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113話 懐刀
しおりを挟むまた、意識が薄れてきました。
さっきと間隔が短すぎるんですけど。
これ、誰かの好感度レベルが上がる度に、あの紳士と会わなければないんでしょうか。
私、紳士とか興味ないんですけど。
「お客人」
「また会ったな」
「さっき会ってから30分も立ってないわよ」
「好感度を上げているようだね」
「良い事だ」
「あのさ、紳士さん」
「もっと何か具体的な話してくれるとか」
「役立つ情報を提供してくれるとか」
「美少女を代わりに配置するとかさ」
「何かしてくれないとね」
「私、好感度レベルが上がるたびに」
「いちいち貴方と会いたくないのよね」
「まずは、地盤固めといった所か」
前回と同じく、こちらの話は無視しして話を進めますね。
「懐刀の好感度をレベル2に出来たこと」
「これは幸運な事だ」
「懐刀ね」
小羽玖ちゃんは、そんな役回りなんでしょうか。
今まで頭が良いとか策略家な片鱗なんて見てませんが。
ま、今回の紳士との望まぬ逢瀬は、これだけでも得られるものがあったとしましょう。
「彼女は必ずや、お客人の力になってくれる」
だろう、とかではなく、なってくれる。なんですね。
「その調子で、好感度レベルを上げていくといい」
はぁ。フルダイブ型VRMMORPGってそういうものでもないと思うんですが。
また、意識が薄らいできました。
「次は、美少女を配置しておいてちょうだい」
「私、紳士とか興味ないんで」
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