34 / 67
リョウ
5
しおりを挟む
「ほら。 俺の勝ちだな」
姫乃はみるみるうちに自分の顔が赤くなっていくのが分かった。
「アンタのダチに手ぇ出したりなんてしない から安心しなよ」
そう言ったリョウの視線の先を見ると、外に連れ出してもらった友達が心配そうに姫乃を呼んでいた。
「ほら、行けよ」
スッと覆い被さっていた体を起こし、顎で出口を指した。
姫乃は赤い顔のままおそるおそる立ち上がり、言葉通り出口へ一歩踏み出そうとする。
「あ、言い忘れてたけど」
背中から声が追ってきて、姫乃は訝しげに振り返った。
「な、何よ」
「お前はもう俺のモンだから」
「なっ―!?」
今でも十分赤かった顔がさらに真っ赤に染まっていく。
「『私と付き合いたかったら私に勝ってみなさい』だろ?
東豊中学3年2組、相川姫乃チャン?」
リョウはそう言いながら、覗き込むようにして上目遣いでニヤリと笑う。
その色っぽい瞳に、姫乃は思わず目を逸らした。
「あ、あんたとは正式な決闘はしてないでしょ!」
「ふーん?
じゃあ今する?どうせ俺が勝つけど」
得意気に答えるリョウの言うとおり、私はきっとこいつには敵わないだろう。
「冗談でしょ!私今疲れてるの。不公平よ!」
悔しいけど、逃げるが勝ちだ。
姫乃はリョウに背中を向けて足を前に出した。
「好きな奴でもいんの?」
姫乃はみるみるうちに自分の顔が赤くなっていくのが分かった。
「アンタのダチに手ぇ出したりなんてしない から安心しなよ」
そう言ったリョウの視線の先を見ると、外に連れ出してもらった友達が心配そうに姫乃を呼んでいた。
「ほら、行けよ」
スッと覆い被さっていた体を起こし、顎で出口を指した。
姫乃は赤い顔のままおそるおそる立ち上がり、言葉通り出口へ一歩踏み出そうとする。
「あ、言い忘れてたけど」
背中から声が追ってきて、姫乃は訝しげに振り返った。
「な、何よ」
「お前はもう俺のモンだから」
「なっ―!?」
今でも十分赤かった顔がさらに真っ赤に染まっていく。
「『私と付き合いたかったら私に勝ってみなさい』だろ?
東豊中学3年2組、相川姫乃チャン?」
リョウはそう言いながら、覗き込むようにして上目遣いでニヤリと笑う。
その色っぽい瞳に、姫乃は思わず目を逸らした。
「あ、あんたとは正式な決闘はしてないでしょ!」
「ふーん?
じゃあ今する?どうせ俺が勝つけど」
得意気に答えるリョウの言うとおり、私はきっとこいつには敵わないだろう。
「冗談でしょ!私今疲れてるの。不公平よ!」
悔しいけど、逃げるが勝ちだ。
姫乃はリョウに背中を向けて足を前に出した。
「好きな奴でもいんの?」
0
あなたにおすすめの小説
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
婚約者の幼馴染?それが何か?
仏白目
恋愛
タバサは学園で婚約者のリカルドと食堂で昼食をとっていた
「あ〜、リカルドここにいたの?もう、待っててっていったのにぃ〜」
目の前にいる私の事はガン無視である
「マリサ・・・これからはタバサと昼食は一緒にとるから、君は遠慮してくれないか?」
リカルドにそう言われたマリサは
「酷いわ!リカルド!私達あんなに愛し合っていたのに、私を捨てるの?」
ん?愛し合っていた?今聞き捨てならない言葉が・・・
「マリサ!誤解を招くような言い方はやめてくれ!僕たちは幼馴染ってだけだろう?」
「そんな!リカルド酷い!」
マリサはテーブルに突っ伏してワアワア泣き出した、およそ貴族令嬢とは思えない姿を晒している
この騒ぎ自体 とんだ恥晒しだわ
タバサは席を立ち 冷めた目でリカルドを見ると、「この事は父に相談します、お先に失礼しますわ」
「まってくれタバサ!誤解なんだ」
リカルドを置いて、タバサは席を立った
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
【3月中ーー完結!!】
私は、夫にも子供にも選ばれなかった。
二十年の裏切りの果て、その事実だけを抱え、離縁状を置いて家を出た。
そこで待っていたのは、凍てつく絶望――。
けれど同時に、それは残酷な運命の扉がひらく瞬間でもあった。
夫は愛人と共に好きに生きればいい。
今さら「本当に愛していたのは君だ」と縋られても、
死の淵を彷徨った私には、裏切ったあなたを許す力など残っていない。
「でも、子供たちの心だけは、
必ず取り戻す」
妻にも母にもなれなかった伯爵夫人イネス。
過去を悔い、歪な愛でもいいと手を伸ばした彼女が辿り着いた先。
それは、「歪で、完全な幸福」か、それとも――。
これは、"石"に翻弄された者たちの、狂おしい物語。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる