2 / 3
希望かな。
しおりを挟む
「茜ちゃんは…バレンタインのチョコ、手作りするんだって!」
デートで繋いでいた手を、琴音さんは軽く引っ張りました。
「だから、私も。」
隣を歩いていた、宏和君の表情が歪みます。
「ダーメー」
「えー 何でぇー」
「…去年の惨状を、忘れたの?」
「い、一生懸命、作ったのに!」
「手作りチョコに必要なのは…結果なんだよ?」
「ひーどーいー」
琴音さんが膨らませた頬を、宏和君は指で突付きました。
「作った本人にも食べられなかったものを…一口とは言え口にした人間に、そう言う事 言うかな」
「ヒロは…私からのバレンタインチョコ、欲しくないの?」
「…普通に食べられるチョコが希望かな。」
----------
「別に、市販のでも…」
宏和君の言葉を遮るように、琴音さんは突然立ち止まります。
「…分けてもらう事にする!」
「は…?!」
「茜ちゃんにお願いして…チョコ、少し多めに作って貰えば…」
繋いでいた手を引っ張られる形で、軽くつんのめる宏和君。
「琴ちゃん…」
「なぁーに?」
「─ バレンタインチョコが、他人の手作りと言うのは…どうなんだろう」
「茜ちゃんは他人じゃない! 私の親友なんだから!!」
「いや、そう言う問題じゃなくて…」
「…じゃあ、ママに作って貰う」
「えーと、琴ちゃん?」
「ママを、他人だって言うつもり?!」
「だから…そう言う事じゃなくてね。。。」
----------
「…落ち着いた?」
隣に寄り添って背中をさする宏和君に、琴音さんが頷きます。
「んー」
「どうして…手作りに拘る訳」
「うー」
琴音さんは、唇を噛みました。
「─ 彼氏チョコが市販品なのは、負けた気がする」
背中をさすっていた宏和君の手が止まります。
「じゃあ…チョコ、作れば?」
「え? 良いの!?」
「…僕が手伝うよ」
「ヒ、ヒロは…作れる人なの?」
「経験はないけど、多分 琴ちゃんよりはマシ」
再び背中をさすり始る宏和君
その手から、琴音さんが逃げます。
「わ、私の方が…ちゃんと作るれるんだからね!!」
----------
バレンタイン当日。
「はいヒロ。ハッピーバレンタイン♡」
「─ 結局作ったのは、僕だけどね。。。」
デートで繋いでいた手を、琴音さんは軽く引っ張りました。
「だから、私も。」
隣を歩いていた、宏和君の表情が歪みます。
「ダーメー」
「えー 何でぇー」
「…去年の惨状を、忘れたの?」
「い、一生懸命、作ったのに!」
「手作りチョコに必要なのは…結果なんだよ?」
「ひーどーいー」
琴音さんが膨らませた頬を、宏和君は指で突付きました。
「作った本人にも食べられなかったものを…一口とは言え口にした人間に、そう言う事 言うかな」
「ヒロは…私からのバレンタインチョコ、欲しくないの?」
「…普通に食べられるチョコが希望かな。」
----------
「別に、市販のでも…」
宏和君の言葉を遮るように、琴音さんは突然立ち止まります。
「…分けてもらう事にする!」
「は…?!」
「茜ちゃんにお願いして…チョコ、少し多めに作って貰えば…」
繋いでいた手を引っ張られる形で、軽くつんのめる宏和君。
「琴ちゃん…」
「なぁーに?」
「─ バレンタインチョコが、他人の手作りと言うのは…どうなんだろう」
「茜ちゃんは他人じゃない! 私の親友なんだから!!」
「いや、そう言う問題じゃなくて…」
「…じゃあ、ママに作って貰う」
「えーと、琴ちゃん?」
「ママを、他人だって言うつもり?!」
「だから…そう言う事じゃなくてね。。。」
----------
「…落ち着いた?」
隣に寄り添って背中をさする宏和君に、琴音さんが頷きます。
「んー」
「どうして…手作りに拘る訳」
「うー」
琴音さんは、唇を噛みました。
「─ 彼氏チョコが市販品なのは、負けた気がする」
背中をさすっていた宏和君の手が止まります。
「じゃあ…チョコ、作れば?」
「え? 良いの!?」
「…僕が手伝うよ」
「ヒ、ヒロは…作れる人なの?」
「経験はないけど、多分 琴ちゃんよりはマシ」
再び背中をさすり始る宏和君
その手から、琴音さんが逃げます。
「わ、私の方が…ちゃんと作るれるんだからね!!」
----------
バレンタイン当日。
「はいヒロ。ハッピーバレンタイン♡」
「─ 結局作ったのは、僕だけどね。。。」
0
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
夫から「用済み」と言われ追い出されましたけれども
神々廻
恋愛
2人でいつも通り朝食をとっていたら、「お前はもう用済みだ。門の前に最低限の荷物をまとめさせた。朝食をとったら出ていけ」
と言われてしまいました。夫とは恋愛結婚だと思っていたのですが違ったようです。
大人しく出ていきますが、後悔しないで下さいね。
文字数が少ないのでサクッと読めます。お気に入り登録、コメントください!
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる