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4話  泣けば許されるとでも思ってるんですか

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 「お母様、苦労ではなく努力をして下さい。
苦労はどんなクズでもできますよ。
お母様のようなクズでも苦労するだけなら出来るんです。
そもそも苦労するのは努力してないから苦労する破目になるのでしょう」
 努力しないクズは苦労自慢が好きと決まっています。
何一つ努力しないので苦労する破目になっているのに、
何も努力してこなかった事は話さず苦労してきたと悲劇のヒロインぶります。
 「私をクズ呼ばわりかしら」
 え!本当の事なのに何故聞き直すのでしょう。
 「ええ、お母様はクズだからクズだと言って何が悪いのかしら」
 何の文句があるのでしょう。
クズと言われるのが嫌なら言われないようにすればいいだけなのに。
何故そうしないのでしょうか。
クズの考える事を想像すると胸糞悪くなります。
 「お母様はクズよ。間違ってなんてないわ。クズ」
 私も、お母様にクズなんて本当の事を言うのは辛いんですよ。
出来れば言いたくはないんです。
でもお母様のためを思えばこれは仕方のない事なんです。
 「はぁ、娘にこんな事言わせないで下さいクズ」
 悲しくて泣きたいです。
でもそこで泣かずに行動するのが優秀な私です。
クズはすぐ泣きます。
お母様もすぐ泣きます。
泣けば許されるとでも思ってるんでしょうか。
子供の頃からずっと両親に甘やかされて育って、泣けば許されるというのが染みついているのでしょうね。
 「いい加減にしなさいよ。それ以上無礼な事を言っては許しませんよ」
 「えー?私無礼な事なんて言ってないんですが。
どこに無礼な発言があったのでしょうか。
私、お母様のようにクズじゃないからクズの考えって理解できないのよ。ごめんなさいね。
クズのくせに有能者様と普通に話してるのがおかしいんじゃないかしら。
私のような有能者様にも分かるように喋ってねクズお母様」
 「もう怒っttt」
 「にっかり堂のガトーショコラを食え」
 お母様はにっかり堂のガトーショコラを口に入れられまともに喋れません。
 「喋る知能さえも失くしてしまったんですか。もう人ではありませんね」
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