付けてただろ!?」


「美しい方が、民も崇めやすいからです。聖女として。」


「そうだ、この世で…は盛りすぎですね。」




男が責められる中、突如足元の紋様が光出した。


「なっ!ま、まさか!!」


「い、いるのか!?そんな聖女が!!」



驚きつつ、その紋様から数歩離れた瞬間、光はより強く、辺りを包んだ。











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